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FAIRY TAIL 忘却の最期

作者:大牟
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第2話 ようこそ、妖精の尻尾へ

「わぁ。」

「予想以上に大きいギルドだな。」

「ようこそ、妖精の尻尾へ!」

ルーシィ、ラストはナツとハッピーの案内で魔導士ギルド「妖精の尻尾」の前にいた。

「ただいまー!!」

ナツがドアを蹴破りながらギルドに入る。

「お、おかえり!」

「おかえりなさい!」

ギルドの中は酒場になっていて、かなり賑わっている。

「またハデにやらかしたなぁ!ハルジオンの港の件、新聞に載って」

出っ歯の魔導士の言葉半ばでナツがその魔導士を蹴り飛ばす

「なんで!?」

「仲悪いのか?」

「てめぇ!!火竜の情報ウソじゃねぇか!!」

ナツは嘘の情報を掴まされたことに腹を立てているようだ。

「んなの知らねえよ!俺は小耳に挟んだ話を教えただけだろうが!」

「んだとぉ!?」

「やんのかコラァ!!」

「まぁまぁナツそのへんnニギャァァァ!!」

ナツの喧嘩がきっかけで、酒場にいた人間が全員喧嘩を始めた。

「すごい・・・あたし本当に・・・妖精の尻尾に来たんだぁ。」

「喧嘩っ早いギルドだな・・・」

ルーシィは感動していたが、ラストは不安を覚えた。

「あん?ナツが帰ってきたってぇ!!?」

ルーシィとラストの前に現れた、パンツ一丁の男

グレイ・フルバスターがナツと喧嘩を挑もうとしていた。

それを茫然と見ているルーシィとラスト

「この間の決着つけんぞナツ!!」

「グレイ、服。」

「ああしまった!?」

グレイを注意した女の名は、カナ・アルベローナ

「これだから品のない男どもは・・・嫌だわ。」

そう言いながら巨大な酒樽を一気飲みする。かなりの大酒のみらしい。

「昼間からピーピーギャーギャー・・・ガキじゃあるめぇし・・・」

またボー然としている二人の後ろに現れたのは、エルフマン。

「漢なら拳で語れ!!」

「結局喧嘩なのね・・・」

「「邪魔だ!!」」

勇ましく言った割に、ナツとグレイに簡単に殴り飛ばされる。

「「しかも玉砕!?」」

「やだやだ、騒々しいねぇ・・・」

二人は声が聞こえる方を見ると、女の子をはべらせている男がいた。

名は、ロキ。

「あ!「彼氏にしたい魔導士」上位ランカーのロキ!!」

「ソーサラーでよく載ってる奴だな。」

流れ弾のコップが当たり、ロキはキレた。

「混ざってくるね、君達のためにb」

「頑張って♡」

「上位ランカー末梢・・・」

「何それ!?」

ルーシィはメモ帳を取り出し張り付けてある写真にバッテンを入れていた。

「ていうかまともな人が一人もいないじゃない・・・」

「ホント、変わったギルドだよな・・・」

「あら、新人さん?」

後ろから声が聞こえ振り向くと、妖精の尻尾の看板娘であるミラジェーンがいた。

「ミラジェーン!?」

「本物だ!」

本物のミラジェーンに出会えた二人は感動していたが、喧嘩を止めることが先決と感じた。

「あ、あれ止めなくていいんですか?」

「いつものことだから、放っておけばいいのよ。それに」

ミラジェーンの言葉半ばでエルフマンが飛んできてミラジェーンが下敷きになった。

「楽しいでしょ?」

とタンコブを作って気絶し、白い魂(?)が出てきた。

「キャー!ミラジェーンさーん!!」

「なんか出た!?」

ルーシィとラストがツッコミを入れた直後、グレイが二人にぶつかってきた。

「「どわぁ!?」」

「へっへーん!」

「あ~俺のパンツ!!」

ナツにパンツを取られたグレイは・・・・・・・・すっぽんぽん状態だった。

「キャァァァァ!!」

「ルーシィ見ちゃだmのわぁ!!」

ルーシィを庇おうとしたラストがグレイに弾き飛ばされる。

「お嬢さんよかったらパンツ貸してくr「貸すか!!」

ルーシィはセクハラ全開のグレイをハリセンで吹っ飛ばす。

「デリカシーのない奴らはこまるnあすぱぁぁぁ!!」

