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FAIRY TAIL 真魂の鼠

作者:紺碧の海
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第二十七話 秩序の衝動

 
前書き
07でぇ~す♪
今回はルーベリーの海に潜って金属で出来た碇の形をした建物を見つけた最強チーム。その建物の正体が明らかに・・・!?
ウェンディ目線でいきます。 

 
ル「・・・ィ・・ンディ・・・・ウェンディ!」

ウェ「・・ぅ・・・ん?」

私を呼ぶ声がして、ゆっくりと目を開けると、心配そうな顔をしたルーシィさんが私の顔を覗き込んでいました。

ル「ウェンディ!よかったぁ~。」

ウェ「こ・・ここは・・・?」

起き上がって辺りを見回し、最初に目に飛び込んできたのは鉄格子でした。

エ「見ての通り牢屋だ。」

そう言ったのは鉄格子に寄り掛かって目を伏せているエルザさんでした。

グ「俺達がクソ炎を探してる途中、あのクラゲみたいな生き物(?)の電流で気を失っているうちに、ここに運び込まれたらしい。」

シ「んで、探していた当の本人のクソ炎も、俺たちよりも早くそのクラゲみたいな生き物(?)の電流で気を失っているうちに、ここに運び込まれたみたいだがな。」

壁に寄り掛かって腕を組んでいたグレイさんとシンさんの間に、胡座を掻いて気を失っているナツさんがいました。

グ&シ「いい加減起きやがれっ!」

グレイさんとシンさんが、両サイドから足の裏でナツさんの頬を蹴ります。

ナ「いってぇぇぇっ!何しやがるグレイ!シン!」

ル「起きたっ!」

この様子だと、ナツさんも無事のようですね。

ナ「ん?何だここ?つーか、何でお前等がいるんだよ?」

エ「お前がいつまで経っても戻って来ないから皆で海に潜ったら・・・こうなったって訳だ。」

ウェ「私達、閉じ込められちゃったみたいなんです。」

すると、

?「やっと気がついたか。」

?2「大丈夫か?」

?以外「!?」

驚いて振り返ると、牢屋の外側に六人の男女が私達の事を侮るように見下ろしていました。

エ「何者だ。」

?3「それはこっちのセリフだ。どうしてこんな深海に複数の小僧と小娘がいるのだ?説明してもらおう。」

ギロリと、赤みを帯びた瞳で睨まれる。その人の言葉と瞳で睨まれるだけで、とてつもなく邪悪な魔力を感じたのは私だけでしょうか・・・?

シ「・・・一応話してやるが、お前等には関係無いと思うぞ。」

ル「ちょっ!シン!こんな怪しい奴等に話す必要なんて無いわよっ!」

ルーシィさんの制止の言葉を、シンさんは右手で制止しました。ナツさんもグレイさんもエルザさんも、シンさんを止めようとはしません。それを見たルーシィさんも黙り込みました。これは私の推測ですが、たぶん皆さんは、この人達がとても危険だという事に気づいたんだと思います。










言う事を聞かなければ、命を狩られると―――――










シ「お前等はこんな深いところにいるから知らねぇと思うが、この海で今、奇妙な出来事が立て続けに起きているんだ。」

?4「奇妙な出来事?」

シ「釣りをしていたら人魚を釣り上げたり、海底に大量の真珠があったり、大量の巨大魚がおよいでいたり、龍宮城があったり・・・いろいろだ。」

?5「人魚に真珠、巨大魚に龍宮城ねぇ・・・」

今、私の見間違いじゃなけりゃ、この人達が薄く微笑んだような気がしました。

シ「俺達は、その奇妙な出来事を解明する為に、この海に潜ったんだが、どっかの()()がいつまで経っても戻って来ねぇから皆で探してた途中、ピンク色のクラゲみたいな生き物(?)に襲われて、気を失っている間にここに閉じ込められたって訳だ。まっ、そのどっかの()()もここに閉じ込められてたんだけどな。」

