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魔法少女リリカルなのは ~優しき仮面をつけし破壊者~

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オリジナルストーリー 目覚める破壊者
オリジナル~StrikerS 日常編
  63話:学校よ、私は帰ってきた!!

 
前書き
 
随分と長くなってしまいました。
  

 



白い袖に腕を通し、ビッと伸ばす。
荷物も確認し(教科書とかは先に受け取ってある)しっかり背負う。

「士君、行くよ~」
「おう、丁度できたよ」

別の部屋から聞こえてくるなのはの声に、俺はそう言って答える。
自分の部屋の戸締りも確認して部屋を出ると、すぐ隣にはなのはが立っていた。

「えへへ…行こ、士君」
「あぁ、ごめん。その前に一回洗面所寄らせてくれ」
「あ、うん、いいよ」

なのはの返事をちゃんと聞き終える前に歩き出して、洗面所へ向かう。
ガラスに映る自分を一見し……

「ありゃ、後ろが跳ねてら」

寝癖を見つけた。流石に休学復帰の時に寝癖がついてちゃ、締まらないからな。

……って、本当の目的はそうじゃなくて。
簡単に寝癖を直しつつ、確認したい事も済ませる。うん、これなら大丈夫だろ。

「OK。待たせたな、なのは」
「全然大丈夫だよ」

洗面所でやることを終えた俺は、なのはが待つ玄関へ。待ってくれていたなのはも、笑顔でそう言った。

「それじゃあ―――行きますか」

俺はそう言って、意気揚々と玄関の扉を開けた。空は青く、綺麗に澄んでいた。
























俺の誕生日を祝うのを兼ねた、あの事件解決祝いのパーティーから数日。今日は三学期の始業式だ。

この日、ようやく俺は学校に復帰できるのだ。
久しぶりというのもあってか、ちょっと心が浮ついている感じもしている。

「士君、ちょっとにやけ過ぎじゃない?」
「ん、そうか?」

隣を歩くなのはに言われて、頬を触ると確かに口端が上がっていた。
はは、これじゃガキみてぇじゃん。あぁ、なんか恥ずかしい。

「そんなに嬉しいの?」
「かも、なぁ……」

と空を仰ぎながら、笑みを浮かべる。隣に並ぶなのはも、苦笑い気味に笑い声を上げる。

「そう言えば、フェイトやはやて達は?」
「先に行ってると思うよ。たぶん士君が来る事、吹聴してるかも」

なんでそんな面倒くさい事を……
と言いかけるが、思い直してその言葉を飲み込んだ。それだけあいつらが俺の事を心配していて、帰ってくるのを待ちわびていた、という事なんだから、口出しはしない方が得策だな。

「そっか…」
「あれ、意外と口出ししないんだね?」
「うっせ、頭ん中で自己完結した事聞いてくんじゃねぇよ」

しかしなのはは俺の言葉を見事にスルーし、そう言えばと続ける。

「さっき鏡で何確認してたの?」
「ん?寝癖だよ寝癖」
「士君いつもは寝癖なんて気にしない方なのに?」
「……始業式ぐらい、直して当然だろ?」
「それ、だいぶ前に私が言ったセリフと一緒だよ」

何この娘鋭いんですけど。
まぁ別に隠しておくことでもないか……

「コンタクトだよ、コンタクト。俺コンタクト初めてだからちゃんとできてっか確認したんだよ」
「コンタクト?何のために…?」

そう思うよな、俺の視力検査は両目とも2,0だ。それも前々から知っているなのはなら、そう思うのも普通だ。

「昔とは事情が違うだろ?ほら、俺の目の色の」
「あ、あぁ……じゃあそれ…」
「そ、カラコンだ」

俺の目の色が変わる現象。あれは時々だが、未だに続いている。まぁ原因は俺の中に〝アイツ〟がまだいるからだろうな。

実際ミッドで過ごしている間も、時折変化していたらしい。見ていたのがクロノだから、おそらく本当だろう。
直接目にしたからか、クロノはそれを忠告してきた。

『ミッドならまだしも、君の世界だとその目の色はマズいだろ?』

クロノにしてみれば、まともな忠告だったので、俺もそれを受けてカラコンの装着を決めた。
まぁ学校に行ってる間に変わったら、奇異の目で見られるのは間違いないからな。

「まぁこれなら安心だろ。色が変わってもカラコンでカバーできる」
「そうだね。それ見られて騒がれたら、大変だもんね」
「うわ、考えただけで面倒くさそうだ」

本当に面倒くさそうな顔をしながら言うと、なのはは笑いながら「そうだね」と口にした。
























そんなこんなで、久方ぶりにやってきました聖祥大付属小学校。

なのはから下駄箱の場所を教えてもらって、元々着いたらすぐに来るように言われていたので、俺はすぐに職員室へ。
担任の先生は運よく前と同じ人で、話はしやすかった。ただ、担任の先生も心配していたらしく、なんか眼差しが優しかったような気がした。

