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ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D

作者:ユキアン
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ハイスクールD×D 防人衛編


神に間違って殺されてから早17年と少し、オレ、防人衛は『武装錬金』に登場する各登場人物が使用する武装錬金に固定された核金と錬金術の知識を貰い、生まれ変わった。名前の影響からか鍛えれば鍛えるだけ強くなれた。そして身体がある程度出来あがった2年前からキャプテンブラボーとして街を守るボランティアを行っている。その中には人間とは違う、悪魔との戦いも含まれる。

そう、オレが転生したこの世界には悪魔や天使や堕天使が存在している。詳しい情報は分からないが、どうやら領地的な物が各地に存在するようで他の勢力の土地に攻め込んだりする様な者は少数派のようだ。

そして今までは大丈夫だったのだが、とうとうこの春にオレの弟分である兵藤一誠が堕天使に襲われ、オレはそれから守り、この地を治めているリアス・グレモリーと接触する事になった。グレモリーが言うには他にもオレが通う駒王学園の生徒会長である支取蒼那と生徒会のメンバーが悪魔であると言う事が確定した。何となくではなくが予想していたのだがな。1年の時に少ししつこく生徒会に誘われたからな。

そして兵藤を殺そうとした堕天使をグレモリー達と共に討伐してからしばらく経ったある日、オカルト研究室から今までに感じた事の無い悪魔の気配を感じ、キャプテンブラボーとして様子を見に行った所、メイドが居た。ただし、一目見た瞬間戦闘になればヴィクター化も視野に入れなければならない程の強者であることを見抜いてしまった。

それでも緊張や動揺は見せずに普通に副部長である姫島に茶を入れてもらい飲む事にした。それにしてもグレモリーの機嫌が悪いな。何かあったのだろうか?

そんな感じで過ごしているとグレモリーの婚約者とか言うチャラい悪魔が自分のハーレムを自慢して喧嘩を売って来たのでとりあえず兵藤に押し付けようと思ったらあっさり負けていたのでがっかりした。少しは鍛えておけよ。折角人間とは違う限界になったんだから。オレだっていつかは限界が見えてくる。というより見えて来てるんだから。あとはそれをどれだけ維持出来るか、そう言う所まで来てしまっているんだ。

怠けるなよ。お前の夢のためには力が要るだろうが。オレはどれだけお前の面倒を見れるのか分からないんだぞ。いくら大量の核金と錬金術の知識、そして防人衛の身体能力があっても20年戦えれば十分だ。それ以上は、人間相手ならともかく人外相手には不足する。オレは今日、あのメイドを見て確信した。

翌日から兵藤やグレモリー達は修行に出かけた。オレもキャプテンブラボーとして誘われたのだが断った。街をそれほど開けたくはなかったし、堕天使を討伐した際に貰った報酬でオレの初めての核金精製を行っている途中だったからだ。

屋上で弁当を食いながらこれからどうするかを考える。グレモリーとその婚約者は結婚をかけてレーティングゲームという模擬戦らしき戦いをするらしいのだが、オレに戦う理由が無い。このまま放置が正しいのだろうが、オレも喧嘩を売られているし参加した方が良いのだろうか?だが、兵藤が覚悟を決めるためにはグレモリーが敗北した方が良い。だがそれでグレモリーの人生を捨てさせていいのかと問われれば答えはNOだ。

どうするかを悩んでいると支取がやってきた。どうやら支取も昼食を摂りに来たようだ。一人の様だったので屋上に上がって来ただけでは分かり難い位置にあるアウトドアに使う折りたたみ式のイスを取り出して勧めると、溜息をつき、苦笑しながらもイスに腰掛ける。ついでとばかりに弁当箱を置ける小さなテーブルも用意する。怒らないのかと聞けば、自分も利用してるからと笑って返された。

支取の方はオレを見て悩み事があるなら相談に乗ると言ってきた。まあ、キャプテンブラボーであることは隠しているので例え話として相談してみた。帰って来た答えは厳しくも温かい言葉だった。



