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仮想空間の歌う少年

作者:ケンケン4
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11円舞曲ーmadness(狂気的に)

 
前書き
やばい。今回少しグロいかも?さらに題名が音楽記号じゃない!
それでも問題ないぜ!という方はどうぞ! 

 
55層迷宮区。ここでその訓練とやらが行われているみたいなのだが…

「うーん…見つからないな…」

ただいま彷徨いながら30分。見つからないな…そんな事を考えていると

「ヒャハハハ‼︎」

なんか耳障りな声が聞こえたな。
…行くか。
すぐ近くみたいだし、ちょっと元凶を懲らしめますか。僕はアスナにインスタントメッセージを送り声のするほうへ駆け出した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ヒャハハハ!死ねえ‼︎死ねえ‼︎」
「俺は…まだ…死ねない!」

その声の方へ行くとクラディールとキリトがとっくみあってた。
アスナの話によるとゴドフリーともうひとり居たはずなのに…殺されたのかな?






















…殺された?
…殺された?殺された?殺された?
…殺した?

「く⁉︎」

頭の中にいきなりイメージが入り混んできた。頭が…痛い…



ザザ…ザザ…

「この…ガキ…」

ザザ…ザザザ…

「死ねよ‼︎動くなよ!」

ザザ…ザザ…ザザ

「これで俺は人殺し…ははは!あははははは‼︎」

ザザ…

「俺はもういてはいけない…でも俺、いや僕は…」

ザザ…ザザ…

「ついでだ♪自分も殺しちゃおう♪」

ああ、そうか…僕は…



宿題、終わったみたいだな。

意識を手放す直前そんな声が聞こえた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「そこまでだよ?クラディール?」
「ああ?誰…」

その言葉は続かなかった。いきなり飛び出し、大鎌ソードスキル『クイックフール』を決める。大鎌による縦、横の2連撃がクラディールを吹き飛ばす。

「く…⁉︎貴様ぁ…スノードロップか…」
「スノー…」

キリトとクラディールが呟く…

「くく、なんて馬鹿な奴…」
「「え?」」

キリトがポカーンとしてる。敵であるクラディールですらポカーンとしてる。

「ま、いいや。ほい、解毒結晶。使いな。」

キリトに解毒結晶を渡す。さて…

「やあ、クラディールさん♪本当の殺しを教えに来たよ♪」
「なんだと?」
「いや?だってさ?俺さっきから聞いてたけどなに?バーチャルで人殺しをいっぱいした?殺人ギルド笑う棺桶に所属してます?わー凄いね!」

でもさ、と付け加える。

「君は知ってるかな?人間にハサミを突き立てる感触。血の臭い。消えない罪悪感。」

俺は叫ぶ。この愚かな殺人気取りの男に。

「こんな仮想世界で人殺ししたからって調子乗ってるんじゃねえぞ。ぼけが!」

俺は大鎌裏ソードスキル『デスサイズオーバードライブ』を放つ。大鎌による計15回にも及ぶ乱舞がクラディールを襲う。

「がっはああ⁉︎」
「『運命』を背に受けて決めろよ♪」

クラディールは15連撃の死神の鎌を喰らい、あっと言う間にHPを残り1割になる。

「ヒィィィ!死にたくねえ‼︎」

クラディールが無残にも叫ぶ。

「死にたくない?仕方ないな…」

俺はクラディールに回復結晶を割りHPを回復させる。

「ヒャハハハ‼︎あめええんだよ!音の死…ぎゃあああ⁉︎」

クラディールが回復と同時に叫びながら切りかかるがその叫びが終わるその前に大鎌裏ソードスキル『デビル・ゼロ』が決まる。このスキルは『マジシャンイリュージョン』よりも技の速度が速い代物だが…

「俺のHPは…まだ7割か…まだ行けるな。」

大鎌裏ソードスキルは使うと一定量のダメージを受けるデメリットがある。俺はHPを見て、再び大鎌裏ソードスキル『デスサイズオーバードライブ』を放つ。今度も15連撃が綺麗に決まり…クラディールのHPが1割以下になる。

「ぎゃあああ⁉︎…ハアハア…」
「何べばってるの?ほら回復させてあげるよ?」

またも俺は回復結晶を差し出す。

「ハアハア…なんなんだてめえ…いつもと雰囲気が違うじゃねえか…」
「ん?ああ!俺のこと?ああ違うぜ。今、『僕』は精神的に参っているからな。助っ人要員だ。」
「どういう…?」
「質問の許可はしてないぜ?ああ!そうだ!一ついいことしてあげよう!」

俺は一つ転移結晶を取り出す。

「この転移結晶をあげるから何処か遠くに逃げていいよ?俺も鬼じゃないからさ?」

クラディールに転移結晶を投げ渡す。クラディールは少し迷った後、転移しようとした。しかし…

「ごめん!気が変わった!」
「⁉︎」

転移しようとした直前、大鎌裏ソードスキル『デビル・ゼロ』がクラディールの胴体を切断していた。

「な…んで…?」
「いやだな〜俺は逃げていいよとは言ったけど殺さないとは一言も言ってないよ?」
「…⁉︎この人殺しが…」

クラディールのアバターが消滅する。

「いいよ。別に俺は人殺しだからさ…」

さて、キリトは無事かな?そう思いながらキリトの方を見るといつの間にかアスナがいた。しっかりとアスナはキリトを支えて、俺を見ていた。もちろんキリトも同様に。

「スノー…どういうことなの?殺人者って?それに一人称も変わってるし…」

アスナが震えた声で尋ねた。

「ああ、んじゃ、説明するか…俺の人殺しの話を…」

俺は語り出した…小さな町で起こった俺にとっての惨劇を…
 
 

 
後書き
うーん…スノー君が狂気的になりました。
明るい彼にも闇があるのです。
次回はそんな彼の悲劇の話。
なんてカッコつけました(笑)
では次回もまたお会いしましょう。 
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