| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

東方夢想録

作者:茅島裕
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

博麗神社 編
博麗霊夢ルート
  第28話 操り亡霊

なぁ俺

俺は、この難解をどうくり抜けた?

なぁ...俺は、違う世界の俺はこのルートをクリアしたのだろう?
だから俺はここにいるのだろう? 違うか?

そして俺はこの無茶ぶりをクリアしてきたのか?
何度?

いや、頭の中かっぽじって考えろ
今現在、俺が行動していることが間違っているのなら、どう足掻(あが)いてもクリアは出来ない

こんなことを毎度毎度選択したって未来はわからない
同じ世界の同じルートをだどってきてから"ここ"にきて同じルートをたどったならまだしもだ

ここまで考えても見当たらない何かがある
隠れキャラクターでも探しているような感覚だ



「....」

一度思考回路を停止し、俺は我に帰った

星花「答え、見つかっ、た...?」

どうやら星花には俺が何を考えているのかお見通しだったらしい

「いいや」

白玉楼に向かってから何分経つだろうか?
楓の能力が消えているだけあって遅く感じる
それに白玉楼は遠い...
記憶が確かならあと30分は軽く超える





楓side


さて、僕はもう幾斗さんに着く必要はありません
あとは全部、幾斗さん次第です

んまぁ、まだすることがあるとすれば霊夢さんに今の状況を説明することくらいですかね

それが終わったら僕はもう用無し同然です


では幾斗さん、健闘を祈ります
そして
また会える日まで




幾斗side


今冥界に入ったところだ
記憶によれば、冥界に入ってすぐ白玉楼があるらしい

買い物袋を持って幽々子と歩いてる記憶が浮き出てくる

だが、何千年も前と何千年も経った今では周りも変わっている
道に迷いそうだ


そんな、迷うはずがないか
だって既に....

「幽々....子?」

幽々子だと思われる女性が西行妖の前で立っている

そう、白玉楼に着いたから

「幽々子...」

昔はあんなに小さかったのにな
今はキレイなお姉さんだ


俺がいることに気づいたか
幽々子はゆっくり、ふわふわとこちらを向く

幽々子「....ぁ......」

幽々子は俺を見るなり目を大きく見開く


なんだろう、凄いいやな予感がするのだが

星花「おにぃしゃま...鈍感、手、見て」

星花は俺の手を取り、俺に突きつける

「.........っ!?...そうか、そう言うことか」


俺の手は、いや俺は、どんどん消えていっているのだ、既に手は透けて向こう側が見えている


幽々子「なんで...? 幾斗さん? 幾斗さん...なの?」

幽々子は口を栗のような形にして俺に近づいてくる

「待て!! 幽々子、来るな」

ちょっと考えてさせてくれ

俺は消える、何故消える?
それはこの現実で会ってはいけない人に会っているから
じゃあ何故霊夢とかルーミアとかは良いんだ?
俺が居た過去と直接関係ないから
あれ?
楓はどうなのだろうか....




いいや、考えなくてもいい



「.....なぁ、幽々」
幽々子「違うっ! 違う違う違う!!!!」

幽々子は俺の言葉を食い気味にそう叫ぶ

「幽々子?」

幽々子「お前は幾斗さんなんかじゃない!! 」

「俺は幾斗だ。西行寺幾斗だ、君を助けられなかったことは謝る、だから...冷静になって聞いてくれ」

俺のそんな話は聞く耳も持たず

幽々子「うるさいうるさいうるさい!! 幾斗さんの偽物......殺す」

「なっ!?」

今さっき幽々子が発したした言葉は冗談だと思った、だが幽々子は本気であった

幽々子は幽々子らしくない、置いてあった傘で俺に切りかかろうとする

別にこんな攻撃、普通に避ければいい
なんせその傘はもともと俺の所有物、俺の愛傘だから避けるのなんて簡単である

今はそうもいかない

近づかれたら一貫の終わり、俺が消える、すなわち星花は切り殺される

そして俺がここで消えたら幽々子は何度も何度も西行妖異変を繰り返すだろう
幽々子の望んだ俺は出てこないのに


やばいと思い、俺は即座に飛んで少し遠くまで逃げる



幽々子を説得出来れば...

「くそっ!」

時間はほぼない
いつ俺がこの場から消えるかなんてわからない

やばいやばいやばいやばい
どうするどうするどうするどうする

星花「おにぃしゃま...落ち、ついて」

星花が俺の目をじっと見つめそう言う

星花「にぃ、が、冷静さ、切らしたら...せぇーか、助、ける」

星花はそのまま、にぃっと可愛い笑顔を見せた

「...ありがとう、星花」

星花「せぇーかの、目、見て」

星花は俺の目を見て服を引っ張る
俺は星花に言われた通り星花の目をじっと見る


すると、あの時、星花と始めて会ったときのように、知らない記憶が入ってくる

だが今回は記憶と言うよりは星花が今まで考えてきたことである


まずだ、星花の考えによると幽々子は西行妖の亡骸の呪いに侵されている、または操られているそうだ

そして、その幽々子を助けるのなら、巫女が必要である。だから、霊夢がいればなんとかなると


最後に、こればかりはどうしようもない

俺はなんにせよ消えると


「俺はやっぱり消えるんだな」

星花「....うん」

星花は涙をポロポロと流して頷く
だがその星花の顔は強ばっていた
決して悲しみなどださず、我慢していた



攻めて、攻めてだ

幽々子の呪いを解いて終わらせたい

俺が幾斗だ、と言うことも呪いが解ければ恐らく認めることが出来るはずだ


くそっ...




?「とんでもなく不味い薬飲まされたわよ」


....え?


?「おかげ様で風邪なんて直ぐ治りました〜」

声の聞こえる方を向く

そこには、普通に平然と中に浮く霊夢がいた
朝とは違う風邪の治った霊夢が

「霊夢っ!? 」

霊夢「あの薬、怖いほど効き目がよかったわ」

さ、さすが幻想郷の看護婦...
とでも言いたげな顔をしている霊夢

霊夢「さて、状況は把握しているわ。楓ってやつに全部聞いた」

全部ってことは、つまり俺が消えるってこともか?

霊夢「私は事が終わるまで泣かないわよ、どんなに悲しいことが待とうとね」


早いとこ終わらせてしまおう
そうすれば、俺は誰にも見つからず遠いところで消えれるだろう


「霊夢、幽々子を頼んだ」

霊夢は手持ちの札を手にし、幽々子の方へ飛んで行った












 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