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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第62話 懸賞の街アンキトバ

 
前書き
色々考えましたが、結局こうなりました。 

 
 適当にだらだらと話しながら歩き、最初の街「懸賞の街 アントキバ」へ着く。

 チュートリアルで薦められるだけあって、懸賞という名のRPGでいうクエストがゴロゴロある街だ。

 幸い、最初に遭遇したドレッド君のおかげで宿屋の大部屋に2~3週間ぐらい泊まるぐらいのお金はあるので、とりあえずこの街で過ごすことにする。

 さて、このグリードアイランド、月村家というか忍義姉さんの依頼は、「美肌温泉」で、それ以外の指示はない。なので4人での相談の結果、「3人分のコンプを目指し、それぞれ2枚の指定カードを持ち帰る」ということになった。4人分のコンプを目指さないのは、「持ち帰れる指定カードの枚数が割り切れないこと」と「3人分のカードを4冊の本(バインダー)に分けることによって他の人に総数が安易にばれないようにする」ためだ。
 ラーラさんから情報収拾をしており、スペルカードで他人の本を覗けるのはわかっているからその対策だ。

 なお、今回は少し変則的だが、「オレとフェイト」「リニスとアルフ」でPT(パーティー)を組む。
 一応、念能力での戦闘力の高さ(オレとリニス)とゲームという娯楽についての知識(オレとアルフ)を分けようとするとこういう編成になる。

 もっとも最初のクエストはいきなり1人1人での行動となるが。

 そう最初のクエストはもちろん「NO.75奇運アレキサンドライト」だ。

 このクエストは原作で主人公組が解いたクエストだが、『カードや所持金を全て奪われる』『最終的にクエを解くのにちょっとひねった別アイテムが必要』というカードが貯まってくる後になればなるほど取りにくくなるクエストだ。その上「クリア条件が思いつきにくい」というトレードにかなり適したアイテムだ。

 なので最初に解く。
 まさに原作知識万歳というところだ。

 まぁ、最終的にクエを解くのに必要なアイテムは入手していないので、クエを解くフラグを立てるとこまでしか今はできないが。

 ちなみにオレ > リニス > アルフ > フェイトの順で解いたんだが、最後のフェイトの時は残った3人でサーチャーで追跡し見ていた。

 こう3人でサーチャーの画面のフェイトの行動を一喜一憂して見ていると、ふと「どっかで見たことあるシチュだなぁ」と思ったんだけど、わかった。あれだ。「初めてのおつかい」。





  ☆  ★  ☆  





 なお、幾つかのクエストの結果、街に出入りする時の構成でPTが編成されることがわかったので、月曜日~水曜日は2パーティーでそれぞれクエスト攻略、木曜日・金曜日はオレとリニスでPTを組んで3冊目の分のクエストを攻略、土曜日・日曜日は休息という無理無い程度の攻略の予定だ。なお、木曜日・金曜日のフェイトとアルフは宿屋を出ず、修行に専念するカタチだ。

 なお、カードについては、1枚目をオレ、2枚目をリニス、3枚目をフェイトが持つことにするが、オレの本のカードのNO.4x、リニスの本のNO.4x-1、フェイトのカードのNO.4x-2をアルフに渡すことによって、対外的なカード枚数を誤魔化すことにする。
 まぁ、4人で組んでることがわかれば直ぐにばれるんだけどね。





  ☆  ★  ☆  





 さて、グリードアイランドに入って早3週間も過ぎ、明日はアンキトバの月例大会だ。
 情報によれば奇数月のアンキトバの月例大会の賞品は指定ポケットのカードなので、アンキトバのクエストもあらかたやったこともあり、この大会の後、次の街に向かうことに決めた。

 そして、その大会で「彼ら」と初遭遇した………。





 そう、「彼ら」、ゴンとキルア、いわゆる主人公である。





 どうやら、オレ達は本編と丸々同じ進行でゲーム攻略を進めないといけないらしい。





 ちなみに月例大会は、ゴンが優勝した。

 ゴン推薦のジャンケン必勝法---漫画を読んだときになるほどと思い、友達とやりあったので覚えていた---は、緩んだ手を最後に握り、グーにするという方法で無効化し、ぶっちゃけ運(でたとこ)勝負となり、決勝戦でフェイトがゴンに負けた。