ナ「おいシン!「()()」っていちいち強調して言うんじゃねぇよっ!」

ル「本当の事なんだから仕方ないじゃない。」

シンさんに向かって怒鳴るナツさんの背中に向かってルーシィさんが呟きます。

?6「話を聞いてると、途中から出て来たそのピンク色のクラゲみたいな生き物(?)は私が造ったロボット、電気クラゲ(エレキ・クラゲ)No.1~15だ。」

グ「ロ、ロボットォッ!?」

グレイさんが驚嘆の声を上げます。私も驚きました。てっきり本物のクラゲだと思いました。

?2「こいつはすっげぇ~ぞ!ありとあらゆる物を造る事が出来る、言わば発明家のような人間なんだぜ。」

確かに、服装も青縁の眼鏡に真っ白な白衣・・・発明家そのものですね!

エ「私達はここに用があって来た訳でもないし、罪人でもない。ここから出してくれないか?」





私はこの時、この人達が牢屋から出してくれると思っていました。が―――





?3「悪いが、それは出来ねぇな。」

ウェ「えっ?」

ル「どうゆう事?」

私達は首を傾げる事しか出来ませんでした。

?4「あなた達は罪人ではないわ。ここに運悪く来てしまった()()()()()よ。罪人なのは・・・()()の方よ。」

シ「はっ?」

ますます意味が分からなくなってきました。

?5「まず、君達はここが()()()()()()だという事に気づいてるの?」

ナ「()()()()()()?」




















?「ここは闇ギルド、秩序の衝動(オーダーインパクト)だ。」




















?以外「!!?」

私達はその名を聞いたのと同時に目を見開きました。言葉を失いました。

ル「秩序の衝動(オーダーインパクト)!?」

グ「これまでに数え切れねぇくらいの暗殺系以来、窃盗系依頼を遂行し続けてきた噂に名高い闇ギルド・・・!」

エ「結果、二十二年前に魔道士ギルド連盟を追放された。」

ウェ「百人近くいた魔道士も半数以上失いながらも、二十年以上も評議院から逃げ続けている詳細不明の闇ギルド・・・!」

シ「まさか・・・こ、こんな真っ暗闇の中で・・過ごしてたとはな・・・・」

最初に感じた邪悪な魔力は、病みギルドの人達だったからなんですね。

?6「後、お前達が解明しようとしている奇妙な出来事は、私達に関係大アリだ。」

?以外「!!!」

ナ「ま・・まさか・・・!」




















?「俺達秩序の衝動(オーダーインパクト)が、その奇妙な出来事の起点だからな。」




















私は息を呑みました。

?2「人魚の魂だっけな?それを手に入れたら、『永遠の命』が手に入るんだろ?めっちゃくちゃレア物じゃねぇかっ!こんなレア物を、俺達秩序の衝動(オーダーインパクト)が黙って見逃す訳ねぇだろうがっ!」

?3「だが、俺達秩序の衝動(オーダーインパクト)以外にも『永遠の命』を欲しがっている奴が大勢いる。それでだ、秩序の衝動(オーダーインパクト)が『永遠の命』を手に入れる為に、他の奴等をこの海に近づかせないように、さっきお前等が言った奇妙な出来事を起こしたって訳だ。」