そんで、始業式はクラスの皆と一緒―――とはならず、少し離れた場所から見る事になった。
何故かって?なんか知らんけど、担任が「その方が面白い」と笑顔で言って、そうさせたのだ。何が面白いのか聞きそうになったが、担任の笑顔に抑え込まれてしまった。

何だろうね、あれ。大人ならではの凄味というか、怖さというか…色んなものを感じたのは確かだ。

「今日より休学から復帰する、門寺士です。よろしく」

んで、始業式明けにようやく俺登場。でも皆の反応はそこそこで、ドッキリも成功なのかわからない微妙な空気を味わってしまった。どうやらフェイト達が俺の事を吹聴している、というのは本当だったようだ。

LHR後、いつも通りとも言える質問攻めにあった。
名目上病気による休学だった為か、体は大丈夫なのかとか、どんな病気なのかとか色々と聞かされた。まぁ流す程度に答えたが。

「でも変わらねぇな、この感じは」
「そりゃあ一年しか経ってないもん。そんな簡単に変わったら困るでしょ」
「確かにな」

そう言って教室をぐるりと見渡すと、あることに気づいた。

「そう言えばすずかとアリサはどうした?一緒のクラスじゃなかったのか?」
「うん、今年はすずかとアリサは別クラスなんだ」
「ついでに言うと、カオル君と駆紋君もやな」
「あの二人もか?」

俺の言葉に首を縦に振るなのは。

「二人も会いたがってたから、すぐ来るんじゃないかな?」
「おいおい、そんな安易な―――」











と思っていたら、

「お~ひさ~!」
「………」

恒例の大掃除を終えて、HRが終わって教室を出ると、外で待っていたかのようにカオルと駆紋が立っていた。ほんとに来やがったよこの二人。

「なんでそんな嫌そうな表情?」
「予想外だっただけだよ」
「つれないな~、これでも結構心配してたんだよ?」

そう言いながら笑って肩を組んでくるカオル。その笑顔は昔と変わってなく、懐かしさすら感じた。

「まったく、一年も戻ってこないで…」
「あぁ…それは悪い、謝るよ」
「その言葉は俺にではなく、そこの五人に言ってやれ」

駆紋の言葉に「ふぇ⁉」等と声を上げて驚くのは、駆紋達と一緒にいたアリサとすずかも含めた、なのは達五人。

「そうだね~。なんたって、君の所為で半年近くは泣きっぱなしだったもんね~」
「なっ⁉」
「ど、どうしてそれを…」
「だって見てたもん」

カオルがそう言った瞬間、アリサとはやての蹴りが飛び出し、カオルを足蹴にする。今の一瞬、二人の姿が見えなかった……

「相変わらずバカなんだな…」
「あぁ、相変わらずだ…」
「あれは放置するんだね…」

その通りだよフェイト君、あいつの扱いはこれでいいんだ。

「にしても今回は一年とは…いきなりすぎじゃないのか?」
「あぁ、いや。仕事じゃないんだわ、今回」
「「「え…?」」」

俺と駆紋が話していると、取り込み中の三人以外のなのは、すずか、フェイトが声を上げる。

「じゃあなんだったんだ?」
「え?……誘拐、的な?」
「……おい、それって一番やっちゃいけねぇんじゃねぇのか?」

と言われても、実際そういう感じだったし……

「ちょ、ちょっと待って!」
「ん?なんだ急に…」
「いやいや、なんで龍也君とそんなすんなり話してるの⁉」

すんなりって……あぁ、そういう事か。

「いや、実はさ…知ってんだよ、二人共。仕事(かんりきょく)の事」
「「「えぇ~~っ!!?」」」

その驚き様は側でカオルを蹴り続けたアリサとはやてだけでなく、未だ下校途中だった他の子達もびっくりして振り向いてきた。

「えっ…ど、どうしてそんな…⁉」
「い、いや~…」
「俺達が吐かせた」

むん、と鼻息を鳴らして胸を張る駆紋。その姿に唖然としてしまう三人に、どういう状況なのかわからない二人。寝っ転がってたカオルも埃を叩いて起き上がる。

「いくらなんでも、お前ら四人が一緒のようにいなくなったり、休んでたりすれば疑問に思うだろ」
「んで、龍也が三人がいない時を見計らって、うまい具合に尋問したんだよ」

