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ビビリな最強最悪少女の転生記

作者:楼瑛
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双子の上か下を決めるのは難しい

 
前書き
下手な戦闘描写ですいません 

 
鬼神・阿修羅の力を得て転生した少女は目を開けると何もない空間だった。
少女は鬼神・阿修羅と同じようにシャツを5・6枚重ね着し、ロングマフラーで顔をぐるぐる巻きにした格好でその何も存在しない場所、遠くない未来で次元の狭間と呼ばれる場所に生まれた。いや、発生したが正しいかもしれない。
そこで少女は転生する時と同じように疑問を呟いていた。

「あれ?おかしいな、あの神を名乗る男は生まれると表現した。つまり、誕生する母親の腹から生まれると言う意味で言ったものじゃなかったの?まぁ、何もいなくてとても清々しいからいいか」

少女は二日くらいはニコニコと顔を覆うロングマフラーを中心から組んだ手のひらを離すように開いて笑っていた。顔は前世と変わりなかったが髪はてっぺんの方に目を縦にした様な模様が入っていた。
しかし、ある時いきなりロングマフラーで顔を覆うとまた今度は呟いきながら震えておりこの前の疑問とは違い明確な恐怖があった。

「あれー?なんで、なんでこんなにも怖いの?どうして恐怖してるの?それもこれまでにない位に!何故何故何故、なんで一人ぼっちなことに、孤独なことにここまで恐怖する必要があるんだ!!!」

それは焦り、自分自身が感じた事のない感情に対する焦り。そして、それは怒り、前世の記憶を消した筈なのに魂が覚えている他者と触れ合うことの温もりを愛しく思うことに対する怒り。そして、それは恐怖、今までに無いほどの未知自分自身の感情を理解できない恐怖である。
例えば、この状況に陥ったのが並行世界の彼女鬼神・阿修羅ならばこうはならなかっただろう何故なら彼は始めから温もりを知らなかったからだ。死神の恐怖から生まれた阿修羅は始めから疑心暗鬼の塊、恐怖の化身として完成していた。
しかし、彼女はいくら並行世界の阿修羅でも環境が違った。一般家庭に生まれ親の愛を一身に受けた、あらゆることに対する天才的な才能と全てに恐怖するビビリな性格を持っていても両親は優しく接した。その上彼女には親友と呼べる存在がいた。いくら彼女が忘れても魂に刻まれてしまった感覚が残ってしまっていた。それに目をつけた神が魂のそれを感情に現れるほど強くした。彼女の楽しかったという言葉を聞いた神が次の生で信頼できる人物を得られるようになるために。
まぁ、それがなければここまで感情が出ることはなかっただろう。
しかし、そんな事は彼女が知るところになかった。彼女は、この孤独が癒せればどうでもよく。その方法を彼女は持っていた。いや、鬼神・阿修羅は持っていた。

「そうだ、完全に魂を解放して道化師を発生させればいいんだ。そうだ、うんそうしよう」

そして、彼女は平行世界の自分である阿修羅がしたように魂を解放する、それが次元の狭間と繋がっている世界があることも知らずに。まぁ、知っていてもやるだろうが……
彼女の特典並行世界の可能性の中で最も強いものの能力全て得る、この中には経験や使い方も入っていた。それ故に一度で魂を解放することが出来た。感覚よりもかなり膨大な魂で少し戸惑ったが…
この感覚よりも膨大な原因は特典の強化のせいだった。そこそこな能力でも神滅具に匹敵するほどに出来る特典の強化はもともと強かった鬼神・阿修羅の能力を最もよく似た能力を持つこの世界の最上位にいるドラゴンと同等まで力を引き上げたのだ。

「ククク、キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハ………………………………ア"ァ」

その膨大な魂の波長は膨大な狂気とともに放出され何もない空間を侵食して行った。それは、いずれ世界に漏れありとあらゆる次元の狭間と繋がる世界を狂気が侵食する、筈だった。そう、だったつまり侵食は止められた少女と同レベルの魂とぶつかって。 
そこでやっと少女は魂感知を使い始めて気づいた、この何もない空間に自分と同じくらいの魂の波長を持つものがいると。もう一つはかなり遠くにいるがもう一つはとても近く、近くと言っても目に見えるような距離ではなかったが。
少女は、道化師の発生を止められたことに落胆し、他の生物の存在に本人でも信じられないが歓喜し、そしてその生物に恐怖した。