 ゴンとキルアには同年代---というかオレとフェイトの方が年下だった---のプレイヤーとして話しかけられ、思いがけず仲良くなった。

 で、なんだかんだ一緒に歩いていると、跡をつけて来る気配がある。

 ゴンとキルアも気付いているようで、「皆があんな風にわかりやすいといいんだけどな」とか話している。

 で、まぁ、フェイトも交えて3人でスペルカードを使わない防御法なんかを話している。
 フェイトはそういう斜め方向的な思考は苦手なほうなんで、話しているというか内容にしきりに感心している感じだが。

 キルアがフェイトのその感心っぷりにドヤ顔で喜んでいるのが子供らしくて微笑ましい。

 そんな風にフェイト-キルア-ゴンの3人の後ろに、アルフ-リニス-オレの3人で歩いていると、「待て!! そこの子供3人!!」と声をかけてくるおっさんが。

 要は初心者であるゴンとキルアから月例大会の賞品である「真実の剣」を奪おうという魂胆らしい。

 あぁ、いたなー、そんなキャラ。

 思わず原作を思い出し、感慨にふけっているとそのオッサンだけでなく次から次へとカードを奪いに現れる。

「修行不足じゃないの? 目でも追いきれてなかったでしょ?」

 とかなんとか、ゴンが台詞を決めて、結局この騒ぎは一旦終了。

「そんなやり方は格下にしか通用しないぜ!!」

 負け犬の遠吠えを聞きながら、そいつらと別れて歩く。

 ちなみにその間、オレら後ろの3人は見てただけ。

 一目見て念の練度が明らかに低かったからね。
 介入する必要があるとも思えなかったし。

 で、そんなこんなで街を歩いていると、「ああ………。少なくともプロ級の連中に狙われたらひとたまりもないからな」とキルアがフラグを立てる。すると、

「わかってるじゃねーか。 そのカードを狙ってるのがあんな素人だけだと思ったか? 逃げてもムダだぜ」

と、キルア曰くプロっぽい連中がぞろぞろ現れる。

 まぁ、連中曰く「ここからが本当の決勝」らしい。

 ここでもスルーつもりだったけど、「わざわざ大会に出るなんてマヌケのやることさ」と言ってくれた奴がおり、保護者2人---リニスとアルフのことだ---の逆鱗に触れた。まぁ、今回の月例大会はフェイトが決勝まで残ってるしね。

「それは、彼らのカードを奪うつもりだと言うことですか?」

 若干低くなった声でリニスが「誰がスペルを使うか」なんていう無駄なことをジャンケンで決めている連中に声をかける。

「あぁ、そうだが?」

 こちらの意図に気付きもせず、そう答えるバカども。

「なら、奪われても仕方がないですね」

「そうだな」

 その瞬間、フェイト、アルフ、リニス、オレが一斉に連中に襲いかかる。

 マヌケなことに連中はゴンとキルアへの威嚇のためか本を出してジャンケンをしていたので、一瞬で勝負は付く。瞬殺だ。いや、誰も殺してないけどね。
 瞬動を使って一瞬で近づいて殴る蹴るなどで意識を奪っただけだ。
 フェイトやアルフでは、念能力だけでま正面から戦えばまだ危ういけど、あそこまで油断している中奇襲すれば、それぞれ1人ぐらいは殴り倒せる。
 で、その他はオレとリニスが倒したわけだ。

 まっ、油断しすぎだ。

 もちろん、このマヌケな連中からは根こそぎカードをもらいましたよ。まぁ、根こそぎとは言ってもこちらで4枚以上になる指定カードは奪わないでおいてやったが。スペルカードはありがたくいただきました。

 なにやらゴンの方からは、「カードを奪うなんてヒドイよ」とか抗議を受けたが、「カードを奪おうとするなら奪われるリスクはあって当然」と切り返して黙らせた。

 こっちから積極的に奪ったワケじゃないしね。

 一応彼らにも「そういうワケだからゴン達もらっていったら」と声をかけたけど、「オレ達はいい!」とか言って歩いて行ってしまった。

 うーん、怒らせたかったワケじゃないんだけどなぁ。

 あれ? 一応奪われるハズの「真実の剣」を守ってあげたんじゃね?

 なんか納得いかねぇ。     
 

 
後書き
遅くなりましたが、62話の投稿です。
なんとか週一の投稿ペースにしたいんですが、これがなかなか。
エタらないようにがんばります。

2014/08/18 タイトル修正、「NO.75奇運アレキサンドライト」取得状況を加筆 
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