その言葉に従ったオレはレーティングゲームは観戦だけ行い、翌日に最後までゲームを諦めていなかった兵藤の家に向かう。ヘルメスドライブで部屋の中に兵藤とアルジェントしか居ないのを確認してから転移する。

「心は折れていないか、兵藤?」

「「キャプテンブラボー(さん)!?」」

「ふむ、傷は治療済みのようだがダメージは残ったままか。昨日のレーティングゲームは見させてもらったが、感想はどうだ」

「負けたよ。散々な結果だったよ。貴方が居てくれたら違ったかもしれない」

「確かにな。だが、それで本当に良かったのか?これが本当の戦いなら命を落としていてもおかしくない。辱められてもおかしくない。そういう点で見ればこの敗北には意味があっただろう。いつでもオレが助けに行ける訳では無いのだから」

「それは、それはそうだけど」

「オレも悩んだ末にお前達を見守る事にした。そしてお前達は敗北の意味を学んだ。だからこそ今、オレはお前達に力を貸そう」

「力を貸してくれるのか?」

「オレはこの街の平和を守っているんだ。その住人が悲しみに襲われているのなら、その原因を取り除くためにこの拳を振るうのに躊躇いなど無い」

そう言って精製が終了したばかりのNO.CIの核金を兵藤に投げ渡す。

「そいつを持っていろ。多少は活力が漲るはずだ」

「これは、何なんだ?」

「我が錬金術の成果の一つ、核金だ。詳細は教えられんし、グレモリーを助け終われば返してもらう事になるが、今だけはお前の力となってくれよう」

「ああ、ありがとう」

「それから、そこで聞いているんだろう、グレイフィア殿」

「気付かれていましたか」

扉を開いてグレイフィア殿が現れる。その手には一枚の紙切れがある。

「この魔法陣はグレモリー家とフェニックス家の婚約パーティー会場へ転移出来る物です。それからサーゼクス様からのお言葉をお伝えします『妹を助けたいなら、会場に殴り込んできなさい』、だそうです」

「ブラボーだ。これで堂々と正面から殴り込みをかけれる」

グレイフィア殿から魔法陣を受け取る。

「準備は良いな、兵藤」

「いつでも」

魔法陣をグレイフィア殿に起動してもらい、転移する。転移した先は果てしなく広い廊下の一角だった。このまま真直ぐ行った所に多くの気配を感じられる。歩くのも辛そうな兵藤を担ぎ上げて廊下を突き進む。そして会場の入り口と思われる扉の前で兵藤を降ろし、扉を蹴破る。

「ここに居るみなさん、それから部長のお兄さんの魔王様!!自分は駒王学園オカルト研究部の兵藤一誠です。部長を、我が主であるリアス・グレモリー様を取り返しに来ました!!」

「ついでに売られた喧嘩を買いに来てやったぞ、ライザー・フェニックス!!利子もまとめて払ってくれてやる!!」

オレ達の乱入に会場中がざわめき始める。それを鎮めたのは一人の男性だった。

「私が用意した余興ですよ」

その男を見てオレは絶対に勝てないと本能で感じ取った。そしてこれが魔王なのかと心が震えた。

「ドラゴンの力と、我々の知る錬金術とは違う錬金術の力が見たくて、ついグレイフィアに頼んでしまいました」

「サーゼクス、お前は何がしたいんだ?」

「父上、私は妹の婚約パーティーを派手に行いたいのですよ。フェニックス対ドラゴンと新たな錬金術士。最高の催しだと思いませんか?」

魔王様の言葉に会場中が静まり返った。

「ドラゴン使い君、そして錬金術士君、お許しは出たよ。ライザー、もう一度私とリアスの前でその力を見せてくれるかい?」

「いいでしょう。サーゼクス様に頼まれたのであっては断れるわけもない。このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せしましょう。それにそこの銀コートには恥をかかされたままですのでちょうど良い!!」