それを聞いたなのは、フェイト、はやての三人が冷たい目線を俺にぶつけた。

「……ごめん、なんか勝てなかった…俺もこうなるとは思わなくて…」
「いい訳なんて聞きとうない」
「うわ、バッサリ切られた」

ふん、とそっぽを向かれてしまい、やっちまった感がさらに増加する。

「まぁ…そういう感じなんだよ」
「でも、大丈夫なの?二人に話しちゃって」

う~ん…それはなんともまぁ……

「そのことは、言葉で言っても信じてもらえないだろうが……誰にも喋らないと誓おう」
「うん、それは僕も同じ。誰にも言わないから!」

あははと陽気に笑いながら、何故か回転しつつカオルが言う。てか回んな邪魔だ。

「え~っと……」
「…信じていい、のかな?」
「どうなんやろうね…」

なんかそれぞれ複雑そうな表情をしている三人。いや、三人だけじゃない。周りにいるアリサ達二人も不安そうな顔をする。

「まぁ大丈夫だろ。俺はあいつらを信じられる」

俺がそういうと、士君がそういうなら、となのはが言う。
するとそれに同調するように、他の四人もしぶしぶと言った具合に頷いた。うん、無理やり感はあるが納得してくれたみたいだ。

次の瞬間、後ろから何かが覆いかぶさってきた。前のめりになりながらも、しっかりと持ちこたえる。

「それよりさ~、帰ってきたことだし何かパーティーを―――」
「あ、それならもうやったぞ?」
「な、なんだって~!!?」

うわっ、耳元でうっさい!耳キーンってなったわ!

「何それズルい~!僕らにも知らせずに、楽しそうなことして!」
「だからうっさいっての!耳元で叫ぶな!」
「僕らもやりたいやりたい~!!」

だぁもう!やかましい!

「そうだ!どうせ今日は早いんだし、翠屋で士君に作ってもらおう!僕シュークリームね」
「あぁっ!?ちょっと待て!それおかしくねぇか?なんで俺がお前の為に―――」
「じゃあ俺はモンブランな」
「駆紋てめぇまで!?」

腕を組んで、当然だと言った表情で眺めてくる駆紋。くそぉ、なんで俺が…!

「ちょっと待ちなさいよ!士に作ってもらう約束は、私の方が先なんだから!」
「ちょっ、アリサさん何急に首突っ込んできてんの!?」

そんな時、いきなりアリサがそんなこと言って前に出てきた。うわ恐ろしいこの人の負けん気。

「じゃあ一緒に作ってもらおう」
「そうね、それでいきましょう」
「おいぃぃぃ!それ俺の負担が増えてねぇか!?」
「いいじゃないこれぐらい」

畜生ぉぉ!お前ら実はデキてるだろ!

「それじゃあ、翠屋へレッツゴー!」
「そうね。あぁそれと士、私はショートケーキでいいわ」
「なんでそんな上から目線!?」
「じゃあ私もお願いしようかな?」
「それえぇな!」
「なのは、はやて!お前らまで何を!?」
「士君、私もいい?」
「皆が食べるなら…私も…」
「すずかにフェイトまで!?」

何なんだよお前ら、寄ってたかって!
俺が心の中でぼやいている間に、なのは達七人は皆足並みを揃えて下駄箱の方へ。

その時和気藹々と話す皆の背中が、何故か輝いて見えた。それは気のせいだろうし、俺の思い過ごしだろう。
だけど、俺はそれを見て―――嬉しくなってしまった。

「もういいよ、全員分作ってやらぁ!!」
「お、太っ腹~♪」
「それでこそ漢だな」

もうやけっぱちだ、この野郎!
その時前を歩くなのは達から「早く来い」と言われてしまった。俺は急いで走って皆に追いつき、同じく下駄箱へ向かう。

学校から出て、ふと見上げた空は―――雲一つなく澄み切った、息を吸うだけで気持ちいい……海鳴の青い空だった。











P.S.

相変わらず彼のケーキは美味しいね♪ by シュークリームを作られた人

文句なし。 by モンブランを作らせた人

なんでこんなにおいしいの?一年間もいなかったのに、なんで⁉ by ショートケーキを頼んだ人

アリサちゃんに激しく同意。 by 喫茶店の娘(ショートケーキ食)

この腕には敵わんな~。 by 大所帯の主人(上に同じく)

なんかプライドが傷つけられた気がする…… by 猫好きお嬢様(上に同様)

そうだね…… by 特になし(上に(ry




  
 

 
後書き
 
今回はここまで。
まぁここまで期間が空いてしまったのには、色々訳がありまして……

少し前に空白期を十一、二話ぐらいでやると言いましたが、これを変更したいと思います。
というか少し指針を変えるといいますか…


一応、これからの構成としては―――

・StS編前に書きたいプロローグ的な話 四話(確定)
・中学の勉強会的な話 一話(不定)
・海に行っちゃおう! 一話(不定)
・文化祭の話 一話(不定)

といった具合です。
しかし話数的に物寂しい気がしてまして……なので書いて欲しい話を募集します。

でも「早くStS編へ行け、マヌケ!」という意見が多ければ、プロローグだけ書いてすぐにStS編を書きたいと思います。

ご意見、ご感想お待ちしています。それでは!
  
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