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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第三十五話 Memorial Hall

 
前書き
ゼロとカーネルが対峙する。 

 
エアフォースから戻ったエックスはディザイアの姿を探していたが、どこにも見当たらないことに疑問符を浮かべていた。

エックス「ディザイアは何処に行ったんだ?」

ディザイアの部屋にもいないとなると、彼がどこにいるのか分からない。

ダブル「先輩!!」

ダブルがエックスに駆け寄る。

エックス「ダブルか、どうした?」

ダブル「こ、これを!!」

慌てたようにエックスにデータディスクを渡すダブル。
エックスはデータディスクを受け取り、司令室に向かう。


































司令室に向かうとデータディスクを機器に差し込み、司令室にいたゼロ達と共に内容を見る。

ディザイア『エックス隊長、ルイン副隊長…私は命令無視した挙げ句フクロウルに敗北しました。全ては…私の責任です…ハハ…。私は、駄目な奴です…。前に所属していた部隊では、いつも役立たず扱いされて………ここに来て、ようやく第17番精鋭部隊の一個小隊を任せられたのも束の間…全て台無し…です…それもこれも…私に力がなかったから…。力が欲しい…力が欲しいよ…。力を手に入れ…レプリフォースを…イレギュラーを…滅ぼし…今度こそ…英雄になってやるんだーーーーーっっっ!!!!!!』

ディザイアの叫びに思わずエックス達は目を見開いた。
彼の心の奥底にある負の感情を見た気がしたからだ。

ゼロ「まずいな、あいつが何を仕出かす気か知らんが、このまま放っておくとどうなるか分からん」

ルイン「うん、何とか彼を探さないと」

アイリス「あ…レプリフォースから、メッセージが来ています」

ルイン「カーネルだね…」

カーネル『ゼロ!我らと雌雄を決する度胸があるならば我がレプリフォース本部のメモリアルホールに1人で来い。待っているぞゼロ!!』

それを聞いたゼロは表情を険しくしながらもメモリアルホールに向かおうとする。

アイリス「待って、ゼロ!!兄さんと戦わないで!!」

ゼロ「…アイリス、これはハンターとレプリフォースの誇りを賭けた戦いだ。逃げるわけにはいかない。出撃する!!」

アイリス「あ…」

悲しげにゼロの後ろ姿を見つめるアイリスにエックスはゼロが去って行った方とアイリスを交互に見遣る。

ルイン「…全く、どっちも堅物だよね。」

エックス「え?」

ルイン「行こうアイリス」

アイリス「え…?」

ルイン「このままここにいて何もしないなんて絶対に後悔するよ?何もしないで後悔するより、精一杯やってから後悔した方がずっといいよ」

アイリス「ルイン…」

エックス「そうだね…俺もゼロとカーネルを死なせたくはない。行こうアイリス、俺達が守るから心配しなくていい」

アイリス「ええ、私もメモリアルホールに行くわ。ゼロと兄さんに死んでほしくはないから」

ルイン「急ごう、今ならまだ間に合う」

エックス達が司令室を飛び出し、メモリアルホールに向かって駆け出す。
それを見ていたダブルは冷たい笑みを浮かべていた。
エックス達が揃っていなくなってくれるとは好都合だ。
ダブルの通信機にディザイアからの報告。
どうやらルインのデータの入手に成功したようだ。

