たちまち遊戯王

「私のターン、ドロー。……！」
　その戦局を変えられるかもしれない、希望のカードが手札に来た。
「墓地の《ＨＡＮＺＯ》２枚と《成金忍者》と《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》と《デブリ・ドラゴン》を対象に《貪欲な壺》。それらを戻して２枚ドロー」

貪欲な壺
通常魔法
自分の墓地のモンスター５体を選択して発動できる。
選択したモンスター５体をデッキに加えてシャッフルする。
その後、デッキからカードを２枚ドローする。

「……ターンエンド」
『さってどうなるかな。俺のターン、ドロー。《ジャイアント・ハンド》を攻撃表示にしてバトルフェイズ。《ジャイアント・ハンド》でプレイヤーにダイレクトアタック』

鈴瞳　LP7000→5000

『《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》でプレイヤーにダイレクトアタック』

鈴瞳　LP5000→2900

「戦闘ダメージを受けたから、手札の《ＢＫ ベイル》の効果を発動するよ。守備表示で特殊召喚してライフ回復」

鈴瞳　LP2900→5000

『ほぉーお』
「どーぉだー」
　鈴瞳は胸を張った。
『凄いなぁ。よくもこんなに来るもんだ。愛されてるな。俺はこれでターンエンド』


鈴瞳　LP5000
場：モンスター　《ＢＫ ベイル》
　　魔法、罠　　《忍法 超変化の術》
手札：１枚

ノーカン　LP2900
場：モンスター　《Ｎｏ.(ナンバーズ)１０６ 巨岩掌(きょがんしょう)ジャイアント・ハンド》(攻撃表示)、《Ｎｏ.(ナンバーズ)１０１ Ｓ・Ｈ・Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)》(攻撃表示)
　　魔法、罠　　伏せカード１枚
手札：２枚

「私のターン、ドロー」
　鈴瞳のターンが回って来てモンスターが残っているのは久し振りのことである。
「いっくよ。《ＨＡＮＺＯ》を召喚」
『えっと、……どうぞ』
「デッキからー、《超変化》をサーチするよ。で、《ＨＡＮＺＯ》と《ベイル》でエクシーズ。《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》を攻撃表示でエクシーズ召喚。バトル。《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》で《ジャイアント・ハンド》を攻撃」
　そしてダメージステップに移行した。
『リンドウの《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》を対象に《禁じられた聖槍》』

禁じられた聖槍
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター１体を選択して発動できる。
エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は８００ポイントダウンし、
このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。

《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》　攻撃力2100→1300
《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》(攻)→《ジャイアント・ハンド》(攻)
1300vs2000

鈴瞳　LP5000→4300

「破壊される代わりにエクシーズ素材の《ベイル》を取り除くよ」
　前から伏せられていて全く使われてなかったので鈴瞳はつい無いものとして扱ってしまっていた。
「……ターンエンド」
　鈴瞳は内心冷や汗ものだった。
(《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》来るな《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》来るな《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》来るなお願い(《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》来ないで。
「俺のターン、ドロー。……バトルフェイズ」
(やっしゃい！)
　鈴瞳は心の中で喝采を上げた。
「《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》で《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》を攻撃」

《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》(攻)→《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》(攻)
2100vs2100
　
『破壊される代わりにオーバーレイユニットを１つ取り除く』
「破壊される代わりにエクシーズ素材を１つ取り除くよ」
　これでお互いの《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》のエクシーズ素材は０になった。
『メイン２。《ジャイアント・ハンド》を守備表示にしてモンスターを１枚伏せてターンエンド』

鈴瞳　LP4300
場：モンスター　《Ｎｏ.(ナンバーズ)１０１ Ｓ・Ｈ・Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)》(攻撃表示)
　　魔法、罠　　《忍法 超変化の術》
手札：２枚

ノーカン　LP2900
場：モンスター　《Ｎｏ.(ナンバーズ１０６) 巨岩掌(きょがんしょう)ジャイアント・ハンド》(守備表示)、《Ｎｏ.(ナンバーズ)１０１ Ｓ・Ｈ・Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)》(攻撃表示)、セットモンスター
　　魔法、罠　　無し
手札：２枚

　長期戦になるにつれ、安定してエクシーズ出来る鈴瞳が少しずつ手札と場を残せるようになってきた。無論、今までの強運もあるが。

　
「私のターン、ドロー。《増援》を発動。デッキから……《成金忍者》を手札に加えるよ」

増援
通常魔法
デッキからレベル４以下の戦士族モンスター１体を手札に加える。

「《成金忍者》を召喚……バトル。《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》で《ジャイアント・ハンド》を攻撃」

