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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第58話 あれから1年

 
前書き
閑話的なお話しになります。 

 
 あれから約1年経った。

 今日は2004年5月2日、オレの11歳の誕生日だ。

 ネギが時の彼方に消え去り、海鳴に戻って来てからも色々あった。

 8月の夏休みには原作通り、魔法世界でテロがあり、地球から魔法世界へのゲートがすべて破壊された。

 実はその3週間ほど前にフェイト・アーウェンクルスがオレを訪ねて来た。





  ☆  ★  ☆  





「やぁ、久しぶり」

 その日、宿題も終えて後は寝るまでまったりと、と思っていたら、普通にインターホンを鳴らし、彼、フェイト・アーウェンクルスはやって来た。

 本当かどうかわからんが敵意はないとのことだったので、リビングに上げて話しを聞く。

 もちろん、念話によって月村家には連絡済みで、会話の方もリアルタイムで映像を回している。

 で、まぁ何しに来たかと言えば、情報収集。

 日本は日本異能協会の下、9月以降、魔法世界と国交断絶---国交という言葉が正しいかどうかは微妙だが---を通達しているので、その前に情報収集するため、やって来たらしい。

「もちろん、只でとは言わない」

 そう言って彼が取りだしたのは、鵬法璽(エンノモス・アエトスフラーギス)---契約した者の言葉を絶対遵守させる封印級の魔導具---で、「お互いに1つずつ質問し、真実を答える」と言う契約の元、情報交換を行うというわけだ。

 ちなみにこちらには情報交換をする必要がないと1度は突っぱね、「この情報交換後、鵬法璽をもらう」ということで、2時間の制限時間と情報ソースは探らないと決めて情報交換を行った。

 で、彼の聞きたかったのは神楽坂の行方。ちなみに話しの間にオレが「神楽坂=黄昏の姫御子」に気付いていることも魔法世界が崩壊の危機に瀕していることも総てバレタ。

 こちらからは、8月半ばにはテロにより、ゲートを全て破壊することなど原作知識の補完に終始した。

 テロについて知られたことに焦ったようだが、「オレにはテロを邪魔する意志はない」と告げ、それを本心かどうか確認し、「無関係な魔法世界の行く末には興味ない」ことも確認し、ようやく彼も納得したようだった。

 一応7月末には、吸収前の関東魔法協会を通じて日本と魔法世界の国交断絶を通知し、日本における帰化しない魔法世界人の送還---学園長らオコジョ含む---と魔法世界にいる日本人---関東魔法協会で把握しているだけだが---への即時帰還通知も完了した。

 ちなみに理由としては、「麻帆良学園に封印されていた前大戦の首謀者「完全なる世界(コズモエンテレケイア)」の首領が封印を解かれ、魔法世界に帰還し、再度大戦が繰り返される(おそれ)があるため」と通知された。関西呪術協会が前大戦で被害を受けているのは周知の事実だったため、地球の魔法関係者の各組織はそれで納得したようだ。また、本当に勘働きの良い組織は一時的にしろ日本同様魔法世界にいる組織の人員を引き上げたらしい。



 あと、日本の魔法関係組織の統一記念として恩赦が施され、青山詠春殿の石化も解かれた。
 その際、石化後のことについても全て説明され、1度だけ「九重(ここのえ)このか」と改名された、元近衛木乃香である娘に会いに来た。
 で、親子水入らず今後のことを2人だけで話しをさせたんだが、翌日には青山詠春殿は魔法世界へのゲートがあり、伝手があるウェールズへと旅立って行った。

 なんでも「娘はもう大丈夫だから囚われた友と前大戦の因縁にけりをつけてくる」らしい。

 このかとしても現状の原因の4割---他は学園長が4割、ネギが2割と言ったところか---はある父親と別れるのはかなり複雑な思いがあったようだが、「これがウチのおとうはんだから」と意外とさばさばしていた。内心はわからんけど。





  ☆  ★  ☆  





 テロ後、地球の魔法組織に対し、日本異能協会より、「魔法世界の今後の可能性」として、魔力枯渇現象による崩壊の危機及び魔法世界住人の移住等について発表された。

 ちなみに日本のスタンスとしては「不干渉」とし、救済事業も移住の許可もなんら手を出さないことを同時に宣言している。

 これについては各組織から非難囂々だったらしいが、「前大戦後の不誠実な魔法世界の対応」を錦の旗に論破したらしい。
 このことは関西呪術協会時の魔法世界への対応の格段の差を内外の組織に印象づけた一件となった。

