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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第6章:女の決意・男の勘違い
  第33話:敵が強いッス

 
前書き
遂にリュカ伝3も170話。
170かぁ~……
凄いなぁ170って!
そう言えば、私のアレも170です。
そんなに大きくないね(涙) 

 
(闇の洞窟)
リュカSIDE

思わずウルフの口車に乗せられて即刻出立してしまったが、やっぱり天空城で休んでくれば良かったと後悔中!
でも後悔してるのは俺じゃないよ。真面目に戦ってる皆さんだよ(笑)
俺は気にせず後方で観戦中……ビアンカ・シンシアやリューノ・ロザリーを守る為に待機中。

「テメ~……戦えよ!」
今更ウルフが文句を言う。
「休憩無しで疲れてるから戦えませ~ん♥ あぁ……天空城で休めればなぁ……もう少し協力できたのに!」
心にも無い事を言ってます(笑)

「じゃぁ歌うんじゃねーよ! このダンジョンのモンスターは、地上と違って尋常じゃ無いくらい強いんだから!」
「疲れすぎてて歌ってないと気力を保てないからダメで~す! だから天空城で休もうって言ったのにぃー!」
俺の言葉にアリーナやライアンからキツイ視線を浴びせられるウルフ。

「しょ、しょうがねーだろ! ヒゲメ……マスタードラゴン様が『時間が無い!』って急かすんだから……」
二人の視線に慌てて言い訳するウルフ……しかし、話す相手によってヒゲメガネの名称を使い分けてるんだなぁ、ウルフって!

そうこうしてるうちに新手が目の前に出現。
マリーが「あ、大魔道だ……厄介ね」と呟いた。
先日リバーサイドを襲った敵の親玉に少し似てるが、兄弟かな?

「スカラ! マホステ!」
登場直後に大魔道はスカラとマホステと言う魔法を自らに唱えた。
スカラは守備力を大幅に上昇させる魔法だけど、マホステって何だろうか?
ソッとマリーに聞いてみる。

「みんな気を付けて! 敵はマホステを使い私達からの魔法を無効化させてるわ……直接攻撃主体で頑張ってね!」
“……って言うわけ”的な感じでドヤ顔を俺に見せるマリー。
敵がスカラを唱えた事に気が付いてない様子だ。ドヤ顔するなよ、その程度で……

案の定、皆の物理的攻撃は悉く弾き飛ばされる。
翻って味方は、敵のイオナズンで吹き飛ばされる。
ダンジョンの造りが丈夫なのと、奴の魔力が低いのが幸いして、洞窟が崩れる心配はなさそうだけど、これ以上長引きイオナズンを連発されるのは避けたい!

「シン、剣を掲げ念を込めろ!」
確か天空の剣には、相手の魔法効果を無効にする能力があったはず……ミルド戦で俺の頼りになる息子(暴れん坊将軍の事ではない)が、それを実証した記憶がある。

「は、はい!」
相当苦戦してるんだろう……珍しくシンが素直に俺の言う事に従った。
天空の剣から凍てつく波動が広がり、大魔道にかかってた魔法が消滅する。

「みんな、奴のスカラとマホステが消えた。一気に勝負を決めろ!」
無防備になった大魔道を指差し、皆を鼓舞する様に叫ぶ俺。カッコイイー!!
新加入のドランも、俺の指示に従う様に攻撃を開始する。
子供のドラゴンって聞いたのだけど、俺よりデカイってどうなの?

ミネアのバギクロス・マーニャのメラゾーマ・ブライがマヒャドで攻勢をかけると、アリーナ・ライアン・ラピスが大魔道を袋叩きにする。
1対多数で卑怯な気もするけど、そんな事言ってる場合じゃないし、気にしたら負けだよね。

リュカSIDE END



(闇の洞窟)
シンSIDE

このダンジョンに入って1時間弱……
なのに既にボロボロな俺達。
さっきもリュカさんの的確な指示か無ければ、危うい状況であったのは誰の目にも明らかだ。

マスタードラゴン様の要望に応える為、早急に出立した事が仇になってる。
リュカさんを突き動かす為、一計を講じたウルフさんもこの状況に後悔してるだろう。
俺達に視線を向けながら申し訳なさそうに頭を下げる。

「だから一休みしようって言ったのにぃ! 神様の前だからって良い子ちゃんぶるなよな、お前等!」
「ア、アンタが……その神様を怒らせるから、少しでも協力的なところを見せようとしたんだろ! 元の時代とは違うんだから、少しは遠慮とかしろよな!」
ウルフさんの言い分は尤もだ。あの状況の中、天空城で一休みしたって心が安まらない。

「少しも遠慮しないのは奴の方だろ。過去も未来も一方的に面倒事を押し付けて、自分は高みの見物なんだぜ! ムカつくじゃん」
ムカつかないよ! 神様ってそう言う存在だろ!

