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久遠の神話

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第百一話 託すものその八

 そしてだ、今度は高橋から工藤に言った。
「いや、やっぱり神様ですね」
「頭がいいな」
「自分の身体のことをようわかっているな」
「はい、それに戦い方も」
 こう工藤に言うのだった。
「よくわかっていますね」
「頭がいいことは確かだな」
「全くですね、接近戦は無理ですね」
「懐には飛び込ませてくれない」
 その蛇の両脚を使ってだ。
「あれを受けたら一撃だ」
「人間ならですね」
「まさにそれで終わりだ」
 脚も相当な大きさだ、アナコンダというレベルではない。
 その途方もない大きさの脚の一撃を受ければだ、人間ではだった。
「絶対に喰らっては駄目だ、あの脚の一撃はな」
「しかも長いですね」
 ここでその脚が二人に来た、左から。
 二人はまた動いてその一撃をかわした、そのうえでこう言った高橋だった。
「槍と同じだけまずいですね」
「そうだな、長いからな」
「全く、尋常じゃない相手ですね」
「神様だけはある。だが」
「だが、ですね」
「ギガンテスは倒されている」 
 神話にあることをだ、ここで言った工藤だった。
「ヘラクレスとオリンポスの神々にな」
「神様同士の戦いで」
「神だから倒せたかも知れないが」
「倒せる相手ですね」
「無敵の存在はいない」
 このこともだ、工藤は言ったのだった。
「だからな」
「俺達も倒せますね」
「ああ、絶対にな」
「じゃあここは」
「頭を使うことだ」
 そうして勝とうというのだ。
「相手も馬鹿じゃないがな」
「それなら相手以上に頭を使ってですね」
「そうして勝つことだ」
「そうなりますね、じゃあ」
「相手は二人だ」
 ここでだ、こう言ってだった。
 工藤は高橋にだ、こうも言ったのだった。
「そして俺達も二人だ」
「二人ですね」
「そうだ、俺達もな」
「二対二ですね」
「そうなる、数は同じだ」
「さて、それじゃあ」
 まただ、こう言ってなのだった。
 高橋は自分からだ、工藤にこう言った。
「工藤さん、ここは」
「ここは。どうすればいい」
「はい、工藤さんの力は土ですよね」
「そして君は雷だ」
「巨人は怪力と巨体です」
 彼等はそれだというのだ。
「そして空は飛べませんね」
「全くだな」
「そうです、そのことを考えますと」
「どうするべきか」
「はい、俺達は今みたいに飛べてそれぞれの力を使えます」
「そこが違うな」
 工藤もこう高橋に言葉を返す。
「俺達と巨人達は」
「確かにやばい相手ですよ」
 今も槍が来た、それを上に飛んでかわしつつ自分と同じ様にしてその槍をかわした工藤に対して述べた言葉だ。 
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