さりげなくお姫様だっこをするロキを、エルフマンが殴り飛ばす。

「漢は拳でぇ!!」

「オラァ!邪魔だっての!!」

「あい!」

ナツはエルフマンを蹴り飛ばす。

さらに喧嘩は激化していく。

「ああうるさいね、落ち着いて酒が飲めないじゃないの。」

カナはカードを取り出し魔方陣を展開する。

「あんた達、いい加減にしなさいよ。」

「あったまきた!!」

グレイは掌と拳を合わせ冷気を発する。

「ぬおおおおお!!」

エルフマンは雄叫びを上げながら自分の右腕を魔物の腕に変えた。

「困った奴らだ。」

ロキは指輪から魔方陣を展開する。

「かかってこいや!!」

ナツは両手から炎を発生させた。

ここからは魔法で喧嘩を始めるつもりらしい。

「魔法で喧嘩!?」

「あい。」

「あいじゃない・・・」

ルーシィはハッピーを盾にしていた。

起き上ったラストは・・・

「いい加減にしておけよ・・・!」

キレたらしく、ガントレットでDBを呼び出し戦闘態勢に入っていた。

「これ以上ルーシィに危害を加えるつもりなら消滅させる!!」

「あんたまで!?」

「そこまでじゃ!」

突然、老人の声が聞こえ

「やめんかバカタレ!!!」

・・・・・もとい、巨人の声が聞こえ、全員が喧嘩を止めた

「「デカーーーー!!」」

ルーシィとラストは突然のことで驚くだけだった。

「あら、いらしてたんですか、マスター?」

「うむ。」

「「マスター!!?」」

ミラジェーンが自然とマスターと呼ぶ・・・ということは、この巨人が妖精の尻尾のマスターということだ。

「ガッハッハッハッハ!みんなしてビビリやがって、この勝負は俺の勝ぴ!?」

調子に乗っているナツをマスターが踏みつぶした。

「む、新入りかね?」

「「は、はい・・・」」

あまりの迫力に二人は言葉を失う。

「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!」

今度は何をする気なのか、そんな恐怖で二人の口がガクガク震えた。

しかし、巨人はみるみる内に小さくなっていき

やがて子供かと思うくらい小さくなった。

「よろしくね!」

「「小っさ!?」」

「ていうかマスターって・・・」

「そう、この方が妖精の尻尾のマスター・・・マカロフさんよ。」

ミラジェーンが丁寧に説明した後

「とう!」

マカロフが2階まで軽快にジャンプ・・・・したのだが

「ジュベ!?」

手すりに後頭部をぶつけたが、その後何事もなかったかのように咳払いをする。

「動きがファンシーだな・・・」

ラストが静かにツッコミを入れた後、マカロフは手に持っている紙をギルドの皆に見せた。

「ま~たやってくれたのぅ貴様等。見よ、評議会から送られてきたこの文書を。全部苦情じゃ。まずは・・・グレイ。」

「あ?」

「密輸組織を検挙したまではいいが、その後、街を素っ裸でふらつき、挙句の果てに干してある下着を盗んで逃走。」

「はぁ!?」

「いや・・・だって裸じゃまずいだろ。」

「ますは裸になるなよ。」

エルフマンの言うことも最もだが、彼にも苦情が来ているようだ。

「エルフマン!貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行。」

「男は学歴よ・・・なんて言うからつい・・・」

「ついって・・・」

まだまだ苦情は来ているようだ。

「カナ・アルベローナ、経費と偽って某酒場で飲むこと大樽15個。しかも請求先は評議会。」

「バレたか・・・・・」

「ロキ・・・評議員レイジ老子の孫娘に手を出す。某タレント事務所からも損害賠償の請求がきておる。」

次を言おうとする直前、思いっきり身体がガクンと下がった。

「そして・・・ナツ、デボン盗賊一家壊滅するも民家7軒も壊滅、チューリィ村の歴史ある時計台倒壊、フリージアの教会全焼、ルピナス城一部損壊、ナズナ渓谷観測所崩壊により機能停止、ハルジオンの港半壊・・・」

そのほとんどが、雑誌に載っていた事件だった。

(本で読んだ記事はほとんどナツがやってたのね・・・)

