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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第三十七話 Volcano

 
前書き
メモリアルホールを後にしたエックス達はミッションを再開する。
 

 
万全の状態となったルインはサイバーエルフ・ソニアと共に火山地帯に来ていた。

ソニア[熱い~…]

ルイン「確かに熱いね…まあ、ドラグーンの特性上、此処ほど彼の真価を発揮できる場所は無いだろうね」

かつての大戦でシグマに従っていたバーニン・ナウマンダーやフレイム・スタッガーに匹敵する程の炎を操る内部機関を持ち、爆発的な瞬発力を誇る。
スタッガー以上の卓越した格闘技術に、ナウマンダーでは及びのつかない火炎の操作技術。
エネルギーの収束、拡散により火炎を圧縮し温度を高めたり、広範囲の相手を相手取ることも可能だ。
更に火炎を身に纏うことで格闘戦能力を底上げ出来る。
更にこういうマグマが吹き出るような場所はドラグーンの力を更に引き上げてくれる。

ルイン「とにかく今は前に進まないと!!ソニア、私の能力の底上げをお願い」

ソニア[うん。サテライトするよ]

ルインの身体が光に包まれ、力が漲る。
気のせいか、熱さが和らいだように感じた。
火山岩に気をつけながら奥に進む、途中のライドアーマー部隊とメカニロイドをものともせずに切り裂き、撃ち払う。

ルイン「新型のライドアーマー、ライデンか…相手も本気のようだね……」

このライドアーマーはレプリフォース軍兵器開発部が近頃ロールアウトした最新型ライドアーマーの1つで主に白兵戦を想定した設計が為されている。
背部のジェットブースターによる迅速な機動力と高出力電磁ブレードを備えた純然たる兵器用ライドアーマーである。
その性能はかつてVAVAが愛用していたライドアーマーにも匹敵する程だ。
因みにイレギュラーハンターが今まで使用していたライドアーマーの“ラビット”、“キメラ”、“カンガルー”、“フロッグ”、“ホーク”は作業用ライドアーマーに無理やりに武器や潜水、ジャンプ等の機能を持たせて戦闘用にしたものであった。
このタイプのライドアーマーに能力の限界を見たレプリフォース軍は、初めから戦闘のみを想定したライドアーマーの設計に入り、2体のプロトタイプを完成させた。
それが、地上での白兵戦を想定した“ライデン”と空中での迎撃、防衛戦を想定した“イーグル”の2体である。
この2体は実験機であったのにも関わらず、模擬戦で優秀な成績を収めたため、そのまま量産となった。
因みにイーグルは、背部にある可変翼とジェットパックを併用し、ラビットやホークでは不可能だった長時間の滞空飛行を初めて可能にした。
空中からも撃てるバルカン掃射の他、優秀な追尾能力を持ったエネルギー弾での攻撃も装備している。
それにより、地上の敵に対しても非常に高い戦果が得られることが確認された。

ルイン「そういえばライドアーマーを使い始めたのはVAVAだったね」

本来土木工事用の機械に過ぎなかったライドアーマーのパワーと汎用性に着目し、日々の任務の中で自らその性能を実証する事で兵器としてのライドアーマーの有効性を世間に示した第一人者はかつて特A級のイレギュラーハンターでルインの先輩だったVAVAである。

ルイン「ライデンの性能は凄いけどね…」

フルチャージショットをライデンに放ち、その後に雷神撃を喰らわせ、破壊した。
ライデンの性能は凄まじいが、ルインの敵ではない。
VAVAと同等の操縦技術を持つ者などこの世に存在しないのだから。

ルイン「(それを考えるとVAVAはやっぱり凄かったんだよね…)」

今では最悪のイレギュラーの1人ではあるが、ルインはエックス同様にVAVAのことを今でも尊敬している。
彼女はVAVAのことを誰よりも知っているつもりではいる。
VAVAの例え相手が誰であろうと屈しない、見る者には愚かとも感じられる類まれな孤高の精神を彼女は知っている。
誰にも縋ることも頼ることもなかったエックスやゼロですら持ちえなかった強靭な意思。
そしてそれから引き出される異常なまでの圧倒的な強さ。
今でも彼と共に過ごした記憶は色褪せてはいない。