「ヒィィ、流石はいろんな神話に出てくる生物がいる世界。始めから私を震えさせてくれるねぇ」

そこからの行動は早かった。顔を覆うロングマフラーを中心から開き、マフラーの終わりと割れ目の部分を背中から生えた二対の腕の様に展開して手を合わせると、光速に達するほどの速さで近くにある魂反応まで飛んでいった。
彼女がつくとそこには紅があった。いや、紅が居た。そう表現する以外無いほど紅く、大きかった。もし、種族的な言い方をする慣ればそれはドラゴンだった。そう、未来では真なる赤龍神帝と呼ばれるドラゴン、グレートレッドだ。
しかし、少女はそんな事は知らなかった記憶を消さずとも原作知識がないのだからそもそも知っているはずがない。
でも、少女はそのドラゴンに親近感が湧いていた。まぁ、その感情に恐怖しているが。

『お前は何者だ?』

紅く巨大なドラゴンは近づいてきた少女に気がつき話しかけてきた。
少女は始めて自分以外の生物と会ったことにより孤独による恐怖が消え上機嫌だったため、すんなりと答えた。

「さぁ?二日くらい前にいきなりここに居たから知らない。わかることは私が恐怖の化身だって事くらいかな」

『そうか、お前もか。私も二日くらい前にいきなりここに居た。私が生物の夢の集合体だって事以外知らん』

「ふーん、私たちは似たような存在なんだね姿は違うけど。それに私たちが生まれたのはほぼ同時みたいだし」

少女はそのドラゴンにそう聞くとドラゴンも肯定するかの様に巨大な頭を縦に振った。

『そうか、確か同時に生まれた生物を双子と言うんだったか?』

「なんかちょっと違う気がするけどそうだね。姉妹?それとも兄弟?」

『ふむ、私に性別の概念は無いがお前は雌の姿をしているな』


「雌って言わないで女性って言って欲しかったなぁ。まぁ、そうだね今は女の姿をしてるね」

『そうか、それじゃあ私も女という事にもしよう』

話はそこでまとまりを見せると思われたが、会話はその先へ向かった。

「じゃあ、どちらが姉なんだろうねぇ」

『私に決まっているだろう。私の方が大きいからな』

「はい?何言ってんの私が姉でしょう。生物は皆恐怖を抱く、なぜなら生きてゆく為にかならず必要なものだから。夢より恐怖の方が抱くの絶対早いね。全く怖いこと言うなぁ」

『夢の方が早いぞ、夢なんて生物が生まれた瞬間から見るものだだから私が姉だ』

「いーや、恐怖だね」

『いや、夢だ』

そう言って二人は姉を決める為に口論を続けた。まぁ、実際二人は離れたところで生まれた為に同じ日に生まれたがどちらが早かったはわからない。
そこでドラゴンはあることを思いついた。

『そうだ、戦えばいい』

「はい?突然どうしたの?いきなり怖いなぁ」

『戦かって強かった方が姉って事で良くないか』

「まぁ、わかりやすいね。でも、別に強い方が姉って訳じゃなくない?」

『じゃあそれ以外に私たちのどちらが姉か決められる方法はあるのか?』

「…………ないねぇ」

『まぁ、私がただ戦いたかっただけだが』

「えっ、もしかして貴女って戦闘狂?」

『戦闘狂とはなんだ?私はただこの力を使いたいだけだ』

「怖いなぁ。それって戦闘狂よりも達が悪い」

『冗談だ。暇だからなここは泳いでいることしかできない。まぁ、泳ぐ事は気に入っていたがな。お前が来てから考えていた二人在れば何かできると。そこで姉妹の姉を決められ、二人で出来るまさに理にかなっている』

「笑えない冗談だね。まぁ、私は孤独に恐怖を感じていただけだからあんまり暇とかは関係ないけど、どちらが姉かはっきりさせられる事はいい事だと思うよ」

『そうか、ではやろうか』

「そうだね、やろうか。怖いなぁ身体が震えるなぁ」

そこまで言うと戦いが始まってもいないないのに二人の力が激突していた。

『フハハ、これは楽しそうだ』

「ヒィィ、怖い怖い」

『「では(じゃあ)、行くぞ(よ)」』

そう言って初めに動いたのは少女だった。

「先行はもらうねぇ『ヴァジュラ』」

少女は口を大きく開きヴァジュラを出してドラゴンに向け極大のレーザーを放つ

『ほう、ならば私も』

ドラゴンはそれをブレスで相殺する。その余波は空間を震わせ大きな衝撃を生んだがそんなものは二人にとって無いに等しいものだ。しかし、それによってできた煙によって視界は奪われ互いが見えない状態になった。

