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Angel Beats! the after story

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自宅警備員

スマブラのし過ぎで力尽きたゆり、かなで、日向、TK、ユイはポケ〜と明後日の方向を見ていた。

「大丈夫かお前ら?」

「「「「「……………………」」」」」

返事は無いただの屍のようだ……。

これは三十分ぐらいは動きそうにないので、みかんを食べ始める。
みかんのあの白いやつを取る派と取らない派がいるが俺は取らない派だ。チマチマ取ってると手の温度で生温くなるからな。
味わいながら食ってるとケータイが鳴る。 キコエターキガーシター

身に覚えがない電話番号だった。迷惑電話かと思いながらでる。

『もしもし』

『うぉぉとぉぉなぁぁしぃ……『人違いです』プツッ ツーツーツー

ふぅ。最近の迷惑電話はクオリティーが高いな。迷惑過ぎてビックリしたわ。

またしても電話がかかる。キコエターキガーシター

『もしもし』

『ひど……『だから人違いです』プツッ ツーツーツー

キコエタ-キガーシタ-

『あ〜~なんなんだよ!!』

『僕ですよ。直井ですよ音無さん」

なんだ直井か。キチガイかと思った。てか……

『なんで俺の電話番号知ってんの?』

『音無さんのことなら全て知ってますから。通ってる医科大から靴のサイズまで』

怖えぇぇよ現役議員。あいつの縛ってた何かが解き放たれてるわ絶対。

『んで、何のようだ?』

『いつから、僕と音無さんは用がなきゃ電話をしてはいけない関係に……『切るぞ』ウソですよ冗談ですよIt's Jokeですよ』
必死だな、おい。

『音無に伝えたいことがあるんですよ。戦線のことで』
一気に真剣モードに直井は入る。

『僕の仕事を知っていることを前提で話します。最近は不登校になる児童の原因を分析しているんですが、教育委員会の方でここ数ヶ月で不登校になった児童の顔写真とプロフィールをもらって見ていたところ。見覚えがある顔がいたんですよ』

『誰なんだ?』

『…………野田です』








「直井くんの情報が本当ならこの家にいるはずよ」

いつになく張り切っているゆりっぺ。

そして、野田がいると思われる家に俺、ゆりっぺ、ユイ、TKで挑む。目の前にある家は良い一軒家だった。この家なら不登校が一人のいても十分養うことができるだろうな。
いつか、俺とユイもこういう家に住みたいもんだぜ。

「なぁ、ゆりっぺ。立華はともかく音無は?」

「あの二人なら仲良くかなでの家で勉強してるわよ」
ほほー。なかなかやるな音無のやつも。

「TKお前って毎回いるよな」

記憶が戻ったら何かあるごとに俺らと一緒にいると思うんだが。

TKは不敵な笑いを浮かべる。

「ようやく僕のworkを教える日がきましたか」

「TKあんた働いてたの!?」

「ヒモかと思ってました!」

容赦のない言葉にTKはうめき声をあげていた。

「僕はダンス教室の先生をやってます。あと、ヘルプで日本語教室の先生をやってます」

普通に似合っている仕事だとしか言えない。ゆりっぺもユイも同じ感想を思ったらしく、納得している。

「家の前でウロウロするのも怪しいから早速入るわよ」

えっちょっと驚いたりは……?と訴えかけてくるTKをゆりっぺは見事にスルーする。


「誰がインターホン……押す?」

「「「えっ?」」」

「いやいや普通に考えてお前だろ」

「そうかもしれなれないけど、知らない人の家のインターホンって緊張するじゃない。あんたたちしない?」

「「「する」」」

全員一致の回答、何か貰えるんじゃないか。
TKはアメリカンなノリでインターホン無しで乗り込むんじゃないかと思ってたぞ。

一応言っとくけど、知らない人の家じゃないからなこの家、野田の家だから。

「じゃあジャンケン」

ジャ〜ンケ〜ンポン!

