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『自分:第1章』

作者:零那
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『再婚』

小4になる前の春休み、母さんが『じぃちゃんち出て新しいお父さんとこ行くよ』って...

母さんはやっぱしキライ。

何ひとつ解ってない。
解ってくれるつもりも無いんやろうけど。

そんなキショイおっさんとやか住めん。
其れが好きなん?
意味解らん。
理解できん。
キショイおっさんが好きとか狂っとんちゃん!!


逃亡。家出。
京ちゃんのばぁちゃんちの屋根裏的な場所。
数日?数週間?
曖昧やけど放っとかれてた。
最終的には兄がオッサンと一緒に来て強制連行。


新学期から行けるようにしたかったらしく、4年のはじまりに転校。
3校目。

キショイおっさんの家はキショかった。
じぃちゃんちよりボロボロで山ん中。

ムカデ、ゴキブリ、ヘビ、クモ、ミミズ、ダンゴムシ...
あらゆるムシが多い上にデカイ!!
土が良いかららしい。
もぉ、それだけで地獄。

ムシ類、極度の恐怖症。
家ん中にもムシが堂々と居るのが許せんかった。
寝る時は、布団の横の襖にベッタリとバカデカイ家蜘蛛が張り付いてる。

寝れやせん、そんな家で。
ほんま出て行きたい。
こんな家イヤや。
汚いし。
どんだけ昔の家なん。
五右衛門風呂やし。
トイレは汲み取り式。


しかも底抜けたら其処に落ちるような...本当の昔のやつ。
天井はススだらけ。
いつの時代にタイムスリップして来たんかって感じの家でホンマ最悪。

こんな家なら1人でじぃちゃんち居る。
迷惑かけんって約束する。
悪さもやめる。
やから、じぃちゃんちに戻りたい。

そんな願いは受け入れて貰えず。
恐怖とストレスの日々。
京ちゃんとも逢えず。


兄と姉はオッサンに懐いて巧いことやってる。
零那は最初から拒否してたし、向こうも目の敵にしてきた。
好かれんかったんが気に入らんかったらしい。


学校行きだした。
オッサンは仕事してない。
帰りたくない。
精神的ストレスやら何やらで、おもらしするようになった。
いじめに遭った。
此のオッサン、此処らでは悪い意味で有名やったらしく...と、言っても、変態の方面で。

其れの子供になった事も原因のひとつやった。
でも、そんなん、あの家に帰ることに比べたら平気やった。
でも悔しいから...言い返したり、やり返したり。

やっぱ、やられっぱなしではおれん性格らしい。


全裸での身体測定。
筋トレと称したイジメ。
理不尽な言いつけと、それに対する理不尽なおしおき。
釣りばっかして仕事はせず。
零那をイジメる事が暇潰し。

釣り竿で肩からお尻迄しばかれては全身ミミズ腫れ。
五右衛門風呂用の薪を切りに山行って、斧で割って、一輪車に積んで暗くなる迄...何往復もした。
ムシだらけの山で。


体力的にも辛いけど精神的にもキツイ。
どんなに頑張っても、なんくせつけて確実におしおきやから。


いっそ、此の斧でドタマ割ったろかとか何回考えたことか。
でも、子供。
体勢的に無理がある。
チカラは、充分あった。
学校の体力計測(背筋力やら何やら測る方の)でも、異常って言われたくらい。
そりゃ異常な筋トレ強いられてるから。 
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