「決まりだね。ドラゴン使い君、そして錬金術士君、君たちが狩った時の代価は何が良い?」

「サーゼクス様!?」

「悪魔なのですから、何かをさせるなら代価を払うのは当然でしょう。爵位かい、それとも絶世の美女?」

「リアス・グレモリー様を返して頂きたい」

兵藤は一切の躊躇も迷いもなくそう答える。

「オレはフェニックスの涙を二つ貰えれば良い」

オレは特に何も欲しい物が無かったので適当に答えておいた。

「いいだろう」

こうしてオレ達とライザーの戦いがこの会場で行われる事になった。





会場の準備が行われている中、オレと兵藤は作戦会議とまではいかないまでも方針だけを決めていた。

「兵藤、お前も何か秘策を用意しているようだが基本はオレが前面に立って戦う。お前は後ろで倍化の力を貯めてサポートしろ」

「大丈夫なのかキャプテンブラボー?あいつは本気で強いぞ」

「任せておけ。オレも十分強い。安心しておけ」

方針を決めたオレは身体を解しながら会場を見渡す。その中に気になる人物を見かけた。アニメの魔法少女みたいな格好をして支取に似た顔立ちの少女とその隣で恥ずかしそうにしている支取だ。支取の方もオレが見ているのが分かったのか咳を一つしてから真面目な顔をして頭を下げて来た。負けられない理由が一つ増えたな。

「試合を開始して下さい」

今回の決闘を取り仕切る男性悪魔の開始の合図と共にライザーの懐まで一気に飛び込む。

「なっ、ただの人間が」

「直撃・ブラボー拳!!」

ライザーの鳩尾に全力の正拳突きを叩き込み、壁まで吹き飛ばす。すぐに跳び上がり天井を蹴って、壁に埋まったままのライザーに向かって一直線に向かう。

「流星・ブラボー脚!!」

ブラボー脚によって腹を貫かれ、炎となって再生を始めるライザーに追撃をかける。

「粉砕・ブラボラッシュ!!」

馬乗りになった状態で再生が終了した部分にひたすら連打を浴びせる。ライザーも再生しながらオレを燃やそうとしているのだが、シルバースキンを抜く程の火力を出せないでいる。このままなら押し切れると思ったのだが、翼で弾き飛ばされてしまう。空中で体勢を立て直して着地する頃にはライザーの再生が終わっていた。

「貴様、一体何者だ!?ただの人間ではないな」

「ふむ、そう言えば自己紹介がまだだったな。オレは錬金戦団の遺産を受け継ぐ者、錬金戦士キャプテンブラボー」

「巫山戯るな!!」

「オレは真面目だ!!」

ライザーが飛ばしてくる炎弾を再びラッシュで撃ち落とす。段々と火力が上がっているのか少しずつシルバースキンが剥がれて再生を繰り返して行く。

「そんなチンケな炎でシルバースキンを抜けると思うな!!」

「ならば喰らうが良い。これがフェニックスの全力の炎だ!!」

今までの炎と違い、込められた魔力が尋常ではない炎弾が飛んでくる。両腕を交差させて防御し、シルバースキンが抜かれると判断して別の核金を取り出して発動させる。

「武装錬金!!」

着弾するとシルバースキンの上半身を覆う部分が吹き飛び、オレの身体を炎が包み込む。シルバースキンはすぐに再生したのだが炎はオレを包み込んだままだ。

「どうだ、これがオレの炎だ!!」

「よくもブラボーを!!」

ライザーと兵藤がオレが死んだ様に扱うが、勝手に殺さないでもらいたいものだ。

「何を勘違いしている。貴様の炎など既に消えているぞ、ライザー」

「何っ!?」

炎と化したオレを見て会場に居る全員が驚いている。

焼夷弾(ナパーム)の武装錬金、ブレイズ・オブ・グローリー。その特性は所有者の火炎同化。今のオレは炎そのものだ。そして同質の物同士をぶつけた場合、力の弱い方は飲み込まれる。貴様の炎は全て取り込ませてもらったぞ」

