| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章 雨
  第1話 ザドギエル

 
前書き
四糸乃編に入りました!
自分の書き方下手くそですいません……

では投稿します 

 
佐天は雨の中走っていた。

何故かというと、傘を忘れたからだ。まあ無理もない。降水確率10%だったのだから。

雨宿りしようと思い、寺らしき場所に避難した。

そこには先客がいた。

佐天「あ、士道さんじゃないですか」

士道「確か……佐天さんだっけ?」

佐天「はい。士道さんも雨宿りですか?」

士道「あぁ。最近の天気予報は当たらないな」

佐天「そうですね……あれ?上条さんはどうしたんですか?」

士道「あいつは補習だとよ」

佐天「あ〜……」

上条ならよくあることである。こっちに来てあの暴食シスターがいないだけマシだ。

佐天「ん?あそこにいるのは…?」

雨の中、遊んでいる女の子を佐天が見つけた。

ボーッと見ていると、その子が急にこけたのだ。

佐天と士道はその子に駆け寄る。

佐天「大丈夫?」

と言って佐天は手を差し出す。

だが、その子は怯えるように佐天と士道から逃げた。

佐天「(人見知りが激しいのかな?)」

佐天は勝手にそう結論づけた。

しばらくして雨が上がった。佐天は士道に軽くあいさつし、その場を去った。

その時にはさっきの女の子はいなかった。









次の日

上条「……」

上条は授業もほとんど聞かずに、昨日の家での一方通行の言葉を思い出していた。




一方『五河士道が銃で撃たれて血塗れになった時、俺は血流操作であいつの命を取り留めていた』

一方『少ししたらみるみる内に傷が治っていったンだよ』

一方『ここからは俺の推測だが、五河士道も精霊の力を持っている可能性がある』




上条「……」

上条はまだ信じられなかった。数日前にそんなことがあったなんて。

一方通行が何故すぐに話さなかったのかというと、自分の頭の中で整理して士道の力が何か推測する時間が欲しかったからだ。

魔術の可能性も考え、知り合いの魔術師に尋ねたが、その可能性はないと結論付けられた。

学園都市最強の頭脳を持っても、この推測にたどり着くのに数日の時間が必要になったのだ。

上条は一方通行の仮説が正しいとしても、上条は士道に何回か触れたことはあったが、右手は反応しなかった。

やはり一方通行の仮説は違うのか。

だが折紙に聞いたら確かに士道を撃ったと言っていた。

折紙は次に士道に会った日に謝っていたので、これは本当に間違いない。

士道に聞いても一方通行が治したと勘違いしていたし、何がなんだか分からなくなってしまい、頭が混乱して上条は頭を抱えた。

そこに、

十香「当麻、大丈夫か?」

十香が家庭科の調理実習で作ったクッキーを片手に上条を心配していた。

十香「元気がないなら、このクッキーを食べるか?士道もうまいと言ってくれたぞ」

上条「……あぁ、悪いな」

と言って上条はクッキーをもらう。クッキーはなかなかうまかった。

十香に美味しかったよ、と伝えると十香は笑顔で士道のところにいった。

今日はこのことを忘れてさっさと帰るか、そう思い上条は頭を切り替えた。






放課後、雨が降った。最近多いからなと佐天に言われて折りたたみ傘を持ってきて正解だった。

この日はなんの不幸もなく家に着いた。

家に着くと、佐天と一方通行が座っていた。この光景にも慣れたものだ。

テレビを付けているが、2人は見ている気配がない。

上条「どうしたんだ?」

一方通行は腕を組んで外をボーッと眺めて、佐天は下を向いて深刻な表情をしている。すると一方通行が、





一方「学園都市の狙いが分かったンだよ」






上条「え?」







上条は真剣な顔で一方通行を見る。

一方「今日の昼、魔術師がここの家を訪ねて来たンだよ」

上条「……」

一方「ヤツらが言うには……」

一方通行は少し間をおいて言う。








一方「学園都市は空間震を人工的に起こさせようとしているンだとよ」








上条「……は?」

上条は最初は聞き間違いかと思った。でも佐天の様子からして自分が帰ってくる前に話したんだろう。表情はかなり暗い。

一方「学園都市はその空間震を使って魔術師が二度と学園都市に潜入しないようにしている。表向きにはそォだが、裏ではそれを使った爆弾なども開発してテロリストに高値で売って儲けにしようとしている」

