| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生者物語 in ハイスクールD×D

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

序章・舞い降りた戦士達
  第二話

Nダガーから命からがら逃げた神居は、町外れにある廃工場に隠れ、投影したマジックアイテムで傷を塞いでいた。

「くそっ・・・あの真っ黒忍者ガンダム!!!」

Nダガーに対する憎しみを露わにする神居。すると、そこへ一人の人影が現れた。

「随分と滑稽な事になっているじゃないか。」

「っ!?貴様は!!!」

神居は影の方を見る。すると、丁度雲が晴れて月明かりがその影を照らす。それは、所々に金色の刺繍が施された白いローブを身につけた金髪の男だった。
この男の名は神奈真(かみな しん)。神居と同じく悪質な神によって生み出された転生者だ。

「何をしに来た。俺を笑いにでも来たのか?」

「いや。お前の手伝いをしてやろうと思ってな。」

「はあ?何を言って・・・まさか、お前も六花が狙いなのか!?」

神居がそう言うと、神奈は首を横に振った。

「いや。私の狙いは十花の方だ。」

「はあ?でもあいつは転生者だぞ。」

「ああ。だが、あっちの方が俺の好み何でな。」

「そうか・・・まあ、確かに俺でも片腕じゃああんな巨大ロボの相手は無理だ。お前の力があれば出来るな。」

「そして、私の力は少々派手で使いにくいが、お前と手を組めば全力で使える。」




十花と六花そしてその母親を病院まで運んだボリスは、病気の駐車場で待機していた。

「間に合っていればいいのだが・・・」

彼は三人とメイと玄の五人を乗せ、サイレンを鳴らして全速力でここに向かった。そして、少し前に到着し、十花と六花の母親は緊急手術を受ける事になったのである。

「ボリス殿。」

そこへ、Nダガーがやって来た。

「あの事件。黒幕は悪質な転生者だったぞ。」

「なるほど。」

「ただ、一つ気になる点が。」

「何だ?」

「奴は姉妹のどちらが転生者か把握している様子だったぞ。」

「何だと!?」

Nダガーの報告にボリスは驚愕した。

「一体、どうやって・・・」

「まだそれについては分からん。それより、例の姉妹は?」

「今、病院の中でメイと玄が詳しい事情を聞きながら、こちらについての説明をしている。」

「そうか。では、彼らにも報告をしなければな。」

そう言って、Nダガーは駐車場から姿を消した。




その頃、病院の一角では玄とメイが十花と六花に自分達の説明をしていた。

「と言う訳じゃ。」

「なるほど。まさか、私以外の転生者が皆そんな奴らだったとはな・・・」

説明を聞いた十花は不安そうだった。

「そう落ち込む事は無い。これからはワシらも一緒じゃからな!」

そんな彼女に玄は励ますように言う。その時、天井裏からNダガーが現れた。

「説明は済んだか?」

「ああ。だが、Nダガー。お前は今まで何処に行っていたのだ?」

先程まで全く姿を見せていなかった彼に、メイが聞いた。

「実は、あの事件の黒幕を見つけてな。」

「黒幕!?」

「ああ。悪質な転生者が堕天使に君たちの情報を流したそうだ。」

「何故そんな事を!!」

Nダガーの言葉を聞いた十花が叫ぶ。

「その前に、君たちの名前を教えてくれないか?」

「私は小鳥遊十花、転生者だ。こっちに居るのが妹の六花。あと、こいつは転生者じゃない。」

「なるほど・・・」

十花から話を聞いたNダガーは納得したように顎に手を当てる。

「で、それがどうしたんだ?」

「実は、その黒幕の転生者は転生者である君が堕天使に殺された後、ヒーローのように現れて六花を助け、自分のモノにする積もりで居たようだ。」

「何という奴じゃ!」

神居の身勝手さに、玄は怒りを露わにする。

「だが、問題は何故奴が十花の方が転生者だと知っていたかについてだ。」

「確かにそうだ。普通なら、神器持ちの六花の方を転生者だと思うハズだ。」

Nダガーの言葉を聞いて十花が分析する。

「つまり、奴らは何らかの方法で転生者であるか否かを識別出来ると言う事か?」

「ああ。おそらくそうだろう。」

メイの解釈をNダガーは肯定した。

「それで、その転生者はどうしたんじゃ?」

