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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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第177話 サクラVSバッカス

 
前書き
紺碧の海です☆
今回は大魔闘演舞3日目のバトルパートの続きです。第3試合と第4試合をやります。
ナレーション風に書いていきます。
それでは、第177話・・・スタート☆ 

 
チャ「それでは引き続き第3試合に参りましょうっ!!第3試合、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)、リオン・バスティア!!VS月の涙(ムーンティア)、セイン・ロード!!」

観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

大歓声が起こる。石造りの会場の出入り口から左側に逆立った水色の髪の毛と緑色の髪の毛を揺らしながらリオンとセインが姿を現した。

ナ「リオンとセインかぁ~。」

ユ「グレイはもちろんリオンを応援するんだよね?」

グ「さぁな。」

兄弟子の勝負を見たくないのか、グレイは会場から少し離れて視線を別の位置に走らせていた。その視線の先には死者の仮面(デスマスク)の奴等がいた。死者の仮面(デスマスク)の奴等はグレイの視線には気づいていない。

グ「(死者の仮面(デスマスク)・・・俺達にどんな恨みがあるんだ?)」

リョ「・・・・・」

その様子をリョウは静かに横目で見つめていた。
リオンとセインが会場のど真ん中で向かい合った。2人の間で静かに風が吹く。

チャ「第3試合、開始ッ!!」

チャパティ・ローラの実況と共に像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。試合が始まった。最初に動き出したのはリオンだった。両手を構え、冷気を溜めると、

リ「アイスメイク、(イーグル)ッ!!」

無数の氷の鷲がセインに向かって一直線に飛んでゆく。

セ「氷の魔法か。ならば・・・!」

セインは独り言のように呟くと、背中に手を回し赤い(ステッキ)を手に取ると、

セ「炎杖(ファイアステッキ)!」

左から右に(ステッキ)を振る。すると、その場に赤く燃え盛る炎が出現し、飛んできた無数の氷の鷲を次々に蒸発させていった。

チャ「出たぁぁぁぁぁっ!これぞセインの「7つ道具」の力!」

チャパティ・ローラが椅子から立ち上がり、マイクを持って力強く実況中継をする。

エ「あいつ、まだ(ステッキ)を「7つ道具」と呼んでたのか・・・」

ショ「相変わらずしゃれた名前だな。」

月の涙(ムーンティア)が闇ギルドだった頃、セインと対戦経験のあるエルザとショールが言う。その頃からセインは(ステッキ)の事を「7つ道具」と呼んでいた。

セ「今度は俺からいくぜ。」

そう言うとセインは炎杖(ファイアステッキ)を戻し、黄色い(ステッキ)と緑色の(ステッキ)を取り出すと、

セ「雷杖(サンダーステッキ)風杖(ブリーズステッキ)共同(コラボレーション)!雷風砲!!」

雷杖(サンダーステッキ)から放たれた雷と、風杖(ブリーズステッキ)から放たれた風が渦を描くように合わさり、リオンに向かって一直線に放たれる。

リ「アイスメイク、大猿(エイプ)ッ!!」

セインの攻撃が当たる直前、リオンは自分の前に大猿を造形し身を防いだ。すると、その大猿を飛び越えて炎杖(ファイアステッキ)を持ったセインがリオンに攻撃を仕掛ける。が、

リ「アイスメイク、針鼠(ヘッジホック)ッ!!」

セ「うわぁあっ!」

自分の体に針鼠のような鋭く尖った氷を纏った。セインは氷に当たる直前足で踏ん張りその場を退ける。あのままリオンに突っ込んで行ったらセインの体は串刺しになっていた事に間違いは無い。

セ「流石零帝と言ったところだな。体に氷の針を纏い、俺を退けるとは。」

リ「俺は頭脳戦も得意としているからな。」

この2人、少し口調が似ている。

セ「だが、頭脳戦なら俺も負けていない。」

そう言うとセインは背中に手を回し風杖(ブリーズステッキ)を手に取ると、自分の足元で風杖(ブリーズステッキ)を振る。すると、セインの両足に小さな竜巻が纏った。その状態のまま、セインはリオンに向かって駆け出した。

