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『自分:第1章』

作者:零那
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『聴取/情』

朝早くに雪さんが部屋に来た。

『アンタ停学!警察行くよ!終わったら生活指導も来るけん!』

いやいや...
え~...
今度は何?
心当たりが多くて...
下手なこと言わんとこ。

取調室がまた嫌なんよなぁ。
目の前には見覚えのある日記帳!!

えっ!!
探し出したん!!
読んだん!!
いつから?
マジで...!!
なんで?
何書いてたっけ?

最近のページを開く。
遊鬼のこと。
遠藤さんのこと。
遡って、過去のこと。
念の為、ヤバいことは書いてなかった筈。
あ、本物の拳銃の事なんかな?

学校側に説明する時、施設側の立場が悪くなるからか知らんけど、零那は被害者立場になってた。


警察の人に聞いた。

『拳銃のこと?』

『それもある。〇〇(遊鬼の本名)には婦女暴行の前科が何回もある。もう1人は組織やけん証拠が挙がらんで引っ張れんのんじゃ。』

そっか、遊鬼はあんなことを何回もやってたんか...

『で、協力して貰うけんの!』

2人を逮捕する為の協力はしたく無かった。

でも、施設職員も知らん過去の犯罪歴や関与歴を詳しく調べ直して流しても良い。
鑑別か少女院には行くやろぉなぁ。って、脅迫された。

養父の時みたいに現場検証?みたいな写真撮らされて、署に帰ったら身体測定と写真、全指の指紋...

まぁ、零那自身犯罪者やから、こんなんされても仕方無いけど...今捕まるわけにはいかん。

聴取再開。
2人に不利になることは言わんかった。


帰ったら、生活指導が部屋に居た。
停学通告。
有り難迷惑な説法もどき。
2人の事が気になって右から左で頭に入らん。


生活指導が帰った後、別棟にある公衆に向かった。
事情を簡単に説明した。
現物はどうにかするって。
一応、役には立てたかな?


翌日、カウンセリングの後にまた聴取。
遠藤さん宅の見取り図を描けって。
で、銃、凶器各種、薬の置き場所を示せって。

銃に指紋付いてるし知らんってのは無理がある。

銃の場所を示した。
触ったのも言った。
種類を知る為に写真を見せられたから答えた。

薬や凶器も見せられたけど知らんって貫いた。

自分がやってることは、ほんの少しの時間稼ぎでしかない。
解ってる。
本人も。
いずれ捕まる。


停学中、何回も署で聴取。
遊鬼との経緯。
結果的に、被害者では無い事。

前科があるから微妙らしい。

それでも...
一瞬でも役に立てたなら...


 
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