「キャハ、攻撃の後に隙がありすぎだよォォォ」

『グハッぁ』

少女はその隙に手を合わせ、その手に恐怖の具現化したドス黒いオーラを纏わせドラゴンの顎の下の見えない場所から両手を合わせて形のまま攻撃していた。

「甘いよ、相殺したからって終わりじゃァないんだよねェ」

『ぐぅぅ、小さいからそちらは小回りが効くな』

「貴女は大きくて攻撃が何処にでも入るね」

『ふん、大きい者には大きい者の闘い方がある』

「生まれて二日の奴がなにほざいてんだろォねぇ」

『「フハハ(キャハハ)」』

笑いながらドラゴンは巨大な右腕を常人では見えない速度で振るった。
しかし、それは少女の腕のように伸びたマフラー四本によって逸らされ、そのまま無防備になったドラゴンに

「また隙だらけ『ヴァジュラ』」

ヴァジュラを口から出しレーザーを出さずにそのまま回転しながらドラゴンの右肩を抉り取った。

『ぐぅ、ならば』「グオォォォォォォォォォォォォォ」

「がぁ」

ドラゴンは雄叫びを挙げた。しかし、それはただの雄叫びではなく衝撃波となって少女を襲った。
ドラゴンは始めて攻撃が決まった事に喜んだように話しかけた。

『どうだ』

「いきなりビックリしたじゃん。それにしても、これが痛みかぁ。ふふ、怖いなぁ」

『ビックリしてもらわなきゃ困ったぞ』

「うん、とってもビックリした。私、かなり震えてきた……………ギャァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

少女は悲鳴を上げながらドラゴンの頭の上まで飛んだ。その行為に呆気にとられドラゴンはとっさに動けなかった。ドラゴンの頭の上でマフラーの腕の内二本でドス黒い恐怖のオーラをドラゴンの頭を呑み込む位集めドラゴンに叩きつけた。

「ヒィィィィィィィィィィィィィ」

『グガァァァ』

ドラゴンはねじ伏せられそうになるところを耐えそのまま少女の方を向き大きな雄叫びと共に極大ブレスを放った。

「グオォォォォォォォォォォ!」

「怖いなぁ…」

少女はそのまま極大ブレスに呑み込まれた。
少女を呑み込んだ極大ブレスはそのまま飛んで行き少女の周りは煙に満ち何も見えない状況だった。

『フハハ、やったか?』

ドラゴンは勝ったと思い、こんな場面で絶対に言ってはいけない言葉を言ってしまった。

「それはフラグって言うんだよォ!」

煙が晴れるとそこには座禅を組む形で手を合わせて握り、背中で円を描くようにマフラーを展開した少女が現れた。
その円の内では膨大なドス黒くも何処か神秘的な恐怖のオーラが集まっていた。

「この勝負私の勝ちだね。貴女はとても怖くて私を震えさせた」

そして、膨大な恐怖オーラが発射された。

『グガァァァァァァァァァァァァァ!!』

ドラゴンを押しつぶしていった。

「私の勝ち。まぁ、これが何十年後とかは勝てるかどうか分からないけど。不確定要素は怖いなぁ、ふふ」

今回ドラゴンが負けた理由は簡単だった。力を使いこなせてなく、その上巨大に任せた力のゴリ押しだった。それ故、小回りが効き力の使いこなせている少女が勝ったのだ。
しかし、これは生まれたばかりだから仕方のないことだった。少女が言ったとうり何十年後には勝敗は分からなくなるだろう。
姉妹の姉を決める戦いは鬼神少女の勝ちだった。
数時間後
ドラゴンは目を覚ました。

『うっ』

「はぁ、やっと起きた」

『私の負けか』

ドラゴンは何処と無く悔しそうに言った。

「まぁ、小回りが効きにくい巨体は隙だらけだからねぇ」

少女はこともなさげに返す。

「これで、私が姉って決まったわけだ」

『はぁ、仕方ないか。姉さんこれからよろしく』

「これからよろしくね、妹さん」
 
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