リ「!」

それはほんの一瞬の出来事だった。さっきまで目の前にいたはずのセインがいつの間にか自分の背後に移動していたのだ。

ル「速い!」

ト「セインさんは今、両足に竜巻を纏っているから風のような速さで動けるんですね。」

まるで瞬間移動(テレポート)でもしたかのように思えてしまう。

セ「うぉらぁあっ!」

リオンの背後に周り込んだセインは炎杖(ファイアステッキ)の先端を地面に着けてそのままリオンを囲うように円を描く。すると、リオンを囲んだ円が炎を上げて燃え始めた。炎の高さは5mくらいはある。

チャ「なななな何とっ!リオンが炎の中に閉じ込められてしまったぁ~!!」

ヤ「面白い(オモスロイ)魔法の使い方だねぇ。」

ラ「さて、両者ともこれからどうするんでしょうか?」

ラハールの問いに答えるかのように、セインは背中に手を回し雷杖(サンダーステッキ)風杖(ブリーズステッキ)を手に取る。さっきのように風杖(ブリーズステッキ)を足元で振ると両足に小さな竜巻を纏う。その状態のまま、セインは雷杖(サンダーステッキ)を片手に駆け出し、炎にぶつかる寸前で立ち止まりその場で大きく飛び跳ねた。

チャ「おぉっ!何という跳躍力!」

ウェ「両足に風を纏っているから、跳躍力の威力も上がっているんだ。」

セインは一跳ねで炎より少し高いくらいの位置まで来る。円状に燃えている炎は真ん中に空洞がある。この空洞に雷杖(サンダーステッキ)の攻撃をすればリオンは間違いなく倒れるだろう。セインは雷杖(サンダーステッキ)を持ち直す。

セ「これで終わりだああぁああぁぁあああああっ!」

セインが雷杖(サンダーステッキ)を振ろうとしたその時、空洞から巨大な(ドラゴン)が姿を現した。

セ「なっ!?ぐぉああぁあぁぁああぁぁああああああああああっ!!」

(ドラゴン)はセインに頭突きをする。セインは成すすべも無くそのまま真っ逆さまに落ち、砂煙を上げながら大の字になって倒れた。

チャ「試合終了ォォォ!勝者、リオン・バスティア!蛇姫の鱗(ラミアスケイル)、10ポイント獲得!!」

空洞から現れた(ドラゴン)の背にはリオンが跨っていた。この(ドラゴン)は、リオンが造形した白竜(スノードラゴン)だったのだ。





ナ「リオンの勝ちかぁ~。」

マ「同じ氷の造形魔法なのに、グレイとユモとは全然違うね。」

ユ「私とグレイは静のアイスメイク、リオンは動のアイスメイクだから。」

マ「静?動?」

マヤの問いにユモが簡単に分かりやすく説明するが、まだマヤには早すぎたのかもしれない。マヤの頭の中に「?」が大量発生している。

フ「ったく。おーいショール、マヤに造形魔法の「静」と「動」の違いを教えてやってくれ。」

マヤに呆れたフレイがため息混じりに隣にいたショールに説明してもらおうと声を掛ける。が、

ショ「・・・・・」

当の本人であるショールは瞬き1つせずずっと同じ方を見つめていた。

フ「おい、ショール?」

ショ「・・・え、あ・・何?」

もう一度声を掛けてようやく反応したが、何も聞いてなかったみたいだ。

フ「大丈夫か?最近お前、ボーーーっとしてる時多いぞ。」

ショ「そんな事ないって。」

フレイの言う事をショールは否定する。その様子がフレイにはとても無理してるように思えてしまう。だが、当の本人であるショールが「大丈夫」って言ってるんだ。

フ「それならいんだけどよ。また後で聞く事にするわ。」

そう言ってフレイはショールの傍から離れて行った。フレイを見届けた後、ショールは再び視線をさっきの方に戻す。その視線の先には死者の仮面(デスマスク)の奴等がいた。死者の仮面(デスマスク)の奴等はショールの視線に気づいていない。

