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魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~

作者:雪月花
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第4話『スカウト?』

現在、試験終了直後スバルはなのはさんとの再会で感極まってなのはさんの胸を借りて大泣きをしている。
俺はリインフォース空曹長に怪我をした足を治療して貰っているティアの隣に立ちそれを眺める。ティアから再びスバルの方に視線を向けるすると高町一等空尉と目が合う。
そして、とても優しく微笑む。それを見るとつい顔を背ける。


リイン「そう言えば、ランスター二等陸士とキサラギ二等陸士はなのはさんについて知っていますか?」


その時、ちょうどリインフォース空曹長から俺たちに尋ねてきた。
ナイスタイミングです!空曹長!そう思いながら心の中で親指をグッと上げる。


ティア「ええ、知っています」

カズマ「たしか、本局のエースオブ・エース。航空戦技教導隊の若手ナンバー1で幼少の頃からAAA(トリプルエー)クラスの魔力を保持していた天才。しかも、そのルックスからファンの人数も数知れず、しかも彼女に憧れて航空武装隊に志願する者も多いとか……」

リイン「その通りです~♪」

カズマ「あ…あと一部から『本局の白い悪魔』とも呼ばれている」

リイン「それはなのはさんの前では口にしない方が良いですよ………命がほしかったら」


 顔を引きつらせながら言うリインフォース空曹長…って事は本当なのかこれって、あくまで噂だと思ってたよ俺は…。


ティア「ってか、あんたよくそこまで知ってるわね?」

カズマ「……まあな」


 実際俺も一時期ファンで色々調べていたとはさすがに言えないな…まあ、それでけじゃ無いんだけど。
はじめて、なのはさんの事を知った時なんかどこかで逢ったことがあるような気がしたんだよなぁ……気のせいかもしれないけど。









 魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
 第4話『スカウト?』









 さて、俺たちは今試験場近くの本局施設で試験の結果待ちをしてるのだが。


カズマ(何だろうこの状況は…)


 結果待ちの間なぜか試験を見に来ていた、八神はやて二等陸佐、フェイト・T(テスタロッサ)・ハラウオン一等空尉と言ったこれまたなのはさんに引けを取らない超有名人がそこにいる。
なぜ、そんな超有名人の御二方がここにいるのかと言うとなんでも俺たち三人を今度はやて二佐が新規に作る部隊『時空管理局本局遺失物管理部機動六課』のフォワードメンバーにスカウトするためらしい。それを聞いているスバルとティアは目を白黒させている。

まあ俺も内心驚いてはいるがそれよりも給料はどうなるのかということを考えている。
給料が上がれば今まで出来なかった杖のメンテナンスが出来るからな。


フェイト「スバルとカズマは高町教導官から直接魔法戦を教わる事が出来るし、執務官志望のティアナには私でよければ色々アドバイスが出来ると思うんだ」

ティア「いえそんな、とんでもないです。と言いますか、恐縮ですと言いますか…」


 驚きすぎて上手く言葉にできずにスバルの顔を見るティア。その横でスバルもとりあえず頷いている。
俺は一口コーヒーを啜る。


ティア「あ……」

カズマ&スバル「?」


 ティアの間の抜けた声を出したのでその方向を見るとバインダーを持ったなのはさんが立っていた。
おそらく、試験の結果を伝えに来たのだろう。


なのは「えっと…取り込み中かな?」

はやて「平気やよ」

なのは「そうなんだ」


 そして、はやて二佐の横に座り真剣な顔になり口を開く。


なのは「とりあえず、試験の結果ね」

三人「はい」

なのは「さて、三人とも技術に関しては問題なし。だけど、危険行為や報告不良は見過ごすレベルをこえています。自分やパートナーの安全だとか、試験のルールも守れない魔導師が人を守るなんて出来ないよね?」

三人「……はい」


 なのはさんの横でうんうんと頷いているリインフォース空曹長。やっぱり、あれは駄目だったか…。
いくら制限時間内にゴールしてもあんな作戦、本当の戦闘だったら危険すぎるからな…最後はスバルも暴走するし。


