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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第五章 StrikerS編
  第百六十九話  『外伝17 高町家と月村家への帰省』

 
前書き
更新します。

今回は特に面白みはありません。

ですがユーノの覚悟は書かせてみました。

ではどうぞー。 

 






……………十月も半場を過ぎて少し寒くなってきたある日の事。
制服姿ではなく普段着を着用したシホ、アルトリア、ネロ、すずか、ライダー、フィアット、なのは、オリヴィエ。
それにユーノ、ヴィヴィオが機動六課の玄関前で待機していた。
このメンバーが普段着でどこかに出かけるというだけで少し大事かもしれないが普通に溜まっている休暇を帰省に利用するだけである。
特になのはとシホは色々な意味で有名だから帰省といえばマスコミが騒ぎそうだが、そこはクロノが揉み潰したとだけ……。

「それじゃ、みんな。明後日には帰ってくる予定だから私達がいない間、機動六課の守りはお願いね……って言っても私達がいなくてもランサーやアルクェイドを筆頭に強者が残っているから大事ないと思うけどね」

そう言ってシホは改めて自分達が抜けても平気で稼働する機動六課戦力を見て頬を爪で掻きながら苦笑いを浮かべるのであった。
それでヴィータがまず前に出てきて、

「おう! とにかくできるだけリフレッシュしてこいよ? シホとなのはは特にな。
通常のシフトに戻ってからも教導を頑張っていたんだから今回はいい機会だ。
シホとなのはとフィアットっていう教導隊メンバーが抜けるのは少し痛いが、その分みっちりとフォワード達を鍛えておくからな!」

ニシシ!とヴィータは笑い『グッ!』と親指を立てた。
それにシホ達もありがたい思いであり、そこでなのはは前々から思っていた一言をヴィータに告げる。

「……ねぇ、ヴィータちゃん。やっぱり私達教導隊のところに来る気はない……?」
「そうね。ヴィータならいい線行っていると思うわよ?」
「そうですね。ヴィータは面倒見がいいですしね」
「そうかー……?」

なのは、シホ、フィアット現教導隊メンバーにそう言われて頭を掻くヴィータ。

「まぁ、一応考えとくよ……。ま、いってこい」
「いってらっしゃい! なのはさん!」
「その間、ヴィータ副隊長に鍛えられておきますから!」

スバルやラン達にそう言われてシホ達は笑顔を浮かべた。

「いってきまーす!」

ヴィヴィオの元気な声でシホ達はヴァイスのヘリに乗り込む。

「それじゃ、行くっすよ。皆さん」
『お願いしまーす!』

「それじゃ、テイクオフ!」

それでヘリは転送ポートエリアまで飛んでいくのであった。



◆◇―――――――――◇◆



それで前の出張任務の時のようにすずかの家の転送ポートに出現したシホ達一行。

「出張任務以来ね……」

そうシホがしみじみと語る。

「そうだね、シホちゃん。それじゃ、今からお母さんに連絡を入れておくね?」

そう言ってなのはが携帯端末を取り出して桃子に電話をかけている。
その一方でユーノは少しばかり……というかかなり緊張した面持ちであった。

「き、緊張してきたね……改めて士郎さんと桃子さんに挨拶するわけだからね」
「兄さん、もう少しリラックスしたらどうです? そんなんじゃ本番で倒れちゃいますよ? ただでさえ無限書庫にこもりっきりだったんですから体力も落ちてそうですし……」

フィアットがそう言い、ユーノの背中をさする。
それのおかげかユーノは先ほどより心にゆとりが出てきたのかかけている眼鏡をクイッと上げて、

「大丈夫だよ、フィア。ありがとう」
「いえいえ。今回は兄さんの一世一代の本気を出す日ですからこれくらいお安い御用ですよー!」
「ユーノパパ。安心してー? なにかあったらヴィヴィオが慰めてあげるから」
「ありがと、ヴィヴィオ……」

ユーノがヴィヴィオに慰められているところになのはが電話を終了したのかこっちに戻ってきた。

「なのは、どうだった……?」
「うん、シホちゃん。一応電話は出来たよ? ただ……」

そこでなのはの表情が曇る。
何事かとシホ達は思う。

「どうされたのですか、ナノハ……? モモコ達となにか起こりましたか?」

アルトリアが代表してなのはに話しかける。

「うん、アルトリアさん。私がスカリエッティに捕まっていたことは伝わっていたらしくてね。もう電話越しに涙を流されちゃった……」
「それは仕方がなかろう。桃子は奏者以上になのはのことを大事にしているのだからな。親として子の心配をするのは当然のことだな」
「そうなんだけどね。ネロさん……」
「なのは。まずは帰って無事であることを説明しましょうか。まずはそれからですよ」
「うん、オリヴィエさん。まずは心配かけたことを謝罪しなくちゃね!」