「残念ながら、手傷は負わせたものの、逃がしてしまった。」

玄の問いに、Nダガーは残念そうに答えた。

「それは危険だな。」

「ああ。また何か企んでくるかもしれん。」




あれから暫く経った後、十花と六花の母親の手術は無事に終了した。とはいえ、まだ意識は無い。なので、十花と六花は今夜は彼女の側に居る事にした。メイとNダガーを護衛としてその場に残ったが、玄は事後処理をしているACトレインの様子を見るために、ボリスに乗って半壊した小鳥遊家に戻る事となった。

「しかし、彼女が助かって良かったな。」

ボリスが運転席に乗る玄に言った。

「ああ。じゃが、もっと速く着いておったら、親父さんの方も助けられてたかもしれん・・・」

「過ぎた事をどうこう言っても仕方ないさ。」

「それはどうじゃが・・・」

そうやって会話を続ける二人。その時・・・


『I am the bone of my sword.
――― 体は剣で出来ている

Steel is my body, and fire is my blood.
血潮は鉄で、心は硝子 』


突然、呪文のような声が聞こえてきた。

「なんじゃ、これは?」

首を傾げる玄。


『I have created over a thousand blades.
幾たびの戦場を越えて不敗

Unknown to Death.
ただの一度も敗走はなく

Nor known to Life.
ただの一度も理解されない 』


だが、ボリスはこの呪文を知っていた。

「いかん!!」

直様、彼はハンドルを切って呪文の効果範囲外へ逃げようとする。だが・・・


『Have withstood pain to create many weapons.
彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う

Yet, those hands will never hold anything.
故に、その生涯に意味はなく 』


「くそっ!間に合わない!!」


『So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.
その体は、きっと剣で出来ていた』


そして、呪文が完成した。




呪文が完成すると、彼らの周りの景色は無数の剣の突き刺さる荒野へと変わっていた。その空では巨大な歯車が回転している。

「何じゃここは!?」

ボリスから降りた玄が叫んだ。その時、二人の前に小さな影が現れる。

「二人とも、大丈夫か!」

それは、メイと一緒に小鳥遊姉妹の護衛をしているハズのNダガーだった。

「Nダガー!どうしてここに!?」

「嫌な予感がしたのでな。それより、この空間は何だ?」

二人に尋ねるNダガー。すると、そこへ二人の人影が現れた。

「貴様は!!!」

Nダガーはそのうちの一人が神居である事に気付き、刀を構える。そんな彼を見て、玄が聞いた。

「Nダガー。あいつらは誰じゃ?」

「金髪の方は知らんが、銀髪の方は先程の事件の黒幕だ。」

「何じゃと!?」

「なら、今度こそ逃がす訳にはいかないな。トランスフォーム!!」

Nダガーの話を聞いたボリスはロボットモードへ偏見し、銃を構える。その時、金髪の男…神奈が口を開いた。

「なるほど。お前に聞いた通り、これは何処からどう見てもトランスフォーマーだな。」

「ああ。しかも、肩のキャノン砲から撃つビームは下位とはいえ、堕天使を消し飛ばすほどの威力だ。」

神居がそう説明する。

「なるほど。だが、俺のゴライアス達に比べれば、雑魚だな。」

すると、神奈は周囲に無数の宝石をばら撒き、何処からか出したレイピアを振るい、呪文を唱えた。

「叩いて砕け。ゴライアス!!」

すると、宝石の周囲に岩が集まっていき、十数体のゴーレムが生み出される。

「さあ、行け!ゴライアス!!」

神奈が命じると、ゴーレム達は一斉にボリスへと向かって行った。

「やるのか?たかが岩の塊、粉々にしてやるぜ!!」

それに対抗し、ボリスは銃とビームキャノンで応戦した。だが、彼の予想以上にゴーレムの防御力は高く、銃から放たれるレーザーは表面を少し削るだけだった。一方、ビームキャノンの方は大ダメージを与えているが、直ぐに周囲の岩を取り込んで再生してしまう。

