| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生者物語 in ハイスクールD×D

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

プロローグ


転生者というものを知っているだろうか?そう、神がミスや暇潰しで殺してしまった人間に能力を与え、アニメやマンガの世界に転生させられた者の事だ。
神は基本的に世界ごとに存在する。その者を転生させるのはその者が住む世界の神だ。そして、転生させられた先の世界にも一部例外を除いて神が存在する。そんな神々は今・・・

「何であいつらはいつも儂等の世界に転生者を送り込んで来るんじゃあ!!!」

居酒屋で酒を飲みながら愚痴を言い合っていた。

「儂等の世界を自分もミスを隠すために使いおって!!!」

そう叫ぶ神は『魔法少女リリカルなのは』の世界の神(以下なの神)である。

「全くだ。転生者が『本史』に影響を与えぬよう、並行世界を複数作ってそこに行くようにしたが、そのせいで管理が行き届かん。」

さらに『インフィニット・ストラトス』の世界の神(以下IS神)が言う。

「だが、ミスで送り込んで来るタイプの神はまだまともな方だ。儂等が文句を言ったらそれに応じて転生者に強すぎる力を与えぬよう、能力と行く世界をくじ引きで決めるようにしたのだからな。」

『魔法先生ネギま!』の世界の神(以下ネギ神)の言う通り、転生者を生み出すのにはあるルールが課せられるようになった。
転生者の持つ力に関しては『容姿』『能力』『種族』の三つのうち二つをクジ引きで決め、最後の一つはその二つに引っ張られて決まると言うシステムだ。例えば、種族がトランスフォーマーで、能力が放水だったら容姿は消防車に変形するトランスフォーマーとなる。さらに、ネギ神の言う通り行く世界もクジ引きで決める。

「未だにたちが悪いのは暇潰しで転生者を送り込んで来る奴らだ。奴らはルールを全く守らん。」

そう答えるのは『ゼロの使い魔』の世界の神(以下ゼロ魔神)だ。

「かといって、我々神は世界を管理する仕事で忙しいから、奴らを取り締まる警察組織を作る事も出来ん。」

なの神がそう言う。

「まともな神々は送る世界のクジの中から儂等の世界を外したり、ミスを減らす努力をしたりして負担を和らげようとしてくれたが、逆にまともな転生者が来なくなり、より世界が荒れてしまった!!」

IS神が声を荒げて言った。
それまではまともな転生者が悪質な転生者を倒したり改心させていたのだが、まともな転生者が来なくなってしまったので、悪質な転生者がのさばる事態となってしまったのだ。

「まともな転生者がまた来るようにしたが、一部の並行世界では数が足りず、抑止力となれておらん。何とかならぬものか・・・」

頭を悩ませる神々。その時、一人の神が居酒屋に現れた。

「話は聞かせてもらった!私にいい考えがある!!」

「お主はTF神!?」

ネギ神が言った。現れたかれはトランスフォーマーの世界の神、通称TF神だ。

「私の世界のように、悪質な転生者にあまり狙われていない世界から何人か転生者を貸し出そう。」

「良いのか?そのような事をしてもらって?」

「転生者問題は神全体の問題だ。他人事では無い。他の神々への交渉は私に任せてくれたまえ。」

「分かった。頼むぞ。」

そして、転生者被害にあっている神々はTF神に希望を託した。




「今日集まってもらったのは他でも無い。転生者問題についてだ。」

早速、TF神は神々を集めて会議を開いた。ここに集まった神々は対象年齢が低かったり、マイナーだったりして悪質な転生者の標的になりにくい作品を管理する者たちだ。

「幸いにも、我々は悪質な転生者の被害にはほとんどあっていない。だが、それ以外の多くの神々がその被害にあっている。ゆえに、我々で彼らを助けるのだ!」

「なるほど。」

「負担の一部を我々で肩代わりすると言う事ですか。」

こうして、会議が進んで行く。そして、全てと言う訳では無かったが、多くの神々がこのプロジェクトに賛同してくれた。
そして、仕組みはどんどん形となり、今第一波が送られようとしていた。




