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FAIRY TAIL 忘却の最期

作者:大牟
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第7話 鎧の魔導士

依頼を終えて数日

ナツとルーシィはギルドの酒場にいた。

「そろそろ仕事しねーとな」

「あい、食費がなくなるね」

「ていうか今月の家賃どうしよ~!」

「そういえばラストいないね」

ハッピーにそう言われルーシィは辺りを見渡しラストがいないことに気付く

「あれ、そういえばラストがいない!?」

「ルーシィ同じ家に住んでんだろ?何か知らねぇのか?」

「同じ家だけど、部屋が違うからね・・・」

ナツとルーシィの会話に、ミラが割って入ってくる。

「ラストなら仕事に行ったわよ?」

「仕事!?」

「いつの間に!?」

「買いたいものがあるって言ってたわ。」

「買いたいもの?」

「何だろうね?」

「ただいま」

ルーシィとハッピーが頭に?マークを出していると、ラストが仕事から帰ってきた。

「ラスト、お帰りなさい。」

「ただいま戻りました、ミラさん」

「ラスト!仕事ならあたしも連れてってよ!」

「すまんすまん、ルーシィの家賃分も稼いできたから」

ラストがそう言うと、現金に目を光らせるルーシィ

「本当!?よかった助かった~!!」

「ズリィ~ぞルーシィばっかり!」

「あい!おいら達の食費!」

ナツとハッピーはブーブー文句を言っていたが、ミラはスルーして仕事の具合を尋ねる

「どうだった?」

「ゼリー系モンスター大量発生の解決、骨の折れる仕事だったが何とか完遂した。報酬も良かったし、無事に馬車を買えそうです。」

「「馬車?」」

「馬車!?」

ルーシィとハッピーは首を傾げ、ナツは驚いていた。

「ああ、何かと遠出することが多くなるだろ?列車だと経費が嵩むし行く場所が限られる。馬車ならそれなりにスピードはあるし道を選ばない。」

「俺は嫌だぞ!馬車なんて乗らねー!!」

「誰もお前を乗せるとは言ってないだろ」

何故か嫌がるナツにラストは冷や汗を垂らす。

「馬車はいつ来るの?」

「馬と一緒に数日でギルドに届けるそうだ。もちろんマスターの許可ももらってる」

「楽しみね!」

仕事をしてきたラストに触発されて、ルーシィは仕事を探そうと立ち上がる。

「あたしも仕事しよ!ラスト、手伝ってくれる?」

「ああ、いいぞ。」

二人はリクエストボードへ行き依頼書を見てみると、様々な依頼が貼られていた。

魔法の腕輪探し、呪われた杖の解除魔法(ディスペル)、占星術で恋占い、
そして、火山の悪魔退治

「魔導士の仕事にも色々あるのね・・・」

「気に入った仕事があったら私に言ってね。今はマスター定例会に行ってるから。」

「定例会?」

「地方のギルドマスターが集って定例報告をする会よ。」

ミラは分かりやすくと、リーダスから光ペンを借りて空中に何かの相関図を描きだす。

「魔法界で一番偉いのは政府とのつながりもある評議員の10人、魔法界における秩序を守る為に存在するの。犯罪を犯した魔導士をこの機関で裁くこともできるのよ。」

「へぇ・・・」

「で、その下にあるのは地方ギルドマスター連盟、評議会での決定事項をなどを通達したり各地ギルド同士のコミュニケーションを円滑にしたり、私達をまとめたり、大変な仕事よね。」