ダブル「さてと、あの方に報告するかな…」

ぼやきながら自室に向かうダブルの姿を見た者は誰もいない。



































メモリアルホールに赴いたカーネルは目を閉じながらゼロを待っていた。
そしてゼロの気配に気づき、目を開いた。

ゼロ「カーネル…」

カーネル「来たか」

ゼロ「見損なったぞカーネル。いくらイレギュラー認定されたからとは言え、こんな馬鹿げたことをするとはな」

カーネル「………」

ゼロ「今からでもまだ遅くはないはずだ。クーデターを中止しろ。カーネル、アイリスを悲しませるな」

カーネル「…断る」

ゼロの説得に対し、カーネルは却下する。

カーネル「お前達イレギュラーハンターは我々レプリフォースの信念を汚した。それだけは許すことは出来ん」

ゼロのZセイバーとカーネルのビームサーベルに同時に光の刃が形成され、2人は互いに睨み合う。

ゼロ「そうか…行くぜ!!」

一気に加速し、Zセイバーを振るうゼロにカーネルもビームサーベルで受け止める。
Zセイバーとビームサーベルがぶつかり合う度に放電現象が起きる。

ゼロ「はっ!!」

カーネルに向けてゼロはZセイバーの三連撃を繰り出す。

カーネル「くっ!!」

しかし、ゼロの連撃は見極められ、弾かれる。
やはりカーネルの反応速度は凄まじい。

ゼロ「チッ!!」

カーネル「フッ!!」

舌打ちするゼロに対し、ビームサーベルを振るい、衝撃波を連続で放って来るカーネルに対し、ゼロもダブルジャンプを駆使して回避し、Zセイバーを勢いよく振るう。

ゼロ「真空刃!!」

風属性の衝撃波がカーネルに凄まじい勢いで迫る。
カーネルはビームサーベルで弾くと凄まじい勢いで加速し、ゼロに袈裟斬りで切り掛かる。

ゼロ「当たるか!!」

咄嗟に屈んでカーネルの懐に入り、紅い分身をカーネルに飛ばす。

ゼロ「夢幻!!」

カーネル「ぐっ!!」

まともに受けたカーネルは僅かに吹き飛ばされるが、カーネルとて負けてはいない。

カーネル「グランドクラッシュ!!」

カーネルはビームサーベルを床に叩き込み、地を這う巨大な衝撃波をゼロに喰らわせた。

ゼロ「ぐわああああ!!」

直撃を受けたゼロは床に叩きつけられたが、すぐに起き上がる。

ゼロ「………」

カーネル「………」

互いに武器を握り締め、睨み合う両者。
そして再び切り掛かろうとした瞬間。

ルイン「そこまでだよ!!」

エックス「剣を引くんだ!!カーネル、ゼロ!!」

両者の間にエックスとルインが割って入る。
エックスはカーネルにプラズマチャージのXバスターを、ルインはゼロにZXセイバーを向けていた。

ゼロ「エックス!?ルイン!?」

カーネル「貴様ら、男同士の真剣勝負に横槍を入れるとは…!!」

アイリス「止めてゼロ!!兄さん!!」

カーネル「アイリス!?」

エックスとルインに食ってかかろうとしたカーネルは妹の声に反応してアイリスの方を見遣る。

アイリス「兄さん止めて、ゼロと戦わないで…ゼロ達は私の命を助けてくれたのよ!?」

カーネル「っ…し、しかし…」

エックス「カーネル。アイリスはあなたにとってたった1人の妹なんだろう?妹と誇り…どちらが大切だと言うんだ?」

エックスの言葉に揺らいだのか、カーネルはビームサーベルを納めた。

カーネル「…ここは引くとしよう。だが次は容赦しない」

去っていくカーネルを見つめながらエックス達も武器を下ろした。

ゼロ「アイリス、何故こんな無茶を…」

アイリス「あなた達に死んで欲しくはないから、エックスやルインに力を貸してもらったの」

ゼロ「お前達は俺が負けると思っていたのか?」

ルイン「違うよ」

アイリス「あなたの強さは私にも分かってる。でも、私はあなたや兄さんに傷ついて欲しくないの…ゼロ、兄さんと戦わないで。2人が戦えばどちらかがきっと…」

ゼロ「誰かがレプリフォースを止めなければならない…」

アイリス「ゼロ!!」

ゼロ「だが、俺もあいつを死なせたくはない。今回だって、あいつの手足を切り落としてでもお前に詫びを入れさせるつもりだった。」

アイリス「え…?」

ゼロ「あいつはどうしようもない馬鹿だが…それでも友であることに変わりはない」

アイリス「ゼロ…」

ルイン「全くゼロもカーネルも不器用だよね…」

苦笑しながら言うルインにエックスも苦笑しながら頷く。

エックス「(ゼロ…あの時のことを思い出したのかな…?)」

最初の大戦でVAVAに一方的に打ちのめされ、ルインを目の前で失ったことが堪えているのだろうか?

エックス「(そうだよね…ゼロ。大切な人を失う痛みと悲しみ…それは痛い程分かるから…)」

メモリアルホールを後にし、司令部からケイン博士の研究所からデータが盗まれたと知らされるのは間もなくであった。 
 

 
後書き
エックスとルインが介入。
もしX4のゼロ編でエックスがいたら確実に一緒に行きそうですが…。 
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