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VenusBlood-d×d-

作者:植物紳士
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万殺の毒蛇姫

「援軍の要請、それを私が?」
「どうだろう?頼まれてくれないかい?」
リアスの結婚を賭けたレーティングゲームで自由を勝ち取ってから暫らく経ったその日私は突然兄からの連絡を受けた。内容は人間界のリアスが治めている地域に堕天使のコカビエルが教会から奪った聖剣を持ち込み暴れているからその応援に向かってくれと言う物。

「妹を見殺しにはできませんね」
「じゃあ行ってくれるかい」
「ええ、けどこの借りは高くつきますわよお兄様」
「構わない助かるよ、私も出来るだけ早く向かうから」
「ええ、では」
通信を終え後ろに控えていたノーラに告げる。

「ヨルム、ガルム、プリマテスを呼んで頂戴あの子達を先行させるわ、準備が整い次第私も出るわよ」
「畏まりました」
ペンを置き書いていた書類をまとめて眼鏡を外す、久しぶりの実戦だけど大丈夫かしら?でも頑張らないとね、あの子達の前で情けない姿は晒せないから。





・・・万殺の毒蛇姫 ヨルム・・・
「へぇー此処が人間界か~、始め来た」
ママからお話を聞いてあたい達は人間界に来た、普段はヘルお姉ちゃんから戦い方を教わったり、ティアお姉ちゃんからお勉強を教えて貰ったりしてお城にいるから初めて見る物ばっかりね。ママは準備に時間が掛かるからって先に私達だけで来たわ。

「お嬢、観光に来たんじゃねぇんですぜ」
「そうです我々の目的はリーネ様の妹君とその眷属と同じく上級悪魔であるソーナ・シトリ様とその眷属を助ける事そして」
あたいのお付の2人が人間界の景色を見てる私を注意してくる。

「堕天使のコカビエルを撃退する事でしょう、言われなくても分かってるわよ、でもさ悪魔の領地で好き勝手してるなら壊しても良いよね?」
あたいは笑顔でお付の2人に聞いてみる。

「良いんじゃねぇか?殺すなとはいわれてないからな」
「お好きに、堕天使陣営に生きて帰った所で処断されるのがオチですから」
ガルムもプリマテスも賛成してくれたしさっそく行こうかしら、向こうに結界が見えるから向こうに堕天使が居る様ね、さっさと殺してママに褒めてもらおっと。

「行くわよ2人とも」
「へいへい」
「分かりました」
あたい達は結界に向かうママから譲り受けた魔装、暗き虹蛇のビブレストを手に。
結界の前に着くとこの結界を作ったらしき悪魔が居るわね、まあ私には関係無いけど。

「もしかして貴方達が魔王様からの援軍ですか?」
「ああそうだ、堕天使は中か?」
「ええ、しかしたった3人ですか?」
「不満ですか、それとも私達では結界で閉じ込めている積もりの自分達より劣ると?」
「いえ、しかし閉じ込めている積もりとは?」
「この程度の結界ではコカビエルを閉じ込めるなど不可能です」
「あんたな!!」
何か生意気そうな男がプリマテスに食って掛かってるけど、行っていい?
それにしても脆い結界ね、解除するのが面倒だから割るわ。
力を入れるのは一瞬この程度の結界なら爪を使うまでも無い、足を開き腰を落すお姉ちゃんが教えてくれた空手の正拳突きの要領で打撃を打ち込むそうするドンと音が響き結界にヒビが入り広がってそして粉々に砕け散る。

「あらケルベロスね、珍しい」
いきなり結界が砕けてあたい達が歩いて来るもんだから皆ポカンと口開けてバカ顔晒してるわ、ケルベロスは私に向かって威嚇してるダメね、躾の成ってない駄犬は。

「援軍か、しかしまさか貴様のような小娘とはな」
「む、失礼ねこう見えてもあたいは立派なレディよ!!」
「まあいい、ついでだ貴様も聞くが良い仕えるべき主を亡くしてまで、おまえたち神の信者と悪魔はよく戦う」
「・・・・・どういうこと?」
ママにそっくりな人が怪訝な顔をしながら堕天使に聞く、そしてたら堕天使が急に笑い出した、無知な奴を笑うようなムカつく笑いかたで。

「フハハ、フハハハハハハハハ!そうだったな!そうだった!おまえたち下々まであれの真相は語られていなかったな!教えてやるよ、先の三つどもえの戦争で四大魔王だけでなく神も死んだのさ」
「っ!?」
「・・・・・」
皆が信じられないような顔を浮かべてるけど。

「それが?」
何を話すかと思えばそんな事なの?あたいの言葉に皆が驚いた顔をしてる、あたいの言った事はそんなに意外?