その言葉に自信が折れたのか、ライザーが一歩下がる。

「兵藤!!」

「ブラボー、こいつを使ってくれ。ブーステッドギア・ギフト」

兵藤から十字架を投げ渡され、それをブーステッドギア・ギフトによって強化する。オレはそれを握り込んで炎化したままライザーに突っ込む。

「喰らえ聖拳、ブラボーナックル!!」

「がっはあああ!!」

十字架を握り込んだ拳による一撃によってライザーが血反吐を吐く。そのまま休ませる程オレは敵に優しくないので連続で十字架を握った拳を叩き付ける。段々と再生の速度が下がって来た所で止めを刺す事にする。

「この一撃を持って、勝負にケリを付けるぞ!!」

「ま、待て!!この婚約は悪魔の未来にとって必要で重要な事なんだぞ!!貴様の様なよく分からない人間ごときがどうこう言う事じゃないんだぞ」

「全くもってその通りだ。だがな、この決闘そのものとオレ達が勝った時の代価は魔王サーゼクスの名の下に許可が降りている。つまり、ライザー・フェニックス、貴様が勝って当然であると思われているのだよ。すなわち貴様が負ければ、魔王サーゼクスの顔に泥を塗ると言う事だ。そしてオレは人間だ。悪魔の事情など知った事ではない!!オレはキャプテンブラボー、駒王の街とそこに住む者を守る者だ!!駒王に住む兵藤に助けを請われ、駒王に住むグレモリーが泣いていて、そのグレモリーのために人間であるオレに頭を下げる者がいる!!それだけの理由があればこの拳を振るう事に躊躇いは無い!!」

「ブラボー、これが今のオレの全力の倍化だ!!」

兵藤の倍化によって人間であるオレですら感じ取れる聖なる力を宿した十字架を真上に放り投げ、それを飛び越える様に跳躍する。そして新たな核金を取り出して発動する。

「武装錬金!!全身甲冑(フルプレートアーマー)の武装錬金、破壊男爵(バスターバロン)!!」

さすがに全身を構成する程の場所が無いので右腕だけを構築し、放り投げた十字架を握り込んでライザーを叩き潰す。武装解除した後には、拳の形に大きく陥没した床と、血まみれで気絶しているライザーが残されている。

