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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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VSクラディール

翌日、朝の午前九時。俺は72層のゲート前に立っていた。しかも、天気は薄曇り。どうもやる気が起きない。
「まったく…なんで俺を巻き込むんだよ…」
不機嫌な顔で俺が言うと、
「悪かったって言ってんだろ」
キリトも不機嫌そうに答える。
何を隠そうこの男。人の肉をアスナと共に食った挙句、俺を冒険に巻き込みやがったのである。これに関しては俺は大激怒したが、アスナとミザールに宥められ今に至る。
「しっかし…二人とも遅ぇな…」
時計を見ると、すでに九時十分。さすがに痺れを切らした俺は帰ろうと転移門前に立った時、
「「きゃああああっ!よ、避けてぇぇぇぇぇ!!」」
「べふぁっ!?」
「うわぁぁぁぁ!?」
突然門外から人物にぶつかり、石畳に頭をぶつけた。
俺は何が起きたか判らず、とりあえずその人物を退けようと手を動かすと何やら柔らかい感触が伝わってくる。
(…?ちょっと待て…これは…)
と、思ったが遅く俺は再び石畳に頭をぶつけた。同時に、体の上から重さが無くなったので上半身を起こすと、ミザールがペタリと座り込んでいた。…両腕を胸の前で交差して。
と、そこでようやく俺は何をやらかしたかを知り、尚且つ、今自分が陥っている危機的状況を把握した。そこでキリトのほうを見ると、どうやらキリトも同じの様だった。
(あれ…?俺ら終わったんじゃね・・・?)
ミザールは得物を抜くか抜かないかの眼をしており、おそらくアスナもそうだろうと考えた時、再び転移門が青く発光し、二人ははっとした表情で俺たちの後ろに隠れた。
光が収まると、そこには見たことのある顔の男がいた。確か、二人の護衛だったよな。
「ア…アスナ様、ミザール様、勝手な事をされては困ります…!」
とヒステリックな声を上げた。
「さぁ、ギルド本部に戻りましょう」
「嫌よ、今日活動日じゃないわよ!」
「と言うか、何でアスナの家に張り込んでるのよ!?」
ああ、張り込んでたの…はい!?
「ふふ…、どうせこんなことがあろうかと思いまして、私一ヶ月前からずっとセルムブルクで早朝より監視の任務についておりました」
「いやいやストーカーかよ!!」
ついに我慢しきれずつっこむと、男は会を真っ赤にした。
「まぁ、ともかく。今日は二人共俺らの貸切りなんだ。二人の安全は俺らが責任持つから安心してくれ」
「ふ…ふざけるな!!貴様らの様な雑魚プレイヤーがお二人の護衛が務まるかぁ!!」
「悪いけど、アンタよりかはマシだ。さ、とっとと帰りな」
すると、男は顔を蒼白にして、
「ガキィ…そ、そこまででかい口を叩くからには、それを証明する覚悟があるんだろうな…」
と、突然デュエルを挑まれる。
「……なぁ、二人共。これ平気か?」
「大丈夫。クリフ団長には伝えとくから」
と、お許しが出た。まぁ、許し無くとも奴の性格が気に入らないから俺はYesを押したが。
「ご覧下さいアスナ様、ミザール様!!私以外に護衛が務まる者など居ない事を証明しますぞ!!」
等と叫び、腰から両手剣を引き抜く。それに倣い、俺も背からエウリュアレの宝剣を引き抜く。
カウントが0になると同時に俺と奴は動き出した。
クラディールの初動は<アバランシュ>。両手用大剣の上段ダッシュ技だ。それに対し、俺はクラディールの真正面を走りながらスキルを発動させた。
「セイハァアアアアッ!!」
俺が放ったのは、ヴォーパルストライクの派生スキル、カテゴリー<片手剣>の中段ダッシュ技、<ヴォーパルブレイク>。俺のスキルはクラディールの鎧へと吸い込まれ、鎧ごとクラディールを貫いた。
本来の重単発の威力に加え、加速を追加された一撃は重く、多少手加減はしたものの一気にレッドゾーンへと下がり、俺の勝利となった。途端、観客がワッと言う歓声を起こし、俺は耳を塞いだ。
「これで解っただろ?幾ら俺に挑んでも、俺には勝てねぇ。とっとと帰んな」
するとクラディールが、
「貴様…殺す…絶対に殺すぞ…」
と、言った。それを聞いた俺は、握り拳を作り、こう叫んだ。
「殺す……だと?殺しなんぞした事の無いテメェが軽々しく口にするな!!」
そして、そのままクラディールを殴ろうとしたが、ミザールに止められる。そして、アスナがクラディールのまえに立ち、
「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます。本日を以て護衛役を解任。別命あるまでギルド本部にて待機。以上」
「…なん…何だと…この…」
俺の耳には、辛うじてそれだけが聞こえた。そして、転移結晶を掴み出し、「転移…グランザム」と言って消えた。
「…ごめんなさい、嫌な事に巻き込んじゃって」
「別に良い。売られたのは俺で、買ったのも俺だ。それより早く迷宮区行こうぜ」
「そうだけど……ライト、今の意味って……」
「……気にするな。触れてほしくない黒歴史さ」
そう言うと、俺は街の外に続く道を歩き出した。 
 

 
後書き
ようやくクラディールさん撃破……。プロットは最終決戦前まで出来上がってるので更新出来ますが、空いてる時しか相変わらず更新出来ないです。メイン(ストブラ)の方も有りますし、まぁ、頑張って行きたいと思います。目指せ、SAO完結!!
あ、そうそう。まだ先ですが、ALOでライトの種族を選んで頂きたく存じます。候補は以下
・シルフ
・ケットシー
・サラマンダー
・ウンディーネ
・インプ
……どれも個性的でライトの性格に合うんですよねー。全く、どうしたらよいものか(苦笑)。
とりあえず、今後とも狩人と黒の剣士、そして、最凶最悪の人狼の応援をよろしくお願いします!!
流星・ライト「よろしくお願いします(ペコリ」 
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