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ソードアート ・オンライン 〜鋼鉄の城に輝く星々〜

作者:びーの
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エピソード1ー流星剣ー

ヤバイ!置いていかれた!!

ボス戦へと参加すぐために、市街区の広場に向かったが、既にそこには、攻略組の面々はおらず、ついさっきコリドー・クリスタルと呼ばれるアイテムを用いて、ボス部屋まで転移してしまったらしい。そして、現在、そのボス部屋へと高レベルプレイヤーとしてのステータスの高さをフルに発揮して、ボス部屋へと急いでいるリョウト……トレインとか非マナー行為までして、だいたい、10体ぐらいのモンスターが後続を続いて、走って来ているが……キニサナイキニシナイ……

迷宮区一階から、ボス部屋の近くまで、30分という好タイムを記録して、到着すると部屋の中から、金属と金属がぶつかり合う音と、リーダーを努める人の指示、攻略組の気合いなどが聞こえてきた。開け放たれた大扉から、中の様子を伺う血の様に真っ赤な色の鎧を着た騎士と青銅の青みがかった鎧を着たボスの取り巻きと攻略組が戦いを繰り広げていた。しかし、戦況は悪かった。原因は今回のボスである『THE BLOOD KNIGHT』は今までのボスとは、大きく違う点が二つあったためである。一つ目は、大きさである。今までのボスはでかくてナンボみたいな感じがあったのだが、今回の赤騎士様は完全な人型で身長も180mぐらいで、今までのボスの中でダントツに小さい。故に、取り囲んで、フルボッコな作戦が取れず、ほぼ一騎打ちみたいな感じになってしまって、ほとんどのプレイヤーが無駄になっている。そして、もうひとつの違いはボスの行動パターンが向かい合ったプレイヤーへと、ずっとタゲを向け続けるという特性のため、スイッチやローテーションがうまく機能せずにいた。ソロプレイヤーなら、一体一でも、戦えるが圧倒的に人数が少なく、ソロプレイヤーの代表とも言える黒の剣士ことキリトがここ何回かボス戦を休んでいるため、戦力が大幅に下がってしまっている。

そして、今、一人のプレイヤーが赤騎士の猛攻を防ぎきれずに、態勢を崩してしまう。そして、騎士がその大剣を振り下れる……

「させるかぁぁぁぁぁぁあ!」

刹那、青のロングコートをきて、フードで顔を隠した人物が二人の間へと割って入り、深い青色の剣が大剣を下段から、切り上げ、弾き返す。そして、出来た隙へと一回、二回と切りつける。バックステップで距離を取ると赤騎士は、リョウトを新たな敵として、認識し、攻撃を再開する。赤騎士が開いた距離を一気に詰め、そのまま、大剣を横薙ぎに振るう。それを身体を低くしながら、躱し、胴体を斬りつける。一撃を躱され、さらにカウンターをくらった赤騎士が後ろにノックバックする。
リョウトの手に持った青い剣が白いソードスキルの光を帯びる。しかし、その光はどのソードスキルの光よりも、眩かった。

"流星剣"三連撃『トライ・セイバー』3つの軌跡が赤騎士の鎧に守られた胴体をえぐり、3撃目が終わる直前、剣を纏っていた光が消え、直後、青色の光を帯びる。"流星剣"5連突『スター・フラッシング』5連の突きが鎧を穿つ、そして、またもや、帯びていた光が消え、紫の光を帯び始める。"流星剣"重2連撃『ヘビィ・アーク』紫の光を帯びた剣が2発、鎧の側面へと、放たれる。
赤騎士がノックバックした僅かな間に合計10連撃を決め、HPバーから、1割強もの量を消しさった。


ありえない!!!