「オレ達の勝ちで問題無いな」

「そうだね。約束通り妹は連れて行くと良い。それからこれがフェニックスの涙だ」

魔王サーゼクスから小ビンを二つ渡され、一つを懐に入れてもう一つを兵藤に投げつける。

「そいつはサービスだ。核金は返してもらうぞ」

「ああ、ありがとうキャプテンブラボー」

フェニックスの涙を使った兵藤が核金を投げ返してきたのをキャッチする。

「また、助けが欲しければ言え。手が空いていれば助けてやる。また会おう」

ヘルメスドライブを使ってオレは会場から去る。








グレモリーの婚約パーティーから数日後の昼休み、弁当を食べ終わり授業が始まるまで昼寝でもしようかと新しく持ち込んだハンモックを準備している所に支取がやってきた。

「おう、支取か。今日はどうしたんだ?」

「相変わらず貴方は自由ですね防人君」

「それがオレだからな。イスはいるか?」

「いえ、今日はお礼を言いに来ただけです」

「礼を言われる様な事をした覚えは無いんだが」

「そうですか。ならこれは独り言です。ありがとうございます、リアスを救ってくれて」

そう言ってパーティー会場の時と同じ様に頭を下げる支取を見て、正体がばれている事に気付く。

「はぁ~、まさかこの短期間で正体がばれると思わなかったよ。なんで気付いた?」

シルバースキンを纏いながら支取に答える。

「貴方もキャプテンブラボーも根っこの部分は全く同じ様に感じましたから。それにちょっとだけですが、顔も見えましたし」

「よくあの一瞬で分かったな。他に誰か気付いているのはいるか?」

「いえ、たぶん私だけだと思いますよ」

「なら黙っていてくれ。悪魔の契約で構わんから」

「何故そこまで頑に正体を隠そうとするのですか?」

「まあ、色々と理由はあるが一番の理由はその方がカッコイイからだ」

「……冗談ですよね」

「大真面目だ」

その答えに支鳥が頭を抱えるが個人の感性なので許して欲しい。

「まあ他にも理由があると言っただろう。オレは人間でこうやって高校生でもある。正体がばれれば面倒しかない。それにさ」

そこで一度区切る。こんな事を支取に言っていいのか少しだけ悩んだからだ。まあ結局は話すんだがな。

「いつまでこうやって元気でいられるか分からない。人間の寿命なんて良くて100年。その内、全盛期と呼ばれる期間は多く見積もっても20年。それを超えれば後は弱くなって行く一方だ。それでも小手先の技術などを使えば更に10年から20年は戦えるかもしれない。無理をすれば生涯現役だって出来なくはないだろう」

「そうですね。スタイルが変わればいくらでも行けるでしょう」

「ああ、だがな、それだけの人生になる。人助けや戦闘だけの日々、食って行くだけの金があったとしても寂しい人生だな。だから、オレはいつでも逃げ出せる様にキャプテンブラボーを名乗ってる。周りの期待や重圧に耐えきれなくなった時に逃げ出して、ただの防人衛として生きていくために。人間は弱い、特にオレなんかはな」

「……」

「昔、死にかけたことがある。だから余計に色々な物が怖くなった。だけど、同時に色々な物を愛おしく感じる様にもなった。だから、耐えきれなくなるまでは守ろうと思う様になった。特に兵藤だな。あいつはあんなスケベな奴だが、根は真直ぐで理不尽に真っ向から立ち向かえる、まるでヒーローみたいな奴だ。あいつは今に大きな男になるさ。昔っからそう思ってたし、悪魔に成ってからは余計にそう感じる。だから、つい手を貸したくなる」

「それは、その」

「逃げだよな。どう考えても。オレは勝手にあいつの事を期待してるんだ。自分はいつでも逃げれる様にしているのに他人には恩を押し付けて逃げれない様にして。最低だろう。だから、礼はいらない。いや、礼なんて貰う資格なんて無いんだよ」

ハンモックに寝転がり、顔を隠す様に帽子を顔に乗せる。

「……確かに防人君は弱いのかもしれません。ですが、それは私達一人一人にも言える事だと思います。そして悪魔も、私もそうです」

「支取?」

「今日はお礼を言いに来ただけと言いましたけど、本当はキャプテンブラボーの正体を盾に貴方を勧誘しようかと思ってもいました。私には夢があります。悪魔社会では笑われる様な物です。ですが、絶対に必要になってくる物だと思っています」

「それは、何だ?」

「学校を作りたいと思っているのです。それも中級や下級を対象にした。今までに無かった物ですから、笑い者にされたりすると思います。ですが、私は身分に関係なく、誰もが通える学校を作りたいのです」

「そうか、学校か」

「はい。ですが、その為には力が必要になってきます。冥界では家の身分以外にもレーティングゲームのランキングが発言力に関わってきます。だから、少しでも力を借りれればと思って」

「そうだな、興味自体はある。だから正体を内緒にする変わりにそれに手を貸すのは構わない。だが、今はその誘いに乗る気にはなれんな。すまないが返答は待ってくれ。こっちも色々と考えなくちゃならない」

「構いません。いきなり手を貸してくれるとは思ってもいませんでしたし、それに貴方の事もちゃんと考えなければなりませんから」

「助かる。出来れば悪魔に関しても、正確に言えばそっちのことに関しても詳しい話を教えてくれ。基本的に昼休みは此所に居るからな」

「ええ、分かりました。それではまた」

屋上から去って行く支取を見送りながらシルバースキンを解除する。本当にこのまま悪魔になっていいのか悩む。

オレには貫き通す信念が無い。それさえ見つかれば少しは強くなれるんだがな。オレは弱いな。兵藤や支取が羨ましい。
 
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