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原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!

作者:zinn
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23話

皇焔のクローン(この先クローンと表記)が先手を取る。
クローンは空中に青い雲の様な物体作り出し、魔力団の雨を降らせる。

「剃!乱脚 牙!」

夕は剃で雨の範囲外から離れ、乱脚 牙で雲を散らす。しかし、クローンは雲を散らされたことなどどうでもいいようで、新しい雲を次々に作り出していく。強風を発生させる緑の雲。岩石を落とす茶色の雲。炎を纏う固まりを降らす赤い雲など、色により降らせるものが違うようだ。

「天候に喧嘩売ったような能力だな。まったく。これがあいつのレアスキルか………近づいて一気に決める」

夕は雲を無視してのクローンに接近し重い一撃を放つ。

「させん!」
「ちっ!」

そこに戦闘機人、トーレが割り込み夕の拳を全身を使って止める。

「貴様の戦闘データは見せてもらった。悔しいが私の戦闘力では適わない。だが防御に全てを回せば時間稼ぎくらいはできるぞ!」

 トーレは夕がクローンに接近する動きを確実に潰し、クローンも自分から夕に接近せずに雲のコントロールに集中する。
トーレとクローンの動きは見事な連係だった。戦闘経験がほとんどないディードとオットーの連係とはレベルが違う。単独ならすぐにでも片付けてられるのに二人が組んだことで時間稼ぎができるようになったのだ。ただ所詮は時間稼ぎ。このまま行けばやられるのは間違いなく二人である。

こいつら、何が狙いだ?そう考えた瞬間。夕は自分の体に違和感を感じる。
(体が重い?)
夕は自分の体が僅かに重いと感じる様になったのだ。
夕は原因を考え、辺りを注意深く見回す。するとクローンの作り出した雲の中に紫色の雲を発見する。他の雲に隠されていて今まで見えなかったのだ。

「色から見るに毒か?だがこんな毒じゃ。動きを鈍らせるのがやっとだ!」

夕は動きを鈍らせてもクローンとトーレの力を上回っていた。

「こいつ、本当に毒に侵されているのか!?」
「さあな!」

夕を確実にトーレを追い詰めていく。

「貴様は本当の化け物だな。毒に侵されてながら私逹二人を圧倒にしているのだからな………だが、もう一人増えたらどうなる?」
「なに?」

夕に向かって巨大なブーメランが飛んでくる。

「なっ!こいつは!?」

フェイトが相手をしていたはずの戦闘機人の武器である。

「ごめんね………夕」

夕は普段、観の目で戦場全体を把握している。しかし、夕は毒により鈍った動きを補うため。目の前の敵であるトーレとクローンに意識を集中さていた。それ故にフェイトが捕縛されているのに気づかなかったのだ。スカリエッティの狙いは初めからこれだった。トーレとクローンに共闘させ、毒で動きを鈍らせ、夕の自分の以外を見る余裕を奪い。その隙にフェイトを捕らえる。
そうしてしまえば、夕は毒に侵されて状態で戦闘機人三人を相手にするという。圧倒的不利な状況に陥ることになる。

「どうだい。私とウーノで考え、トーレとクローン、セッテで実行した策は?」
「………」
「言葉にならないくらい喜んでくれて嬉しいよ。しかし、君の体はどうなっているんだい?クローンの紫雲の発生させる毒は少量でクジラを動けなくする効果があるのだよ」
「答える義理はないな」
「それもそうだね。君を捕まえた後でじっくり研究させてもらうよ。トーレ、セッテ、クローン。動けなくなるまで痛めつけたまえ」

三人は言葉にすることなく、行動で示した。

「くっ…そ」

体さえまともに動けば、あれをやるか?だがコントロールが完全ではないあの力は俺の体にかなりの負荷がかかる。それにやるにしても、こう連続攻撃されると枷を外す暇がない。

夕は傷を負い、地面に着地して片膝をつく。ここでスカリエッティが喋りだした。ご丁寧に三人の戦闘機人は夕を包囲するが攻撃はしてこない。時間が経過すれば夕の体にさらに毒が廻ると考えたのだろう。

フェイトに対して模造品やら、キャロやエリオを自分に逆らわないように教育しているだの、他人からの愛情が薄れるのを恐れるだの、間違いを犯すことに怯えるてるだのと語っている。

「君はどう思う。島田 夕くん」
「さあな、他人の評価なんて気にするような性格してないんで知ったことじゃない。まぁ答えるやるか…粗悪品?そいつがコピーだろうがクローンだろうが。そいつにそいつだけの魂が宿っていればそいつは本物だ」
「魂とは非科学的なことをいう。魂など存在しない。あったとしても誰もその存在を確認できない」
「その魂の存在を感じられる出来事を体験したことがあるっていったらどうする?」