突然の乱入者の猛攻を見ていた誰もが思った。普通、ソードスキルはパワーアシストが付き強力な攻撃を放てる反面、使えば少なからずスキルディレイと呼ばれる硬直時間ができる………はず…
しかし、その時間が攻撃の最中、一切なかった。では、使っていたのは、「ソードスキルではなかった」。否、「剣が帯びていた光は他のソードスキルのそれに比べて、強烈だったものの、ソードスキルそのものだった。」と。自らの案を自らの考えで否定した面々は、「チートだ。」という結果になった。しかし、この世界にそんなものは存在しないはず。
では、なんなのか?それは、『システム外スキル』。プレイヤー個人の技量などをもとに生み出される技術。そして、硬直時間がなかったのも、リョウトが独自に生み出したシステム外スキル『スキルキャンセル』。
ソードスキルは、発動すれば、アシストによって身体が規定された動きを取り、その動きに合わして、重心を移動させることによって、威力をブーストできる。しかし、その逆もしかりで、無理やりに身体の動きを止めようとしたり、変えたりしようとすれば、スキルは中断され、ディレイしてしまう。リョウトはそれを逆手にとり、絶妙なタイミングでソードスキルをキャンセルすることにより、攻撃後の硬直時間をごく僅かまたは、完全にゼロにするという技術を生み出した。余談だが、『スキルキャンセル』は上位ソードスキルや動きが複雑なものでは、タイミングが複雑すぎて使えないでいるため、下位の攻撃を繋げるしかできないでいるため、ダメージが思ったほど与えられないでいる。


硬直時間が発生しなかったという謎を考えながらも、騎士とフードをかぶり正体を隠している者との攻防を見ていた。否、見ているしかいなかった。二人の戦いが激し過ぎて、手を貸すにも、貸せなかった。もし、無理矢理にでも、割り込めば、予想外の事態が起き、逆にピンチになりかねないとわかっていたからである。



赤騎士が大剣を振るえば、リョウトはそれを躱し、反らし、受け流す。地道にかつ的確に騎士のHPバーを削っていき、リョウトの優勢という展開で進んでいた。そして、ついに二本目のHPバーが消滅する。すると、赤騎士は距離を取ると、剣を頭上に掲げ、叫ぶ。すると、リョウトを取り囲むように青銅騎士4体がPOPし、リョウト目掛けて、手に持った剣を一斉に振るおうとする。

「ちっ、厄介な……」

剣を地面と水平に構えると、重単発範囲技『スター・ストーム』を放ち、4体纏めて、ポリゴン片とする。スキルディレイを狙って赤騎士が距離を詰め、攻撃をしてこようとするが、ディレイ中のはずなのに、ソードスキルの光を帯びた左拳が振り抜かれ、赤騎士にカウンターを食らわせる。予期せむカウンターをくらい、再びノックバックする。すかさず、ソードスキルを発動し、迎撃を開始する。3連撃、5連撃と攻撃を繋げていき、ラスト2連撃を放った直後に右脚を後ろに大きく開く。そして、黒色の光を纏いソードスキルが発動する。"格闘"『月牙』。円を描くようにバク宙を決め、その途中で騎士の顎にトゥーキックを決める。顎を蹴り上げられたことによって、後方へと倒れそうとなる騎士の身体に"流星剣"3連撃『シューティング・スター』。地面を強く蹴り、騎士に瞬く間に接近すると突進のスピードを上乗せした斬撃を横一文字に放つ。さらに、刃を返して、2連撃を叩きこむ。不安定な態勢から強力な追撃を食らったため大きく後退した赤騎士。それからの戦闘は赤騎士が青銅騎士を召喚してくるも、攻略組が抑えてくれていたため、赤騎士と一体一で戦うことができ、先程よりも早いペースでHPバーを削っていき、ついにラスト一本となる。

「ヴォォォォォォォォォ」

気合と共に赤騎士はドス黒いオーラを纏い、バーサーク状態となる。バーサーク化すると、モンスターのアルゴリズムが複雑かし、さらにステータスなどが上昇する。
赤騎士が大剣を上段に構え、『アバランシュ』を発動させ、リョウトへと、大剣を振り下ろす。片手剣を構えて、防御態勢を取るも、勢いを相殺出来ずに、吹き飛ばされる。なんとか、手をつき、倒れなかったが、一瞬で接近して水平に振られた刃をガードしきれずに大きく弾き飛ばされ、壁へと激突し、ズルズルと地面におりて行く。
ゲーム世界なので、痛みはないが衝撃で身体が動きずらくなることはある。リョウトは足腰に力を入れ、立ち上がると、腰に担いでいる蒼色の鞘へと剣を納刀し、足を少し大きく開き、身体を左へと捻り、抜刀の構えをとる。
そして、再び赤騎士は『アバランシュ』を発動させ、リョウトを切り裂こうと地を蹴り、突進してくる。