それでなのははキリッ!と表情を引き締めて拳を握る。

「その意気よ、なのは」
「そうだよ、なのはちゃん」
「はい。桃子はそこまで怒ることはないでしょう。むしろ、心配するでしょうからね」

シホとすずかとライダーでそう励ます。
それでシホ達は忍達に報告する前にまずは翠屋に向かうことにしたのだった。
だが道中、やはりというべきか久しぶりに地元の人達に顔を出すので「久しぶりね~」とか「元気にしてる?」とか色々と声をかけられるのであった。
そんなこともあったが無事に翠屋の前に到着した一同。
特になのはとユーノは緊張している顔になっていた。

「そ、それじゃ、なのは……いこうか」
「そうだね、ユーノ君……」

二人は決意をした顔つきになっていた。
シホ達もいるにはいるのだが結構蚊帳の外状態であるのは言うまでもないことだが……。

「なのはママ。ユーノパパ。早く入ろう?」

ヴィヴィオが二人の手を引っ張って、ついにドアノブに手をかけて中に入る。
途端、

「なのはー!」

扉を開けた瞬間に桃子が泣き顔でなのはに抱きついたのだった。

「お、お母さん……た、ただいま」
「お帰りなさい。って、そうじゃないでしょう!? 悪い人達に体を弄られたっていう話じゃない! どこか悪いところはない? 痛いところはない!?」

桃子はもう少し混乱気味にだがなのはの体をあちこち触り始めて傷はないかと確認している。

「大丈夫だよ、お母さん。心配かけてごめんね……ッ!」

それでなのはも桃子に抱きついて無事を証明するのであった。
そこに桃子の後ろから士郎と美由希の二人がやってきて、

「おかえり、なのは。無事でよかったよ」
「うん。そうだね、お父さん。おかえり、なのは」
「ただいま!」

それから家族の団欒のような光景が続くのであった。
でも、さすがにシホもいることを忘れられているのもなんかと思い、残りの面々も翠屋の中へと入っていく。

「ただいまです、桃子お母さん。士郎お父さん。美由希姉さん」
「あっ! シホちゃんも帰ってきていたのね。お帰りなさい!」

それから他の面々も挨拶を交わす。
最後にヴィヴィオがなのはとユーノの手を取り、

「なのはママとユーノパパの娘の高町ヴィヴィオです。よろしくお願いします!」

ペコリとお辞儀をするヴィヴィオ。
だがそれが今日一番の衝撃だったのかもしれない。特に士郎の反応がすごかった。

「ほう……なのはの娘なのか。よろしく頼むよ。ヴィヴィオ。私の事は士郎とでも呼んでくれていい」
「はい! 士郎さん!」
「私の事は桃子さんって呼んでね!」
「はい! 桃子さん!」
「じゃあたしの事は美由希お姉ちゃんでいいよ」
「はい! 美由希お姉ちゃん!」

ヴィヴィオはそれぞれもう指定された呼び方で呼ぶようになり馴染み始めている。

「でも、なのはももう子供持ちかぁ……あたしより先にだなんて生意気なぁ」
「にゃああー! やめてお姉ちゃん!」

美由希がなのはの頭をグリグリしている微笑ましい光景が展開されている中で、一方では士郎とユーノが真剣な顔で話し合っていた。

「さて、ユーノ君。ヴィヴィオにパパと呼ばれていたようだが、説明してもらえるかな?」
「はい。今日はそのために来させて頂いた次第です」
「そうか……。それじゃ今日はもう閉店にしようか、桃子。家で話をしよう」
「そうね、あなた。ユーノ君もいいわよね?」
「はい。覚悟はもう決めてきましたから大丈夫です」

それで翠屋は今日は閉店となり全員で家に向かうことになった。
だが、その際にシホとすずか、フィアット、アルトリア、ネロ、ライダーの六人は一時なのは達と別れることにした。
理由はというと次は自分達の関係を忍に伝えるためであるからだ。
そのために本日は予定を作ってもらいドイツから恭也とともに帰ってきているはずだからだ。