ショ「(死者の仮面(デスマスク)・・・何かが引っ掛かる。でも、それが何なのかが分からない・・・)」

リョ「・・・・・」

その様子をリョウは静かに横目で見つめていた。





チャ「続いて第4試合、幸福の花(ハピネスフラワー)、サクラ!!VS四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)、バッカス!!」

観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

石造りの会場の出入り口から桜色のボブヘアーに桜の花が描かれた桜色の着物を着たサクラと、右手にひょうたんを持ち、左へ、右へ、後ろへとベロンベロンになったバッカスが姿を現した。

エル「なぁエルザ、確かバッカスって、エルザ並の強さなんだよな?」

エ「あぁ。腕のある魔道士だ。」

ル「(エルザが「強い」って言ってる魔道士って、変わった人が多いわね・・・)」

エルザが「強い」と言っている魔道士、一夜やバッカス、他にもゾロゾロといるが・・・このまま話してしまうと試合が始められないのでここでお開きに。
両者が会場のど真ん中で向き合った。

チャ「第4試合、開始ッ!!」

チャパティ・ローラの実況と共に像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。試合が始まった。バッカスは相変わらずひょうたんに入っている酒を飲み続ける。

サ「そんなに御酒を飲んでては、体に毒ですよ?」

酒を飲み続けるバッカスにサクラが忠告する。だがこの男、バッカスは妖精の尻尾(フェアリーテイル)一の酒豪であるカナ・アルベローナに酒の飲み比べで勝ったのだ。

バ「ヒッ・・心配いらねェよぉ~・・・ウッ。」

バッカスは戦う前からベロンベロンだ。これは最早「重症」と言っても良いくらいだろう。サクラは呆れたように小さく肩を竦めると、懐から『御魂の桜扇』を取り出した。

グ「出たぞ、『御魂の桜扇』。」

ユ「サクラはあれから強くなったかなぁ?」

以前サクラとの対戦経験があるグレイとユモが言う。サクラは静かに『御魂の桜扇』を開くと、

サ「緑の御魂よ、敵を襲え・・・!」

すると、扇から太くて長い蔦が生え、バッカスを捕らえようとする。が、バッカスは酔っ払っていながらもその場で高く飛び跳ね攻撃を避ける。

バ「ヒック・・どうしたァ~?お前の力はこんなモンかァ~?ウックゥ~・・・」

酔っ払いながらバッカスはサクラを挑発する。

サ「ならば、岩の御魂よ、敵を封じ込め・・・!」

次の瞬間、バッカスの体が宙に浮かび上がり、バッカスを囲むように四方八方に岩が出現した。岩はバッカスを押し潰すかのように集まる。

チャ「あぁっと!岩に押し潰されるバッカス!このままやられてしまうのかっ!?」

四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)はこれまで一度もポイントを獲得していない。この勝負(バトル)で勝たなければ四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)に後は無い。が、容赦なく岩はバッカスを押し潰す。

