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ハイスクールD×D~進化する勇気~

作者:レゾナ
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第十七話

俺がいるのはレーティングゲームの観戦室。

ここには俺以外にもアザゼルさんやサーゼクスさんがいる。

もちろんヴァーリ達もだ。

「それで?イッセー君の感触としてはどちらが勝つと思う?」

サーゼクスさんが俺にそう聞いてくる。

「まあ、都合いい解釈だけど……リアス先輩だろうな。定石なら」

「えぇ!?イッセー君はソーナちゃんを信じてない……定石なら?」

「ああ、定石ならな。パワーで劣るソーナ会長が負けるかもしれない。でもルールによっては……それか、ソーナ会長の眷属の誰かに何か変化が起こればあるいは…って感じです」

「ふむふむ、なるほど……変化か……」

セラフォルーさんはそう呟く。

「それで?イッセーはシトリー眷属の中で誰が変化すると思ってるんだ?」

「んなの決まってんだろ?」

俺はモニターに映されている一人を指差す。

「匙、だよ。ドラゴンってのは土壇場で力を発揮する。俺の時もそうだったしな。まあ、祐斗も簡単には負けねぇよ」

そして今度はモニターにはリアス先輩達の眷属が映し出される。

「まあ、結構いい勝負になるんじゃないかなって俺は思うよ」

『皆様、この度、グレモリー眷属とシトリー眷属のレーティング・ゲームの審判役を務めますルシファー眷属の『女王』、グレイフィアです』

すると開始の時刻になったのかグレイフィアさんのアナウンスが聞こえる。

ちなみに言うと今回のレーティングゲーム、冥界全体に放送されるらしい。

『両陣営、転送された場所が本陣でございます。リアス様は二階の東側、ソーナ様は一階の西側が本陣となります。『兵士』の駒の方はそれぞれ敵陣に入った瞬間から昇格が可能となります』

なるほどね、『兵士』のルールは変わらないか。

分かりやすいが……多分それだけじゃねぇな。

だって今回のステージ……駒王町のショッピングモールだ。

『なお、今回のゲームでは両チームにフェニックスの涙を一つずつ支給されます。作戦時間は30分。それまでは両チームも接触は禁止となります・・・更に特別ルールをそれぞれの『王』に送信しましたのでご確認ください―――では作戦時間です』

「サーゼクスさん、今回の特別ルールって?」

「ああ、それはこれだよ」

そう言うとサーゼクスさんは俺に紙を見せてくる。

そこに書かれていたのは

「『物を極力壊さない』?……なるほどね、これは面白いルールだ」

つまりはリアス先輩達は力を制御されたって事か。

「まあ、祐斗には関係ないな」

「ああ、そうだな。雷切(らいきり)を持ってたら相手が何かする前に決着つくもんな」

「君は木場君に雷切(らいきり)を教えたのかい?」

サーゼクスさんが驚いた感じで俺に聞いてくる。

「ああ、出来ると思ってな。まあ、使いどころはあいつに任せてるけど」

『それではレーティング・ゲームを開始してください』

そしてリアス先輩とソーナ会長のレーティングゲームが始まった。



その後はまあビックリするような事がいくつかあった。

まず一つ目。

「ギャスパー……」

そう、ギャスパーである。あいつ食品広場でにんにくにやられて脱落したのである。

正直な話を言おう。バカである。

食品広場なんだからにんにくとかもあるに決まってるだろ。

そしてもう一つが……匙が一気に勝負に出たのである。

そう……祐斗の所に現れたのである。

「ん?なんで彼は神名君の前にいかなかったんだい?」

「多分ですけど……俺が教えたからではないでしょうか?ほら、俺ってなんだか人外扱いされてるし」

「人外扱いもなにも……人間界を押し戻した時点で人を止めてるでしょ?」

「ひどい……」

セラフォルーさんがそんな事を直球で言ってきたためちょっと傷つきました。

「多分それでですよ?」

木場SIDE

まさか彼がこっちに来るとはね……。

「やあ、匙君。神名君の方にいかなくてもいいのかい?」

「ああ、俺達全員の総意でお前を最初に倒すという事が決まってな」

なるほど……僕がイッセー君に鍛えられたという事が知らされているのかな?

「まあ、それでも負ける気はないけどね!」

僕はそう言って左手に鞘に収めている状態の聖魔剣を作り出す。

これを作り出すのに苦労したよ。

「日本刀?それでどうするってんだ?」

「匙君……手加減は出来ないからね?」

なぜなら僕も……正直制御が難しいんだ!