一方「空間震が起こる原因はまだ学園都市も分かってねェようだが、……このままじゃヤツらの思い通りだぜ?上条、どうする?」

上条「……」

確かに、ありえる話だ。空間震がどんなものかは分からないが、もしかしたら、科学の力で作れるものかもしれない。

そうなるとまた戦争がおきかねない。それだけは避けたい。

しかし、

今の上条にはどうすることもできない。

だから言う。

上条「もう少し様子を見よう。ヤツらもまだ空間震の正体を知らないんだろ?まだほっておいても大丈夫だと思うぜ」

一方「そォだな。空間震の正体が分かり次第また話し合うか。ってことだ佐天、いい加減、顔を上げろ」

佐天は一方通行に言われて顔を上げた。佐天の顔は何か複雑な表情をしていた。

上条「……そういや佐天さんは魔術師のことを知ってたのか?」

佐天「上条さんが帰ってくる前にあーくんから説明してもらいました……」

上条「そっか……」

その場が静かになる。この空気に耐えられなくなったのか、

一方「チッ……俺は缶コーヒーを買ってくる」

と言って一方通行は出て行った。






翌日の昼

上条は困っていた。

いつも通りに士道と昼ご飯を食べようとしただけなのに……

その時に十香と折紙が乱入してきたのだ。

それだけならまだいい。

何故か2人は火花を散らしている。

結局、士道が一緒に食べようと促し、4人で食べることになった。

では、なぜ上条は困っていたのか。

それは自分だけ場違いなような気がしたからである。

十香と折紙は士道と食べにきたのであって上条と食べにきたのではない。

そして折紙の視線が明らかに上条を邪魔扱いしている。

上条は重いため息を吐いた。

すると、



空間震警報が鳴った。




折紙はASTなのでどこかに行ってしまった。

上条と士道も精霊のところへ向かう。

十香「私も行くぞ!」

上条「ダメだ。十香は精霊の力を封印されてるんだろ」

士道「先生、十香のこと頼みます。」

先生「は、はい!」

その言葉を聞いて精霊のところへ向かう。

上条は精霊のところへ向かう寸前、十香の『士道…』という声が耳に響いていた。







空間震警報が鳴る数分前

一方通行はある場所に来ていた。

それはフラクシナス

現在、琴里がいると思われる場所だ。今は長い廊下を歩いている。

すると、前と同じく自動ドアがあった。

自動ドアが開き、中の光が目に飛び込んでくる。

そこには前に6人、その後ろ、少し台の高い場所に、ボスの貫禄がある場所に、五河琴里は座っていた。

琴里「久しぶりね、一方通行」

一方「……」

琴里は一方通行に不敵な笑みを浮かべる。一方通行は真顔のままだが。

琴里「それで?ただ遊びに来た訳じゃないでしょ?」

一方「……テメェに聞きたいことがある」

琴里「何かしら?」

琴里は座りながら一方通行に耳を傾ける。そして一方通行は言う。







一方「テメェの兄、五河士道は何者だ?」

琴里「……」








琴里は即答しなかった。

だが、琴里からはさっきまでの笑みが消えた。

琴里は少し間をおいて、不敵な笑みを戻しながら言う。

琴里「さぁね?」

一方「……どういうことか説明しろ」

一方通行はそう言ったが、それはすぐに別の話題で消される。

何故なら、

空間震警報が鳴ったからだ。

琴里「悪いけど、この話はまた今度するわ。それより精霊よ。……ハーミットか。大人しい精霊ね」

一方「ほォ……あんなガキが精霊なのか」

琴里「まあ、精霊に年齢なんて関係ないしね」

琴里は一呼吸おいて、









琴里「さあ、私たちの戦争(デート)をはじめましょう」








とある建物

ASTの隙を見て上条と士道は建物の中に入った。

すると、そこにはハーミットと呼ばれる精霊がいた。

緑色の大きなフードが特徴で、青髪の左手に人形を付けている女の子だ。年齢は10歳前後だろうか。

上条はとりあえず、名前を聞くことにした。

上条「君の名前は?」

よしのん『よしのんはね、よしのんって言うんだよ。こっちは四糸乃、よろしくね!』

……訳がわからん。と、上条は思った。

上条「俺は上条当麻だ」

士道「俺は五河士道、よろしくな」

よしのん『よろしくね!』

そこで、士道が思ってたことを口にする。

士道「それより、いつも腹話術してるのか?」

それが逆に怒らせることになった。