「それじゃなのはにユーノ。士郎お父さん達の説得は頑張ってね。私達も忍さんに報告してくるから」
「うん。わかったよ、シホちゃん。そちらも頑張ってね」
「えぇ」

それで一同は別れるのであった。



◆◇―――――――――◇◆



Side 高町なのは



シホちゃん達と別れてから久しぶりの我が家に入っていき居間でユーノ君とオリヴィエさんとヴィヴィオと待っていると、お父さんとお母さんが真剣な面持ちで私達の前の席に座る。

「……さて、それじゃユーノ君」
「は、はい!」
「緊張しなくてもいいよ。楽にしてくれて大丈夫だからね」

ユーノ君の緊張した声ですぐにお父さんが和らげるように声を出してくれた。
さすがお父さんだね。

「それじゃ、話してくれるかな?」
「はい……。その前に僕の覚悟を聞いてくれても構いませんか?」
「いいわよ。言ってみて」
「はい。ありがとうございます」

それでユーノ君も一回深呼吸をした後、私も驚くような真剣な表情になり、

「僕は今回の事件でなのはが誘拐されたと聞いた時、頭の中が真っ白になりました。
いつでも身近にいて元気にしているなのはの姿を見ていたから心配ないと思い込んでいたんです。
でも、その考えが覆されてなのはは僕の近くからいなくなってしまいました。
その時の感情はとても一言では言い表せないくらいのものだったのは言うまでもありませんでした」
「そうか……」

お父さんはそう言ってまだ探るような表情になっているけどユーノ君の言葉を最後まで聞いてくれるようでまだ口出しはしてこない。

「なのはをこの世界に巻き込んだのは僕です。ですから言い訳はしません。でも、それでも僕はなのはの事をとても大切に思っています。
最初は師匠関係という間柄でしたが今回の件で僕はなのはの存在が僕を強く勇気づけてくれるという気持ちと、そして僕もなのはを守りたいという思いがとても強くなりました。
そして今までひた隠してきたなのはに対する思いにも正直になろうという気持ちにさせられました」

それを聞いて私は頬が赤く染まるのを自覚する。
ユーノ君……そこまで私のことを考えてくれていたんだね。
今まで気づかなくてごめんね、ユーノ君。

「なのはの事を好きだという気持ちはもう変わりません。ですから考古学者でひ弱な僕ですが、それでもなのはの身を守ることはできます。
ですから言わせてください。士郎さん、桃子さん。娘さんを……なのはを僕にください!」

そう言ってユーノ君は頭を下げた。
私も嬉しい気持ちになって一緒になってお父さん達に頭を下げて、

「お父さん! お母さん! 私からもお願い。私、ユーノ君と……そしてヴィヴィオとも一緒ならもっと元気にやっていけると思うの。だから……!」
「「……………」」

しばらくお父さんとお母さんは無言で目を瞑っていたが、次第に目を開いて、

「二人とも、頭をあげなさい」
「「はい……」」

それで私とユーノ君は頭を上げてお父さん達の顔を見ると、そこには満面の笑みを浮かべているお父さん達の表情があった。
そして、

「ユーノ君。任せてもいいんだね? 最後までなのはと一緒にいてくれるんだね?」
「はい! 約束します! なのはとヴィヴィオは僕が守ります!」
「ユーノ君……」
「ユーノパパ……」

お父さんがそういうと言う事は!

「わかった。ユーノ君。なのはを君に任せるよ。これからは私の事をお義父さんと呼ぶことを許すよ」
「ッ! ありがとうございます!」
「しかし、ユーノ君の覚悟を聞けてよかったよ。でなかったら私はまず『私を倒してから言うんだな!』というつもりだったんだよ」

そう言って「はっはっは!」と笑うお父さん。
やっぱり物騒なこと考えていたんだね……。
そうならなくてよかったよ。
でも、これで認められたから!