「その程度か?なら今度はこちらから行くぞ。」

神奈がそう言ってレイピアを上に掲げた。すると、ゴーレムが一斉に右腕を前に突き出した。そして、突き出した右腕の肘から先が回転し始める。

「ロケットパーンチ!!!」

そして神奈が技名を叫ぶと同時にレイピアを振り下ろすと、ゴーレム達は一斉に右腕をロケットのように発射した。

「ぐあああああああああ!!!」

それは一斉にボリスに殺到し、直撃する。

「ボリス!!」

それを見たNダガーがボリスを助けに行こうとするが、彼の目の前に神居が立ちはだかった。

「腕の恨み、晴らさせてもらうぜ!!」

「邪魔をするな!!」

Nダガーは刀を抜いて斬りかかるが、神居はそれを黄金に輝く聖剣で受け止めた。

「今回は『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を投影したんだ。前みたいには行かないぜ!!」

「確かにいい剣だ。だが、その剣は見た所本来両手剣のようだ。それを片腕の貴様が使いこなせるのか?」

「はっ!チートオリ主のパワーを舐めんじゃねえ!!」

そう言って、神居はエクスカリバーを振るった。




一方、ロケットパンチの一斉射撃を受けたボリスの下には玄が駆け寄っていた。

「大丈夫か!ボリス!!」

「ああ、何とかな・・・」

岩で出来た腕の山からボリスが這い出して来る。だが、そのボディはあちこちが凹んでいた

「ボリス!ワシも戦うぞ!!」

「玄!?だが、君では・・・」

玄の発言に戸惑うボリス。そこへ、ゴーレムを引き連れた神奈が近寄って来た。ロケットパンチとして飛ばしたゴーレム達の腕は既に再生している。

「さあ、これで終わりにしてやろう。」

神奈がそう言うと、ゴーレム達は再び腕を前に突き出した。その時、玄が奴らの前に立ちはだかる。

「玄!何をしている!!」

ボリスが叫ぶが、玄は動こうとしない。

「そう言えば君も彼らの仲間だったね。丁度いい、一緒に始末してあげよう。」

そう言って神奈はレイピアを上に掲げた。だが、その時玄が叫ぶ。

「そこのパツキン野郎!うちのチームで巨大ロボがボリスだけと思ったら大間違いじゃぞ!!」

「何だと?」

怪訝に思う神奈。そんな中、玄が叫んだ。

「ガード!タンク!!!」

すると、遠くに緑色の戦車が召喚され、玄に向かって走って来た。そして、変形をし始める。キャタピラの部分が脚部に、砲塔の左右が両腕に、そして砲門が右肩のキャノン砲となり目鼻口のある頭部が現れた。そして、玄もホバー移動で変形した戦車へと向かって行く。その中、彼のボディの偽装が剥がれ、内部のアンドロイド本体が露わになった。そして、玄はロボットの胸部へと収納された。すると、ロボットの目が光り起動する。