よしのん『士道君は何を言ってるのかな?よしのんは言ってる意味がよく分からないなぁ』

よしのんが目を赤くしてこちらを睨んでいる…ような気がした。

上条「(怖っ…)」

上条は反射的にそう思ってしまった。

それと同時にさっきから青い髪の子が喋ってないなぁと思った。

上条「で?君の名前は?」

よしのん『ん?よしのんってさっき言わなかった?』

上条「ちげぇよ」

上条の言葉に余計よしのんは首を傾げる。

上条「君だよ。青髪の君、君の名前は聞いてなかっただろ?」

よしのん『あぁ。そういうことね。この子はね四糸乃って言うんだよ』

上条・士道「「((ややこしいな……))」」

上条と士道は同時にそう思った。

そんなやりとりをしてる中、佐天はというと、







佐天「あれ?御坂さん?」

ミサカ「いえ、ミサカはミサカですよ、とミサカは伝えます」

佐天「あ、妹さんですか。すみません。ゴーグルしていない全然見分けがつかないですね」

ミサカ「遺伝子上同じですから、とミサカはカッコつけていいます」

佐天「妹さんはここで何をしているんですか?」

ミサカ「研究の手伝いですよ、とミサカは完結に述べます」

ミサカ10930号と出会って、雑談をしていた。







そんなことを知らない上条は精霊と遊んでいた。

正確には遊んでいるのはよしのんと機嫌を直してもらった士道で、上条は保護者みたいに眺めているだけだ。

今、四糸乃はアスレチック?の上にいる。

士道「高い所は危ないよ」

よしのん『大丈夫だって。よしのんはそれくらいで落ちたりは…』

不意に言葉が途切れた。何故なら、

足を踏み外した四糸乃が落ちたからだ。

上条は1歩前に出て助けようとした。

と、その前に士道が四糸乃を受け止めたようだ。

まあ、士道のいた所に落ちたので仕方が無いのだが。

そして上条は気づく。

落ちた時の弾みで2人がキスしていることに。

上条「……何してるんだ?」

士道「ち、違う!誤解だ!これは事故で……」

十香「シド〜!?」

士道「と、十香!?」

怒りでいっぱいの十香が向こうに立っていた。

そして十香がこちらにゆっくりとやってくる。

上条「……避難したんじゃないのか?」

十香「シドーと当麻が心配できたのだ。それなのに……」

十香は士道への怒りでいっぱいだった。そこによしのんが追い打ちをかける。

よしのん『十香ちゃん、悪いんだけど士道くんは君に飽きちゃったんだよね』

十香「!」

士道「!」

上条「はぁ…」

十香と士道が驚愕の顔をしてる横で上条はため息をついた。

面倒だな……と心の中で呟いた。

それと同時に思う。

さっきから″よしのん″と呼ばれる人形ばかり話していて、″四糸乃″と呼ばれた緑色のフードを被った青髪の子は一言も話していない。

上条は四糸乃を見ていた。

すると、

人形が怒りに染まった十香によって取り上げられた。

十香「私はいらない子ではない!士道はここにいていいと言ってくれたのだ!」

一体どういう経路でそんな話になったのか分からないが、十香は取り上げた人形に言っていることだけは分かった。

四糸乃「……」

四糸乃は驚きよりも悲しい表情でよしのんを見る。そして、

四糸乃「返し……て、下さ、い……」

ここで初めて喋った。十香の手にある人形を取ろうとしている。

取るのをやめると、

急に何か肌寒くなった。



四糸乃が氷系の天使を出していた。



上条「よ、四糸乃!?」

天使は暴れている。

十香と士道と上条は死角となる場所に避難した。

そして、

天使が攻撃してきた。






その頃、佐天はというと

ミサカ「どこへ行くのですか?とミサカはあなたとの別れをさみしく思いながら言います」

佐天「精霊が現れたからさ。そこに向かうの」

ミサカ「確か精霊の調査でしたね。とミサカはあなたの目的を思い出しつついいます」

佐天「あ、ミサカちゃんも来ます?」

ミサカ「いえ、ミサカは研究所で働いてる身なので。とミサカはそろそろ戻らないと怒られそうな予感がしています」

佐天「え?そんなに話してたの!?ごめんね!せっかくの休憩時間だったのに」

ミサカ「いえ、ミサカもあなたと話せて楽しかったですよ。とミサカは久しぶりに知り合いに出会えたことを嬉しく思います。

佐天「んじゃ、またね!」

ミサカ「では、また」

2人は手を振り、別々の方向に向かった。

