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東方変形葉

作者:月の部屋
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変化と不変の入り乱れ
第二章 幻想郷と少年
  東方変形葉9話「紅魔館の愉快な仲間たち」

 
前書き
橙「ほんとにいっちゃうの?」
裕海「ああ。いつでも遊びにきてもいいからね。」
藍「きちんと規則正しく暮らすんだぞ?無理はするなよ?」
裕海「ありがとう、藍」
紫「もう、親バカねえ。じゃあ裕海、案内するからついてきなさい。」
裕海「ああ。2人とも、じゃあね。」
橙「ばいばーい、またね!」
藍「元気でな。」
 

 
本当に家が建っていた。立派な2階建ての少し大きめの家だ。アリスの家ぐらいかな?
「どう?気に入った?」
「ああ。気に入ったよ。ありがとう。」
「礼を言うなら、あの子たちにね。」
・・・木の陰に、酒をぐびぐび飲んでいる角が生えた人と、その隣にすごい疲れている魔理沙と霊夢がいた。すごい光景だ。
「3人ともありがとう。今度なにか手伝うよ。」
「おう!!」
「うー・・・家帰って寝よ・・・」
「毎日、なにか食べにくるわ!!」
「あなたの荷物とかもなかにいれておいたから。じゃあね。」
「ありがとう。」
紫がスキマの中に入っていった。これからはここが俺の家だ。



「もぐもぐ、あなた意外と料理上手いのね。」
「それほどでもないよ。」
さっきの約束通り、霊夢が何か食べに来た。とりあえず親子丼を作った。霊夢がおいしそうに親子丼を食べているのを見ていたときにふとあることを思い出した。
「あ、そういえば招待状もらってたんだった。」
「もぐもぐ・・・え?どこの?」
「紅魔館。」
赤い紙をちらっと見せる。
「ああ、この前咲夜に渡されてたわね。じゃ、いってらっしゃい。」
「・・・別にここにいてくれてかまわないけど、この家の食料全部食わないでね。」
「ぎくっ。な、なんのことかしら~?」
・・・家に食料がないことを前提にしておこう。



スキマを開き、紅魔館前にやってきた。
・・・前に配達に来た時も思ったけど、なんであのチャイナ服の人は門の前で立ったまま寝ているのだろうか。
「お待ちしておりました。」
っ!いきなり横に現れた!?テレポート?
「さ、お嬢様がお待ちです。早く中に。」
「あ、ああ。」
あれ?門番の人がナイフ刺さって倒れてる。幻覚かな?



「ふふふ、待っていたぞ。私はこの館の主、レミリア・スカーレットだ。葉川裕海、早速だがお前に頼みたいことがある。」
妙なカリスマを放っている、どう見ても10代前半くらいの人がいた。頼みって何?
「その前に、私の妹、フランと戦ってもらう。」
「へ?」
お約束パターンといっても過言ではないこの流れ。そんなこともあろうかとスペカを追加したけど、どうなることやら。
「わーい、この人間のこと?」
「ええ、しっかり楽しみなさい。」
「うん!!」
「提示する枚数はなし!体力の限りたたかうがよい。」
「え、そういうのありなんだ。」

禁忌「クランベリートラップ」

わっもう始まった。弾幕があらゆる方向から飛んでくる。これはめんどくさい。

狂変「皆既月食の紅き月」

真っ赤なホーミング弾を撃ち込み、円状の弾幕渦を展開する。
・・・弾幕渦って初めて使う日本語だけど、こんな言葉あるのかな。
「あははははは!!楽しいよ!」
すいすい弾幕をよけている。余裕そうだ。弾幕を操作し、・・・確かフランだったな。フランにめがけて飛ばす。
しかし、これもまた避けられる。しかもすごい余裕そうに。なかなか手ごわい。

禁忌「レーヴァテイン」

フランが炎の剣を生み出し、振りかざしてきた。ってあぶねえ!!こわい!当たったら痛いではすまないな。おまけでついてくる弾幕にも気を付けないといけないが、あの剣が一番怖い。分析し、あれを出す。

神変「千変万化の花畑」

色や動きがころころ変わる弾幕を放つ。だけど花のように綺麗という、不思議なスペカ。
「うわっ!」
さすがに少し困っている。だが苦戦というには程遠く、もののみごとにかわされる。そして切り裂かれる。不思議な花畑は炎の剣で切り裂かれる。しかたない、ここはあれを出そう。

天変「雷の豪雨」

黄色い光線がいくつも降り注ぐ。光線がメインのため、弾は控えめにしてある。
「あはははは!まだ壊れちゃだめだよ!!」

禁忌「フォーオブアカインド」

フランが4人になった。4人が光線をかわしつつ、弾幕を撃ってくる。だが、本人以外は鈍いのかどうか知らないが、3人はかなり避けるのに苦労している。あ、3人とも当たって消えた。と、冷静に判断しているように見えるが、結構フランの弾幕は避けづらい。20秒先を読んでなんとかかわしてはいる。
「ははははったのしいわ!!」

禁忌「カゴメカゴメ」

下から弾幕が出てきて、俺を封じ込めた。フランが弾幕を撃つと、その弾幕の壁は崩れていく。なるほど、おもしろいスペカだ。ならばこちらも!!

