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リメイク版FF3・短編集

作者:風亜
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防具屋でチャイナ

「あ~ぁ、レフィアと二人でサロニアの武器防具屋巡りするくらいなら、おれもアルクゥとイングズみたいに図書館行っときゃよかったかなー?」

「悪かったわね! ルーネスはどうせイングズと行きたかったんでしょっ。あんたなんて図書館行った所で3分と持たず眠りこけるでしょーね!……あたしはどっちかっていうと、アクセサリ眺めてる方が好きだけどっ」

「それってやっぱ、鍛治屋の娘だからか?……レフィアもアルクゥみたいに、おしとやかに本読んでみろっつーの!」

「そうねぇ、鍛治に関する本でもあれば……って、あたしがおしとやかじゃないみたいじゃないの!!」

「自覚なかったのかよ、お気の毒~。……いだぁ?! 蹴るなよ、そういうとこがおしとやかじゃないってのに!」

「そーよねぇ……、あんたとアルクゥが見た感じ男らしくないからあたしが男勝りになっちゃうのも仕方ないのかしら。それに比べてイングズは別格よね~!」

「な、何だよ急に?」

「あたし宿屋で1度イングズのいる部屋にノックもせずに入っちゃった事あるんだけど、その時たまたま着替え中でね………見ちゃったのよっ。イングズったらもう、とにかくいい身体してるわけよ! 顔つきもいつもキリッとしてて男らしいし……! 美男子ってあぁいうのを云うのよね~♪」

「そりゃあイングズがムダにそれっぽいのはわかるけどさ……、アルクゥはしょうがないとして、おれまで男らしくないってどういう事だよっ」

「 ────まだ成長過程にしても、華奢すぎでしょー? その髪型とか、中性的な顔立ちとかね。声変わりしてない言動は、子供っぽさ丸出し!」

「な、なんだと……?!」

「しかもあんた、その髪の感じちょっとカッコつけてるつもりなんでしょうけど、むしろそれ男らしくないっ」

「そこまで云うかよ………」

「ねぇ────髪解いて見せなさいよ?」

「うわっ、ちょ……何勝手に解いてんだよ!?」

「あ~、やっぱりねー。解いたら解いたで女子っぽさ増すわ~」

「じろじろ見るな! しかも女子っぽいとかゆーなー!! ゴム返せっ」

「あ、ちょっと待って。ね、ここの防具屋にあるこの………チャイナ服、着て見せて!」

「はぁ?! 何云ってんだよ、それ女用だし……レフィアが着りゃいーじゃん!」

「あたしが着たって似合うの当たり前だもの、つまんないわっ」

「うわ、強気……! てか防具屋に何でチャイナ服??」

「腕の露出とか下のスリットの入り具合からして防御力無さ気だけど、バカにできないわよ~!」

「だ、だからそれ女物……っ」

「いーからいーから! ほら、この紅いのなんて情熱的! 髪下ろしたままこれ着てアルクゥやイングズの前に出ても、きっとあんただって云わなきゃ気づかないはずよ……! 特にイングズなんて、あんたに対する目の色変わるかもね?」

「そ、そうか? じゃあ着てみ……っいやいや違うだろ!? 女装なんてオレ絶対────」

「何云ってんの、これはあんたの"男子力"が試されているのよ。……決して女装なんて生易しいもんじゃないわ!」

「何の理屈だよ!」

「いーから着て来なさい! サイズ合ってたらそのまま買って、図書館行ってアルクゥとイングズの反応見るのよっ」



 そして、ルーネスは情熱的な紅いチャイナドレス姿で髪はもちろん下ろしたまま図書館入口付近に待たされ、レフィアが中にいる二人を呼びに────行っている間、図体のデカイ男二人組に早速ナンパされてしまい、着せられた物のせいで赤面していた顔がさらに紅くなってしまう。


「カワイイねぇキミ……、俺達と遊ばねー?」

「紅くなっちゃって……、恥ずかしいのかぁい?」

「う、うぅ……! うるさい! おれはかわいくない!! あっち行ってろよっ!?」

「何だぁこのガキ、人が下手に出てりゃ……!」

「まぁ見た目がよけりゃ高く売れるだろ、人目引かない内にさっさとかっさらうぜ……!」

「わっ、ちょ、両腕つかむな! 放せ……?!」



「そこまでにして貰おうか。────それは、私の連れだ」


「い……、イン、グズ────?」


「ああ? このガキはテメーのモンだってか?」

「コイツは俺らの獲物だ、返してほしけりゃ────ぐぉ?!」

「な、テメー!? こっちはまだ何もして……ぎゃふ?!」


「人の連れに手を出している時点で、アウトだ」

「は、腹パンチと顔面パンチだけでイングズがノシちまった………」


「ルーネス、怪我は無いか?」


「へ? あぁ……、つーかイングズが出て来なくても、戦士系のジョブになってこいつら倒すくらい─────」


「そうか。お前はただでさえ勘違いされ易い、気をつける事だ」


「何の云い草だよっ。……つーかイングズ、おれの外見………気になんない、のか?」


「ん、あぁ────馬鹿か、お前」


「だよなぁ……。あれ、アルクゥとレフィアは?」

「アルクゥは本に夢中で、レフィアの呼び掛けに気づいていない。私が先に出て来た所で………悪漢共にお前が連れて行かれそうになっていた訳だが」

「レフィアに仕向けられたんだよ! こんな格好、したくてしたわけじゃ……っ」


「 ────── 」


「何、まじまじ見てんだ? てか、ち、近づくな……!?」


「 悪くない 」


「 へ ────? 」



(きゃーっ! 見てよアルクゥ、イングズがルーネスに……?!)

(れ、レフィア、興奮し過ぎだよ……!)



「 ────は? 今、何し………」


「気にするな、……さっさと元に着替えたらどうだ。さもないと────止められないぞ」


「 はい?? 」




END 
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