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原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!

作者:zinn
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7話

 俺と友木が事件に巻き込まれて2週間、俺は新たな問題に直面していた。

「君に試合を申し込みたい」

 俺は大男に試合を申し込まれていた。どうやら世界は俺に休む暇を与えてはくれないらしい。

「どちら様で?」
「私の名はアルゴ(イメージはGガンダムのアルゴ・ガルスキー)。強者との手合わせを望む罪人だ」
 
 罪人?確かに強面だけど罪人っぽい感じはしないんだけど。

「俺はそんなに強くないですよ?」
「君が強いのは君の纏う空気からわかる。魔導師にはない純粋な格闘を極めた者の纏う空気だ」
 空気か、力は抑えてるつもりなんだけどなぁ

「すいませんがお断りさせてもらいます。」

 でもこのパターンはどうせ逃げられないだろうな。そんなことを思ってるうちに周囲を結界が覆う。

「すまないが、無理矢理でも相手をしてもらう。私はそのためにこの世界にきたのだから」

…やっぱり逃げられなかったよ。しかたない。

「このロストロギアはベルカ時代に騎士道精神にのっとった一対一の戦いをするために使われたものだ。どちらかが戦えなくなるまで私も君もでることはできない」

 またロストロギアか世界がまたなにか仕掛けてきているのか?世界の罰する力ははね除けたはずなんだが、俺だけもう一回か?

「わかりました。そういうことならお相手させてもらいます。アルゴさん。俺は三河夕です」
「戦うのだ呼び捨てでかまわん。敬語もいらん。そして戦いを受けてくれたこと感謝する。」

 両者、構えをとる。先手は夕。
夕はアルゴの右側に回り込み胸部目掛けて拳を突き出す。アルゴが反応してガードするが並外れな力が込めた拳はアルゴの2メートルはある巨体を吹き飛ばす。
「ぬぅっ!(なんという力だ。ガードの上から吹き飛ばされるとは)」

骨を粉砕するつもりで殴ったけど。上手く流されたな。

「今度はこちらの番だ」

 アルゴから連続の拳が放たれる。夕は四方八方からの拳を全て捌き、回転肘打ちを脇腹に叩き込む。しかしこれは太い腕に阻まれて投げ飛ばされるが空中で体制を立て直して着地したので夕にダメージはない。二人ともそこで停止する。

「なぁ。アルゴ」
「なんだ?」
「様子見しながら戦うの辞めないか?誰かに学ばせるための模擬戦闘をやっているんじゃないだろ?」
「…そうだな。君はかなり強い。手加減の必要もないようだ」

アルゴは魔力で体を強化する。

今度は二人は同時に動き、両者の拳が激突する。

「はぁぁぁぁ!」
「ぬぉぉぉぉ!」

力比べは夕に軍配が上がる。その気になればコンクリートも余裕で粉砕する夕の力は魔力で強化したアルゴをもう一度、吹き飛ばし、結界の壁に叩きつけた。

「ぐはぁ!」
 夕は先程と違い間髪入れずに追撃する。両の拳から一撃一撃が骨を粉砕する攻撃が連続して放たれる。
 アルゴは手足を使い、何とか流しているが、四肢が青く染まっていく。あまりにも重い拳を受け流しきれていないのだ。決め手にはならないがダメージは蓄積している。
 夕は一瞬拳を止めてためを作る。そうして繰り出された拳をアルゴは受け流さずに横に飛んで回避する。避けられた拳は後ろの結界にぶつかり停止する。結界には一瞬罅が入り、すぐに修復される。
アルゴは夕に身体を向けたままバックステップで距離をとる。

「恐ろしいラッシュだ。腕が青アザだらけになったぞ」
「骨を砕くつもりでやったからな。防がれたけどな」
「だが、まだ足りぬ!」

アルゴが夕の視界から消える。夕はすぐにアルゴを見つけてガードしようとするが身体がついていっていない。アルゴの拳が夕の腹部に直撃する。だが、アルゴはすぐに距離をとる。

「(なんだ。今の鉄を殴ったような感触は!)」
「体を鋼の様に固くする技、鉄塊だ。並み人間なら殴った拳のほうがダメージを負う」

 一瞬呆然としたアルゴだったがすぐに先ほど以上の闘志を見せる。

「…これだ…私が求めていたものは。純粋な肉弾戦…これこそ私の戦いだ」
「気に入ってくれたなら戦っている甲斐があるよ」
「本当に感謝の言葉もない。魔法に頼った腑抜けた格闘家とは違う。純粋な武を持つものとの戦い。魔法文化のないこの世界に来たかいがあった…もっと楽しませてくれ三河夕よ!」
「望むなら、いくらでも」
「おぉぉぉぉぉ!」

 アルゴはまたしても夕の視界から一瞬消える。
 アルゴはその巨体から考えてられないようなスピードで動く。いやその鍛えあげられた肉体から繰り出されるスピードこそ彼の本領だ。それに加えて加速する前に特殊なフェイントを入れてくるので慣れるまではどうしても消えたように感じてしまうのだ。加速中も極端な緩急や特殊な足捌きを混ぜてくるのでユウはうまく対応できないでいた。

