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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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VS聖騎士

翌日。
俺はアルゲードにあるリンドウの家を訪ねた。
「お前さぁ…武器はもうちょい丁重に扱えよな!!」
リンドウは、俺の専属の鍛冶師であり、狩人スキル専用武器を直す、云わばただ働き鍛冶師なのである。まぁ、利害が一致していただけでも凄い事だが。
「今回は折れただけですんだがな。もし、二つとも折れてたら修復不可能なの!!それで俺が新しい武器作るために使う素材の量のストックがゴッソリ減るんだよ!!」
「だからこうして熊公の素材と狼もどきの素材をだなぁ…」
「それは感謝するが、反省は別だ」
「…はぁい」
と俺が言うと、突然ミザールが店に飛び込んできた。
「あれ?ミザール…」
どうした、と言う言葉を飲み込んだ俺はミザールの顔を見る。ミザールはそれを見たのか、
「どうしよう、ライト…」
急に泣き出しそうな声で言った。
「大変な事に…なっちゃった…」




















一通り話を聞いた俺は呆れていた。
「一時脱退からどうやって俺とキリトがヒースクリフと戦う話になるんだ…」
「私もそれは知りたいよ…」
「…しょうがない。ミザール、ヒースクリフに受けるって送っといて」
「へっ!?受けるの!?」
「当たり前。ここまで着たら引くに引けないしな」
「でも、絶対ライトを引き入れようとするよ!?」
「別にそれでも良い。お前との約束も果たせるしな」
俺はミザールの頭をポンと叩きながら言った。













コリニアに降り立った俺達は、ヒースクリフの待つコロシアムへ向かった。凄い観客が押し寄せていたが、どうでも良い。すると、入場門にキリトとアスナが立っていた。
「よお、ライト。お前もか」
「そんな所だ。つかもしかしてお前…」
「さっき挑んで負けたよ!!」
なるほど、さすがヒースクリフ。
「まぁがんばれライト。応援してるから」
「覇気の無い顔で言われてもなぁ…」
と、俺は言い、コロッセオ内に入る。すでにヒースクリフはいるようだ。
「すまないねライト君、こんな事になっているとは知らなかった」
「別に良い。早く始めようか」
「潔いね。では、始めようか」
ヒースクリフはウインドウを操作すると瞬時にデュエルメッセージが出現した。もちろん承諾し、オプションは初撃決着モード。
ヒースクリフは盾の裏から細身の長剣を抜き、ピタリと構える。
俺も弓を出し、矢をスタンバイする。
そして、【DUEL】の文字が閃くと同時に動き始めた。
俺は素早く〈ホーミングアロー〉をヒースクリフに放つ。拡散矢で放ったホーミングアローをヒースクリフは寸分狂わず叩き落す。だが、俺は慌てず、素早く上空に矢を放つと、ヒースクリフの頭上に降り注ぐ。が、これも軽いステップで避けられる。
「…流石〈滅殺者〉。素晴らしい動きだ」
「そうかよっ!!」
俺はヒースクリフの言葉に苛立ち、双剣を抜き放つと、ヒースクリフに連撃を放つ。が、盾と長剣で弾かれる。
「ぬん!」
弾かれた隙を取られ、盾の先端で突き攻撃を放ってきた。俺はそれを鬼人回避で避ける。
「おいおい…これじゃ二刀流じゃねえかよ…」
俺は素早く体勢を立て直し、ハンマーを手に持つと、〈ナミング・インパクト〉を放つ。
「むうっ!?」
ヒースクリフは慌ててステップで範囲から抜ける。流石は最強プレイヤーと言った所か。
すぐに範囲から抜けたヒースクリフは素早く俺に接近し、剣戟を幾度と無く放ってくる。
流石に対処しきれないので、無理矢理ソードスキル〈ストライクショット〉を放ち、ヒースクリフを吹き飛ばす。が、それでも勝敗を決するダメージ量ではない。
「…素晴らしい反応速度だな」
「キリトほどじゃないけどな!!」
俺は双剣に持ち替え、地面を蹴る。ヒースクリフも剣を構え直して間合いを詰めて来る。
そこから超高速で連続技の応酬が始まった。たとえ、強攻撃が当たらなくても、どちらかのバーが半分になれば、その時点で勝敗が決まる。
徐々に減少していったHPバーが五割が見えてきた頃、突然ヒースクリフに焦りらしき物が浮かんだ。それを勝機と見たおれは、
「セイハァァァァァァァァァ!!」
両手の剣を逆手に持ち、連撃を放ち始める。カテゴリー〈双剣〉上位いや剣技〈黒雷牙竜撃〉。黒雷を帯びた竜の牙が如きの力の剣閃がヒースクリフへ殺到する。
「ぬおっ…」
ヒースクリフが十字盾を掲げてガードする。それも構わず、正面から連撃を浴びせ続ける。
_______抜ける!!
俺は最後の一撃がガードを超える事を確信した。回転斬りで盾を振れたそのタイミングを逃さず、左手で突きを放つ。これが当れば俺の勝利________
_____その時、世界がぶれた。
「何…っ!!」
突然、右にあった盾が瞬間的に左に移動し、俺の一撃を防いだ。
(何が…起きた・・・!?)
大技を防がれた俺は、為す術無くHPを削られ、無様に倒れた。その時もその事しか考えられずにいられなかった。
「ライト!!」
「ライト君!!」
ミザールとアスナ、遅れてキリトが俺の近くに来て、二人は心配そうに、キリトはやっぱりと言う様な顔で俺を見つめていた。

 
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