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やはりぼっちが商人でSAOを生き残るのはまちがっている。

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そして彼は決意する。

 
前書き
お遊びです。p4クロスが本家ですから、期待しないでっ! 

 
『リンク・スタート』









「デス、ゲームって、そんなっ……」

崩れ落ちる小町を支える。プルプルと震えるその身体の感触は、到底ゲーム内の作り物とは思えない。
だから分かった。
これはゲームではない。紛れもない現実なのだと。

「……おかしいだろ、これ……」

知れず、呟く。
ほんの数時間前までいつも通りの生活を送っていたはずだった。普通に学校に行って、奉仕部でダラダラと過ごして、そして……

「クリア……百層……」

掠れた声で小町が呻く。
俺がある程度の冷静さを保てているのは、小町が取り乱さずにいてくれるおかげだ。
その一方で、冷静だからこそ焦燥もつのる。

「茅場、明彦っ……!」

歯噛みすることしかできない自分に無性に腹が立つ。
それでも生き残らなければならない。
小町と二人で。
もう一度あの日常に帰る為に。




人類初のVRMMO<ソードアートオンライン>サービス初日ーー通称『始まりの日』のことだった。












闘い。
人類、ひいては生物が生存するうえで逃れることのできないものである。
それは例えば受験であり、業績であり、スポーツであり。
だが俺の人生で、その生存という一点を明確に賭けて争うという事があっただろうか。
答えはノーである。
社会という分厚い壁がそういった殺伐とした世界を遮っていたからである。
その壁が今取り払われた。いや、新たな壁によってその加護が遮断されたというべきか。
ゲームオーバー=死。
聞けばすでに二百人近い人間がゲームからも、現実からもログアウトしたという。
その事実が重くのしかかる。

俺は別にゲームが得意なわけじゃない。
まあ、フルダイブして、キャラを自分の身体のように動かせるこのSAOを従来のゲームと一緒くたにできるかは微妙なところだが。
大抵の運動ならそこそここなせる自信はあるが、この常識外れのゲームで、どこまでその常識が通用するかは分からなかった。
加えて小町。
兄として、妹を危険な場所に送り出すなど不可能。
だが小町の性格からして、攻略を他人に任せ、自分だけのうのうと安全地帯に引きこもる事を良しとはしないだろう。




そこまで考えて、俺は決めた。
簡単な話だ。様はそこそこの安全性の確保された状況で、小町に何かしているという満足感を与えてやれば良いのだ。
そして俺は知っている。このSAOでは、料理や家事、裁縫といった生活に欠かせない動作やらも再現されていることを。
そして素材やポーションといったアイテムのプレイヤー同士の売買が可能だということを。









「小町」

頭に手を置くと、涙に濡れた目が俺を捉えた。
俺は守らなきゃならない。たった一人の妹を。
だから。



「小町…………商人やるぞ」 
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