 目では追えるのに身体がついていかない。夕はここにきて防御に徹することになる。

「まだまだいくぞぉぉ!」

 攻守が逆転し、アルゴは鉄塊をかけた夕の全身を殴打する。

「調子に…のるな!」
 夕は足を大きく振り上げる。その振り上げた足に複雑な模様の彫ってある金属のレッグプロテクターが出現する(バリアジャケットの応用)。プロテクターは膝から足首の上あたりまで覆っている。ユウそのまま思いっきり足を降り下ろす。
 人間の足の力は腕の3、4倍。腕の力でコンクリートを砕くのだ。その数倍の足の力が振るわれ、金属のプロテクターに刻まれた模様に空気の圧力がかかれば巨大な空気の塊を放つことさえ可能。
 
「なに!ぬぁぁぁぁ」
 アルゴは吹き飛ばされてこそいないが動きが鈍る。その止まった隙を突き、夕はアルゴに近づき胸ぐらを掴んで地面に押しつける。地面に押しつけられ動けなくなったアルゴに回転の掛かった拳を叩きこまれる。
 
「ぐぁぁぁぁ!」
 受け流せないアルゴはもろに拳をくらい。拳はアルゴの身体ごと地面を陥没させ意識を刈り取る。

「…俺の勝ちだなアルゴ」

 勝敗が決まると結界が崩壊しアルゴの腕についていた。銀色の腕輪が光だし、夕の右手に移動する。

「これはロストロギア…か?おいアルってやば!」
夕は何を思ったのか倒れているアルゴを片手で持ち上げ、その場をダッシュで離れようとしたがその前にそこに転移してくるものが現れる。

「時空管理局です。お話を聞かせていただきたいのでご同行をお願いしたいのですが」
「とっととついてこい、叩き起こされて機嫌が悪いんだよ」
「皇焔!威圧したらだめだよ」
「フェイト、僕が皇焔を抑えるから。君は………三河!」
上から高町なのは、皇焔才我、フェイト・T・ハラウオン、神谷剣。

 きやがったよ。面倒くさいことになってきた。それに神谷は俺のことも覚えているようだし。どうすっか。
 その後の高町達の会話を要約すると、君の腕にロストロギアが付いている。話が聞きたいからついてこい、だそうだ。答えは決まっている。



「断る」
「え!」

 誰の声だったかわからないがそんな声が上がる。

「今、何て?」
「断ると言ったんだ高町」

 もう一度。今度ははっきりと拒絶の言葉を発する。

「どう「どういう意味だモブ!」
「どういうも何も信用できない人間について行く気はない。そういう意味だ」
「信用…できない。僕達が?」
「お前逹というより管理局という組織が信用できない」

 神谷は少し動揺したように聞いてくる。

「戦闘が終わってからいきなり現れて、ロストロギアとやらを持っているからついてこい。普通はついていかない」
「でも僕達が一緒に行くから「それが?信用出来る要因になるか?」だけど君と僕達は「小学校のクラスメート。挨拶するくらいの知り合いだ。信頼にはほど遠い関係だ」…そっそれは」
「三河。お願いだからついてきて悪いようにはしないって約束するから」

ハラウオンはそういうが
「断る。お前らが危険だと言うつもりはないが、そのアースラと言う船に乗るってことは自分の意思で戻れない沖から離れた船に乗るのと同じことだ。圧倒的な不利な場所に行く気はない」
「だっけど「もういい 。ついてこないなら無理矢理連れて行くだけだ!」

俺の体にバインドがかかる。

「皇焔!」
「黙れ神谷、こうするのが一番手っ取り早い!」
「その意見には賛成だな。ついて行く気のない俺との会話では平行線になるだけだ」

 大した強度もないのでバインドはあっさり壊れる。

「なに!どうやってバインドを!」
「答える義理はない。帰らせてもらう」
「待ちやがれモブがぁぁ!」

 攻撃してきそうなのであるものを投げつけてやる。物体は見事、皇焔の額にヒットし意識を奪う。

「ぐふっ!」

そのまま投げた物体は俺の手元に戻る。
「皇焔君!大丈夫!」

 高町達が心配しているが神谷は俺に意識を集中させる。

「何が?」
「明らかに攻撃する気満々だったからこれを投げつけた」
「バンジー…ボール?」

 バンジーボールとはゴムのついた手のひらサイズのボールのことである。 ゴムは手首のリストバンドに繋がっているので投げたボールはゴムに引っ張られて戻ってくるという仕組みのオモチャである。

「でもそんなオモチャで意識を奪うなんて…」
「それは投げられたボールの威力と当たり処によるだろ。これでも力には自信があるんだ。それじゃ」
「ま「そいつみたいなのがいる組織の人間を信用するつもりはない」………「話があるなら明日、俺の家にきてくれ。場所は昔と同じだ」

 俺は何かを言いたそうな神谷逹を残し、帰宅した。 
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