「チェーンジ!!グラントータス!!!」

これこそが玄の真の姿。宇宙警備隊所属の大地の勇者『グラントータス』である。

「このグラントータスが、これ以上お前の好き勝手にはさせんぞ!!」

合体完了後、神奈にそう宣言するグラントータス。その様子を見た神奈はと言うと・・・

「わ、私のゴライアスよりも恰好いいだと・・・」

変な意味で慄いていた。

「だが、数はこっちの方が上だ!行け!!ロケットパーンチ!!!」

だが、直様立ち直りゴーレム達にロケットパンチの発射を命令する。

「そいつがどうした!!」

だが、グラントータスは右肩のキャノン砲でそれらを全て撃ち落とした。

「まだまだ行くぞ!!!」

さらに、グラントータスはゴーレム本体にもキャノン砲を発射する。だが、破壊されたゴーレムは直ぐに再生してしまった。

「くそっ!これじゃあキリが無い!!」

グラントータスは何度もキャノン砲を発射するが、ゴーレムはどんどん近付いて来る。

「不味い、このままでは彼も俺と同じようにやられてしまうぞ・・・」

その様子を見て不安になるボリス。だが、ある一体のゴーレムが粉砕された瞬間、彼は砕けた岩の中にクリスタルのような物が混じっているのを見た。

「何だあれは・・・まさか!!!」

ボリスは銃を構え、次のゴーレムが粉砕された瞬間に見えたクリスタルを撃ち抜いた。すると、そのゴーレムは再生せずに沈黙する。

「やっぱり、あれが弱点だったか。玄…いや、グラントータス!弱点の破壊は俺がやる。だから、お前は思いっきりやれ!!!」

「よっしゃあ!!任せたぞ、ボリス!!!」

ここからは、完全にグラントータスとボリスによる無双状態であった。グラントータスがキャノン砲や拳でゴーレムを粉砕すれば、ボリスがクリスタルを撃ち抜くの繰り返しである。そして、ついに残ったゴーレムは五体だけになった。

「おのれ・・・ならば、これでどうだ!ゴライアス!!合体だ!!!」

神奈はレイピアを上に掲げながら叫んだ。すると、五体のゴーレムが飛び上がり、一体が胴体、残りが手足となって合体した。

「これがグレートゴライアスだ。」

自慢げにそう言う神奈。だが、グラントータスは全く動揺していない。

「それがどうした!合体出来るのが自分だけと思うなよ!!ブレイブタートル!!!」

そして、彼が叫ぶと甲羅の上にグラントータスの右肩についているのと同型のキャノン砲を装備した亀型ロボットが召喚された。それはホバー移動で亀という見た目に反する速度でグラントータスに近付いて行く。そして、上空へと飛び上がり、脚部が収納されると甲羅が左右に分かれた。キャノン砲は左側についている。そして、それはグラントータスの上に被さり、亀の頭が下に下がって胸部の装甲となり、さらにグラントータスの頭にヘルメットが被され、マスクが閉じた。

「フォームアップ!装甲合体!!グラントータス!!」

これこそ、グラントータスとブレイブタートルが合体した姿『装甲グラントータス』である。

「そっちも合体だと!?しかも恰好いいバンク付き!?」

またしても変な所で慄く神奈。だが、直様気を取り直す。

「だが、大きさはこっちの方が上だ!!!」

神奈はゴーレムを操作し、その拳をグラントータスに向かって振り下ろさせた。

「とうっ!!」

だが、グラントータスはそれをジャンプして回避する。

「でやあああああああ!!!」

さらに、ゴーレムの頭部に向かって拳を繰り出した。それにより、ゴーレムの頭が粉砕される。

「馬鹿な!?合体した事で防御力は上がっているハズだぞ!?だが!!!」

合体したグラントータスの拳の威力に驚愕する神奈であったが、直ぐに破損箇所を再生させる。

「なら、こいつはどうじゃ!ダブルグランキャノン!!!」

すると、グラントータスは少し距離をとり、両肩のキャノン砲を発射した。それはゴーレムの胸に当たり、岩を抉るとクリスタルを露出させる。

「こいつでトドメじゃ!グランハルバード!!!」

すると、グラントータスは背中から巨大なハルバードを取り出し、地面に突き立てた。

「グランハルバード!チャージアップ!!」

すると、グランハルバードが大地のエネルギーを受けてダイヤモンドのように輝く。

「うおおおおおおおお!!!」

そして、グラントータスはグランハルバードを構えると、ゴーレムに向かって突撃した。

「でやあああああああ!!!」

そして、グランハルバードを振り下ろし、ゴーレムをクリスタルもろとも真っ二つに切り裂いた。コアであるクリスタルを破壊されたゴーレムはそのまま再生する事なく、砕け散ったのであった。