転生者である夕にしてみれば、魂の存在を否定することは今と前世の自分を否定する行為に等しい。魂があるから転生できたのだから。

「それが本当なら実に興味深い、後でじっくり聞かせてもらうよ」

勝利を確信しているスカリエッティにしてみれば急ぐ必要はないのだ。

「勝てたらな。次の意見にいくぞ。確か、自分に反抗心を持たない様にだったな。これについてはどこの家庭でもやっていることだ。過剰に自分の考えを押しつけるのはどうかと思うが、自分の考えを基に教育するのは普通のことだ。子供はその後、成長して親から教えられた考えを基にして自らの考えを身につけるものだ。その結果、親に反抗するもしないも子供の自由。それを他人のあんたが指摘すんのが間違ってんだよ。てめぇはもう少し世の中を自分の目で見てこい引きこもり」

「三番目は他人からの愛情が薄れるのを恐れるだったな。恐れない奴がいたらそいつはイカれてる。その人にとってその人物が大切であればあるほど強い愛情を求めるのは当たり前のことだ。そんなこともわからないくらい研究に全てを捧げてきたのかイカれマッドサイエンティスト」

「最後は間違いを犯すことに怯えるだな。そのくらい許してやれよ。絶対に間違えないどこぞの完璧主義者じゃないんだから。誰だって間違えるし、間違えたくないと思うだろ。そんな小さなことまで一々指摘するな。面倒な奴だな」

夕は言いたいことをいいきり、フェイトを見る。

「フェイト。これだけは言っておく。自分がどんな存在かは自分が決めることができる。お前はアリシア・テスタロッサのコピー人形か?それとも、なのは逹やお前の大事な子供逹が信じるフェイト・T・ハラウオンのどっちだ?。クローンだってことを気にしてるなら今度、なのは逹に聞いてみろ。自分はクローンだから自信が持てませんってな。本気で怒られるぞ。最低でも1週間は話も聞いてもらえないくらいに」

フェイトの頭の中には自分を怒っている皆の顔が浮かぶ。

「ふふ、それは遠慮したいな」
「ならさっさとそこから出てこい。ようやく体が適応したところなんだ」
                   
                   〈毒に〉

夕のその言葉が終わった次の瞬間、フェイトは自らを捕らえていた赤い紐を切り裂き、夕は足を地面に叩きつける様にして立ち上がりその衝撃で地面を揺らす。

「毒に適応しただと、はったりもほどほどにしろ!」

夕は突っ込んでくるトーレを片手で止める。反撃する前にセッテのブーメランが飛んでくるが反撃できないことは予想済みの夕はあっさりトーレを放す。

夕から毒の効果が消えたのは自らのアブノーマルにより毒に適応し、解毒したからだ

「こいつらの相手を10秒頼めるか?」

それは隣のフェイトに向けられた言葉。

「任せて。新ソニックフォーム!」

フェイトのバリアジャケットが露出の多い、速度を重視したものになる。

フェイトはその凄まじい早さでをスカリエッティと戦闘機人3人を相手に時間を稼いでみせる。
空戦でトーレとセッテの相手をし、スカリエッティの操る赤い糸のような物体を切り裂き、クローンが雲を操り放ってくる攻撃の雨をかわして時間を稼いで見せたのだ。夕に敵がいかないようにスピードと魔力弾で敵をかく乱することも忘れていない。(スカリエッティとクローンは空戦が出来ないので地面から攻撃している)

その間に夕は

「最終ノッキング解除。 凍る火柱(アイスファイア)発動」

瞬時に地面が凍り、地面に足をつけていたスカリエッティとクローンの体が凍っていく。

「ドクター!」
フェイトと戦っていたトーレは焦る。あのままでは数分でスカリエッティの体は凍りつく。いかにスカリエッティといえど原理のわからない力を防ぐことはできない。クローンも脱け出そうと力を使うが、動かない敵などただの的、

「紅蓮の鉄鎚」

接近した夕の拳が高温で赤く光る。拳はそのまま腹部に突き刺さり。クローンを沈黙させた。クローンがいなくなったことで連係が崩れ、トーレとセッテもフェイトに倒される。残るはスカリエッティただ一人。

「いや、素晴らしい。まさか君逹にそれほどの奥の手があったとは、私の完敗だ」

一人になり体の半分が凍っていてもスカリエッティには余裕があった。いや、狂っている彼にとって自分の負けなどどうでも良いことなのかもしれない。

「広域次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティ。あなたを逮捕する」

夕が凍る火柱(アイスファイア)で熱した拳でスカリエッティを吹き飛ばす。壁にぶつかったスカリエッティの意識がないことを確認して2人は緊張を解く。

「何とか終わったな」
「うん。後は皆に信じるだけだね」

地面に引きずり込まれたシスターシャッハはセインを倒して戻ってきた。司令塔であるウーノもロッサが捕らえて情報を引き出した。

スカリエッティのアジト戦は六課の勝利に終わる。 
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