掛け声とともにだす。
俺→グー、ゆりっぺ→チョキ、ユイ→グー、TK→グー

「な、なんでよ!」
見事に一回で決まる。

「さっさと行ってこい」

「ドンマイですゆりっぺ先輩」

「かましてきてくださいゆり嬢」

完全他人事だが、ゆりっぺは忌々しくこちらを睨みながらインターホンを押す。
ピンポ〜〜ンと普通のインターホンの音が家の中に響いている。

すぐにドアが開かれると人の良さそうな一人の女性が立っていた。見た目を見るに30代後半かな。

「どちら様で?」

さっきまでの不機嫌な顔がゆりっぺから消え、接客でいう営業スマイルのような笑顔ができる。

「私たち野田くんの友達なんですけど、野田くんいますか?」

野田の友達と聞くや否や、どうぞどうぞ家に招かれてしまった。
家のリビングでお互いに自己紹介したはいいが、おかしなことになった。

「もしかしてあなたがゆりっぺさんかしら?」

「そうですけど」

「やっぱり、うちのたっくんの言う通りね」

たっくんというのは野田のあだ名である。本名、野田 拓也 私立高校三年生。

野田のお母さんの話を要約するとこうだ。

野田は自分にはゆりっぺという最愛の女性がいると不登校になるちょっと前から言っていたらしい。それから、学校で(死後の世界でもああいうキャラだったからな)イジメられていたらしい。

なぜ、ゆりっぺを最愛の女性と言っていたのは、ゆりっぺ言うには直井みたいな感じらしかった。
野田にとって、ゆりっぺってどんだけ記憶に焼き付いてんだよ。生まれ変わっても残るって。

でもまぁ、俺らが来たことで野田のお母さんは安心したらしかった。

「ゆりさん、うちのたっくんのどこが好きなのかしら?」

興味津々で聞いてくる野田のお母さん。いつの時代も女性はこういう話題好きだよな。
ものすごく顔を引きつらせながらも

「そ、そ、そうですね。や、優しいところですかね。いつでも私優先で行動してくれるし、私に良いところを少しでも見せたくってがんばっているところですかね」

後半の方は案外本当かもな。俺には女性の考えなんて読めねぇけどな。

「そうなの」
本当に息子思いのお母さんらしく、涙を浮かべていた。

「ゆりさんうちの息子をこれからよろしくお願いします」

色々と話飛んでね?これだと結婚前提みたいになってるし、ゆりっぺには少し同情するな。

「い、いやまだ私と野田くんはそういうのじゃなくて」

さすがのゆりっぺもこういう結婚とかの話には弱いらしくオドオドしていた。

「そうよね。私ったら、歳をとるとすぐにこういう話になっちゃって、ごめんなさいね。じゃあ私はこれから買い物に行くから、たっくんと仲良くしてくださいね」

ふふっと微笑みながらバッグを持ってすぐに買い物に出かけてしまった。

「野田くんのお母さんがいなくなったのはちょうどいいわね。早速、野田くんの部屋に行くわよ」

「ゆりっぺ先輩、さっきちょっと照れてましたね」
コノコノと肘で突つくユイ。

「ゆり嬢も初心ですね」
温かい目で見守るTK。

「うっさい!!さっさと行かなきゃ追い出すわよ!!」

「いや、ここお前ん家じゃねぇだろ」

「ひなっち先輩、これからゆりっぺ先輩の家になるんですよ」

「気が早いですね」

からかい過ぎてゆりっぺに最終的にはボコボコにされてしまった。

では、野田の部屋にレッツゴーだ。



 
 

 
後書き
どうも、騎士見習いです。
ようやく野田くんが次回に登場します。音無くんが羨ましいですよね。かなでちゃんと勉強って羨ましいぞ!羨ましいぞ!
TKのお仕事も紹介されました。私のイメージ的にはこれなんですけど、他の皆様と違っていたらすみません。
では、あらためまして読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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