「知らなかったなぁ・・・ギルド同士のつながりがあったなんて・・・」

「ギルド同士の連携は重要よ、これを疎かにしたら」

「黒い奴等が来るぞ~!!」

「ヒィィィィィ!!」

ナツが後ろからルーシィを驚かす。

「うひゃひゃひゃ何ビビってんだよ!」

「脅かさないでよ!」

「ビビリルーシィ、略してビリィだね。」

「変な略称つけんな!!」

ナツとルーシィ、ハッピーのやり取りにラストは冷や汗をかく

「おいおい・・・」

「けど、黒い奴等は本当にいるのよ。」

「闇ギルド・・・ですね。」

「ええ、連盟に属さないギルドのことよ。」

「あいつ等法律無視だからおっかねーんだ」

「あい」

「じゃあいつかアンタにもスカウト来そうね。」

「つーか早く仕事選べよ」

「前はオイラ達が勝手に決めちゃったからね。今度はルーシィの番」

ハッピーの言葉の後に、ラストが間に入ってくる

「チームは解散だ。」

「え~何で?」

「そうよ!あんた達金髪の女だったら誰でもよかったんでしょう!」

「しかも俺はオマケ、たまたま一緒にいたから誘ったんだろ?」

「それだけじゃねーぜ?ルーシィとラストだから選んだんだ。いい奴らだから!」

ナツが無邪気そうに言われ、ルーシィとラストは若干照れ気味になる。

そこにグレイとロキが割って入ってきた。

「なーに、無理にチームを決める事はねー。聞いたぜ、大活躍だってな。きっとイヤってほどチームの誘いが来るぜ?」

「ルーシィ、僕と愛のチームを組まないかい?今夜二人で」

「イヤ」

「な?」

「これはチームの誘いとは言わないだろ・・・」

ロキの誘い(ナンパ)にラストは呆れる。

「傭兵ギルド南の狼の二人とゴリラみてーな女やっつけたんだろ?すげーや実際」

「それ全部ナツ」

「テメェかコノヤロー!」

「文句あっかおお!?」

「また始まった」

「グレイ、服」

「ああああっまた忘れたぁ!?」

ちなみに、最初の会話からパンツ一丁でしたとさ

「うっぜ」

「今うっぜっつたかクソ炎!!」

「超ウゼェよ変態野郎!!」

「ね~?」

「何が!?」

二人の喧嘩になぜか同意を求めてくるロキ

「鳥頭!」「さらさら野郎!」「暑苦しいんだよ!」「くっせぇんだよ!」

低レベルな喧嘩を余所に、ロキはルーシィを口説いていた。

「君って本当キレイだよね、サングラスをしててもその美しさだ・・・肉眼で見たらきっと眼が潰れちゃうな、はは」

「潰せば?」

ふと、ロキの視界にルーシィの腰にある星霊の鍵が写る

「き、君星霊魔導士!?」

「え?」

「黄道一二門だけで3体いるぞ」

ラストが解説した後

「な、なんていう運命のいたずらだぁぁぁぁ!!!」

突然ロキは叫びだし

「ごめん!!僕たちここまでにしよう!!」

訳の分からないことを口走りながら走り去っていった。

「何か始まってたのかしら。」

「気にするなルーシィ、あいつの中だけで何かが始まってたんだよ」

「ロキは星霊魔導士が苦手なの、昔女の子がらみでトラブったって噂よ」

「やっぱそういう人?」

ミラがそう言い、ルーシィは呆れていたが

(ロキのあの目つき・・・それだけじゃなさそうだな・・・)