「小娘、お前は神の死を知ってたのか?」
「そんなの当たり前じゃないエネルゲイアじゃ神が死んだ事なんて当たり前の事、皆知ってるわよ」
「エネルゲイア、あの頭がイカレタ女が治め「ちょっと」ん?」
「アンタ今あたいのママを侮辱したでしょ」
「悪いか?造られた偽りの命を子と思い下らぬ飯事を続ける哀れな「黙れ!!」」
ママを侮辱されて思わず叫んでしまった、きっとあたいの蛇の様な目は瞳孔が開いてるかも。

「アンタの汚い言葉を聞く意味は無いし、アンタは生きる価値も無い、あたい達のママを侮辱した事を悔いながら死ね、ガルム、プリマテス露払いをお願い」
「分かりました、ですが簡単に殺さないでくださいね」
「あのクソ野郎をハチの巣に出来ないのは残念だがお嬢の命令ならしかたねえな、けど頼むぜお嬢」
そう言う2人は笑いながらガルムは狙撃銃を、プリマテスはレイピアと魔法拳銃を構える。ドンドンドン、ザシュザシュ、バンバンバンバン、ガルムが高火力の魔導ライフルが火を噴きケロベロスを肉塊にし、プリマテスが連射に優れる魔導銃を撃ちながらレイピアで切り刻みケルベロスを殺し始める。

「まかせなさい、血祭りにあげてあげる」
「出来損ないの悪魔風情が」
露払いをする2人を背にあいたは爪を構える、コカビエルは光の槍を投げてきたけど遅すぎ簡単に爪で掴めちゃうよ、槍を爪の毒で侵して消滅させる。

「何これ?聖書に記される堕天使ってこんなものなの?」
「貴様!!」
あいたがそう言って挑発すると激昂したコカビエルが槍を作り出しあたいに襲い掛かって来た。あたいはビブレストでコカビエルは槍で切り合うけど全然弱い、ヘルお姉ちゃんに比べると全然遅いし弱い、それなのになんで周りの悪魔は驚いたような顔をしてるの?槍を払って距離を取る。

「そろそろ効いてきたかな?」
そう思ってコカビエルを見ると眩暈を起こしたみたいに頭を押さえ槍を落とし地面に膝を着く。

「貴様 !!何をした!?」
「普段は教えないけど、死に逝く堕天使の冥土の土産に教えてあげる」
そう言ってあたいはビブレストを高く空に向かって掲げる。

「これはエネルゲイヤで造られた魔装と言う武器、名前は暗き虹のビブレスト、人間・悪魔・堕天使・天使・神・ドラゴンそして神器、6つの種族と1つの道具を殺し壊す為のありとあらゆる毒を産みだす大爪、アンタの身体には今この籠手から出して気化させた神経毒が回り始めてるの」
「この程度で舐めるなよ小娘が!!」
コカビエルが槍を作り出そうとするけど、槍は出せない絶対にね。
光の槍を作り出せない事にコカビエルは戸惑っているわね、クスクス本当に滑稽ね。

「何故!?何故出せない!!?」
「アンタの身体の中に入った神経毒は麻痺させるだけじゃない、天使や堕天使が使う光の力を侵し使えなくする効果もある毒なのよ」
あたいはコカビエルに近寄って行く、籠手から私が一番好きな毒を出しながら。
そして満足に抵抗や動きのとれないコカビエルの顔を思いっきり殴る。

「ぐああぁぁ、何だ顔ががががぁぁぁぁぁ、熱い熱い熱い熱い熱いぃぃぃぃぃぃ」
殴り飛ばしたコカビエルが顔を押さえてのた打ち回る、良い声で鳴くわ。あたいが籠手から出した毒は触れるとそこが水膨れの様に腫れ焼けるような激痛を催す毒。
でもどうせならもっと良い声でもらわないと、そう思ってもう一度今度は腹を殴る。

「熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃぃぃぃぃぃぃ」
コカビエルはさらに苦しみながら転げ回る、暫らく見てたけど単調ですぐに飽きたわ、要らない玩具だし壊しちゃを。




・・・兵藤一誠・・・
木場がエクスカリバーを砕いて、コカビエルに戦いを挑んだ俺達だけどコカビエルには相手にもされなかった、もうダメかと思った時結界が砕かれて金髪褐色肌の女の人、狙撃銃を担いだ軍帽軍服を纏った狼男、そしてその2人を従えてるヘルさんの様な角を生やして蛇の様な金色の目をした女の子が乗り込んで来た。
その後コカビエルの神が死んだと言う言葉に当たり前に返してコカビエルがあの子のお母さんを侮辱して女の子がキレてコカビエルと信じられない速度で戦ってコカビエルが女の子の籠手から出した毒で動けない所を殴ってコカビエルが毒で悶え苦しんでいる。
そして女の子が苦しみ続けるコカビエルに止めを刺そうとした時。

