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真・恋姫†無双 リウイ戦記

作者:ツカ
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十三話

袁紹が逃げ帰った後、月は軍を動かし、袁紹の領内に進軍する。
董卓軍は無人の野を進軍し、袁紹の本拠地に迫った。

 袁紹軍本陣
「きーっ、あの成り上がりの小娘、よくもこの誉れある袁家の城に攻めて来るとわ、いい度胸ですわ。身の程を教えて差し上げますわ」
「でも、姫。皆逃げちゃって、籠城するしかありませんよ」
「なんですって!」

 董卓軍本陣
「敵の兵力は、二万程ね」
「そうですね、この兵力差ではおそらく、相手は籠城に徹するでしょう」
「それに袁紹側は兵糧の蓄えがある。日干しにする事は出来んだろうな」
「それと、この城の城郭からして、城門をこじ開ける事は時間が掛かるのです」
「となると、こちらとしては、投石機を使って、相手の出方を待つしかないわね」
「こちらは騎兵が多いから、こういう戦いは不利だからな。だが、後の為にも慣れた方がいいだろう」
「そうね。今、弱っている袁紹を早急に倒さないと、こちらの武威が軽く見られるわ」
「雲梯は持ってきてないのですか」
「資材は持ってきたわ。今、作っているところよ。五日程で全部完成するわ」
「では、総攻撃は六日後にするか」
「わかりました、じゃあ、そのように各陣に伝えて下さい」

  六日後 董卓軍前線

月は全軍の先頭に立ち、兵を鼓舞する。
「皆さん、これが天下に覇道を敷く最初の戦いです。相手の袁紹は名高き名家の生まれ。しかし、私が育てたあなた達の敵ではありません。恐れず進みましょう、この董仲穎に勝利を」
「「「「「「おおっー」」」」」

董卓軍の総攻撃が始まり、雲梯から城壁を乗り越えて各陣から袁紹の城に乗り込んで行った。
乗り込んだ董卓軍は、袁紹の城を蹂躙し、壊滅的打撃を与えていく。
そんな中、城内の一角だけが董卓軍の猛攻に耐えている陣があった。
そのことに疑問を持ったリウイは傍らにいるパイモンに質問した。
「あそこは、一体どこのだれが指揮を執っている」
「確か…、程昱と郭嘉という者だったはずです」
「どんな字だ」
リウイの問いかけにパイモンは、魔力で字を書く。
その名前を見たときリウイはあること思いだす。
「お前の欲しがっていた本に書かれていた者だな。確か曹操の軍師を務めるはずだった二人だな」
「ええ、私もそのように記憶しています」
リウイは一工夫思いついたらしく、本陣に入り、月と詠に進言した。
「程昱、郭嘉の二人を生け捕りにして、こちらの仲間に加えるというのはどうだろうか」
「程昱と郭嘉って、誰?」
「こちらの猛攻を耐えてる陣の指揮官だ、。中々、見込みがありそうだと思うが」
「あんたがそこまで言うなら私は異存はないわ」
「私もお兄様の意見に賛成です」
「では、各員にそのように伝えておくように」

そこに伝令が駆け込んできた

「報告します。エヴリーヌ様が、袁紹の館の入り口を突破しました」
それを聞いたリウイは本陣を詠に任せて、月と共に袁紹の元に向かった。

 袁紹の館
「エヴリーヌにしては、おとなしい壊し方だな。あいつも成長しているようだな」
「お兄様、早く、エヴリーヌさんの所に向かいましょう」
月とリウイはエヴリーヌのいる所に歩を進め、袁紹の館を進んでいく。

 謁見の間
謁見の間では数人の兵に守られている蒼白の袁紹と、エヴリーヌによって既に骸にされた文醜が視界に入った。
「あ!、お兄ちゃんやっと来たんだ。ねえねえ、エヴリーヌあんまり建物壊さなかったよ。えらい?褒めてくれる」
「ああ、よくやったな。偉いぞ」
リウイが褒めるとエヴリーヌはリウイにすり寄って来た。
「えへへ、お兄ちゃん大好き」
リウイはエヴリーヌをあやした後、袁紹に向き合う。
「エヴリーヌ、お前は周りの人間を始末しろ」
「はーい」
「袁紹は俺と月がやる。月、覚悟は出来ているな」
「はい」

月とエヴリーヌの返事を聞いたリウイは剣を抜き、袁紹に向かっていった。
リウイが迫って来た袁紹は、更に蒼白な顔つきになるが、それでも自身に残っている矜恃がリウイに対して虚勢を張る。
「えっ袁家に対してその様な狼藉、身の程を知りなさい」
「この状況で、それだけの虚勢を張れるとはな。しかし、お前の命もここまでだ」
「なっなんですって」
リウイの冷笑に怒りで恐怖を忘れ、剣を手に取り、リウイに切りかかった。
それを剣で受け止めると、リウイは落胆した。
「…お前の剣には重みが無い。少しは期待したが、所詮、家柄しか取り柄が無い落伍者。直ぐに終わらせる」
そう言ってリウイは、剣を袁紹に突き刺し、致命傷を負わせ、月に視線を向ける。
「月、止めを」
「はっはい」
そうして月は袁紹に近づき、懐に持っていた短刀を袁紹の首に当て、袁紹の首を討ちとった。
血だらけになった、月の手を見たリウイは月に語りかけた。
「これがお前の進む道だ。月、その覚悟は変わらないか」
「はい…。珀さんの前でも言いました。どれだけこの手が血に染まっても、この大陸に平和を取り戻してみせます」
「そうか」
月はリウイとエヴリーヌ連れ、本陣に戻った。程昱、郭嘉の二人は生け捕りにしたとの報告を受け、全ての軍事行動を停止した。

そして袁紹は滅び、月は袁紹の領地を手に入れ大陸一の勢力となった。
 
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