「でも……流石リュカさんですね。リュカさんの的確な指示が無かったら、今頃どうなっていたか……これからもお願いしますね!」
こんな極悪なダンジョンは俺等だけでは辛すぎる。少しでもリュカさんの協力を得なければならないだろう。

「はぁ、何言ってんの? さっきので大魔道との戦い方は解っただろ。もう僕の事を当てにせず、自分たちで戦い方を考えろよ! この世界(時代)の住人はお前等で、お前は勇者だろ……直ぐに他人に頼るんじゃない! 僕の息子はお前の子孫だが、リーダーとして立派に立ち回ったんだぞ! 彼女が生き返る様に協力したのだから、後は自分で何とかしようと努力しろよ!」

む、無茶言うなよ……こんな個性的な面子のパーティーなんだぞ。
とは言えグゥの音も出ない言い分に、俺は黙って俯く。
慰めを求めたのか……同情を求めたのか……チラリとシンシアに視線を向けたのだが、厳しい視線で俺を見詰めている。

「シン……そうだよ。折角リュカさんが一緒に来てくれたんだから、全てを頼るんじゃ無くて、危ない時だけの助っ人として頼りなさい! 本来は勇者である貴方が、皆さんを導かなきゃならないんだからね」
俺の視線に気付いたシンシアは、優しい言葉では無く厳しい台詞で突き放す。

「べ、別に……俺だって勇者に生まれたかった訳じゃないよ! 普通の人生を送りたかったのに……」
「な、何てこと言うのよ! 貴方のお父さんとお母さんは、貴方を立派な勇者にしようと一生懸命頑張ったのよ!」
そんな事は解ってる! でもこんなに辛い状況を全て背負わなければならないなんて……

「まあまあシンシアちゃん……君までシンを苛めちゃ可愛そうだよ」
悔しくて辛くて哀しくて、兎も角何かを叫ぼうとした瞬間……さっきまで俺を責めてたリュカさんが突然俺の味方をしてくれた!?

「本当は生き返った君に甘えたいんだ。オッパイでもチューチューしながら頭を撫でられ甘えたいんだ。優しく『貴方が頑張る必要はないのよ』とか言って、慰めて貰いたいんだよ! あのマダオの彼女なんだろ? 慰めてやれよ……そんな格好悪い男の彼女って名乗るなら。因みに、絶世のイケメンならココに居るよ」
しこたま俺を貶し終わると、自らを指差しシンシアをナンパするリュカさん……

「ふざけんなよ! 何だよ“マダオ”って!? 馬鹿にすんなよ俺を! やってやるよ……アンタの力なんて借りずに、この世界を平和にしてやるよ! 黙って付いてこい馬鹿!」
ムカつく……本当にムカつくよ!
何もシンシアの前で俺を馬鹿にしなくたって言いじゃんか!

「だったら最初から気合い入れろ馬鹿。お前がリーダーとして自覚しないと、付いていく俺等も困るんだ!」
俺の絶叫を聞いたウルフさんが俺の横を通り過ぎる時、怖い顔と声で呟きかける。
それを皮切りに他のみんなも歩き出した……俺の横を通り過ぎて。

「頼むわよリーダー。私達は一蓮托生なんだから、もう覚悟を決めなさい」
「そうですよシンさん。貴方の指示で戦うって皆決めてるんですから……」
アリーナさんとミネアさんが、俺の肩を軽く叩き鼓舞する様に囁く。

「辛いのはシンさんだけではありません。微力ですが私も一緒に頑張りますから、そんなに深刻にならないで下さい」
「そうだぞシン殿。掠り傷一つ負わずに勝利しようなどとは考えてないのだから、失敗を恐れず思い切り指示を出してくれ! まぁ傷を負ってもホイミンが私だけは治してくれるがな!」
トルネコさんとライアンさんも、俺を励ます様に声をかけてくれる。

「う~んシン……良いお友達が沢山出来たわね! 全てが終わったらオッパイをチューチューさせがら頭ナデナデしてあげるからね!」
笑顔で近付いてきたシンシアが俺の頭を胸に抱き締めると、パフパフしながらご褒美を約束してくれた。

名残惜しくもシンシアの胸から逃れると、視界の隅でリュカさんを確認する。
満足そうに笑顔を俺に見せるリュカさんを……
何だ……全部リュカさんの狙い通りって事か(笑)

シンSIDE END



(闇の洞窟)
リュカSIDE

良いなぁ~あのパフパフ……みんなが行ったら俺もビアンカにしてもらお!
つーか、みんなやる気が戻ったみたいだし、俺は帰っても良いんじゃね?
帰ってビアンカとワンダホーな事してても良いんじゃね?

チラリとビアンカに目を向けると……
「はいはい……全部が終わったら幾らでもシてあげるから、今はみんなと一緒に悪者退治に行きましょうね!」
って諭された。

何だかビアンカには俺の考えてる事がバレバレだ。

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
前書きで書いた“アレ”とは身長の事だよ。
変な勘違いしないでね。 
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