ラストだけは何処か疑問に感じていた。

その時

「大変だぁぁぁぁぁ!!」

ロキがギルドの扉を思い切り開き戻ってきた。

「エルザが・・・帰ってきた!!」

ロキのそこ言葉に、ギルド内に戦慄が走った。

「えええ!?」

「うっ!?」

「ぐっ!?」

ナツとグレイも、喧嘩をやめ顔を引きつらせる

「エルザさんって前にナツが言ってた・・・」

「今の妖精の尻尾では、最強の女魔導士と言っていいと思うわ」

ミラが笑顔でそう言うと、ギルドの入り口からドシドシと大きな足音が響いてきた。

「エルザだ・・・」

「エルザの足音だ・・・」

「エルザが戻ってきやがった・・・」

ギルドの魔導士全員がざわついている。

「このリアクション・・・エルザさんってやっぱりすごい魔導士なんだ・・・」

ルーシィは、前にナツ達が想像したものを思い出し

「怖っ!?」

「ルーシィ、さすがに違うと思うぞ」

怖がるルーシィにラストがツッコミをいれている間に

エルザが巨大な角らしきものを担ぎギルドに姿を現した。

それは、ナツ達が想像したものとは違い

「今戻った。マスターはおられるか」

ハートクロイツの鎧を纏い、緋色のロングヘアーの綺麗な女性だった

「キレイ!」

「やっぱり人の想像はあてにならないな。」

「おかえり、マスターは定例会よ」

ミラの言葉にエルザは頷く

「そうか」

「エルザさん、その馬鹿でかいのなんすか?」

「討伐した魔物の角だ。地元の者が土産にと飾りを施してくれてな、迷惑か?」

「い、いえ滅相もない!!」

尋ねてきた魔導士が慌ながらそう言った。

「ハコベ山の件、もうバレてんじゃない?」

「や、やべぇ、殺されるかも」

カナがそう言いマカオがビビり、ナブは心臓をバクバクさせていた。

「なんか想像してたのと違う。」

「そんなものさルーシィ」

「お前たち!」

エルザが険しい表情でそう言うと、その場にいた魔導士がビクつく

「旅の途中で噂を聞いた。妖精の尻尾がまた問題ばかり起こしているとな!マスターが許しても私は許さんぞ!」

エルザの叱責に全員が怯え、彼女はカナの方へ向く

「カナ、なんという恰好で飲んでいる!!」

「ぐっ!?」

「ビジター、踊りなら外でやれ!」

「はい!?」

「ワカバ、吸い殻が落ちているぞ!」

「ギクッ!?」

「ナブ!相変わらずリクエストボードの周りをうろついているだけか?仕事しろ!」

「うっ!?」

「マカオ!」

「うっ!?」

「・・・・・・・・・はぁ」

「何か言えよ!?」

「全く世話が焼けるな、今日のところは何も言わずにおいてやろう。」

「ずいぶん色々言ってたような・・・風紀委員か何かで?」

「それがエルザです!」

「あれで普通だと思うぞ、妖精の尻尾にもまともな魔導士がいたんだな。」

全員がブルーになっているなか、エルザは誰かを探すように辺りを見渡す。

「ナツとグレイはいるか?」

「や、やあエルザ・・・今日も俺達仲良くやってるぜ・・・?」

「あ”い”」

「ナツがハッピーみたいになった!?」

ナツとグレイは冷や汗をだらだら流しながら手をつなぎ肩を組んでいた。

「そうか、親友なら時には喧嘩もするだろうが、しかし私はそうやって仲良くしてるところを見てるのが好きだぞ」

「いや、いつも言ってっけど親友って訳じゃ・・・」

「あ"い”」

「こんなナツ見たことないわ!」

「ナツは昔エルザに喧嘩を挑んでボコボコにされちゃったのよ」

「あのナツが!?」

「ていうかミラさん、図にする必要はないと思うんだが・・・しかも下手だし」

ミラが光ペンでナツとエルザ、グレイの似顔絵を描いていたが、お世辞にもうまい絵とは言えないものを描いていた

「グレイは裸で歩いているのを見つかってボコボコに」

「あらら・・・」

「ロキはエルザを口説こうとしてやっぱりボコボコ、自業自得だね。」

「やっぱりそういう人なんだ・・・」

ルーシィとラストはエルザに殴られるロキを想像して呆れていた。

「ナツ、グレイ、頼みたいことがある。」

「「は?」」

「仕事先で厄介な事を耳にした。普通ならマスターの判断を仰ぐのだが、早期解決が望ましいと私は判断した。二人の力を貸してほしい、ついてきてくれ。」

エルザがナツとグレイを仕事に誘った。

それにギルド内がざわつく

「こいつと・・・」

「チームだと・・・!」

「エルザとナツとグレイ・・・今まで想像した事なかったけど、これって・・・妖精の尻尾最強のチームかも」

ミラがそう呟き、ルーシィとラストは息を呑み驚く

「出発は明日だ。準備をしておけ。」

そう言い残し、エルザはギルドを後にした

「む・・・無理だ・・・」

グレイとナツの身体が震え

「こいつと一緒ってだけでウゼェのにエルザが一緒だなんてー!!」

「こんなチームありえねぇ!!つーか行きたくねえー!!」

叫ぶと、ナツはルーシィの方へ勢いよく振り向く

「な、何すんのよ!?」

「お前、今からナツだ。」

素早い手つきで自分の上着とマフラー、髪型を変えてナツはそう言った。

「無理だって・・・」

「あい」

「はあ・・・」



で?