 まぁ、魔法が当たり前の世界の住人を万単位で抱え込むリスクを冷静に考えれば自ずと他の組織も対応は決まってしまうだろうけど。

 ちなみに神楽坂はいなくなってしまったが、現在魔法世界には「王家の魔力」を持つ人間は2人いるので、「完全なる世界(コズモエンテレケイア)」なり、復活した「紅き翼+ぬらりひょん」なりが魔法世界をどうにかするんじゃないかな。きっと。

 そうそう。サムライマスターが魔法世界に戻り、古本とバグキャラと合流し「紅き翼」が復活したのと同時に、2名のオコジョ刑服役者が行方不明になり、「紅き翼」が「紅き翼+ぬらりひょん」になったらしいよ。テロ前の風の噂で流れてきた。



 このかは詠春殿と別れてからは良い意味で色々吹っ切れたらしく、千雨や転校した中学の新しい友達と日々楽しげに生活を送っている。

 ただ、少し心配なのは千雨や新しい友達の影響かネトゲ---いわゆるMMO---を始め、廃人とは言わないが、かなりハマっているので心配だ。

 まぁ、ゲームやアニメを始めとするオタク趣味は、イメージの補完として神鳴流でも裏で推奨されている---格ゲーのネタ技は一芸として相変わらず認められている---ので、問題ないと言えば問題ないけど「どうしてこうなった」と一言言いたい。

 冬休みには限定アイテムが配布される「冬○ミ」に千雨共々参加する気らしいし。

 まぁ、女の子だけで参加するのは危ないし?

 今は小学生のなりだけど、魔法を使えば保護者変わりの大人になれるので、いわゆるボディーガード的な意味合いで一緒に参加するのはやぶさかではないよ。

 というか、連れてってください。





  ☆  ★  ☆  





 そういや、同じ8月に時空管理局とも話し合いがあったらしい。

 らしいというのは、かなりの重要機密なので、今のオレ程度では詳細まで知る権利が無いのだ。

 それでも「らしい」程度に話が聞けたのは、ジュエル・シードを集めた担当者だと言うこと、プレシアと交渉したリニスのマスターだと言うこと、はやての闇の書の件でも関わり合いがあったからだ。

 でわかる範囲で言えば、やって来たのは原作通り「アースラ一行」。ロストロギアを無許可でプレシアに譲渡したのは管理局からすれば違法であるが、管理外世界なので管理局の法に従う必要もなくお咎め無し。当然「時の庭園」等ジュエル・シードの対価についても正式に譲渡されたことになる。もっとも管理局的には、ジュエル・シードの対価ではなく、プレシアの元使い魔であるリニスに譲渡され、それを今のマスターであるオレが受け取ったことになるが。ちなみにフェイトについては管理世界に戸籍もないので「そんな存在はなかった。最初から地球にある戸籍通りである」というカタチで落ち着いた。ちなみにこれにはプレシアの研究成果である「プロジェクト・フェイト」のデータを全て渡して、「アースラ一行」の手柄としたのは無関係ではないと思われる。

 ジュエル・シード関連はこれで収まったが、荒れたのは闇の書関連についてだった。

 八神家にかかっていた悪意てんこ盛りの認識阻害の結界がアースラ一行の調査でミッド式と判明し、当然アースラ一行が管理世界でその犯人を捜すことになる。その一環ではやてについての地球側の資料を渡したときに、うかつな執務官がはやての後見人のギル・グレアム氏に反応してしまい、それを地球側が追求し、管理局の高官がかなりクロに近いグレーとなって、一気に場が緊張したらしい。

 おかげでかなり強気で押せたらしいが。

 ここから原作とは大きく乖離するようだが、ユーノ・スクライア少年には、「管理外世界への無断渡航」「現地人への魔法バレ---緊急時という情状酌量アリ---」「現地人への魔法教示」「現地人へのデバイス譲渡」など、原作のようにジュエル・シード回収に何ら寄与しなかったためか、かなりの罰則が加わるようだ。この辺は日本異能協会への「管理局はちゃんとした組織ですよ(意訳)」アピールもあるらしい。