「貴様らぁ・・・・ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞ・・・!!」

マカロフが殺気立ち、全員が黙り込んでいた。

かなり怒るのだろうとルーシィとラストは震えていた。

「だが・・・評議員などクソくらえじゃ!」

かなり意外な言葉が返ってきた。

ここなら普通、かなり怒って二度とするなと言うところだ。

しかし、マカロフはそれをしなかった。

苦情の紙を燃やし、ナツに向けて投げた。それを食べるナツ。

「よいか・・・理の力は理の中より生まれる・・・魔法は奇跡に力ではない。我々のある気の流れと、自然界に流れる気の波長が合わさり、初めて具現化されるのじゃ。
それは、精神力と集中力を使う。いや、己が魂すべてを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。」

マカロフはニッと笑った。

「上から覗いている目ん玉気にしてたら魔道は進めん。評議員のバカ共を恐れるな。

自分の信じた道を進めぃ!!それが・・・妖精の尻尾の魔導士じゃぁぁぁ!!」

マカロフがそう叫んだ後、ギルドの魔導士達が歓声を上げた。

今まで喧嘩をしていたナツやグレイらは笑いあう

ルーシィとラストは、改めて妖精の尻尾に来たことを喜んでいた。



・・・・・・・・・・・で?







ルーシィとラストはミラジェーンからギルドの一員である証

妖精の尻尾の紋章をスタンプしてもらっていた。

ルーシィは右手の甲、ラストは左手の甲だ。

「はい、これであなた達も妖精の尻尾の一員よ。」

「これが妖精の尻尾の紋章・・・」

「ナツぅ見て見て!妖精の尻尾のマーク入れてもらっちゃたぁ!」

「あっそ、よかったな、ルイージ。」

「ルーシィよ!!」

「記憶力ねぇなこいつ・・・・」

そっけない返事をするナツに対しツッコむルーシィ、そのやり取りを見て青筋を立てるラストであった。

「ナツの奴、あんなかわいい娘どこで見つけてきたんだ?」

「いいなぁ・・・ウチのチーム入ってくんねぇかな?」

「私あの白髪の方がいいなぁ・・・」

ギルドの面々は新しいメンバーの話題で持ちきりのようだ。

ナツは仕事に向かうためにリクエストボードの前に立っていた。

様々な依頼が書かれている中、一つの依頼書をとる。

「報酬のいいやつにしようね。」

「お、コレなんかどうだ?盗賊退治で16万Jだ。」

「決まりだね。」

ナツとハッピーが仕事に行こうとする

「父ちゃん、まだ帰ってこないの?」

その時、ロメオという少年がマカロフに訪ねていた。

「む、くどいぞロメオ。魔導士の息子なら大人しく家で待っておれ。」

「だって・・・三日で戻るって言ったのに・・・もう一週間も帰って来ないんだよ!」

その様子をナツとルーシィ、ラストは横から見ていた。

「たしかハコベ山の仕事じゃったな・・・」

「そんなに遠くないじゃないか!探しに行ってくれよ!心配なんだ!」

「貴様の親父は魔導士じゃろ!自分のケツもふけねぇような魔導士なんぞこのギルドにはおらんのじゃ!帰ってミルクでも飲んでおれぇ!!」

マカロフがそう怒鳴った後

「バカー!!」

ロメオはマカロフの顔面を殴り、泣きながらギルドから出て行った。

「厳しいのね・・・」

「だからってあそこまで言うか・・・」

「本当はマスターも心配してるのよ。」

ミラジェーンがそう言った後

リクエストボードから大きな音が鳴った。

ナツが行くはずの依頼書を叩きつけたのだ。

「おいナツ!ボード壊すなよ!」

ナブの言葉にも耳を貸さず、ナツとハッピーは何処かへ行こうとしていた。

「マスター・・・ナツの奴、ちょっとやべぇんじゃないの?あいつ、マカオを助けに行くにだぜ?」

「これだからガキはよぉ。」

「そんなことしたって、マカオの自尊心が傷つくだけなのに・・・」

「進むべき道は誰が決めるって事でもねぇ、放っておけ。」

「どうしちゃったの・・・?」

「急に人が変ったように・・・」

ルーシィとラストの疑問に答えたのは、ミラジェーンだった。

「ナツもロメオ君と同じだからね。」

「え?」

「自分とダブっちゃったのかな・・・ナツのお父さんも出て行ったきりまだ帰ってこないのよ。お父さん・・・って言っても、育ての親なんだけどね。しかもドラゴン。」