そう思い、刀を引き抜いた瞬間……僕の前には匙君の姿はなかった。

「……え?」

後ろで匙君の息を飲む音が聞こえてくる。

「くっ……やっぱり制御が難しいな……これを平然とやってのけたイッセー君はやっぱりすごいね……」

本当に……尊敬出来るよ。

「な、何だ……今の……?」

匙君は未だに信じられないといった感じで振り向いてくる。

「やっぱりまだ早さを加減出来ないね……この前のはやっぱりマグレか……」

僕はそう言ってからもう一度剣を鞘に入れる。

イッセー君が教えてくれた……。

『いいか、祐斗。雷切(らいきり)ってのは超高速で繰り出す居合切りの事だ。でもそのままじゃ意味がない。そこでこの力の出番って事さ』

彼はそう言って手のひらに電気を作り出した。

『電気?』

『ああ、電気だ。磁力って知ってるだろ?プラスとマイナスは引き合うけど……同じ極どうしは反発しあう。その反発の力を利用したのが雷切(らいきり)の正体だ』

剣本体と鞘の電気をプラスとマイナスにして……抜く瞬間にそれぞれを同じ極同士にする!!

そして僕はまた振り抜き……匙君の体に一太刀入れていた。

「がっ……ちっ……ここまでか……でも、一矢報いたぜ……!」

「っ!しまった!」

ここまで接近しては!

「伸びろ、ライン!!」

匙君の手の甲から黒いラインが僕の体に巻きつき……そして僕は一気に脱力する。

「くっ……これは……」

「へっ……一緒にリタイアしようぜ……!木場……!」

そうか……元からこれが目的で……!

すいません、部長……ごめん、イッセー君……一刀修羅(いっとうしゅら)見せれなかったよ……。

僕はそう謝罪しながら倒れていった……。

SIDE OUT

「祐斗が負けたか……」

「……サーゼクス、あの兵士(ポーン)騎士(ナイト)……名は何と言う?」

と、今まで黙っていた北欧の神、オーディンが口を開く。

「リアスの騎士(ナイト)、木場祐斗。ソーナの兵士(ポーン)の匙元士郎です」

「……そうか、あの二人、大事にするが良い。ああいう悪魔は将来、悪魔の世界を背負うべき者じゃ……肝っ玉も据わっとるしな……それに引き換え……あの神名とかいうグレモリーの兵士(ポーン)……ダメだな、本当に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を持っておるのか?正直言って弱すぎるぞ」

俺に言われてもな……。

「しょうがないんじゃないか?あいつ碌に修行もしなかったみたいだし」

「なるほどな……」

「さて……これでリアス先輩の勝利は揺るがない物になっちまったな……」

俺はそう言いながら席を立つ。

「イッセー君?どこにいくんだい?」

「匙の所。それと祐斗の所にも行ってくるよ。こっちにはもう戻ってこないから」

「なるほど。わかったよ」

さて、それじゃ労りにいきますかね……。

そして匙が寝ている病室の前にやってくる。

ドアを開けると……匙は寝ていた。

まあ、聖魔剣の一撃を雷切(らいきり)で受けたんだからな。

こうなるわな。

俺は席を引っ張り出してから傍らに座る。

「よくやったよ、お前の根性……やっぱりすごいと俺は思う」

匙には聞こえてないだろうけど俺は話しかける。

「だから、その根性……腐らせんなよ?未来を担うであろう悪魔さん?」

最後にそう言って俺は病室を出た。

そして次に来たのは祐斗の部屋だ。

「よう、生きてるか?」

「ああ、イッセー君。ああ、大丈夫だよ。少し骨に罅が入っているのと血が足りないだけだよ」

「罅か……お前はもうちょっと筋肉をつけた方がいいな」

罅が入るって事はそれだけ体が耐えきれなかったからだからな。

鍛えればなんとでもなる。

「血が足りないのは……匙に抜かれたからか」

「そうだね……」

匙があの時やった事…‥それは匙は祐斗にラインをつけて祐斗の体から血を抜き取ったんだ。

おそらくは致死量の血を抜き取ったからだろうな、リタイアさせられた。

「まあ、今度があるさ。それに一刀修羅(いっとうしゅら)……あんまり使うなよ?あれ、使いこなせなかったら命を削る諸刃の剣だからな」

「ああ、わかってるよ」

俺はそう言って病室を出る。

するとその時

『ソーナ様のリザインを確認しました。今回のゲームはリアス・グレモリー様眷属の勝利となります』

グレイフィアさんのアナウンスが聞こえてくる。

ソーナ会長、リザインしたんだな……まあ、懸命な判断か。

俺はそう思いながらその場を後にした……。 
 

 
後書き
さて、七巻の内容をどうしようかなぁ……。 
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