翌日 マグノリア駅

「何でエルザみてーなバケモンが俺達の力を借りてぇんだよ!」

「知らねぇよ、つーか助けなら俺一人で十分なんだよ」

駅のホームで人目を余所に

「じゃあお前一人で行けよ!俺は行きたくねぇ!!」

「じゃあ来んなよ!後でエルザに殺されちまえ!!」

殴り合いの喧嘩をしていた。

「迷惑だからやめなさい!!」

ルーシィが止めるように言っても聞かず

「ふん!!」

ラストは長剣を呼び出し二人の間に突き刺した

「「!?」」

「その辺にしておけ」

「あっぶねぇな!!」

「こんなところで剣出したら危ねぇだろ。他の客に迷惑だろ」

「お前らに言われたくねーよ!!」

自分たちの行為を棚に上げて口走る二人にラストはツッコんだ

ハッピーは魚を頬張りながら尋ねる。

「何で二人がいるの?」

「頼まれたのよミラさんに!」

ラストは剣を引き抜きながら言葉を続ける。

「エルザのいないところで喧嘩をするだろうから仲をとりもてとな。」

「そうよ、仕方なくついてってあげてるのよ」

「本当は一緒に行きたいんでしょ?」

「てか三人の仲とりもつならアンタがいたじゃない!うわーかわいそっ!ミラさんに存在忘れられてるし!」

「あい」

「特に触れないんだな、存在感に関しては」

ショックも何もしていないハッピーにラストが冷や汗を垂らす中も

「てめぇ何でいつも布団なんか持ち歩いてんだよ」

「寝るために決まってんだろ、アホかお前」

ナツとグレイの喧嘩は続いていた

「あ~あ、めんどくさいな~」

「どうしたものか・・・」

どうやって止めようか手をこまねいていたら

「あ!」

ルーシィが何かを思いつく

「ラスト、ちょっと耳貸して?」

「は?・・・・・・・・・・・・・なるほど」

ルーシィの提案を聞き、ラストはその場から離れる

頃合いを見て

「あ、エルザさん!」

と、ルーシィが言うと

「今日も仲良くいってみよー!」

「あいさー!」

わざとらしく仲良しを演じ始めた

「そうか、二人とも仲が良くてよさそうだ」

と、エルザの口調を真似たラストが二人の視界に入り

「「な!?」」

二人に電撃が走った

「あっははははは!これ面白いかも!」

「プクク・・・!」

ルーシィが大笑いし、ラストは笑いを堪えていた。

「「騙したなテメェら!!」」

二人は口を揃えて叫ぶ

「本当は仲がいいんじゃないのか二人とも?」

「ホントからかい甲斐あるわ~」

「冗談じゃねぇ!何でこんな面子で出かけなきゃならねえ、胃が痛くなってきた・・・」

「魚食べる?」

「いるか!!」

「ルーシィ、ラストも何でお前らがいんだ?」

「「何も聞いてなかったんですか!?」」

一同が騒いでいると

「すまない、待たせたか」

今度は本当にエルザが到着・・・したが

「「荷物多っ!?」」