ミサカ「では、ミサカも上位固体からの命令で、″一方通行″を探すとしますか」







同時刻

琴里「こりゃやっかいね」

一方「上条のやろうは何をやってるンだ?」

琴里「その上条当麻だけど、あの右手は何なの?」

一方「さァな」

琴里「……教えてくれないんだ」

一方「テメェが五河士道のことを話してくれたら考えてやる」

琴里「……」

この部屋に沈黙した空気が流れる。

他の人も何も話そうとはしない。

一方「フン。まあいい。こちらとてテメェらが俺たちの邪魔さえしなけりゃ問題はねェ……それより……」

一方通行が話題を変える。もちろん精霊の話だが。

一方「あいつはやべェかもしれねェな」

琴里「どういうこと?」

一方「……こっちの話だ」

一方通行が心配しているのは、上条の右手で天使の氷の雨をすべて打ち消し来れるかどうかだ。

右手ですべての氷の雨を打ち消せればいいのだが、右手しか効かなければ他の部分はもろにダメージを受けることになる。

一方「(まあ、あいつなら、なンとかするだろ。それより佐天はどこにいるンだ?)」

なんだかんだで仲間の心配する一方通行。素直ではないが根は優しいのだ。

一方通行はチッ、と舌打ちをしてモニターを見る。

それは、天使が氷の雨を出そうとしている寸前だった。






そして、

氷の雨の攻撃が始まった。

上条はすべてを打ち消しきれずに吹き飛ばされ、壁にぶつかる。

だが士道と十香は攻撃の寸前、目を瞑って氷の雨によってあらゆる物が壊れる音がして上条が壁にぶつけられたことを知らない。

上条は頭を強打して、意識が朦朧としていた。

幸い、天使はASTに攻撃されていたので、そっちの方に意識を向けている。

そして天使は逃げて行った。

上条「(クソッ……あの攻撃は右手ですべて防ぎきれなかった……何か手はないのか……)」

上条「(士道と四糸乃がキスをすれば……でも危険すぎる……)」

上条「(とりあえず……逃げるか……クソッ!頭がクラクラして……)」

天使はどこに行ったのかは分からないが、こちらに戻ってくる可能性もある。

なのですぐに逃げようと思ったのだが、思った以上にダメージが大きく、思ったように動けない。

意識が朦朧とする中、十香と士道が言い争ってるのが聞こえた。

上条「な……に、してん、だよ……早く、逃げ……ろ」

その瞬間、上条の意識は飛んだ。

だが意識を失う寸前、誰かに支えられた気がした。

そんなことを思いながら、上条は眠りにつく。






佐天「ふう…なんとか間に合いましたね」

上条を支えたのは佐天だ。ミサカと別れて、能力を使って前走力できたのだ。かなり疲れたが、今の上条の前ではそんなこと気にしてられない。

演算補助装置のスイッチを切って、上条を壁にもたれるように座らせる。

佐天は周囲を見渡し、天使やASTがいないのを確認すると、再びスイッチに手をやり上条をおんぶして飛んで行く。

ちなみに上条を普通におんぶしたら自分が潰れる可能性があるので、風を使って上条を少し浮遊させて軽くしている。

佐天「(そういやミサカちゃん、私服で研究所に行くのかなぁ)」

佐天はそんなことを呑気に思っていた。






その頃、琴里は士道と十香が言い争ってるのにため息をしていた。

琴里「やれやれ、大変なイベント発生ね」

一方「なンでこうなるンだ?」

琴里「十香がヤキモチを焼いてるからでしょ?」

一方「……女ってのはよく分かンねェな」

琴里「私だって男のことは良く分からないわよ」

一方通行と琴里は仲がいい?会話をしていた。

一方通行と琴里は案外、相性がいいのかもしれない。

一方「……今日のところは精霊はもうこねェのか?」

琴里「恐らくね。今日はもうここにいても意味ないわよ」

一方「だろォな。俺も帰るつもりだったしな」

と言って一方通行は琴里に背をむけドアの方に行く。

琴里「……明日も来るの?」

一方通行はドアの前で立ち止まり、そして言う。

一方「……精霊が来たらな」

一方通行はまた歩き出す。そしてドアが閉まる。

琴里はしばらく、一方通行が出て行ったドアを眺めていた。














 
 

 
後書き
補足、ミサカは佐天さんの立ち位置を確保する話し相手のためだけに、出てきたわけではありませんよ?四糸乃編以降のどこかの話しで活躍しますからお楽しみに〜 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