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従兄弟はティーチャー

作者:雨棒
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1話



「いつからあっちに行くの?」
「そうだなぁ、早くゆっくりしたいから明後日から行こうかな。」
「ちゃんと連絡しておきなさいよ。」
「大丈夫、大丈夫。」
「どうなっても知らないからね。」
私、金谷川咲月(かなやがわ さつき)は4月から高校生になる。入学する高校は緑ケ丘学園。丘の上にあり、緑いっぱいの学校で偏差値は低く不良などの編入生がよくくるそうだ。バカでもない私が何故その高校にしたかと言うと、楽がしたいからである。周りが悪ければ私は悪目立ちしないし、偏差値が低くければそこそこ勉強は楽ができる。それに緑ケ丘学園には私の従兄弟が先生をやっている。身内が先生って何かとお得感があると思う。あっちへの引越しはすでに済ませてあり、後は住むだけとなった。明後日から、憧れの寮生活が始まろうとしていた。


「え、今日は入れないんですか?」
どうしたことか、寮に入居できるのは明日からだというのだ。こういうことならちゃんと連絡するんだった。昨日の自分を殴りたい…。仕方ない、今日のところは従兄弟の家に泊めてもらうしかないな。ケータイのマップで従兄弟の家を探す。ラッキーなことにそんなに離れてはいないようで、徒歩で行けそうだ。散歩がてら行きますか。そうして、寮を後にする咲月は、途中でお土産を買い従兄弟の家に向かった。
ピンポーン。ピンポーン。
インターフォンをいくらならしても出ない。よく考えたら、今日は平日。昼間は春休みでも出勤か…。公務員も大変だな。仕方ない、夕方まで時間潰そうかな。とは言っても、この辺りの地理はよくわからない。まぁ、ケータイがあればなんとかなるかな。

運良くゲームセンターを見つけられたので、コインゲームでもして時間を潰すことにした。当たりこないなぁ…。ゲームを始めて3時間、コインは減ったり増えたりをくりかえしている。今は、カジノの台でトランプをやっている。すると、隣の人が話しかけて来た。
「きみ、この辺の子?よく来るの?」
「最近越してきたばかりなんです。」
「俺、もう行かなくちゃ行けないからよかったらこれ使って。」
そう言って渡されたのは、パチンコ用の箱いっぱいのコイン。ざっと五千はあるだろう。コインを私に中ば押し付けるように、渡してその人は去って行った。お礼言いそこねちゃった。
「コインはカウンターに貯蓄できるのに…。今度会ったら、教えてあげよう。」
それからコインをカウンターに預けて、センター内をぶらぶらする。UFOキャッチャーコーナーにさしかかった時、とれそうな台を見つけた。よし、100円だけ。100円だけ。そして簡単に取れてしまったぬいぐるみ。結構大きいので、袋を貰って手にぶらさげる。とれたのはいいけれど、どうするか。正直、ちょっと邪魔。
そろそろ時間もいいところで、従兄弟の家に向かおうとゲームセンターから出た時、また人に話しかけられた。それも最悪なシチュエーションで。
「ねぇ君、僕たちにお金かしてくれない?」

そうして、3人の不良によって連れて来られた路地裏で囲まれた私はどうしようかと頭をひねっていた。走っては…逃げられない。助けは…呼べそうにない。お金は…あげたくない。どうしようもないなー。さっきまで運が良かったのに、使い果たしちゃったかなぁ。
「僕たち、黄山から来たんだけどお金なくなっちゃって困ってるんだぁ。」
「だから、お金かしてくれないかな?」
「ねっ?君もお家に帰りたいでしょ?」
「いや、お金待ってないんで。」
「嘘は良くないなぁ。ちゃんと知ってるんだよ?」
「あ、勘違いしないで下さい。あなた方に渡すお金がないと言ってるんです。」
「なんだと!!」
「言わせておけば、てめぇ!」
殴られるな、そう思った。けど、私が殴られることはなく、逆に不良たちが空に舞っていた。 
 

 
後書き
入学式前のお話です。 
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