彼女の後ろにびっしりと荷物が敷き詰められた荷車があった。

「ん?君たちは昨日ギルドにいたな?」

そう言われルーシィとラストは頭を下げ自己紹介をする。

「新人のルーシィです。」

「同じく、ラストです。ミラジェーンさんに頼まれて同行することになりました。」

「よろしくお願いします!」

「私はエルザだ、よろしくな。そうか、ギルドの連中が騒いでいた二人とは君達のことか。」

出発する前にギルドに立ち寄ったのか、ルーシィとラストの事は耳に入っていたようだ。

「傭兵ゴリラを小指一本で倒したとか・・・頼もしいな。」

「それナツだし・・・事実と少し違ってる・・・」

「どこをどう見たら小指で倒したと思えるんだ・・・」

「今回は少々危険な橋を渡るかもしれないが、その活躍ぶりなら平気そうだな。」

「危険!?」

「エルザ、付き合ってもいいが条件がある!」

ナツが真剣な表情で口を開く

「条件?」

「バ、バカ!お、俺はエルザのためなら無条件で働くぜ!」

グレイが慌てて見繕おうとしていたが、ナツは止まらなかった。

「帰ってきたら、俺と勝負しろ。あの時とは違うんだ。」

妖精の尻尾の最強魔導士相手に、勝負を挑む

そう宣言したナツに、その場にいたルーシィ達は驚いた。

「お、おいはやまるな!死にてぇのか!?」

「前にやり合った時は違う!今のお前なら勝てる!!」

自信満々に言い放つナツに、エルザは静かに笑う。

「確かにお前は成長した。私はいささか自信がないが、いいだろう、受けて立つ」

「自信がねぇって何だよ!本気で来いよな!!」

「わかっている、だが、お前は強い。そう言いたかっただけだ。」

そう言うとエルザはグレイの方を見る

「グレイ、お前も勝負したいのか?私と」

そう聞くと勢いよく首を横に振り拒否を示した。

「そうか。新人の・・ラストと言ったか?剣を使うと聞いた、どうだ?」

「な、何で俺が!?いやいやまだエルザのことよく知らないし!」

「そんなものは関係ないだろう?」

「いきなり最強格と戦うなんて無茶な真似はしたくありません!」

ラストが両手を素早く振り拒否を示す中

「うおおおし!!燃えてきたぁぁぁぁぁぁ!!!」

ナツは顔面に炎を激しく上げやる気を出していた。

そして・・・・・・・・・列車の中

「あ・・・あ・・・・」

「ったく、情けねェ奴だな」

ナツは乗り物酔いでグロッキーになっていた。

もたれかかるナツをラストは顔に青筋を立てながら涎がかからないように頭を支えていた。

ちなみに席順は

グレイ  ルーシィ
ナツ   ハッピー
ラスト  エルザ

となっている。

「喧嘩売った直後にこれかよ!」

「毎度の事だけどつらそうね」

「グレイ・・・もうちょっとそっちにやってもいいか?」

「やなこった」

「まったく、しょうがないな。私の隣に来い」

「あい」

(どけってことかしら・・・?)

