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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第三話 エックスというレプリロイド

 
前書き
ルインがエックスについて思うこと。
 

 
ルインがイレギュラーハンターになり、数週間が過ぎた。
ルインはイレギュラーをZXコンポジットのバスターモードで破壊しながらエックスの方を見ていた。
動きは悪くない。
バスターの威力も機動力だって申し分ない。
戦闘スペックは他のA級や特A級ハンターと比べても遜色がないくらいに高い。
そもそも、シグマやその他のレプリロイドの元となったエックスの性能が低いわけがない。
しかし。

エックス「くっ…」

イレギュラーの動力炉を狙わないようにバスターの照準を合わせているのが見えた。
エックスは優し過ぎる。
その性格が災いして、本来なら特A級の実力を秘めながらB級に甘んじているのだ。
あれではやられてしまうと考えたルインはZXコンポジットをセイバーモードに切り替え、イレギュラーの両足と右腕のバスターを切り落とす。

エックス「あ…」

ルイン「大丈夫だよエックス。武器と両足を破壊しただけだから、修理すれば大丈夫だよ」

そう言って他のイレギュラーと戦っているゼロの方を見遣るが、苦戦している様子はないために問題なしと判断。

エックス「あ、ありがとう。助かったよ…それに…破壊しないでくれてありがとう」

ルインは倒れたイレギュラーの方を見遣りながらエックスの方を見て笑みを浮かべた。

ルイン「イレギュラーだって元は私達と同じだからね。殺したくないっていうエックスの気持ちは分かるよ。修理すれば直るかもしれないんだしね」

ZXセイバーでイレギュラーの武装と足を破壊しながら次々と先へと進んでいく。

エックス「ルイン…」

イレギュラーハンターはイレギュラーに対して破壊の措置しか取らないから、エックスのような考え方を甘いという奴は沢山いる。
しかし彼女は違う。
自分の考えを尊重してくれたのだ。

ルイン「エックス!!バスターで牽制を!!イレギュラーの武装と足を破壊するから!!」

エックス「わ、分かった!!」

エックスがバスターで牽制してルインがセイバーとバスターで武装と足を破壊していくのだった。






























ルインとエックスが相手をしたイレギュラーは全員、戦闘不能にされてはいるが生きている。

ルイン「ふう、お疲れ様エックス。」

エックス「あ、うん……君も…」

ペンギーゴ「エックス!!ルイン!!」

エックス「ペンギーゴ」

ルイン「確か、第13番部隊の特A級ハンター…だっけ?」

ペンギーゴ「何故イレギュラーを始末しない?」

エックス「そ、それは…」

ペンギーゴ「俺達イレギュラーハンターはイレギュラーを排除するのが役目なんだぞ!!それが出来なくてイレギュラーハンターが務まると…」

ルイン「今回のことにエックスは関係ない。今回は私の独断だよ。」

エックス「なっ!?ルイン…」

ペンギーゴ「は…っ、エックスの他にも甘ちゃんハンターがいたのか。こんな奴が特A級ハンターなんて世も末だクワ」

エックス「ペンギーゴ!!そんな言い方はないじゃないか!!」

あんまりな言い方にエックスも声を荒げる。

ペンギーゴ「B級が俺に説教する気するな!!」

ペンギーゴはエックスとルインを一瞥すると去っていく。

ルイン「やれやれ。さあ、行こうエックス。ゼロと合流しなきゃ」

エックス「あ、ああ…」

こうしてルインとエックスはゼロと合流すると、ハンターベースへと戻っていく。






























エックス「ごめん…」

ルイン「へ?」

ハンターベースの屋上でいきなり謝られたルインは目を見開いた。

エックス「俺のせいで君が…」

ルイン「え?ああ、あのこと?別に気にしなくていいのに。」

エックス「そうはいかないよ。本来なら責められるのは俺のはずだったのに…」

ルイン「私は私の気持ちのままに動いただけ。エックスが気にすることじゃないよ」

エックス「でも…」

ルイン「さっきの戦闘でエックスの動きを見ていたけど…エックス、君は特A級クラスの力を持ってるんじゃないの?その気になれば」

エックス「え?俺にはそんな力なんか無いよ…」

ルイン「そうかな?私はそう思うよ。戦士としての力量は充分だと思うし。エックスの戦いを見た限り…イレギュラーに劣っているようには見えなかった」

事実エックスは数々の大戦を生き抜いて生ける伝説とまでなったのだから。

エックス「…ルイン。でも俺はいつもいつも失敗してるんだ。今回だって君に迷惑をかけた。こんなことじゃあ…ペンギーゴの言っていたようにハンター失格だ……。」

ルイン「……でも私は、エックスの優しい性格も悪くないと思うよ。あのチビペンギンやシグマ隊長達のような戦闘型よりも…きっと違う視点で見ることが出来るんじゃないかな?」