「七曜弾幕大結界」





「お嬢様、どうですか?彼は。」
私はお嬢様にあの子の戦いぶりを聞いてみる。
「ふむ、なかなか先のことが読めているじゃないか。人間にしては。咲夜、あなたがかなう相手ではないと私は思うわよ。」
私もそう思っていたので、しかし私のもプライドというものがあるため、こくんとだけ頷いた。
「(しかし、あの人間の運命が見えない。死ぬわけでもないのに。どういうことだ?)」
「レミィ~?」
パチュリー様が珍しく図書館から出てきている。
「あら、パチェ。珍しいじゃない、図書館から出てくるなんて。」
「なにやらここが騒がしくてね。それはどうでもいいのだけど、あの人間は誰?」
そういえばパチュリー様は会ってなかったのね。
「葉川裕海というのよ。」
「いや、そうじゃなくて。」
「彼は、二ヵ月前に幻想入りした外来人です。」
一応説明を付け加える。
「ふ~ん?で、なんであの子とその人間が戦ってるのよ。」
「フランが、どうしても戦いたいというものだから。」
「妹想いね。にやにや」
「妹想いですね。にやにや」
「なっなんだおまえたちは!そんな顔をにやにやさせて!!というか口でにやにや言うな!!」
そのとき、空間が裂け、胡散臭い金髪のば・・・コホン、女性が現れた。
「ハロー」
「帰れ」
「帰れ」
「帰ってください。お呼びでないスキマ妖怪。」
私含む、全員の反応は冷ややかだった。
「いきなりひどいじゃない!!ちょっとあの子の様子を見に来ただけなのに・・・ゆかりん、泣けてきちゃう。」
「自分でゆかりん言うな、気持ち悪い。」
全くもってその通りである。ああ、気持ち悪い。
「こほん。それよりもあなた、あの子の運命は見たのかしら?」
「・・・見えなかった。」
お嬢様の口から、意外な答えが出てきた。運命が見えないものなど存在したとは。
「ふうん?どうしてかしら?」
「わからないわ。寿命さえもわからないなんて、ありえないわ。」
運命も寿命も見えない、あの少年はいったい・・・?
「レミィにそこまで言わすなんて、あの人間の能力はそんなに特殊なものだったの?」
「ああ、引きこもり虫のあなたは知らなかったのね。」
「むきゅきゅぅ!」
パチュリー様が可愛らしく抵抗した。可愛い引きこもり虫ね。説明してあげましょうか。
「パチュリー様、彼の能力は“変化”を操る程度の能力ですよ。」
「へえ、ずいぶんと恐ろしい能力ね。でも使いようによってはありとあらゆる事態に備えられるのね。」
話をしていると、何やらスキマ妖怪がスキマから何かを取り出した。
「あ、そうそう。外の世界の珍味が手に入ったからみんなで食べない?」
「・・・スキマ、お前の持ってくる珍味はどこかおかしいのだよ。この前だって何かの容器を持ってきたと思ったら、焼いた毛虫なんかが入っていたじゃないか。」
さすがに私も食べられなかったので美鈴にあげたところ、すごく評判が良かった。
「あれは意外とごちそうなのよ。じゃなくって、今回もとっても良い物を持ってきたのよ。」
「期待できないけど、何かしら?」
「はい、鮒寿司。」
「くちゃい!!」
可愛らしい声が響いた。ああ、ティッシュあるかしら。




戦いが始まって30分くらいが経過した。
フランもかなり息が上がってきたようだ。俺ももうそろそろ体力が尽きる。

秘弾「そして誰もいなくなるか?」

フランが姿を消した。と思ったら、いきなり弾が追いかけてくる。どこまでも。おそらくこれは制限時間制の耐久スペカなのだろう。この体力でこれをよけるのは少し困難だ。仕方ない、あれを使う。

変化「あらゆる力の湧き出る泉」

非戦闘スペルの一つ。自分の体力と霊力などの力を回復するように変化させることができる優れもの。しかし、使用した20分後にその疲れがどっとくるので、死ぬことはないが、要注意。弾をすいすい避ける。おそらくフィナーレと思われる弾幕も耐えた。フランが姿を現したら、あとはあれを使うだけ。
「もう、なんで当たらないの?これだけしても壊れないなんて・・・それになんだかさっきより動きが元に戻ってる?」

神変「建御雷命のお怒り」

数えきれないほどの細い光線がフランを取り囲み、動きを制限する。そこに超高密度の弾幕を撃ちまくる。相当体力が残っていないとできないスペカだ。
「えい!!」

QED「495年の波紋」

フランが高密度弾幕を消してきた。しかし、それを想定してこその光線の檻。普通の弾では光線は消せない。
「ふあ・・・あふう・・・」
フランがふらふらし始めて、しまいには体勢を崩して落ちていった。弾幕を止め、スキマを開き、フランをキャッチした。