ルイン「私を倒したいならVAVAと同じくらい強い奴を連れて来い!!」

ZXセイバーを構えてライデンを破壊していくルイン。
そうやって彼女は徐々にではあるが敵の包囲網を突破し、確実に最奥へと近付いていった。
その時であった。

『ルインよ…』

ルイン「え?」

聞き慣れた声が聞こえてきた。
それに引き寄せられるようにルインは奥へと歩いていく。



































ルインはライト博士の気配を感じる方角に向かって走り出す。
やがて目の前に現れるのは見慣れたカプセル。
ライト博士も柔和な笑みを浮かべてルインを迎えてくれた。

ライト『よく此処まで来てくれたルインよ。ここではボディパーツを授けよう』

正直話を聞く時間も惜しい状況ではあるのだが、ルインはじっとライト博士の声に耳を傾ける。

ライト『このボディパーツはダメージを軽減するだけではなく、以前にエックスに授けた2番目のアーマー、セカンドアーマーのボディパーツと同様の機構を備え、敵から受けるダメージをエネルギーとして吸収し攻撃する事が出来るのじゃが、広範囲に攻撃エネルギーを放出するギガクラッシュとは違い、蓄積されたエネルギーを全身に纏い一転集中で攻撃を行う事で、より効率的に敵にダメージを与える事が出来るのじゃ。名付けて“ノヴァストライク”。但し一度使用すると膨大なエネルギーを消費する上にエックスの身体にも多大な負荷が生じる。ここぞと言う時に使用するようにとエックスに伝えて欲しい』

ルイン「分かりました。エックスに伝えておきますね」

ライト『後はこれを君にじゃ。最後の強化チップ。これで君の強化も終わりじゃ』

ルイン「はい」

ルインは迷い無くカプセルに入ると新たな力とパーツを授かる。

ライト『ルイン、エックス達と共にこの哀しき戦いに終わらせるために全力を尽くすのじゃ。わしは何時でもお前達を見守っておるぞ』

ルイン「ありがとうライト博士。それから質問なんですけど」

ライト『何かな?』

ルイン「何でエックスに竜巻旋風脚を教えてくれないんですか?私、エックスの竜巻旋風脚見たかったのに!!」

ライト『わしにそんなことを言われても…そういうのはスタッフに言ってもらいたいのだが…』

ルイン「それメタ発言!!」

危ない台詞を言うライト博士にルインは竜巻旋風脚を諦めることにした。





































ボディパーツを転送したルインは、ライドアーマーに乗り込み、マグマを突破する。
ライドアーマーを乗り捨てると、そこには司令部を裏切った元イレギュラーハンター、マグマード・ドラグーンがいた。

ドラグーン「ルイン、お前が来たか」

ルイン「どうして裏切ったのドラグーン。あんなに誇り高かった武人だった君が」

ドラグーン「それを知りたいのならば俺と戦え」

ルイン「イレギュラーハンター同士の私闘は禁じられている。私は君を連れ戻すように言われているんだ」

ドラグーン「相変わらず甘いな。いいことを教えてやろう。スカイラグーンの動力炉を破壊し、地上に墜としたのは俺だ」

ルイン「っ!!…何だって…?」

ドラグーン「最高の気分だった。偽りの平和に飼い馴らされた奴らの恐怖に引き攣った顔を見るのはこの上ない愉悦だった」

ルイン「へえ…」

ルインの表情から感情が消えていき、身体から凄まじい殺意が滲み出る。

ドラグーン「何という凄まじい殺意だ…面白い。貴様ほどの才能をただ破壊の為だけに向けるとどれ程の力を発揮するのか…。」

ルイン「イレギュラーを連れ戻す必要はない。ここで破壊してやる。今の私にハンターとしての力は必要無い。お前は私の中のイレギュラーが相手をしてやる…ソニア、少し眠ってて」