何も無い真っ黒な空間。ここで一体のロボットが目を覚ました。ボディの所々にパトカーの部品が取り付けてある。

「ここが集合場所か。」

ロボットが辺りを見渡す。すると、暗闇の中からがっしりした体型の青年が現れた。

「よお!あんたが俺と一緒に戦う仲間か?」

「ああ。サイバトロン戦士のボリスだ。君は?」

「ワシはグラントータス。宇宙警備隊のエネルギー生命体じゃ。この姿はアンドロイドを借りとる。この姿の時の名前は亀守玄じゃからよろしくな。」

「ああ。よろしく。」

互いに挨拶を交わすボリスと玄。すると、新たな人影が現れた。

「おや?もう始まっているのかい?」

それは、電車の先頭部分に手足と目をつけたようなロボットだった。大きさは小学生の子供程度と小さい。

「君は?」

「私はACトレイン。JHRのメカニックのヒカリアンだよろしく頼む。」

「メカニックか。」

「それは心強いな。」

機械の身体を持つボリスと玄にとって整備は欠かせない。ゆえに、メカニックである彼が居る事は心強かった。

「お前達が私の仲間か?」

さらに、そこへ銀髪をおかっぱにした赤い瞳の少女が現れる。

「君は?」

「私はメイ・ガントロン。呪われた道具だ。まあ、呪いはもう解けておるがな。」

「メガトロンだって!?」

彼女の名前を聞き間違えたボリスが叫んだ。

「メイ・ガントロンだ!確かに能力はメガトロンを引き当てたが。」

「メガトロンの能力か・・・」

サイバトロン戦士であるボリスは複雑な気分であった。

「まあまあ。そんな難しいことは考え無い方がいいぞ。」

そこへ、新たな人影が現れる。それは緑がかった黒色のボディを持つ、三頭身の忍者を思わせるロボットだった。

「君は?」

「私は隠密忍者・獲鴑駄賀亜枝擢(NダガーN)。頑駄無軍団所属の忍だ。気軽にNダガーと呼んでくれ。」

こうして、チームが全員揃った。

「で。この後はどうするんじゃ?」

「確か、行き先の世界の神が迎えに来る事になっているハズだ。」

玄の疑問にそう答えるACトレイン。すると、新たな人影が現れた。それは、なんとTF神であった。

「待たせたな、君たち。」

「え?何故あなたが?」

トランスフォーマーであるボリスが困惑する。そんな彼にメイが聞いた。

「ボリス、知ってるのか?」

「知ってるも何も、俺たちトランスフォーマーの世界の神さ。」

「トランスフォーマーの?」

「と言う事は、私たちはトランスフォーマーの世界に行く事になるのか?」

ボリスの言葉を聞いてそう解釈するNダガー。だが、TF神はそれを否定する。

「いや、君たちが行くのは『ハイスクールD×D』の世界の一つだ。」

「なるほど。そう言う事か。」

「どう言う意味だ?」

納得した様子のメイにACトレインが聞いた。

「ハイスクールD×Dの世界は文字通り『神が死んだ世界』だ。ゆえに、お前が代わりに来た。そうであろう?」

「その通りだ。」

メイの言葉をTF神は肯定する。

「神が死んだ世界!?」

「それって大丈夫なのか!?」

それを聞いた他のメンバーが驚愕と共に叫んだ。そんな彼らにTF神はこう言う。

「一応、各世界の天使が頑張っているから大丈夫だ。だが、問題は転生者だ。君たちの世界の神から聞いたであろうが、神々の転生者を減らす働きが裏目に出て、まともな転生者が減っていると言う話は聞いているな?」

