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美しき異形達

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第十話 風の令嬢その八

「とにかく成績はなのね」
「勉強はしてるよ」
 少なくとも赤点にはならない位には、というのだ。
「そっちもな」
「ならいいわ。ただね」
「油断はするな、だよな」
「気をつけてね、そlこは」
「わかってるさ」
 笑って答えた薊だった、そうしたことを話してだった。
 薊はここでテレビのリモコンを手に取った、そして。
 そのうえでだった、こう言うのだった。
「面白い番組あるかね」
「ううん、どうかしら」
「何かあたしテレビは観ないんだよな」
「私も。寮にいたらね」
「観ないよな、テレビ」
「そうよね」
 こう話すのだった。
「どうしても」
「そうよね、ただね」
「テレビがなくてもな」
「別に困らないから」
 観なくても、というのだ。
「特にね」
「そうなんだよな、ましてな」
「観ても面白い番組ってね」
「ないよな」
「全然ないわよね」
 面白い番組は、というのだ。裕香も。
「これが」
「何だろうな、観ても下らない番組しかないよな」
「本当にね」
「昔のテレビ番組って面白かったんだよな」
「らしいわね」
 そうした時代もあった、かつては。
「けれど今はね」
「本当に面白い番組ないわね」
「だから別に観なくてもな」
 そうしてもだった、実際に。
「死なないしな」
「死なないわよ、テレビなくても」
「だよな。あたし孤児院でもな」
 かつてだ、横須賀にいた時にもだというのだ。
「テレビは観なかったよ」
「孤児院にもテレビあったわよね」
「あったけれどいつも身体を動かしたりゲームしたりさ」
「テレビは使っても」
「そう、番組は観なかったよ」
 それはというのだ。
「ゲームの方が面白いしさ」
「最近携帯ゲームもあるしね」
「だよな、そっちをやる方が面白いから」
「テレビを観なくても困らないわ」
「っていうかテレビ観たら馬鹿になるってな」
「よく言われるし」
 このことは昔から言われているが実際にそうかも知れない。低俗な番組か一方的な捏造偏向番組ばかりだからだ。
「かえって観ない方がいいかも」
「そうかもな」
「ええmじゃあね」
 こう話してだった、それで。
 二人はテレビは点けたが番組は観なかった、ただ点けただけだった。
 この日の二人は平和に終わった、しかし。
 次の日の昼だった、薊と裕香は二人で校舎の屋上でパンを食べながらそれを昼食にして楽しんでいるとだった、その二人の前に。
 全身緑色の怪人が現れた、その怪人はというと。
「何だよ、こいつ」
「ええと、この外見は」
 見れば身体のあちこちに蔦と葉がある、両手は人間のものだがその手には鞭の様な蔦がある。赤い目は濁った光を放っている。見れば髪の毛も半ば葉となっている。
 その怪人を見てだ、裕香は薊に言った。
「植物よね」
「だよな、植物も怪人になるんだな」
「そうみたいね」
「ったく、バリエーションだけは豊かだな」
 薊はその植物の怪人を嫌そうな顔で睨みながら言った。
「本当にどういう経緯で生まれてるんだろうな、こいつ等」
「それは私も知らないわ」
 怪人の方から言ってきた、声は女のものだった。 
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