サ「なかなか粘りますね。ですが・・・!岩の御魂よ、更に力を・・・!」

サクラは岩の威力を高める。更に押し潰す力が強くなった。

ナ「おいバッカス!こんなトコで負けんじゃねぇぞぉぉぉぉぉっ!!」

ナツが待機場所から叫ぶ。その声が聞こえたのか、バッカスは薄くニヤリと笑みを浮かべると、

バ「酔・劈掛掌!!」

サ「!!?」

指先をピーンと立たせ、大きく広げた掌に魔力を溜め岩を粉砕する。その圧倒的な破壊力にサクラは目を見開き言葉を失った。

バ「ウィ~ヨットォ~・・・やぁ~っと調子が出て来たぜェ~。」

ふらふらぁ~とした足取りで何とかその場に立っていられるギリギリの状態だが、バッカスはどこか楽しんでるような表情を浮かべた。

サ「酔いの鷹、バッカス。そんな異名が付くほどの酒豪なんですね。」

サクラが感心したように呟く。そして『御魂の桜扇』を持ち直す。

サ「最後まで、全力でいかせてもらいます!」

バ「ヒック・・来いよ。ウッ・・・」

バッカスが両手の指先を少し曲げてサクラを挑発する。

サ「風の御魂よ、竜巻を起こせ・・・!」

扇から竜巻が起きる。その竜巻はバッカスに向かって迫ってくる。バッカスは避けもせずにニヤリと笑みを浮かべると、

バ「酔・劈掛掌!!」

魔力を溜めた掌で竜巻を弾き飛ばした。サクラは弾き飛ばされた竜巻を着物を着ているのにも拘らずその場でバク転をしてかわす。

サ「大地の御魂よ、怒りで震わせ・・・!」

扇を地面に着くと、地面が大きく揺れ、ヒビが入る。バッカスは地面に手を着くと、

バ「酔・劈掛掌!!」

地面に魔力を当て振動させ、地面を凹ませた。

ト「地面をクッション代わりにした!?」

ウェ「すごい戦法・・・!」

トーヤとウェンディが驚嘆の声を上げた。サクラは扇を拾い上げると、

サ「どうやら私は、あなたを少し侮っていたようです。まさかここまで粘るとは・・・しかし、粘れるのはここまでです。」

そこまで言うと、『御魂の桜扇』が淡い桜色に光り出した。

サ「我が幸福の花(ハピネスフラワー)に代々伝わる『御魂の桜扇』の真の力、お見せしましょう。」

バ「ウック・・これで最後っつー訳か・・・ヒッ・・・んじゃ俺も・・・ヒック・・」

広げた掌に魔力を集中させる。

チャ「ここで両者、最後の攻撃を仕掛ける事となったぁぁぁっ!果たして、いったいどちらが勝利を収めるのかっ!?」

チャパティ・ローラが興奮気味に実況をする。そして―――





サ「全宇宙の御魂よ、敵を殲滅せよっ!森羅万象!!」

バ「酔・劈掛掌、“月下”!!!」





両者が最後の攻撃を放とうとしたその時―――カンカンカン!と金属音が響いた。それが聞こえた瞬間、両者の動きは止まる。

チャ「ここで試合終了ォォォ!結果は引き分け~!と言う事で、両チーム5ポイントずつ獲得となります!」

時間切れ(タイムアップ)となり、勝負(バトル)の決着はつかなかった。サクラは『御魂の桜扇』を静かに閉じ、懐に仕舞うと、バッカスに向かって深く頭を下げその場を立ち去った。バッカスもサクラの後ろ姿を見届けた後、ひょうたんに入ってる残りの酒を飲みながらその場を立ち去っていった。





ナ「ちぇ~。何だよ引き分けかよ。」

マ「ナツが文句言ったって意味無いよ。戦ってないんだから。」

フ「そうそう。」

サクラとバッカスの勝負(バトル)の結果に満足出来ないナツが不満の声を漏らしその言葉をマヤが指摘する。

ウェ「ナツさんもすぐに勝負(バトル)する事になりますよ。」

ト「ですから、もうしばらく辛抱して下さい。」

エル「漢なら、辛抱強く待つべしっ!」

ル「それ「漢」付ける意味ある?」

ウェンディとトーヤがナツを宥め、エルフマンの発言にルーシィが突っ込む。

グ「ったく、あいつさっき競技パートに出場したばかりじゃねぇか。」

エ「全く。意志が弱い奴だ。」

ユ「まぁまぁ。」

ショ「あれがナツらしいんだから。」

ナツ達から離れたところでグレイ、エルザ、ユモ、ショールが話していた。するとそこへ、

リョ「グレイ、エルザ、ユモ、ショール、ちょっと良いか?」

振り向くと、リョウがいた。いつもならルーシィの傍にいたり、ふざけていたりしているのだが、今は違う。茶色い瞳に決意を決めたような意志が宿っていた。リョウの瞳を見た瞬間、4人は同じ事を思ったはずだ。