 逆に実はこれはほとんどリニスにも当てはまるわけだが、人間と使い魔との違い、使い魔契約を現地人から望んだこと、今後の日本異能協会との関係から不問になっている。

 あーあと、高町さんちのなのはちゃんの幼なじみのエミヤ君はどうやら次元漂流者だったらしく、ついでにアースラ一行に引き取られていった。
 なお、彼について改めてはやてやフェイトに聞いたら「なんでもう歩けるんだ?」とか「なんで(名前が)フェイト・T・ハラオウンじゃないんだ?」とか色々アウトな発言をかましているのでどうやら彼も転生者っぽい。
 アースラに引き取られたのでもう会うこともないと思うが。

 あとそのなのはちゃんだが、頑として魔法の力を手放すことを拒否しており、原作通りスカウトしたいアースラ側の思惟もあり、ご家族にも魔法について話し、話し合うことに決まった。日本異能協会はこれについて高町家側から要請されない限り、非干渉となった。魔法だけなら日本異能協会に所属するという手段もあるが、どうもなのはちゃんは幼なじみのエミヤ君と別れ難いらしく管理局希望という面もあるようだ。

 これ以降、日本異能協会中部支部月村家がメインとなって管理局と交渉し、これはその後何度も交渉した未来の話しだが、地球は管理世界における管理外世界から、協力世界へと格上げされ、一部現地組織---日本異能協会のことだが---と管理局が交流のある世界となる。
 おかげでミッド式の魔法やらデバイス知識・素材やらを優先的に手に入れられ、地球式デバイスも飛躍的に進歩することになる。





  ☆  ★  ☆  





 さて、表の世界ではがぜん注目度が上がったISだけど、年が明けて1月末には、MS少女的な感じで、TBC(月村・バニングス・カンパニー)製のフラッグモデルIS「RX-78ガンダム」が完成し、全世界に公表された。
 開発主任は安室(あむろ)零一(れいいち)さん、操縦者は益田(ますだ)聖羅(せいら)さんで、8月におこなわれる「第1回モンド・グロッソ」後に結婚するらしい。ISが取り持った仲らしいね、お幸せに。

 ちなみにこのガンダム、1月発表時、世界で唯一ビームサーベルとビームライフルといったビーム兵器を搭載しているISらしい。まぁ、ISが発表されまだ4年しか経っていないと言えば仕方がないと思うが。あと基本武装は先程言ったビームサーベル・ビームライフルに加え、ハイパーバズーカ、ビームジャベリン、ガンダムハンマーと頭部バルカン以外はかなりの再現性だ。また、
いわゆる「FA-78-1フルアーマーガンダム」へとパッケージ換装も再現されているので、何気に第2世代IS---後付武装によって、戦闘での用途の多様化に主眼が置かれた世代---だったりする。

 なお発表されてまだ4年ということもあり、篠ノ之博士から渡された「無銘(ノーネーム)」から発展した第1世代IS---兵器としてのISの完成を目指した機体---すら余り完成していないらしく、大会参加数を増やすため、今回は予選すらせず、それでも参加数は全部で30機あるかないからしい。

 なお、TBCではすでにコストダウンを前提とした量産機「RGM-79ジム」の開発に着手しており、「第1回モンド・グロッソ」以降成立するであろう量産機市場を席巻する予定だ。当然ながら「RGM-79ジム」については、「ジムキャノン」「ジムスナイパーカスタム」「ジムコマンド(近接戦闘型)」「アクアジム」等々いわゆるMSVタイプの再現もされる予定だ。

 なので、ガンダムには「第1回モンド・グロッソ」にてある程度以上活躍が期待される。
 
 まぁ、大丈夫だと思うが。



 あ、ちなみにオレは以前ISコアを触らせてもらったが反応はしなかったよ!



 そして、誕生日も過ぎ、なんだかんだ「第1回モンド・グロッソ」に向けて世界中が盛り上がりつつある中、月村邸に死体が突然現れた。   
 

 
後書き
「RX-78ガンダム」の開発者と操縦者には、ちょっとした語呂合わせなだけで、余り意味がありません。次回は「第1回モンド・グロッソ」結果と新章に入る予定です。

2014/5/6 リリカルなのは的な話しを追加

この作品ではフェイトは「フェイト・T・遠坂」という名前になっています。 
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