「はい。」

「君たちの行くハイスクールD×Dの並行世界の一つもそうだ。ちゃんとした転生者は一人しか居ない。それ以外は全て悪質な転生者だ。」

「一人だけ!?」

味方の少なさに驚くメイ。だが、ボリス、玄、ACトレインそしてNダガーが言った。

「それがどうした。」

「例え味方が少なくても、正義の為なら戦わなくちゃあならないんじゃあ!」

「その通り!」

「それに我々は一人と言う訳では無い。」

「・・・そうだな。一人じゃないのなら、きっと大丈夫だ。」

不安を感じていたメイだったが、ボリス達のおかげで少し楽になった。

「では、ゲートを開こう。」

すると、TF神がハイスクールD×Dの世界へ繋がるゲートを開く。

「だが急いでくれ。私の世界ではないので完全に把握出来ないが、そのたった一人のまともな転生者に危機が迫っている。」

「何だって!?」

TF神の言葉に驚愕するボリス達。すると、ACトレインが言った。

「なら、私に乗ってくれ。ヒカリアンリターン!!!」

すると、ACトレインが巨大化し、どこからともなく現れた後部車両と合体。列車形態となった。

「さあ、早く乗って。」

そう言って彼はドアを開く。

「通勤電車で出撃か・・・」

何やら微妙な気分になるメイ達。だが、急がないといけないので次々と乗り込んで行く。そして、ボリス以外のメンバーが座席に座った時だった。

「ちょっ!?お前何やってんだボリス!!!」

何と、ACトレインの車内に収まらないほどの巨体を持つボリスまでもが中に入って来たのだ。そんな事をしてもドアにつっかえるだけだ。だが、なんとボリスは普通に車内に入り、座席に座ったのである。

「「「は?」」」

目の前の光景が全く理解出来ない三人。すると、玄が代表して聞いた。

「ボリス。お前さん、何で中に入れたんじゃ?」

「ん?それは、俺たちトランスフォーマーには大きさの概念が無いに等しいからな。」

「大きさの概念が無い?」

ボリスの言葉の意味が分からず、首を傾げる三人。その時、ACトレインのドアが閉まった。そして、車内アナウンスが流れる。

『皆様、お待たせしました。この列車はハイスクールD×D行き、ノンストップ特急です。間も無く発車いたします。』

さらに、ご丁寧にドアの上のLED画面に『ハイスクールD×D』の文字が浮かび上がった。そして、ACトレインは警笛を鳴らして出発。ゲートの中へ飛び込んだ。



続く
 
 

 
後書き

《転生者紹介》

ボリス

パトカーに変形するサイバトロン戦士。
何万年も生きており、それによりかなりサイバトロン色に染まっている。ゆえに、赤組ほどでは無いが口が悪い。ただし、正義感は強く、進んで弱い者の盾になろうとする。
種族にトランスフォーマー、容姿にパトカーを引き当てたため、能力はそれに合わせて射撃技術となっている。



亀守玄

宇宙警備隊の隊員でエネルギー生命体。
豪快な性格で、一昔前の番長のような喋り方をする。
がっしり体型の人間そっくりのアンドロイドを身体にしている。
専用メカのガードタンクを召喚し、合体する事で『大地の勇者グラントータス』となる。さらに、亀型サポートメカのブレイブタートルと装甲合体する事で『装甲グラントータス』となる。
種族にエネルギー生命体、容姿に番長を引き当てたため、能力は格闘戦技術となっている。



ACトレイン

ヒカリアンの技術者。
基本的にはボリスや玄のボディのメンテナンスを担当。ただし、ハイスクールD×Dの世界で、彼は予想していなかった役割を担う事となる。
種族にヒカリアン、能力にメカニックを引き当てたので、姿が試験車両であるACトレインことJR東日本E993系電車となっている。



メイ・ガントロン

呪われた銃(銀色のワルサーP38)が人化した少女。呪いはもう解けている。
少々尊大な性格だが、その反面仲間思いである。
腕に筒状の物をくっ付けることで、そこから融合カノン砲を発射する能力を持つ。これは筒状の物ならそれこそトイレットペーパーの芯でも構わないのだが、彼女なりのこだわりで段ボールで作ったメガトロンの融合カノン砲を使っている。威力は銃の姿になった時の方が上だが、誰かに持ってもらわないといけない。
種族に呪われた道具、能力にG1メガトロンを引き当てたので、容姿は銀髪赤目となった。



隠密忍者・獲鴑駄賀亜枝擢(NダガーN)

頑駄無軍団所属の忍者。
姿を消す事が出来る他、ワイヤーを使った移動を得意とする。
種族に武者頑駄無、能力に忍者を引き当てたため、デスティニーMSVのNダガーNをモチーフとした姿となった。




 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