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孤独の水の支配者

作者:Naho
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花咲学園
不思議な都市
  ―隠される力―

――ずっとずっと嫌い続けていた『学校』


何度も何度も避けてきた『場所』


・・・どうせ今回も二、三ヶ月で不登校になるに決まってる


?「萌依~~!早く支度なさーい!」


萌依「・・・はーい」


階段から聞こえるお祖母ちゃんには絶対聞こえるはずのない低い声で返すと溜息をついた


?「またそうやって私を見て溜息ついて…いい加減止めてよ」


萌依「別にいいでしょ」


――この子の名前はグランディーネ、


あたしみたいな正統継承者に仕える聖獣で


あたしが認めた人以外は絶対にグランディーネの姿は見えないからこうして外の世界に出しているんだけど


・・・はっきり言ってうざい←


・・・あたしが溜息ついただけで変な顔してくるし、


そして何かブツブツ言ってくるし


グランディーネはあたしが聞こえないだろうなぁとか思ってるけど


全部聞こえてるからね?全部聞こえてますからね!?←


グラン「ねえ・・・萌依」


萌依「なに」


グラン「準備しなくていいの?」


萌依「今します」


枕元に置いてある目覚まし時計を見てまた溜息をつくと、


グランディーネに変な目で見られたとしても無視して


ドアの前に綺麗に掛かっている真新しい制服を見ると袋を取り始めた


グラン「そういえば・・・今日から行くとこ、お祖母ちゃんが勧めたんだってね」


萌依「うん。どういう風の吹き回しかは知らないけどね」


いつもなら自分たちで行きたい場所を選びなさい、って言ってたお祖母ちゃんが


自分からこの学校に行ってみたらどう?って手紙で勧めてきた時は驚いたけど


・・・どうせ今回も二、三ヶ月で不登校になるって分かってるのにね


四ヶ月以上も通い続けた学校なんて一つもないし


正直言ってあたしに学校なんて物は必要ないと思うんだよね


教師の力なんて無くたって本屋さんで買った本を見ていつも勉強してたし


分かんないとこもネットで探したりして自分のペースで進めてたけど


・・・本当、あたしには学校なんて必要ない。


お祖母ちゃんが何をそんなに期待してるのかは知らないけどね


グラン「たしか・・・」


萌依「・・・あたしが捜してる物がもしかしたらその学校にあるかもだってさ」


グラン「へーえ・・・お祖母ちゃんが、萌依の捜してる物を知ってるなんてね」


さっきまではそんなに興味なさそうな顔をしていたグランディーネが目を丸くして言うと、


あたしは肩をすくめた


グラン「もしかしてお祖母ちゃんに話したとか?」


萌依「話した覚えはないけどね」


グラン「雪斗にも?」


萌依「うん」


・・・あたしには血の繋がった一つ年下の弟がいる


弟の雪斗には能力の力は全く受け継がれてないけど、血液は全く一緒の大切な弟で


この世で一番信じれる人。


お祖母ちゃんも確かに信頼出来る人物だけど、


雪斗に対する「信頼」と


お祖母ちゃんに対する「信頼」は似てるようで違ってて


お祖母ちゃんに話せないような事を雪斗に話すようになってから少しだけだけどあたしはお祖母ちゃんに気を使い始めた


・・・ちゃんと言えばいい事なんだけど、


お祖母ちゃんには期待を持って欲しくなくて


ときどき・・・小さな事で喧嘩をするんだよね


あたし本当・・・情けないなぁ


グラン「見つかるといいわね」


萌依「・・・うん」


クローゼットに張り付いてる鏡でリボンの位置を確認すると


机の上に置いておいたペンダントをカバンのポケットに思いきり突っ込むと


家と自分の部屋の鍵を持ってドアを閉めた


萌依「よし」


グラン「相変わらず・・・どこ行っても心配症ね」


萌依「自分の部屋に入られたくないだけ」


グラン「はいはい(笑)」


雪斗とお祖母ちゃんを信用してない訳じゃないけど


さすがに部屋の中に入られるのだけはどうしても嫌なんだよね、不思議なことに・・・。






階段を下りてソファの近くにカバンを置くと


いつものように冷蔵庫からお茶を出すとあたしの横で


料理の本を左手に持ち、弟の雪斗が小さく唸っていた


雪斗「・・・意味わからん・・・同じように作ったのに・・・何で上手く行かないの?!」


萌依「・・・塩入れた?」


雪斗「入れた」


萌依「卵は?」


雪斗「4!!」


萌依「3だから」


雪斗「あああ?!」


お茶を飲みながら雪斗が落とした料理の本を拾いながら見ると、


絶対に似合わないエプロン姿の雪斗が本に顔を近付ける


雪斗「どういう事だよ!?だって4って!!4って書いてあったんだぞ?!」


萌依「あたしにそういう事言われても・・・どうせ違うページ見てたんじゃないの?」


雪斗「違ェよ!!ちゃんと見ながら作った!!」


萌依「それか頭の中で勝手に勘違いしてたとか」


雪斗「多分それだわ・・・」


・・・ほれ見ろ←


どうせお前の事だから今日、学校のやつで頭が一杯で何かを勘違いしてたんでしょ(笑)


雪斗「ごめん・・・今から作り直せそうにないわ・・・お祖母ちゃんもごめんな?」


椅子に座ってグランディーネと話をしていたお祖母ちゃんが優しく微笑んだままあたしたちを見ると首を横に振った


祖母「私はいいよ。けど萌依と雪斗は大丈夫かい?」


萌依「まあ・・・売店とかで買うしかないか」


雪斗「はあ・・・そうだな・・・あ~あ・・・俺ってやっぱ料理向いてないのかなぁ」


萌依「明日はあたしか」


雪斗「」


何か雪斗に変な顔で見られてるんだけど←


萌依「なに」


雪斗「姉ちゃんさぁ!?もっと何で言うタイミングとか考えてくれないの!?」


萌依「は」←


雪斗「もういいよ!!どうせ俺は料理できない駄目男ですよーだ!!」


萌依「」←


・・・うん、えと・・・何から言えばいいのか全っ然分かんないんだけどさ((


とりあえずは慰めた方がいいのかな?←


萌依「・・・はあ・・・雪斗~ごめーん、だから怒んなって」


雪斗「今の溜息なんだよ!?」


バッと振り返った雪斗が左手の人差し指をあたしに向けながら言うと、


あたしはニコっと微笑んだまま雪斗を見た


・・・もういいや、面倒臭い。勝手に怒ってろ 
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