「何かヤバイ事が起こる」

と。

リョ「頼みたい事がある。」

****************************************************************************************

人気の無い通路。そこにリョウに呼び出されたグレイ、エルザ、ユモ、ショールはいた。4人の前を呼び出した当の本人、リョウが歩く。

グ「(リョウが俺達に頼み事だと?)」

エ「(珍しすぎて、逆に不自然だ。)」

ユ「(嫌な予感しかしない・・・)」

ショ「(それよりまず、何で俺達4人だけなんだ?しかも、なぜこの4人なんだ?)」

4人の頭の中を横切るのは疑問と不安だけだ。

リョ「この辺で良いか。」

そう言ってリョウは立ち止まると壁に寄り掛かり体重を預ける。

リョ「お前等も楽にしろよ。別にそんな変な話じゃねぇから。」

そう言っていつものように笑うリョウ。グレイとユモ、エルザとショールはお互い顔を見合わせる事しか出来なかった。

エ「それで、頼みとは何だ?」

グ「お前が頼み事するなんて、珍しいな。」

ショ「しかも、俺達4人だけって事は・・・」

ユ「何か意味があるんだよね?」

リョ「大正解!」

リョウが右手の親指と人差し指の先を合わせて〇を作る。そして、リョウの顔から笑顔が消えた。代わりに出て来たのはこれまで見てきたリョウの真顔の中で一番の真顔だった。いきなりの事だったから、グレイ、エルザ、ユモ、ショールの4人は思わずビクッと小さく身震いをした。

リョ「まず、なぜお前等4人だけに頼むか。それは、お前等4人も、薄々勘付いてたり、感じてたりしてると思ったからだ。・・・死者の仮面(デスマスク)の奴等について。」

グ&エ&ユ&ショ「!!!」

4人共同じ反応をする。どうやらリョウの観察力は的中したみたいだった。

グ「つー事はよぉ、お前も死者の仮面(デスマスク)の奴等について何となく勘付いてんだな。」

グレイが言うと、

リョ「残念ながら、俺は勘付いてはいない。もう()()()()()()()()()。」

ユ「えっ?」

エ「もう、奴等の事について、全て分かったと言うのか?」

リョ「そういう事だ。」

ショ「何でそこまで言い切れるんだよ?まだ確信し」

リョ「したんだよ!」

「まだ確信していない」と言おうとしたショールの言葉を遮ってリョウが言う。その圧倒的な言動にショールは押し黙った。

エ「どういう事か説明してもらわないと、私達も頼みを引き受ける事は出来ない。」

リョ「あぁ。だからそれを今話す。」

リョウはそこでゆっくりと目を閉じた。薄暗い通路に、しばらくの静寂が流れる。そして、リョウはゆっくりと目を開けると、

リョ「死者の仮面(デスマスク)の奴等は―――――――――――――――――――――――」

リョウが確信大アリの死者の仮面(デスマスク)について語り始めた。
話が進んでいくに連れ、グレイとショールの目が見開かれ、エルザの顔が青ざめ、ユモが口元に手を当てる。
リョウの固く握り締められた拳が小刻みに震え出し、リョウの頬を一筋の涙が塗らした。
リョウが話してる間、口を挟む者はいなかった。

リョ「―――――という訳だ。」

リョウが話し終えても、しばらく誰も口を開く気になれなかった。ただ俯いてる事しか出来なかった。

リョ「お前等4人は、さっき言ったとおりの事をしてくれればそれで良い。今話した事は、俺達5人だけの秘密だ。もちろん、ナツ達にも、マカロフさん達にも言ったらダメだからな。いきなり呼び出して悪かったな。んじゃ、よろしく頼んだぜ。」

そう言いながらリョウはその場を立ち去った。薄暗い通路に取り残されたグレイ、エルザ、ユモ、ショールはしばらくその場から動く事が出来なかった。

****************************************************************************************

4人と別れたリョウは1人薄暗い通路を歩いていた。

『お願いです!ユリの・・・ユリの仇をとって下さい!!』

サクラの声が脳裏に響き渡る。リョウは暗がりの中で『嵐真剣』を鞘から抜く。暗がりの中で刃が銀色に光って見える。

リョ「仇、ぜってぇ~にとってやるからな。ユリ。」

小さく呟くように言うとリョウは静かに『嵐真剣』を鞘に戻した。 
 

 
後書き
第177話終了致しました☆
今回は引き分けの勝負(バトル)がありました。そして、リョウが遂にユリの仇をとる為に立ち上がる!
次回は大魔闘演舞3日目バトルパート第5試合目です。
それでは~☆ 
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