「ユーノ君! これから末永くよろしくお願いします」
「うん。僕もこれからよろしくね、なのは」

それで私とユーノ君はいつまでも見つめ合っているのであった。
だがすぐにお父さん達に、

「でも、結婚してからだからな。子供を作るのは!」
「あらあら、ふふふ。あなたもやっぱりまだまだ過保護ね」
「当然だ」

ふぇえーーー!? まだ一回もやっていないからよかったよ。

「そういえば、話は変わるけどお父さん」
「ん? なんだい、なのは?」
「うん。そのね、すずかちゃんとフィアちゃんがね―――……」

それを伝えたらお父さんの表情が固まったのは言うまでもなかったみたい。



◆◇―――――――――◇◆



Side シホ・E・S・高町



今頃なのは達はちゃんと報告できている頃かしらね?
でも、私も今回は覚悟を決めないといけない。
なんせ、その、すずかとフィアと、その、やっちゃって、しかもそれから二人とも生理が来ていないというから。
それが意味することは……。まぁ、言わずもがなである。

「すずか、フィア……」
「ん? なに、シホちゃん?」
「なんですか、お姉様?」
「すずかはデバイスマイスターだからそんな激しい動きはしないから安心はしているんだけど、フィアは少しだけ激しい動きは控えめにしてね?」
「えっと、うん。わかったよ、シホちゃん」
「わかりました。お姉様」

二人もどういう意味か察したのか頬を赤らめながらも頷いてくれた。

「むー……奏者ぁ~」
「そう落ち込むことはないでしょう、ネロ。いつかチャンスはありますから」
「スズカ、やりましたね!」

そんなやりとりが後ろを歩いている三人から聞こえてくるけど、今は気にしないことにしておく。
それで月村邸にやってくると忍さんと恭也さんに雫ちゃん、ノエルさん、ファリンさんが出迎えてくれた。

「よく帰ってきたわね、すずか。それに皆も」
「シホちゃんもよく帰ってきたね。歓迎するよ」
「ただいま、お姉ちゃん。お義兄ちゃん」
「こんにちは、忍さん。恭也兄さん」
「こんにちはです、忍さん、恭也さん」
「ご無沙汰しています、シノブ、キョウヤ」
「来てやったぞ、忍、恭也よ」
「ただいま戻りました、忍、恭也」

それから全員挨拶を交わして月村邸の雑談室へと通されて、私達は席に着席する。

「それで今回はなのはちゃんとユーノ君の報告でこちらに来たって聞いたけど、それだけじゃないんでしょう?」

そう忍さんが切り出してくる。
さすが分かっている。
私達の仲を積極的に支援してくれただけあってなんとなくだが私が言う事ももう予想しているのだろう。

「はい、忍さん。それでなんですけど、私の錬金術で例のアレを作ってその、すずかとフィアと、やってしまいましたんですよ」
「やっぱりねぇ……。予想していたからそんなに驚きはないわ」
「忍。アレとは一体何だ……?」

忍さんはわかっているようだったけど、恭也兄さんは分かっていないらしく、忍さんが雫ちゃんに聴かせるわけにはいかないのか耳打ちをしていた。
すると恭也兄さんもわかったらしく、少しばかり表情が赤くなった。

「そ、そうか……もうそんな関係になったのか。3人とも」
「はい。それともう一つサプライズ報告なんですけど……すずかとフィア、二人とも生理が来ていないんですよ」
「えっ!? 本当に……!?」
「それってやっぱり、そうなのか……」
「すずかお嬢様。おめでとうございます!」
「フィアット様もおめでとうございます」

四人にそう言われて素直に受け入れられてよかったという感想になった。

「よかったわね、雫。従姉妹ができるわよ?」
「いとこ? なに、それ……?」
「まだ雫はわからないか。ま、そのうち分かる時が来るわよ」
「うん!」

雫ちゃんもなんとなくだけどわかったらしく頷いていた。
素直でいいわね。

「それでですが、とある次元世界で女性同士で重婚可能な結婚式が挙げられるところがあるんです。そこで三人で結婚式をあげようと考えています」
「そう……もう三人とも大人の仲間入りね。生まれるのを楽しみにしておくわ」
「はい!」
「うん、お姉ちゃん!」
「で・も……やっぱりシホちゃんも中身はあれだったんだねぇ。忍さんは嬉しいわよ~」
「か、からかわないでください。恥ずかしいではないですか……」
『アハハハハ!』

それから部屋の中にはみんなの笑い声が木霊しているのであった。
そして翌日は高町家と月村家がみんな集まって軽いパーティを開くのであった。
みんな、とても楽しそうな表情を浮かべていたので良かったと思う。
これからの生活ががさらに楽しみになってきたわね。


 
 

 
後書き
ユーノは無事にやり過ごしました。

すずかとフィアは一発です、はい。アインツベルンの錬金術は世界一ーーー!



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。 
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