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東方探検録

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第四話

翌日、慎二は勇儀達に別れを告げ地霊殿の前に来ていた


慎二「ここが地霊殿か、正に宮殿って感じだな」


慎二がしきりに感心していると


???「曲者発見!!排除しま~す」


と、慎二の頭上から少女の声がした


慎二が見上げると、猫耳を生やした少女が台車を振りかぶりながら落下してきた


慎二「おわっ!?」


咄嗟にかわすと、ドガンと言う音と共に少女が着地した


???「チッ、外したか」


慎二「何なんだ!!いきなり…」


慎二が抗議しようとすると


???「うにゅ~!!隙有り~!!」


と、今度は慎二の後ろから声がした


慎二が振り向きざまにかわすと、右腕が機械のような感じの羽を生やした少女が慎二の横をもうスピードで通過した


少女は突進した勢いのまま、猫耳を生やした少女に激突した


???「いった~!?何すんのよ!!お『(くう)』!!」


お空「うにゅ~、ゴメンね、お『(りん)』」


お空と呼ばれた少女がお燐と呼ばれた少女に謝っていた


慎二「あの~」


慎二の声に反応したお燐は


お燐「ここはさとり様が治める地霊殿。人間が何の用?」


お空「何の用?」


慎二「え~と,俺地底に落とされたみたいでさ。星熊勇儀さんに聞いたら「ここに行けって言われたから」


お燐「ふ~ん、アイツがね」


お空「………(ジ~~)」


慎二とお燐が話してる間、お空はジッと慎二を見ていた


お空「ねぇ、お燐。この人見たこと無い?」


お燐「そう?」


そう言ってお燐も慎二をジッと見る


数秒後、何かに気付いたのかお燐は青ざめていた


お燐「(ま、まさかあの時の人間!?)」


お空「うにゅ?どうしたの?お燐」


お燐の変化を不思議がりながらも、お空はまた慎二を見つめた


すると何かに気付いたのか、お空の頭上に発熱電球が光った(ように見えた)


お空「あ~!!もしかして、あの時のお兄さ……ムグッ!?」


お燐は凄い勢いでお空の口をふさいだ


お燐「馬鹿お空!!声が大きい!!さとり様に聞こえたらどうす……」


お燐が喋り終わる前に、地霊殿の扉が開き中から眠そうな目をした少女が出てきた。胸には目玉のようなアクセサリーのようなものがついていた


???「私に聞かれたら何が不味いのかしら?お燐?」


お燐「さ、さとり様…。え~と、それは…」


さとり「お燐、私に嘘は通じないのはわかっているはずよね?」


お燐「うにゃ~…」


お空「ムグッ!!ムグッ!!」


さとり「なるほど、お空が教えてくれました。貴女はまた罪の無い人間を死体にしようとした訳ね」


慎二「(マ、マジかよ!?)」


お燐「うにゃ~、だって…」


さとり「言い訳無用よ!!貴女達は後で私の部屋に来なさい」


お燐「は、はい…」


お空「プハッ!!やっと解放された」


さとり「お空、貴女も同罪ですよ」


お空「うにゅ~」


慎二「あの~」


さとり「浅間慎二さんですね。私はここ地霊殿の主を務めています『古明地(こめいじ)さとり』と言います」


慎二「ど、どうも。浅間慎二です」


慎二「(あれ?俺名乗ったっけ?)」


さとり「いいえ、名乗ってませんよ」


慎二「へっ!?(今、声に出して無いよな?)」


さとり「はい、声には出していません」


慎二「…もしかして、さとりさんって…」


さとり「えぇ、私は『心を読む程度の能力』を持っています」


慎二「なるほど、それで俺の心の声を聞いたわけね」


さとり「はい、でも周りの妖怪達からは忌み嫌われてますけど…」


慎二「べ、別に俺は気にしませんよ!?」


何とかフォローしようとする慎二


さとり「ありがとうございます。それで地上に帰る方法なら私が知っています。ですが、折角地底に来たのですから、しばらく滞在しませんか?地霊殿にお部屋も用意しますし」


慎二「そうですね。それじゃあ、お言葉に甘えて」


さとり「本当ですか!?良かった…」


そう言って、ニッコリ笑うさとり


そのさとりの笑顔に見とれてしまった慎二は


慎二「(うわっ!?スゲー可愛い笑顔)」


その瞬間、さとりは顔を真っ赤にすると


さとり「で、では!?お部屋を用意しますね!!お燐!!お空!!」


お燐&お空「は~い」


さとりは二人を連れて、そそくさと行ってしまった


慎二「俺はどうすれば…」


???「お姉ちゃんったら、あんなに顔真っ赤にして純情だなぁ」


と、慎二の直ぐ側から声がした


慎二「えっ!?」


慎二がそちらを見ると、そこにはいつの間にかさとりに似た少女がいた


その娘の胸にも目玉のようなアクセサリーがついていた


慎二「えっと、君は誰だい?それといつの間にそこに?」


???「まず最初の質問、私は『古明地(こめいじ)こいし』。古明地さとりは私のお姉ちゃんだよ」


慎二「こいしちゃんか」


こいし「二つ目の質問、私はお兄ちゃんがここに来た時からずっと居たよ」


慎二「いやいやいや、俺は一人だったはず」


こいし「それは私が『無意識を操る程度の能力』を持ってるからだよ」


慎二「無意識?」


こいし「そっ、最初は私もお姉ちゃんと同じ能力だったけど、あの能力が嫌いでね、封印したの」


そう言って胸の目玉を指差しながら


こいし「ほら、目が閉じてるでしょ?そうしたら別の能力が目覚めたんだ」


こいし「今の能力でお兄ちゃんの無意識を操って、見えないようにしてたんだよ」


慎二「なるほど」


こいし「それよりお兄ちゃん、地霊殿を案内してくれる人が居なくて困ってたでしょ?私が案内してあげるよ」


そう言ってニッコリ笑うこいし


こいしの笑顔にまたもやドキッとしてしまう慎二


慎二「さすが姉妹だね、こいしちゃんも可愛いね」


こいし「ちょっと引っ掛かる言い方だけど、可愛いって言われるのは嬉しいな♪」


こいし「(そっか、お姉ちゃんはお兄ちゃんの心の声で聞いたんだ)」


こいし「それじゃあ、行こう?お兄ちゃん♪」


こいしに先導されながら、慎二は地霊殿の中に入った 
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