空気を読んでルーシィはナツと席を変わり、グレイとラストの間に座る

「楽にしていろ」

「あい」

ナツがエルザの隣に座ると

「ごわっ!?」

思いっきり腹を殴りナツを気絶させた。

「少しは楽になるだろう」

かなり乱暴な行為に向かいの三人は開いた口が塞がらなかった。

「そういやあたし達・・・妖精の尻尾でナツ以外の魔法見た事ないかも・・・」

無理やり話を曲げるルーシィ

「エルザさんってどんな魔法を使うんですか?」

「エルザでいい。」

「エルザの魔法はキレイなんだ。血がいっぱい出るんだよ、相手の」

「それキレイって言えるのか?」

「大したことはない・・・私はグレイの魔法の方がキレイだと思うぞ?」

「そうか?」

グレイがそう言うと掌と拳を合わせ

冷気を放ち、妖精の尻尾の紋章の氷を出現させた。

「わあ!」

「氷の魔法さ」

「氷ってあんた似合わないわね」

「ほっとけっての」

「氷・・・火・・・」

ルーシィはある事に気付き声を上げた。

「あ!だからあんた達仲悪いのね!単純すぎてかわいー!」

「そうだったのか?」

「確かに魔法の属性の相性が悪い魔導士は仲も悪いと聞いたことはあるが・・・」

「ど、どうでもいいだろそんな事ぁ!つーかそろそろ本題に入ろうぜエルザ」

「そうだな、話しておこう」

それは、エルザが先の仕事の帰り オニバスの酒場でそれは起こった

ガラの悪い魔導士四人が苛立ちながら酒を飲んでいたそうだ。

その魔導士達は、闇ギルド鉄の森(アイゼンヴァルト)だった

その中で穏やかな顔をした魔導士がこう言った

ララバイを三日以内に封印を解き、エリゴールの元に届ける・・・と

「ララバイ!?」

「ってこの間の!?」

「あの魔導士達が口走った単語・・・」

「どういうことだ?」

「俺達は初仕事の帰りに魔導士五人に襲われた。倒した後でララバイとうわ言のように呟いていたんだ」

「そうか、お前達も鉄の森に会ったのか。」

「ララバイがどうとか言ってたからな。恐らく間違いない。」

「その連中、鉄の森の脱落組だな。計画についていけずに逃げ出したのだろう。」

「そのララバイって言うのと関係があるのか?」

「想像だがな、そいつらを狙った影というのは鉄の森の本体だ。」

「計画が漏れないように始末した・・・ということか。」

「ラストの言う通りだ。そのララバイだが、封印されているということはかなり強力な魔法だと思われる。」

封印された魔法の解除、それだけならばただのギルドの仕事だと思われる

しかし、エルザはそうは思わなかった。

「迂闊にも思い出せなかったが、エリゴールと言う名を思い出した。」

エルザの後に、ラストが話をつなげる。

「エリゴール・・・鉄の森のエース、死神エリゴールだな。」

「死神!?」

「ああ、暗殺系の仕事ばかりをこなして付けられたあだ名だ。」

本来は暗殺系の仕事は評議会により禁止されていたのだが

鉄の森は、破格の報酬に目がくらみ金を選んだ。

その結果、魔導士ギルド連盟を追放、解散命令が出たが従わず活動を続けている

それを聞きルーシィが汗をだらだらと流し座席に水たまりを作っていた。

「あ、あたし帰ろうかな・・・」

「汁いっぱい出てるよ?」

「汗よ!」

エルザは机を叩くかのようにナツの頭を叩く

「不覚だった・・・あの時エリゴールの名に気付いていれば全員血祭りにあげて何をするか白状させようとしたものを!」

「怖っ!?」

「なるほど、鉄の森がララバイで何かをしようとしている。どうせロクでもねぇ事だろうから食い止めたい・・・と」

「そうだ、ギルド一つをまるごと相手にする以上私だけでは心ともない。だからお前達の力を借りたい。鉄の森に乗り込むぞ」

「面白そうだな。」

「あい!」

グレイとハッピーがやる気を見せる中

「来るんじゃなかった・・・」

ついてきたことに激しく後悔するルーシィだった

「ルーシィ、汁」

「汗だろ生々しいんだよアホネコ!!」

「ラスト~あたしの代わりに戦って~!」

定番となったやり取りをしている中、列車はオニバスの駅に到着した。

『オニバス~オニバス~』

「鉄の森はまだこの街にいるのか?」

「分からない、それをこれから調べる。」

「それならラストに任せておいて!情報収集が大の得意なんだから!」

「あまり期待されても困るがな。」

「そうか、頼もしいな。」

「ねぇねぇ、ナツは?」

ハッピーがそう口にした後

「「「・・・・・あ」」」

ナツを起こしておくのを忘れ

「・・・発車しちゃった」

列車はナツを乗せたまま、発車してしまった

その頃

「・・・妖精の尻尾・・・正規ギルドか・・・」

ナツは、鉄の森の魔導士と接触していた。


第7話 完
 
 

 
後書き
次回予告

ルーシィ「もう!一人で勝手に仕事にいかないでよね!」

ラスト「ルーシィの家賃分も稼いできたからいいじゃないか」

ルーシィ「で・・・どうやってゼリー系モンスターの大量発生を解決したの?」

ラスト「簡単なことさ」

次回 呪歌と死神

ルーシィ「簡単?」

ラスト「ゼリー系モンスターは水分でできてるだろ?だからDBで体内の水分を枯らせて」

ルーシィ「解決方法エグすぎよ!!」
 
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