「防げないなら、やられる前に殺るのみ」

"流星剣"超重単発攻撃『スーパー・ノヴァ』

赤騎士がリョウトの射程範囲に入った、瞬間、リョウトは、地面を思い切り強く蹴り、鞘に納めた剣を抜刀、騎士の鎧と仮面の僅かな隙間へと、高速の剣が吸い込まれる。

攻略組の面々は何が起こったのかほとんどの者がわからなかった。赤騎士が突進して行き、謎の乱入者の距離を詰めていく……すると、乱入者の姿が消えたと思ったら、騎士の後ろ側に現れたと思ったら、強烈な閃光とともに、赤騎士が爆散した。そして、ボス戦の終わりを告げるファンファーレが部屋全体へと、鳴り響いた。しかし、なんとも言えない雰囲気があった。

ーなにが起こった?
ーボスのHPバーはほとんど一本残っていたぞ。
ーなんだあいつは?
ーあんな攻撃見たことがない



ボスを倒し終えたリョウトは少し困ったことになっていた。ボスから得られる莫大なリソースをほとんど独り占めしてしまい、さらに、他の者にとっては意味不明なソードスキルを使い、圧倒的な強さを見せつけた。印象は良かれ悪かれ、相当注目を浴びていた。実際に妬み、嫉妬、怒り、感謝、疑惑と言った数々の視線がリョウトに対して向けられている。

さ〜て、どうしたものか……案その一、正体をバラす。それは、あとあとめんどくさそうだからパス。その二、全員キルする。それをやったら、攻略が進まなくなるし、そんなことをして、万が一、正体がバレでもしたら、殺されかねない。てか、返り討ちにあいそう。その三、逃げる。やっはこれが一番かなー。なんて、考えていると悪趣味な赤いバンダナをしたよろしくお願い申し上げます。位武者風の男が近づいていた。

「おう、あんたすげ〜な、とこでよ〜、あんたが使っていたソードスキル…あんなん見たことがねぇ〜ぞ。あと、なんで顔を隠してんだ。」

んっ!?クラインか!ちょうどいい!

「一つ目の問いに関しては、アレは"流星剣"っていうエクストラスキルだ。出現条件はわからない。二つ目の問いに関しては、目立つのが嫌いだからだ。」

「なっ!ヒースクリフと同じユニークスキルってことか!?」

「さて、俺はちょっと逃げさせてもらうぞ。あと、これやるよ。リソースを独占した少しもの詫びだ。みんなでわけてくれ。」
そう言って、ストレージから、肥やしとなっていたレアアイテムとボスから入手した素材やLAで手に入れたアイテムを出して、クラインに渡しておく。そして、走って逃走。

これで少しは妬み、嫉妬が消えるだろ……消えるといいな…

「お、おい!………。誰なんだろうな、あいつ。」

突然の逃走に一同唖然としていたが、目の前の宝の山に目が行き、皆殺気を纏う……



リョウトは60層でのボス戦の翌日に配布された新聞を読んで頭を抱えていた。


『血盟騎士団団長ヒースクリフの《神聖剣》に継ぐ、第二のユニークスキル《流星剣》現る。60層のボスを一撃で粉砕した謎の人物は誰なのか?』

いや、一撃じゃないから!?噂に尾ひれがつきまくってないか!?

そして、絶対に正体を明かさないと心に決めたリョウトだった。


 
 

 
後書き
作「やっと初投稿できた〜。」
リ「お疲れさん。てか、俺、一人でボスと戦うとか……他の攻略組の人サボりすぎじゃね。」
作「いや、リョウトvs赤騎士の戦いが凄すぎて、手助けしようにもできなかったんだよ。それで納得して!」
リ「てかさー、某黒の剣士さんは?」
作「一人突出しすぎているので、今回はキリッと君は省かれました。」
リ「キリト、哀れww」
作「ど〜せ、どっかでフラグ建築してんだろ〜よ。」
リ「あり得るな。てか、ヒロインはどーすんの?」
作「後後、登場させるつもりです。」
作「まぁ、これくらいで終わりにして、せ〜の!」
作「これからもよろしくお願いします!」リ「さようなら〜」
作「そろえろよっ!!!」 
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