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いつか必ず、かめはめ波を撃つことを夢見て

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第17話 勧誘!悟空と一緒に修行しよう

 筋斗雲から降りてきた少年に、ナシゴが声を掛ける。
「君は、孫悟空君だね」
「おっちゃん、誰だ? 何でオラの名前を知ってるんだ?」
 純粋な瞳で、誰だと聞いてくる悟空。原作で良く知っていたナシゴだが、この世界へ来てから出会うのは初めてなので、初対面の孫悟空がナシゴの事を知らないのは当然だった。

「僕の名は、ナシゴ。この聖地カリンで修行をしている格闘家だよ」
「修行? ナシゴのおっちゃんは強いのか?」
「それなりだと自負しているよ」
「じふ?」

 その時、死体を埋葬に行っていたボラが戻ってきた。
「ナシゴ様、死体は葬ってきました。……その子供は?」

「調度良かった。ボラ、先ほど襲ってきたレッドリボン軍という奴らに、見せて出したドラゴンボールを貸してくれないか?」
「これですか?」
 ボラが、ズボンのポケットからドラゴンボールの四星球を取り出した。
「あー! じっちゃん!」
悟空が、大声を出してボラの取り出したドラゴンボールを奪おうとした。しかし、長身のボラは腕を天に掲げるだけで、悟空の手の届かない所にドラゴンボールを取り上げた。
「それ、オラにくれないか?」
 悟空がボラに頼み込む。

「ナシゴ様……」
 ボラがナシゴに目線を向けて、どうするべきか聞いた。

「そのドラゴンボールは、悟空……その子供に譲ってあげてくれないか? 悟空君、ドラゴンボールを譲る代わり一つお願いを聞いてくれないか?」
 ナシゴは、悟空にあることを頼み込むため、ドラゴンボールを悟空に譲るようにボラに言った。ボラは戸惑いながらも、こう言った。
「この玉を? それは構わないですが」
「本当か? 大きいおっちゃん」
 悟空が、ボラからドラゴンボールの四星球を受け取る。そして、悟空はドラゴンボールを空に掲げて星の数を確認している。
「ありがとう、大きいおっちゃん!」
 悟空は、ボラにお礼を言った。そして、ナシゴに向かって身体を向けて、改めて尋ねた。
「おっちゃん、お願いって何だ? オラにできる事か?」
「なに、簡単な事だよ。僕と一緒に修行をして欲しいんだ」
「修行? オラ、別に良いよ。じっちゃんの球も貰ったし」
 ナシゴは、悟空が出会うこれからの強敵とのバトルに備えて、悟空を鍛えることを考えていた。

「じゃあ、早速。このカリン塔を登ってみよう」
「この塔を?」
 悟空は、天空高く伸びているカリン塔を見上げて言う。

「さぁ、付いてきて」
「よっし、やるぞ」
 悟空のやる気も十分のようだ。たしか、原作での悟空が最初にカリン塔を登った時は、1日かかっていたはずなので、ペースを考えていかないといけないとナシゴは考えていた。

「ボラ、ドラゴンボールを譲ってくれて助かった。まださっきの奴ら、レッドリボン軍という軍隊が潜んでいるかもしれないから気をつけて、聖地カリンを守っていてくれ」
「わかりました、ナシゴ様。この地の守りは任せて下さい」
「ウパも、また明日」
 今まで、悟空が来たことで人見知りをして木の影に隠れていたウパが、顔を出しているのを見つけて、ナシゴが声をかける。
「はい、行ってらっしゃい」

「よし、行くぞ!」
 ナシゴは、素早くカリン塔を登り始めた。悟空は、その後に付いてカリン塔を登っていった。それから、数時間かけてカリン塔を登ったのだった。

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 ナシゴと悟空がカリン塔のてっぺんまで来る頃には、日が沈み辺りは暗くなっていた。
「おぉ、ナシゴよ。今日は、かなり時間がかかっていたようじゃのう」
 カリン塔を登ってきたナシゴを見つけて、カリンが言う。カリンは視線を、ナシゴから悟空へと移した。そして、カリンはナシゴに向かって聞いた。
「その子供が、例の?」
「そうです。彼が孫悟空です」
 大分息を切らして、カリン塔の居住区で大の字になって横たわりながら、素早い呼吸を繰り返している悟空を指し示す。

「かなり筋が良いですよ。カリン塔に初めて登ったのに、かなりのスピードで付いてきました」
 ナシゴは、悟空が途中でリタイアするならば背負っていこうと思いながら、かなりハイペースで登ってきたのだが、最後まで自分の力で登り切った悟空のガッツを褒め称える。

 息を何とか整えた悟空は、横たわっていた状態から立ち上がり、カリンに身体を向けた。
「おめぇ、誰だ?」
「ワシはカリンじゃ」
 すると、悟空はナシゴとカリンを見比べて、最後はカリンに目を向けて聞いた。
「強いのか?」
「お主よりかは、何百倍も強いぞ」
 カリンが答える。
「うそだぁ、あんまり強そうに見えねぇぞ」
「ホホホ、見た目だけで判断するとはまだまだじゃのう。なぁ、ナシゴよ。この小僧を本当に育てるのか?」
「えぇ、本当ですよカリン様。彼には強くなってもらわないと困りますから」
 将来のあらゆる地球の危機を守るためには、悟空に頑張ってもらわないと大変だから、今のうちに出来るだけ鍛えておきたいと考えるナシゴだった。
 カリンはナシゴの考えを読み取り、
「よし、分かった。悟空にナシゴよ、早速手合わせをしようかのう」

 そう言って、悟空の今の力量を測るために、手合わせを始めたのだった。 
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