その言葉の意味は、一切の慈悲も捨てて破壊衝動や殺意に従い自分を殺すというのだろう。

ドラグーン「お前に俺を倒せると?」

ルイン「倒すんじゃないよ。跡形も無いほどバラバラにしてあげる」

ドラグーン「大きく出たな…やれるものならやってみろ!!」

ルイン「真空刃!!」

ZXセイバーを鋭く振るい、風属性の衝撃波がドラグーンに迫る。
ドラグーンは大きく跳躍し、炎を纏った蹴りを繰り出すがルインはそれを横に動いてかわす。

ドラグーン「波動拳!!波動拳!!波動拳!!」

ルインに向けて、放たれる火炎。
それをダブルジャンプで回避し、ローリングスラッシュを浴びせ、次の瞬間に三連撃を浴びせる。

ドラグーン「ぬうぅ!!」

ルイン「本気で来てくれない?本気でやらないと意味ないでしょ?本気の君を瞬殺してあげる」

ドラグーン「後悔するなよルイン!!」

ルインの言葉に呼応するかのようにドラグーンの全身から、途轍もない殺気が迸り出た。

ルイン「君に対しては私の中のイレギュラーを抑える必要はないからねえ…圧倒的な力の差を教えてあげるよ」

ドラグーン「昇竜拳!!」

ルイン「オーバードライブ」

炎を纏った拳から繰り出されるアッパーカットをかわしながらオーバードライブを発動する。
朱いオーラがルインの身体を包み込み、戦闘力が通常の2倍に上昇する。
オーバードライブの欠点は時間制限があることとダメージを受ければ強制的に解除されてしまうこと。
故に短期決戦が要求される。

ルイン「フルチャージ」

昇竜拳は威力こそ絶大だが、かわせば大きな隙を曝してしまう。
それを狙い、ドラグーンの腹部にフルチャージショットを喰らわせる。

ドラグーン「ぐはっ!!?」

吹き飛んだドラグーンに追撃をかけるように通常弾を連続で放つ。
オーバードライブで威力が倍化した通常弾がドラグーンを襲う。
爆炎が起きるがルインはただそれを見つめる。

ドラグーン「ぐぬう…こ…この俺が…これしきの事で!!」

全身に走る激痛に耐えつつも無理矢理に立ち上がるドラグーン。

ルイン「あれ?何だ。まだ生きてたの君。瞬殺宣言した手前これはちょっと恥ずかしいかなぁ?まあいいや。それならそれで私の気が済むまで付き合ってもらうから。」

オーバードライブの制限時間は1分。
せいぜい付き合ってもらうとしよう。
セイバーモードに切り換え、ドラグーンに向ける。

ドラグーン「波動拳!!波動拳!!波動拳!!波動拳!!波動拳!!」

波動拳をルインに向けて連続で放つが、それをかわしながらドラグーンに肉薄する。
ZXセイバーが閃き、ドラグーンの四肢が弾け飛ぶ。

ドラグーン「ぐああああああああああああああああ!!!!」

ドラグーンの苦痛の叫びが響き渡る。

ルイン「あれ?痛い?苦しい?それはよかった。でもね、スカイラグーンの人達は君の何倍の痛みと恐怖を味わったんだよ?」

ドラグーンの右肩を踏み砕くと次に動力炉、ドラグーンの身体を次々と砕いていく。
辺りにはドラグーンだった破片が飛び、血液が飛び散り、凄惨な光景を生み出した。
全身にドラグーンの血液を浴びたルインは気にせず、肩にかかった髪を払うと、ハンターベースに戻る。
自分の中で歓喜の咆哮を上げるイレギュラーを必死に押さえ込みながら。 
 

 
後書き
ルインの中のイレギュラーが目覚め、ドラグーンを破壊。
次は…

特殊武器・必殺技入手

ルイン特殊武器

無し

ルイン必殺技

龍炎刃

ゼロの技と同性能。

エックス特殊武器

ライジングファイア

原作に準ずる。

ゼロ必殺技

龍炎刃

原作に準ずる。 
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