「死んで」
「それは待ってくれないかな」

白い鎧を纏った奴が現れた、でも一目見れば分かるコイツはヤバいコカビエルより遥かにヤバい。

「嫌よ、コイツを殺してママに褒めてもらうんだから」
「なら仕方ない」
おいおい流石にあの子でもアイツはヤバいだろう、そう思っても俺達は動けないでいた、コカビエルに敵わない俺達がコカビエルよりヤバそうな奴に勝てる筈が無い。
睨みあっている2人がいざ戦おうとしたら白い鎧の前を紐の様な物が通り地面に抉った。

「私の娘に何しようとしてるのかしら?白龍皇」
「ママ!!」
部長と同じ紅色の髪をなびかせながら赤と黒を基調とした鎧と服をまとって片手に機械的な鞭を、周りには変な赤い紋様が描かれた黒い細長の機械版が浮かべているリーネさんが現れた。女の子はリーネさん向かって走り飛びついた、と言うかママ!?リーネさんがあの子のママ!?それに白龍皇!?じゃあアイツがドライグが言ってた俺の宿敵!?

「噂に聞く魔導都市の大公か、随分と過保護だね」
「お腹を痛めて産んだ子の1人ですもの、もっとも戦う事しか能の無い殿方に理解されるとも思っていませんが、それで貴男が此処に来た理由は何?今代の赤龍帝?」
「いや、今回はコカビエルを回収に来ただけなんだ」
「なら持って行きなさい、ヨルムの毒で長くないだろうけど」
「解毒剤は無いのかい?」
「有っても譲ると思っているの?」
「死なれると困るのだけど」
「それはそっちの事情でしょ、あまり我儘を言うようないけない子にはお仕置きが必要かしら?」
バシィと手に持った鞭をしならせる。

「いや止めておこう、今回はコカビエルの回収が目的だからね。だが俺個人としては貴方にひいてはエネルゲイヤに興味が有る、エネルゲイヤの強者共にね」
そう言って白龍皇は去って行こうとすると。

『無視か白いの』
俺の籠手から最近ようやく聞き慣れた声がした。

『起きていたのか、赤いの』
白龍皇の方からも声が聞こえる。

『折角出会ったというのにこの様な状況ではな・・・』
『偶にはいいさ、いずれ戦う運命だからな。こういう事も有る』
『・・・そうだな。だが白いの、以前の様な敵意が伝わって来ないが?』
『それは赤いの、お前も同じだろう。そちらも今までと段違いに敵意が低いぞ』
『お互い、戦い以外の興味対象があると言う事か』
「そう言う事だ。こちらはしばらく独自に楽しませて貰うよ。偶には悪くないだろう?また会おう、ドライグ」
『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』
「それじゃあね、リーネ・グレモリー」
「ええ、また会う事でしょう白龍皇」
そして今度こそ白龍皇は去って行った。

「さてと、みんな帰るわよ!!帰ったら私特製のケーキと紅茶をご馳走してあげる」
「わーい、ママのケーキだケーキだ!!!」
「久しぶりですねリーネ様のケーキを食すのは」
「俺は紅茶より酒が良いんだがな」
「ガルムには私の秘蔵の一本をあげるわよ」
「ヒュウ、さすがお袋様だ分かってらっしゃる」
「それじゃあリアス後はお願いね」
リーネさんはウィンクを飛ばしながら魔法陣で消えて行った、その後部長が木場にお仕置きをしてた、サーゼクス様の加勢が来たのはその30分後だった。
駆けつけたサーゼクス様の加勢に学園の修理を頼み俺達はオカルト部の部室で休んでいた。
「部長」
「何?」
「俺はもっと強くなります。今回みたいな事が起こっても誰かの助けを借りる事無く貴女と仲間を守れるように」
リーネ様が来なかったら今俺達は生きて無い、でも何時までも護ってもらうのはダメだ。

「ええ、私も強くなるわ。何時までもお姉さまの助けを借りる訳にいかないもの」
「あらあら私達は除け者かしら?」
「僕も強くなります」
「私もです」
「・・・私達だけ仲間外れなんて嫌です」
皆の言葉に苦笑いしながら部長が言う。

「・・・・・そうね、皆で強くなりましょう」
部長の結う通りみんなで強くなればいいんだ。
 
 

 
後書き
ヨルムちゃん大活躍!!
ヨルムちゃんはバカっぽいところとが魅力ですよね、けど状態異常乱発して手下のゴーレムが自爆とか対策立てていかないとコッチをボコボコにする位強いし。しかし納得できない事があります、他の姉と比べると能力がショボイですよね、痛みを倍加とか天候を操ったり神殺しの牙や爪を持つ上の姉と比べるとやっぱりショボイですね、だから魔装を変えましたこれで姉二人と比べても見劣りしないキャラになったのではないでしょうか。
今回もお読み頂いて有難うございました。
 
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