「あれは・・・」

その光景を見た神奈は、敗北にショックを受けるよりも、忘れていた物を思い出していた。

(そうだ・・・私がこの力を神に注文したのは、グラントータスみたいなロボット・・・勇者シリーズが好きだったからだ。なのに、何で忘れてしまっていたんだ・・・)

そこで、彼は思い出した。転成する直前の神との会話を。



「おぬし。本当にハーレムとかそういうのに興味は無いのか?」

「はい。私の目標は『勇者』ですから。」

「面白く無い奴じゃのう。もっと独善的な奴かと思っておったら、意外とまともじゃった・・・そうじゃ。」

神は、いつの間にか現れた棚から一つの瓶を取り出した。

「何ですか、それは?」

「この前、ワシの部下が封印した『色魔』じゃ。こいつを宿らせれば、お前も少しは面白い奴になるじゃろう。」

そして、神は神奈が反論する隙も与えず、瓶の蓋を開けた。すると、その中に封じられていた色魔が、神奈に取り憑いたのであった。



(そうだ、私は・・・)

そこまで神奈が思い出した時であった。彼の身体の中に入っている色魔が再び彼の意識を悪に染めようとし始めた。

「ぐあああああああああ!!!」

だが、彼はそれに抵抗しようとする。

「な、何じゃ!?」

「一体何が!?」

いきなり苦しみ出した神奈の様子を見て、グラントータスとボリスは驚愕する。

「くっ・・・ゴライアス!!」

すると、神奈は新たなゴーレムを作り出した。それを見たグラントータスとボリスは身構えるが、何とゴーレムは神奈の身体を掴んだのである。

「何をする気じゃ!?」

その様子を見て、困惑するグラントータスとボリス。すると、神奈がグラントータスに語りかけた。

「グラントータス。お前のおかげで、私は本当の願いを思い出せた。」

「何じゃと?」

「だが、私に取り憑いた色魔はそれを赦す積りは無いらしい。このままでは、あの十花と言う女性に危害を加えてしまうだろう。その前に、私は消える事にする。ゴライアス!私を握り潰せ!!!」

そして、神奈はゴーレムに命令した。だがその直前、なんとグラントータスがゴーレムの腕を切り落とし、神奈を救ったのである。

「な、何故・・・」

「馬鹿野郎!事情は良くわかんねえが、お前の願いってのはその程度のモンなのか!!」

「それは・・・」

「お前の願いが本物だってんなら、その色魔とか言うのに負けんじゃねえ!!!」

「そうだな・・・うおおおおおおおおおおおお!!!」

グラントータスの言葉で、神奈は自身に取り憑いた色魔との戦いを決意した。

(忘れるな。私の、本当の願いを!!!)

「キシャアアアアアア!!!」

するとどうだろう。神奈の身体から黒い煙のような物が出て来たのだ。

「あいつが色魔とかいうのか!!」

それを見たボリスは両肩のビームキャノンを展開する。

「消し飛べ!!!」

そして、色魔に向かってビームを発射した。

「やったか?」

「いや、色魔と言うのは多分ファンタジーな存在だから、ああいう武器は効かないと思う。多分、奴はもう逃げている。」

グラントータスの言葉に、神奈はそう答えた。それを聞いたグラントータスは神奈の方に視線を移す。

「お前!どうしたんじゃ、その姿は!?」

グラントータスは驚愕した。なんと、神奈の姿が金髪の美少年から、黒髪の何処にでも居そうな普通の少年に変化していたのである。服装も、派手な白いローブからシンプルなものとなっていた。

「これは、元々の私の姿なんです。多分、あの姿は色魔の影響かと。」

「そうじゃったか。」

「それより、Nダガーを助けに行った方がいいんじゃないのか?」

グラントータスが神奈の説明に納得していると、ボリスが言った。

「確かにそうじゃな。」

「それに、この結界は神居を止めないと解除出来ない。」

「なら、決まりだな。」

そして、三人はNダガーの下へと向かった。


続く
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