ドラゴンの単語を聞いて二人は驚いた。

「ドラゴンって・・・!」

「ナツってドラゴンに育てられたの!?」

「オオカミに育てられたってのは聞いたことあるけど・・・!」

「小さい時、そのドラゴンに森で拾われて、言葉や文化や・・・魔法なんかを教えてもらったんだって。でも、ある日ナツの前からそのドラゴンは姿を消した。」

「そっか・・・」

「そのドラゴンが・・・イグニール・・・」

「ナツはね・・・いつかイグニールと会える日を楽しみにしてるの。そーゆーとこがかわいいんだけどね。」

「かわいい・・・ねぇ。」

「・・・私達は・・・妖精の尻尾の魔導士たちは・・・みんな、みんな何かを抱えてる・・・キズや、痛みや・・・苦しみや・・・・・・・・・・私も・・・・・・」

「え?」

「ううん、なんでもない。」

ミラジェーンは最後に何を言ったのか、ラストには聞こえていた。

(私も・・・ミラジェーンさんも何かを抱えて生きている・・・ここの魔導士たちも同じ・・・)

ラストは後ろを振り返り、笑いながら酒や話をしている人達を眺める。

「ねぇラスト。」

「どうした?」

「私達もナツについていこ?」

「は?」

「だって心配じゃない?」

「いやでもマスターが・・・」

「あ奴一人で行かせては尚更心配じゃわい。すまんが、新入り二人で補佐してくれぃ。」

マカロフは軽く承諾したので、二人でナツの後を追いかけることになった。

「おっとその前にそこの!」

「はい?」

「ラストと言ったな、少し話があるんじゃが。」

「すまんルーシィ、先に行っててくれ。」

「うん。(マスターがラストに話?なんか引っかかるわね・・・)」

ルーシィの疑問はミラジェーンや他の魔導士たちも一緒だった。

マカロフとラストは酒場の奥の部屋へ来ていた。

「さて・・・お主が使っている魔法なんじゃがな・・・」

「ダークブリングのことですか?これは換装魔法と同じで・・・」

「主のダークブリングとやらは・・・魔法ではないじゃろ?」

「!!」

それを言われ、ラストは息をのんだ。

「・・・・・どこまで知っているんですか?」

「どこまで知っている・・・というわけではない。主から魔力が感じられんからじゃ。能力系、所持系問わず、どの魔導士にも体内に魔力があるはずなんじゃが、お前さんにはそれがない。なのにダークブリングとやらは魔法として成立している。」

「・・・・・・ギルドに入った早々破門ですか?」

それを聞いたマカロフは静かに笑った。

「確かに、魔法を扱えん者はギルドには入れんのじゃが・・・ワシはそこまで鬼ではない。何か・・・事情があるのじゃろ?」

「あなたに隠し事は・・・できないようですね。」

「ここなら誰にも聞かれん、他言もせん。話してみよ。」

ラストは、マカロフに真実を告げる。

それを聞いた後のマカロフは、驚きを隠せずにいた。

「なんと・・・そんなことが・・・・」

「はい・・・」

「・・・良いじゃろう、その手の依頼も優先的に主に渡すようにしよう。」

「いいのですか?」

「事情が事情じゃ、このままでは・・・この魔法界・・・いや、世界全体の危機じゃ。」

「入って早々、こんな待遇を受けるなんて異例ですね。」

「ハハハ、そうじゃな。ここはいいから、はようナツんとこに行きなさい。」

「はい、では・・・」

ラストは部屋を後にし、ルーシィの後を追いかけた。

部屋に残ったマカロフは・・・冷や汗をかき椅子にもたれかかった。

「まさかの・・・あの古文書に書かれていた記述は本当だったとは・・・・・あ奴なら・・・止められるのか・・・・・・」




第2話 完
 
 

 
後書き
次回予告

ルーシィ「ナツに付いてってハコベ山に来たのはいいんだけど・・・」

ラスト「何かあったのか?」

ルーシィ「何かって、この吹雪は何なのよ!?今夏でしょ!?」

ラスト「夏とナツをかけてる?」

ルーシィ「変なボケかまさないで!!」

次回、火竜と猿と牛

ルーシィ「あーもう無理、あたしここで待ってるからマカオさん助けに行ってて!」

ラスト「・・・・・何のために付いてきたんだ、ルーシィ?」
 
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