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I want BRAVERY

作者:清海深々
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八話 年上(1)

 今の所、俺の『友達作り』は順調だ。
 入学して、まだ全然時間が経っていないが、すでにクラスメイトとはだいぶ打ち解けている。

 そして、肝心の原作で名前が出ていた人の知り合いは、
 友近(モブ)、伊織(髭)、宮本(ミヤ)、西脇(結子)この4人がそれなりに仲が良い。
 そして、ワンランク下がった程度は、岳羽(岳羽さん)だ。

 なかなかの出来ではないかと思う。

 そして、何故今こんなことを言っているのかというと、

(タメじゃ駄目なんだよ!タメじゃ!)

 どうやらさっそく友近に毒されているようだ。





 二日前。

「でさー、彩狙ってるやつとかいんの?」

 授業の中休みに後ろの席の友近に声を掛けられた。

「狙ってる・・・って、流石にまだそんな時期じゃないだろ?」

「そうかぁ?だってお前、岳羽さんともそれなりに話すしさ、そのうえ部活のマネージャーまで、ほんと見境ないなぁ」

 確かに岳羽さんとはよく話す。
 いや、もう原作キャラだしね。

(でも、正直あのキャラめんどくさいんだよな。なんか絡みづらいんだよ)

 原作キャラでなければ、いくらあの顔でも正直お断りしたいところだ。

「まー、普通に友達だからな。そういうモブはどうなんよ」

 なんていうか、精神年齢に差がありすぎてそういう対象に見れないんだよ。

「おまぇ・・・もう、いいよ」

「何事も諦めが肝心だ」

「・・・なに名言みたく言ってんだよ。そんなことより、やっぱ駄目だな、あいつらはガキだよ、ガキ」

 なんて言いながら、なんか悟った顔をしてい友近。

「おいおい、モブ。お前もしかして、マジでエミリーねらってんのぉ?」

 突然横から伊織が話しに入ってきた。

「え?マジで?・・・モブ、お前やめとけって。所詮モブだぜ?モブ。無理無理」

「お、おまえ・・・殺されたいのか!?」

 ガタンと音を立てて友近が立ち上がる。

「あの人、しってっか?なんかたまに廊下ですれ違うと俺見て笑うんだぜ?あれは絶対、俺に気がある!」

「んなわけねーだろ。どうせ『あ、こいつまたモブ顔晒してやがる』なんて思ってるんだって」

「ぎゃははは!それありえる!!」

 伊織はどうやら俺のモノマネになってないモノマエがツボったらしい。

「お、お前ら・・・そこは普通友達として応援するとこだろ!」

 ポン、と友近の肩に手をのせ、諭すように言う。

「友近・・・友達として言う。『やめとけ』」

 最初の『友近』でちょっと目を輝かせたようだったが、最後のセリフでその希望は完全に墜落したようだ。

「ま、そこらへんいしとけよ彩。まぁさ、確かに、ゆかりっちもエミリーもイイけどさ、やっぱりもっと大人のお姉さんの方がイイ!そうは思わないか!?」

 突如、さっきまで笑い転げていた伊織が熱烈に語り始める。

「こう、なんていうか、ボッ、キュッ、ボンッて感じでさ、大人の色気っての?エミリーみたいなねっとりじゃなくてさ、もっとこう、なんていうかさ!」

 一人でクネクネし始めた伊織。
 今だに俺の言葉が胸に刺さって抜けないようで、落ち込んでいる友近。
 なんていうか、

「なんだこのカオス」

 そう呟かずには居られない。

 その後立ち直った友近と、平静を取り戻した伊織とで『理想の女』についての話が始まった。

 ↓以下、伊織、友近、俺の順番のループ。

髭「ロングヘアだな」

モブ「確かにそれは外せないな」

俺「そして、黒だな」

髭「おぉ!それわかる!」

モブ「そんでもって綺麗系だな」

俺「まぁ、お姉さん、だもんな」

髭「そして毒舌!」

モブ「・・・それはお前だけだよ、このドM」

俺「確かにな。俺はどちらかというとSだ」

 ※主人公は元々自分が『キング・オブ・チキン』と呼ばれイジられていた頃、すこしMに目覚めかけていたことをすでに忘れています。

髭「ぐっ・・・まぁ、彩がSってのは分かるわ。歳は・・・」

モブ「24だ!」

俺「なんでそんな具体的なんだよ」

髭「俺は27までいける!」

モブ「俺は28までだ!」

俺「聞いてねぇよ!・・・ちなみに俺は30までいける!」

髭「それこそ聞いてねぇよ!てか三十路はOUTだっつの!」

モブ「しっかし、そんな人この学校にいねぇぞ」

俺「伊織の言ってた人なら、『ロングヘア』さえ除けば鳥海先生いけんじゃね?」

髭「・・・俺の今までのセリフ、なかったことにして」

モブ「んなことより、これはやっぱナンパしに行くか?」

俺「おいおい・・・なんて名案思いついてやがる」

髭「お前、態度とセリフがあってねぇよ!」

モブ「ふっふっふ、最近思ったんだが、行くならやっぱポロニアンモールのクラブだろ!」

俺「おいおいモブ・・・お前、天才か?」

髭「だから、なんでそんな呆れた顔しながらそんなセリフ言ってんだよ」



 結論から言おう。
 やはり『大人に限る』。








 そこから俺の思考はかわった。
 目に入るのは大人びた女のみ。

 しかしだ、正直同じ学年にそれを求めるのは無理ってものが・・・

(おぉぉぉ!?)

 思わず思考をやめ立ち止まってしまった。

(あ、あれは!『ペルソナ3ポータブル』新キャラの長谷川さんじゃないか!)

 彼女がここにいるということは、この世界は『ペルソナ3ポータブル』の可能性が高い。
 『ペルソナ3』の世界に彼女がいなかったか、と言われれば、それは設定されてないだけでいたかもしれないが、やはり『ペルソナ3ポータブル』であるから、という方が理由になるだろう。

 そしてなにより、

(大人びた女性だぁぁぁ!!!)

 そう内心叫ばずにはいられない。



 
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