なのは「だから、残念だけど三人とも不合格――――」


 まっ仕方ないか。
また、半年後がんばりますか。


なのは「なんだけど」

三人「え?」

なのは「三人の魔力値から考えると半年後までCランク扱いでいるのはかえって危ないかも……というのが私と試験官の共通の見解」

リイン「です」

なのは「と言うことで、これ」


 そう言うとなのはさんが机の上に三人分の書類と封筒を置いた。


なのは「特別講習に参加するための申請書と私からの紹介状。これ持って本局の武装隊で3日間の特別講習を受けて、4日目には再試験が受けられるから」


 机の上の紹介状となのはさんを交互に見るスバルとティア。再試験受けられるのはいいけど、講習は面倒くさいな…。


なのは「来週から、本局の厳しい先輩達にしっかり揉まれて安全とルールをしっかりと学んでこよ。そうしたら、Bランクなんてきっと楽勝だよ、ね」


 笑顔を向けるなのはさん。ヤバイ可愛すぎてまともに顔を見ることが出来ない。
しかも、俺の心臓はもの凄く高鳴る。この人のファンが多いのがよくわかったよ…。


スバル&ティア「あ、ありがとうございます!」

はやて「3人とも合格まで試験に集中したいやろ?私への返事は試験が済んでから……っていうことにしとこうか」

スバル&ティア「すみません!恐縮です!」


 スバル達が立ち上がり敬礼をする。顔をそらしていた俺はそれに少し遅れて立ち上がり敬礼をした。









 sideスバル・ナカジマ









スバル「ふぅ~、色々緊張した」

ティア「まぁね」

カズマ「あんだけ有名人が一同に揃っていたらな」


 私たちははやて二佐の新部隊へ誘いとなのはさんからの試験の合格発表を聞いた後、中庭に来ていた。


スバル「試験の結果は残念だったけど。まぁ、しゃーないよね」

ティア「ま、よかったわ。再試験に引っかかって」

カズマ「だな。だけど、本局の武装隊と特別講習は面倒くさいけどな」

ティア「まったく…あんたって奴は…」


 カズマの言葉にティアは軽く溜息をついた。


スバル「……でさ、二人は新部隊の話し……どうするの?」

ティア「あんたは行きたいんでしょ?なのはさんはあんたの憧れだし、同じ部隊なんて凄くラッキーじゃない」

スバル「まあ、そうなんだけどさ…」


 でも、私は二人と別れるかもしれないなら……って思うとなんか凄く不安になちゃうんだよね。
なんだかんだで、訓練校時代からの付き合いだからね。


ティア「あたしはどうしようかな。遺失物管理部の機動課って言えば、エキスパートや特殊能力(レアスキル)持ちが勢揃いの生え抜き部隊でしょ?そんなところに…さ、今のあたしがちゃんと働けるかどうか…」

カズマ「アホかお前は」

ティア「いたっ」


 弱気な事を言うティアにいつの間にか身体を起こしていたカズマがティアの額に軽くチョップを落とす。


カズマ「なぁに、しおらしい事言ってんだよ。お前なら『あたしの実力見せてあげるわ!』とか言ってれば良いんだよ。実際、内心はそう思ってるくせに。それにここでやらなきゃ後悔すんのはお前だぞ?」


 そう言うとカズマは空を見上げる。こういう時のカズマってかっこいいんだよね。
ティアもその姿を見て若干顔を赤いし。


ティア「……ふん。それもそうね。確かにこんなチャンスはもう来ないかもしれないし。それに上手くいけばあたしの夢への最短ルートだし。あんたはどうすんの?カズマ」

カズマ「ん?俺か?俺は、お前らが行くなら着いて行くぞ。まっ、当面は俺たち3人で一人前扱いだし、まとめて引き取ってくれるならそっちの方がいいだろ?」


 そう言うとカズマは立ち上がった。


ティア「ちょっと、何処行くのよ?」

カズマ「用事があるから先に帰るわ。お疲れ~」


 手で軽く挨拶をしてスタスタと歩いて行ってしまった。


スバル「用事って何だろね?」

ティア「どうせゲームでしょ…」









 sideカズマ・キサラギ










カズマ「はぁ~……疲れた」


 部屋に帰って直ぐにベッドに倒れ込んでさっきほど買ってきたDSP(ドリームステーションポータブル)の新作『マジカル☆ハンターズ』をセットしてプレイする。


カズマ「しかし、機動六課……か」


 確かにメリットはでかい、給料も大幅アップ……だけどなんか裏があるよな…多分。


カズマ「でもまあ今更あいつ等にやめようなんて言っても聞かないからな。ま、なるようになるさ…それに」


 そんなことを呟くが俺は初めて逢うはずなのにどこか懐かしい感じがしたのは気のせいではなかったような気がする。


カズマ「……そんなことより今は明日からの特別講習の事でも考えるか」


 DSPをベットの上に置き窓の外を眺める。明日もよく晴れそうな満点の星空が広がっていた。 
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