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『自分:第1章』

作者:零那
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『職場見学』

中3の夏休み、就職希望者の職場見学。
島特産品の工場は、佃煮、醤油、ごま油、すももジュース。
観光客が泊まる島で一番綺麗なホテル。
見て回った。

ホテルマンの仕事やフロントも難しそうだった。
工場は、醤油は大嫌いな豆が大量やったから無理かも。
すもも、島のはごっつい美味しい。ジュースより、もぎたてが一番やと思うけど。

昔、良く、すももの木から取って食べてた。
零那の命を保っててくれてたと言っても過言では無い。


就職活動、実は中2の頃からしてた。
何回も通報された。
担任からも校長からも怒られた。
早く家を出て行きたい。
行く宛を早く見付けときたかった。
寮がある所じゃないと。


待ちに待ち望んだ職場見学。
早く解放されたくてたまらん。
見学が終わって学校に帰って、何故か校長室にって指示された。

中2の時に怒られた校長とは違う。
中3になって新しく来た校長。
親友が職員室で妊娠発言した後、担任は警察の協力で家庭環境を把握してたらしい。

急に校則違反を怒られんくなったりもしたから、逆に凄く嫌だったけど...
あわれむような目で見られてるような気がして。

同情とかうっとかった。
何のたしにもならん。
無意味。


校長室で少し話して出るとき、スーツ姿の大人が数人はいって来た。


その日は、母さんのチャリ借りてスーパーに止めて学校迄歩いて来た。
とりあえず、すぐ帰るのは嫌やったけどスーパーに向かって歩いた。
早く帰って、わざわざ屈辱に耐えるのも馬鹿馬鹿しい。
親友に、スーパーに来て貰えるか、途中の公衆から電話した。
行けるよって言うてくれたから、逢えるのを楽しみにしてスーパーに向かった。


スーパーに着いてチャリ移動させよ思た時、校長室で入れ違いになったスーツ姿の大人数人に囲まれた。
『最近何したっけ...強制堕胎バレた?それとも...?何やろ...どれ?』心の叫び。


まず、名前聞かれたから答えた。
そしたら車に連れて行かれた。

その先は行き慣れた島の県事務所。
部屋には女の人と2人。
ケースワーカーらしい。
何が何やら。
理由は?
目的は?

遂に刑務所?
思い当たることが多くて...
何がバレたんか解らん。

どっちにしろ、あの家から解放されるなら何でも良かった。

親友が待ちよる。
その事だけが気がかりだった。
 
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