エックス「え?」

ルイン「私はエックスを信じてる…エックスならイレギュラーに対してのハンター達の指向も上手く変えてくれる可能性をね」

エックス「ルイン……」

ルイン「優しさが弱点になるなら私がそれを補ってあげるよ。私とエックスのコンビネーション。即興にしては上出来だったよね!!」

エックス「うん。君が俺に合わせてくれたからね」

ルイン「エックスがバスターでイレギュラーを牽制して私が決める!!」

愛用のZXコンポジットを抜き、セイバーモードに切り換えながら言うルインにエックスも笑みを浮かべた。

エックス「それにしてもチビペンギンってペンギーゴのことかい?」

ルイン「当たり前。他に誰がいるの?」

2人は朗らかに笑いながら会話を弾ませていく。

ゼロ「やれやれ…」

今回のペンギーゴの言葉を気にしているのではないかと思って来たゼロであったが、ルインと共に笑っているエックスを見ると杞憂だったようだ。

ゼロ「不思議な奴だな…」

まだ数週間しか交流してないが、エックスのように人間くさく、幽霊のような非科学的なものに怖がるような奴だ。
後、ワクチンを摂取する際に苦いことを知ると逃げ出そうとする。
初めてあいつが風邪をひいたのを見た時、ワクチンを飲ませるのが大変だった。
































ケイン『ほれ、お主達のワクチンじゃ』

ケインがエックス、ゼロ、ルインに渡したのはナノマシンを粒子状にしたワクチン。
エックス、ゼロ、ルインの3人が同時に風邪を引いたためにケインが3人のために作ったのだ。
レプリロイドだって風邪をひく。
通常のレプリロイドはワクチンプログラムを使えば治るのだが、エックスとゼロとルインは他のレプリロイドとは違い、未解析な部分が多いためにナノマシンを使ったワクチンを使わなければならない。

エックス『ありがとうございますケイン博士…。』

少し怠そうに言うエックス。
彼は微熱。

ゼロ『頭が痛くてイライラしていたところだ。助かる』

頭痛程度で済んでいるのがゼロ。
そして…。

ルイン『………………』

エックス『ルイン?どこに行くんだい?君もワクチンを飲まないと』

ワクチンを摂取し、通常に戻ったエックスがワクチンを摂取しないで部屋から出て行こうとするルインを不思議そうに見つめる。
ルインは3人の中で1番症状が酷い。
誰よりもワクチンを摂取しなければならないはずなのに。
ケインは手に持ったボタンを押すと扉が閉まる。

ルイン『!!?』

突然閉まった扉にルインの身体が硬直した。

ケイン『今じゃエックス!!ルインを抑えるんじゃ!!』

エックス『え!!?』

ケイン『早くせい!!逃げられてしまうぞい!!』

エックス『は、はい!!』

ケインに促されたエックスは扉を叩くルインを羽交い締めする。

ルイン『は、離して~!!』

エックス『ルイン、どうして逃げようとするんだ…?』

ジタバタと暴れるルインに困惑しながら尋ねるエックス。

ルイン『やだ…』

エックス『え?』

ルイン『やだやだやだやだやだ~!!!!そんな苦いワクチンなんか飲みたくない!!ほっとけば風邪なんか治るもん!!』

エックス『え、ええ!?』

ゼロ『は?』

ケインが調合したエックス達の専用のワクチンは滅茶苦茶の苦いのである。
前世の時から苦いのが大嫌いなルインにとってはあまり摂取したくない忌むべき存在。

エックス『ル、ルイン!!?か、簡単には治らないからワクチンを摂取しなきゃいけないんだぞ!!?』

駄々っ子のように手足をバタバタさせながら必死に逃げようとするルインにエックスも必死に抑える。

ゼロ『…………』

既にワクチンを摂取したゼロは呆気に取られていた。

ルイン『それでも飲むのはやだ~!!』

シグマ『何の騒ぎかね?』

エックス『シグマ隊長!!?』

ルイン『うえ!!?』

ケイン『今じゃ!!!!』

突然のシグマの登場に驚いたルインの隙を突いて、ケインは口の中にワクチンと水を流し込む。

ルイン『むぐっ!!?……~~~~っ!!!!』

声にならない悲鳴を上げて、ルインはワクチンを飲み込むと床に倒れ伏した。

エックス『だ、大丈夫かいルイン…?』

ルイン『う、うぅ~…に、苦いよう……』

ゼロ『ガキだな…』

倒れ伏し、涙目のルインを心配そうに見遣るエックス。
それを呆れたように見つめるゼロ。
































実際に苦労したのはケインとエックスだったなと思い出したゼロは苦笑する。

ルイン「あれ?ゼロ?どうしたのそんな所で?」

エックス「ゼロ?」

不思議そうにゼロを見つめるエックスとルイン。
あまりに人間くさい表情に抑えられていた苦笑が出てきそうになる。

ゼロ「いや、メシ食ってないのお前達だけだぞ」

ルイン「あ!!食べるの忘れてた!!」

エックス「食堂はまだやってるかな?」

ゼロ「もう食堂は閉まっている」

ルイン「そんなあ…何でもっと早く呼んでくれないの…」

ゼロ「早く来ないお前達が悪い。」

そう言うゼロの手にはハンターベースの購買の紙袋。

ルイン「あ、もしかしてゼロ。私達の分を買ってきてくれたの?」

ゼロ「ああ、お前達のツケでな」

ルイン「…ケチ」

ゼロ「そうか、いらんならいい」

ルイン「要ります要ります!!」

エックス「大人げないよゼロ……」

苦笑するエックス。
戦乱が起こる前のささやかな幸せな一時であった。

 
 

 
後書き
無印前の話です。
そろそろ無印を書かなければ…。 
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