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少年少女の戦極時代Ⅱ

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オーバーロード編/再
  第44話 vsデェムシュ! 共闘トライアングル


 紘汰と咲、さらになりゆきで付いて来た凰蓮が到着した時、ユグドラシルのベースキャンプは、まさにあの赤いオーバーロードに襲撃を受けていた。

『機材は放置しろ! 避難が最優先だ!』

 逃げ惑う白衣の人々に指示を飛ばしているのは、咲たちと因縁がありすぎる白いアーマードライダー――呉島貴虎だった。

(えっと、ヘキサから聞いたコードネーム……斬月? だっけ)

 その斬月に、赤いモノが上から杖剣で斬りかかった。赤い甲殻、赤いマント、赤い杖剣。

「紘汰くん、あれ……!」
「間違いない。さっきの、オーバーロードだ!」

 紘汰はオレンジの錠前を出してキャンプへ走り出した。咲もドラゴンフルーツの錠前を取り出して続いた。

「「変身!」」
《 オレンジアームズ  花道・オン・ステージ 》
《 ドラゴンフルーツアームズ  Bomb Voyage 》

 月花と鎧武は変身を終えるや、斬月と組み合っていた赤いオーバーロードにラリアットを食らわせた。二人分の威力だ。赤いオーバーロードはキャンプから離れた平地に転がった。

 赤いオーバーロードは容赦なく杖剣を揮ってくる。それを鎧武が前に出て弓で防いだ。

『なあ、いい加減頭冷やしてくれないか? 俺の仲間がやらかしたことについては謝るから――』
『黙レ! こノ屈辱、断じテ許サん!』
『お前さては戒斗と似た者同士だろ!』

 交渉が目的である以上、DFボムを投げて支援するのは無理だ。月花は所在なく立っているしかない。
 そんな月花の横を、白い影が追い抜いて行った。

 斬月が横ざまから弓で赤いオーバーロードに斬りつけたのだ。

『どういうことだ! このインベスは……』

 月花ははっとし、並ぶ鎧武と斬月に駆け寄った。

『オーバーロードってゆー、しゃべれるインベスだよっ。ここのブンメイの生き残り』
『“森”の侵略を生き延びた連中がいたんだよ。こいつらが“森”を支配してる。こいつらなら、俺たちの世界を救う方法を知ってるかもしれない!』
『黙っテいレバ、勝手ナこトを!』

 赤いオーバーロードは怒りもあらわに杖剣を地面に突き立てた。

『貴様ラは、滅びルだケのサル! 我ラ、フェムシンムとハ格ガ違ウ!』
『そういうことか――』

 すると斬月は容赦なく赤いオーバーロードに弓で斬りつけた。

『おい!?』
『戦意喪失に追い込んでから身柄を拘束する。話し合うのはそれからでも遅くはない』
『あ、そっか』

 ぽん、と月花も手を叩いた。そう思うと、戒斗という戦力を欠いたのが悔やまれる。

(でも今は今!)

 月花はDFバトンを繋げてロッドにし、斬月と鎧武の攻勢に飛び込んだ。



 鎧武が、斬月が、弓で赤いオーバーロードに斬りかかる。その攻撃の三番手に月花はDFロッドを叩きつけた。微々たる力だと分かっている。だからといって何もしないほど、月花は殊勝なアーマードライダーではない。

 鎧武と斬月がソニックアローを番えた。心得て、月花も手に持てるだけのDFボムを空中に投げ、――DFロッドをバット代わりにボムを打った。

 レモン色と翡翠色のソニックアロー、さらに爆撃による三重の弾幕。さすがの赤いオーバーロードも地面に転がった。

 すると、起き上がった赤いオーバーロードが、手から月花の身長ほどもある直径の火球を撃ち出した。

『きゃう!?』
『咲ちゃん! ……っく!』

 咲を火球の軌道から突き飛ばした鎧武を火球が掠めた。

(守られてるだけじゃだめだ。いっしょにがんばるって、ヤクソクしたもん!)

 月花は構え直し、カッティングブレードを3回落とした。

《 ドラゴンフルーツスパーキング 》
『よっ……っと、とあ、た、とと!』

 月花はふらつきながらも、自分の体ほどあるDFボムを頭上に形成した。その巨大DFボムを、

『そぉりゃあ!』

 飛来した火球に、思いっきりぶつけた。火球とDFボムが相殺し、鎧武に当たるはずだった火球は消えた。

『やた……っ』
『まだだ!』

 火球が斬月に向かっている。もう一度。月花は急いでDFボムを生成しようとした。だが、間に合わない――

 月花の予想は、火球と斬月の間に飛び込んだブラーボの、捨て身の行動によって覆された。
 火球のダメージでブラーボの変身が解けた。凰蓮は大きく倒れ、斬月に支えられている。

(あれ? この人、あんがいイイ人?)

 子供ならではの視点から出た解に、月花は首を傾げた。

 赤いオーバーロードが再び立ち上がる。今度はちゃんとDFボムを当ててやろうと月花は構えた。
 しかし、どうしたことか。赤いオーバーロードは膝を突いて頭を抱えた。

(え、なに? なにが、どうなって)

 その内、赤いオーバーロードは視えない圧力を振り払うようにして、赤い霧となって駆け去った。 
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