無事に終わり、フランを咲夜に預けた。・・・あれ?ふらふらする・・・ああ、そうか。スペル効果で疲れが押し寄せてきたようだ。ゆっくりと意識を手放し、床に倒れこんだ。
「まさか本当に勝つなんて・・・くくく、よくやったわ。さあ、私の頼みを・・・ってええ!?なんで倒れたのよ!!ちょっと、咲夜!!」
「どうしまし・・・ええ!?」



「んん・・・ん?」
「あ、目が覚めた!よかったあ!」
誰が運んでくれたのか、ベットで俺は眠っていたようだ。フランが俺の体の上に乗っていた。
「おはよう、フラン。」
「おはようじゃないよ。いまもう日が沈もうとしているよ。」
呆れたようにフランは言った。
「えっ!?もうそんな時間?」
「おや、目が覚めたかね?」
レミリア・・・でよかったな?レミリアが部屋に入ってきた。
「それで、私の頼みというのはだね・・・」
話を切り出そうとした時、扉が開いた。
「あら、裕海。目が覚めたのね。」
「あれ、紫?なんで紫がここにいるのさ?」
紫はなぜここにいるのだろう、と疑問に感じているとき、大きくてかわいらしい怒り声が聞こえた。
「もう!!話をさせなさいよぉ!」
あ、カリスマオーラがどっかに行った。ほっぺを赤くしてふくらましている。かわいい。
「あらあら、仕方ないわねぇ、ちびっこ吸血鬼さん。」
「ちびっこいうな!・・・で、私の頼みというのはだね」
カリスマモードに切り替えた。切り替え早いな。
「葉川裕海、お前をフランの教育係に任命する!!」
「・・・へ?」
いきなりすぎてもう開いた口がふさがらない。
「わーい!お兄ちゃんがわたしの教育係なんだね!!やったー!!」
いつからお兄ちゃん呼びになったのかな?まあいいや、今はそれよりも。
「・・・もしかしてここで働くことになるの?」
「いいや、私が頼んだときか、あなたが暇でたまたまここに来た時でいいわ。」
よかった。
「ああ、そのぐらいだったら別にいいよ。」
「よければギャラも出すわよ?」
「いや、別にいいよ。もう職に就いてるし。」
「あらそう、まあいつでも我が館、紅魔館に来るがよい。ところで、そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」
「あ!そうだった!!じゃあ、俺はこれで。」



「あ、ちょっとまちなさい、お夕食でも・・・ってうぇ!?あの人間もスキマを使えたのか!?なんかスキマっぽいやつの中に入って帰ったわよ!?」
スキマ人間?
「さっき妹様をキャッチするためにそれっぽいのを開いていたじゃない。よく見ていなさいよ、レミィ。」
「あー、あのとき少し眠かったから・・・」
いやいや、でもそれでもフランの頑張りっぷりはちゃんと見届けてたわよ!?と付け加えた。
「じゃあ私も帰るわね。」
スキマは私らのやり取りを無視するのかい。おや?そういえば・・・。
「どうしてここに葉川裕海がいることがわかったの?」
「霊夢に聞いたのよ。」
「ふう~ん?」
どうして霊夢が裕海の居場所を知っているんだろうか。
「お嬢様。」
「何?咲夜。」
「お夕飯の用意ができておりませんので、出前を取りましょう。」
メイドとしてそれはどうなのかしら・・・まあ、たまには違うやつが作った料理も悪くないかしら。
「じゃあ、寿司!!」
「さっきあげた鮒寿司があるじゃない。」
「いらんわ!!霊夢にもっていけ!!」
霊夢ならおいしそうに食べてくれるわよ!・・・多分。



―その後の博麗神社―

「ふう、さて夕ご飯を作りましょうか。」
材料をあの子の家からちょっとだけいただいた。ち、ちょっとだけなんだから!さすがに年下の人間の子の家からごっそり持ち帰るほど鬼じゃないわよ!とか脳内で抗議をしていたら、空間の裂け目が出てきた。
「ハロー」
「帰れ」
「紅魔館でも同じ反応されたわよ!!」
知らないわよ。それよりも、
「何の用なのよ!」
「そんなに怒らなくても・・・これ、珍味を持ってきたわ。」
「・・・この前の毛虫の焼き物ねぇ、なかなかおいしかったわ。」
内容はともかく、味が良かったわ。なかなかだった。
「それはよかったわ。今回はこれ!!鮒寿司よ。」
「くさっ!?」

その後、霊夢は鮒寿司に襲われる夢を見ましたとさ、めでたしめでたし。
「めでたくない!!」
 
 

 
後書き
九話目、書き終えました!!テスト期間中に思いついたネタがたくさんあるので、期末になる前にどんどん書いていきます!! 
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