| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

私立アインクラッド学園

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二部 文化祭
  第50話 謎の少女

 
前書き
更新サボってばっかでごめりんご☆
話の展開忘れちゃったので、まあ書きたいこと書くことにします!←ぇ

……で、あれ……ついに目がおかしくなったのかな。
ちょっと見てなかった間に、アイ学のお気に入り件数がすごいことになってきてるの。
…………すみません、ちょっと眼科か精神科行ってきm(((

ってなわけで、みなさんありがとうございます!!← 

 
 文化祭開始まで、残り24時間を切った。
 落ち着かない雰囲気の中、教室の端に座り込み、ゲームをしている男子が数名。これを絶対に放っておけない真面目な女子2人が、その男子らの前に仁王立ちになって言った。

「こらこら、そこ!」
「ちょっと、あんたたち!」

 2人が声を放ったのはほぼ同時だった。

「は、はいっ!?」

 驚いた男子らが、慌ててゲームウィンドウを閉じる。

「あのねえ。ゲームなんてしてる暇があったら、ちょっとは手伝いなさいよ! こっちは忙しくて仕方がないってのに」
「わ、悪かったよ篠崎さん……!」
「ふふん。わかればいいのよ、わかれば」

 2人の女子のうちの1人は里香だった。里香は意外と真面目なのだ。

「ちょっとリズ、いくらなんでも言いすぎだよー?」

 もう片方の女子・結城明日奈はほわんほわんと言い、里香の肩に軽く手を置いた。
 そして男子らと同じ目線までちょこんとしゃがみ、優しく微笑んだ。

「もう少しだから、あとちょっとだけがんばろ。わたしも精一杯がんばるから……ね?」

 にこっと笑い、少し首を傾げて言う生徒会美人副会長に、男子は心を動かされたらしく──。

「そ、そうですよね! これからは、俺たちちゃんと頑張りますよ、結城さん!!」
「うんうん、えらいえらい!」
「あ、あの、何すればいいですか? で、できれば、結城さんと同じことがやりたいなあ、なんて」
「背景やってくれると嬉しいな。わたしはこのあと、キリト君たちとちょっと練習があるから……わたしの代わりに、お願いします」

 その微笑みは、まさに天使の如く━━

「はい! 死ぬ気で頑張ります、結城さんの代わりに!!」
「あ、ありがとう。でも、無理はしないでね?」

 横にいた里香は、こう思わざるを得なかった。

 ━━アスナさんマジ天使、と。

 *

「━━ふう」

 アルヴヘイム内で«怪しい店»と評判の喫茶━━アスナだったら絶対に寄りつかない━━で一息ついた俺は、ユイの待つ森へと急いだ。何の用事かは知らないが、突然ユイに呼び出されたのだ。
 当の愛娘は、森の入り口付近にある切り株にちょこんと座っていた。こちらの気配に気づくと、むぅっと可愛く睨んできた。

「遅いです、パパ!! いったい何してたんですか!」
「す、すまんすまん……ちょっと喫茶店に寄っててさ」
「ふーん、です。パパは、わたしとの待ち合わせよりも喫茶店の方が大切なんですね」
「そ、そんなことは言ってないだろ……ユイのことは、ママと同じくらい大切に想ってるよ」

 俺が言うと、ユイの表情が向日葵のようにぱぁっと綻んだ。

「ふふ、ありがとうございます。パパ大好きです!」

 あまりにも無垢なその笑顔は、コピーされたものだとは到底思いがたかった。やはり、ユイはユイなのだ。

「と、ところでパパ。今日呼び出した理由なのですが……」
「お、おお。何か用事でもあったのか? しかも、こんな森に」
「はい。━━以前パパが話していた、わたしを助けてくれたっていうフーデットケープの女の人……もしかすると、この森の中にいるかもしれないんです!」

 ━━一瞬の沈黙。
 ユイの消滅に絶望していた俺とアスナの前に突然現れ、何をしたのかはよくわからないが、ユイをもう一度呼び戻してくれた、あの謎の少女。

「えっ……どういうことだ?」
「わたし、パパとママが学校に行っている間は暇なので、よくここへ来るんです。そのときに、何度かその女の人らしい人物を見たことがあって……容姿は、パパが言っていた女の人と一致していました。ただ、パパからきいた情報ではあまりにも不確定要素が多いので、断定はできませんが……少し気になりますし、森へ入ってみませんか?」

 あの少女が何者なのか、きちんと確かめたい。会って、お礼がしたい。

「どうします、パパ……?」

 別に、森へ入っても何かが減るわけではない。それに、ここには俺の命が危うくなるほど強いモンスターはいないはずだ。あの少女と、もう一度会える可能性が僅かでもあるかもしれないなら……行ってみる価値はあるだろう。

「……ちょっと行ってみるよ。ユイは家で待っててくれ。レベルの低い森とはいえ、すべてモンスターからユイを庇える自信はないからな」

 俺の言葉に、ユイは素直に頷いた。そして言う。

「なるべく早く帰ってきてくださいね。このあとのリハーサルに、ちゃんと間に合うように」

 **

「………………」

 ━━遅いなぁ、キリト君。
 リハーサル開始予定時刻はとっくに過ぎている。
 ━━絶対遅れたりしちゃだめだからね。もし、サボったりしたら……どうなるか、わかってるわよね?
 明日奈があれだけ念押ししたというのに、和人はまだ来ない。
 一応メッセージは何件か送信してみたのだが、和人からの返信はない。
 諦めて、先に準備を始めてしまおうとしたそのとき。

「━━遅れてすみません!」

 ユイの鈴の音を鳴らすような声がすると同時に、明日奈たちのいる音楽室の扉が勢いよく開いた。

「ううん、大丈夫だよユイちゃん。ところでさ、キリト君知らない……?」

 訊いてみると、ユイは小さく首を振り、ぽつりぽつりと話し始めた。



 ユイ曰く、和人は今アルヴヘイムの森の中にいるらしい。ユイを助けてくれた、あの謎の少女を捜すために。

「なるべく早く、リハーサルまでには帰ってくるようにお願いしたのですが……まだ帰ってこないなんて、あまりにも遅いです。何かあったのでしょうか……」

 ユイの言った森辺りのエリアは、基本的には弱い小動物系のモンスターしか出現しない。何かあったなんて、考えたくもない。しかし、もし本当に、彼に何かあったのだとしたら……そう思うと、いてもたってもいられなくなる。明日奈は胸ポケットから生徒手帳を取り出すと、身を翻して言った。

「……ちょっと行ってくる。先に練習始めといて」

 その声音や瞳は、いつもの結城明日奈のものではなかった。
 とてつもない速度で繰り出す剣技で敵を圧倒し、大切な人を絶対に守り抜くと決めた、学園トップの女流剣士。

 «閃光»アスナのものだった。


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