ル「自分達の欲望の為だけに、そこまでする必要があるのぉっ!?」

ルーシィさんが問うと、

?4「闇ギルドの多数は、一度決めた事を最後までやり遂げようとする。たとえ、どんな手段を使ってでも、他人の命を奪ってでもね。」

ガンッ!とナツさんが鉄格子を掴み、額をぶつけながら、

ナ「お前等のくだらねぇ欲望のせいで、どれだけたくさんの人間に迷惑を掛けてるのか分かってるのかぁっ!?ア?」

ぶつけた額から血が流れ落ちます。

?5「こんなのまだ序の口よ。命を狩られるよりはまだましでしょ?」

グ「んなの関係ねぇだろっ!」

シ「お前等は『闇』の人間!元から存在しちゃあいけねぇ存在だぁっ!!」

ウェ「私達が、あなた達の欲望を止めますっ!必ずですっ!」

?6「どうやって?あなた達みたいな()()()の人間が、どうやって闇ギルドの人間を止めるの?」

?以外「???」

()()()」という言葉に、私達は首を傾げます。エルザさんは小さく微笑むと、

エ「どうやら貴様等は、残念な事にまだ気づいていないみたいだな。」

?2「ア?どうゆう事だよ?」

グ「「()()()()()なのは、お前等の方だ」って言いたいんだよ。」

シ「闇ギルド、秩序の衝動(オーダーインパクト)は、今日で終わりだっ!」

エルザさんは別空間から剣を取り出し、グレイさんは両手に冷気を溜め、シンさんはズボンの右ポケットから五色腕輪(フィフスカラーリング)を取り出し、ルーシィさんは金色の鍵を一本握り、私は両手に空気の渦を纏い、ナツさんは右手の灼熱の炎を纏うと、

ナ「俺達は正規ギルド、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士!『光』の人間だぁぁぁっ!!」

?3「なっ!?」

?4「妖精の尻尾(フェアリーテイル)!?」

やっぱり、気づいていなかったんですね。

?「だが、この牢屋から出る事が出来なければ意味が無い。まずは牢屋から脱出する事を考えねばな。」

そう言い残して、秩序の衝動(オーダーインパクト)の人達は出て行ってしまいました。

ル「あいつ等が言ったとおり、ここから出ないと意味が無いわ。どうやって出るのよぉ~!?」

ウェ「ルーシィさんの星霊のバルゴさんが掘った穴から脱出すれば良いんじゃないですか?」

ル「私もそう思ったんだけど、ここは海の中なのよね~・・・」

あ、そっか。

グ「もっと簡単な方法があるじゃねぇか。」

ル&ウェ「えっ?」

グレイさんの言葉に私とルーシィさんは首を傾げました。

エ「ナツ、シン。」

ナ「おう!」

シ「任せとけって!」

ナツさんは素手で鉄格子に手を当て、シンさんは腕に赤色の腕輪を着けてから鉄格子に手を当てると、ジュゥゥゥゥゥと音を立てて鉄格子を溶かしてしまいました。

ル&ウェ「・・・・・」

私とルーシィさんはその光景をただ呆然と立ち尽くして見ている事しか出来ませんでした。

ナ「おしっ!通れっぞ!」

エ「流石だな。」

グ「一分も経ってねぇぞ。」

シ「おーいルーシィ~ウェンディ~、早く来いよ~!」

私とルーシィさんはシンさんの声で我に返り、慌ててナツさんとシンさんが作った溶けた鉄の穴を潜って皆さんを追いかけました。その様子を、牢屋の壁に埋め込まれていた小さな水晶に映し出されていました。

*****************************************************************************************

牢屋から出ると、秩序の衝動(オーダーインパクト)の人達が私達の事を待ち受けていました。

?5「どうやら全員へッポコ魔道士ではないみたいね。」

グ「どんだけ舐めてたんだよ・・・」

?6「鉄を溶かすとは、お見事。」

ナ「ん?何で「溶かした」って知ってんだ?」

ナツさんが問うと、

?「あの牢屋の壁に、小さな監視魔水晶(監視ラクリマ)を埋め込んでいたんだ。全てお見通しだったさ。」

秩序の衝動(オーダーインパクト)のリーダー格っぽい男性が一歩前に出ると、

?「『永遠の命』と討伐を賭けて、秩序(オーダー)妖精(フェアリー)のダブルバトルを始めよう!」

そう言うと、パチン!と指を鳴らし、それと同時に辺りは煙に包まれてナツさん達の姿も、秩序の衝動(オーダーインパクト)の人達の姿も見えなくなってしまいました。 
 

 
後書き
第二十七話終了~♪
『永遠の命』を狙う闇ギルド、秩序の衝動(オーダーインパクト)。奴等の欲望を阻止する為に最強チームが挑む!
次回は最初のバトル。果たして、いったい誰と誰と誰と誰が戦うのか・・・!?
それではまた次回、お会いしましょう~♪ 
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