《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》(攻)→《ジャイアント・ハンド》(守)
2100vs2000

「《成金忍者》でセットモンスターに攻撃」

　《成金忍者》(攻)→？？(守)

　伏せモンスターは、《アステル・ドローン》だった。

500vs1000

鈴瞳　LP4300→3800

「メイン２。《超変化》を捨てて《成金忍者》の効果発動。《ＨＡＮＺＯ》をー、……特殊召喚。あ、表側守備ね。で、《ＨＡＮＺＯ》効果、《成金忍者》を……手札に。それで、《ＨＡＮＺＯ》と《成金忍者》で《ブラック・コーン号》を攻撃表示でエクシーズ召喚」

Ｎｏ.(ナンバーズ)５０ ブラック・コーン号
ランク４/闇属性/植物族/攻2100/守1500
レベル４モンスター×２
１ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を１つ取り除き、
このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ
相手フィールド上のモンスター１体を選択して発動できる。
選択したモンスターを墓地へ送り、
相手ライフに１０００ポイントダメージを与える。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

「《コーン号》のエクシーズ素材の《成金忍者》を取り除いて《アステル・ドローン》を対象に効果発動。《アステル・ドローン》を墓地に送って1000ダメージ」

ノーカン　LP2900→1900

「これでターンエンド」
『俺のターン、ドロー。……やっと、このカードを使う時が来たぜ』
(なんか来る……！)
　鈴瞳は身構えた。
『これが俺の第２の切り札、《ダーク・コーリング》！』
「っ!?」

ダーク・コーリング
通常魔法
自分の手札・墓地から、融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターをゲームから除外し、
「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる
その融合モンスター１体を「ダーク・フュージョン」による融合召喚扱いとして
エクストラデッキから特殊召喚する。
　
「融合素材は墓地の《デス・ガーディウス》と《ジャイアント・ハンド》。この２枚をゲームから除外してっ、いくぜ！朽ちぬ悪意と砕けぬ信念が未だかつてない恐怖を生み出す。呼応し、炸裂せよ！《Ｅ－ＨＥＲＯ(イービルヒーロー) ダーク・ガイア》!!攻撃表示！」

Ｅ－ＨＥＲＯ(イービルヒーロー) ダーク・ガイア
星８/地属性/悪魔族/攻 ?/守 0/融合
悪魔族モンスター＋岩石族モンスター
このカードは「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードの元々の攻撃力は、
このカードの融合素材としたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値になる。
このカードの攻撃宣言時、相手フィールド上に
守備表示で存在する全てのモンスターを表側攻撃表示にできる。
この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。

『その攻撃力は5300！バトルフェイズ！《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》で《ブラック・コーン号》を攻撃！』

Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ(攻)→ブラック・コーン号(攻)
2100vs2100

『さって《ダーク・ガイア》の攻撃、攻撃対象は《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》！』

ダーク・ガイア(攻)→Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ(攻)
5300vs2100

鈴瞳　LP3800→600

「メイン２、カードを１枚伏せてターンエンド」

鈴瞳　LP600
場：モンスター　無し
　　魔法、罠　　《忍法 超変化の術》
手札：２枚

ノーカン　LP1900
場：モンスター　Ｅ－ＨＥＲＯ(イービルヒーロー) ダーク・ガイア(攻撃表示。攻撃力5300)
　　魔法、罠　　伏せカード１枚
手札：１枚

「私のターン、ドロー。《成金忍者》を召喚。それにチェーンして《カゲトカゲ》の効果を発動して特殊召喚するよ」
　鈴瞳は博打に出ることにした。当てずっぽうだが、外れても致命的な損失は受けない。つもりだ。
「《成金忍者》と《カゲトカゲ》でエクシーズ、《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》を攻撃表示でエクシーズ召喚」
　このモンスターに対してノーカンがどう反応するか。それが鍵だった。
『……《奈落の落とし穴》』
(おっ！)

奈落の落とし穴
通常罠
相手が攻撃力１５００以上のモンスターを
召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。
その攻撃力１５００以上のモンスターを破壊しゲームから除外する。

「じゃあ代わりに《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》のエクシーズ素材の《成金忍者》を取り除くよ。そして、墓地の《ルーラー》と《キングレムリン》を除外して、《開闢》を特殊召喚！」
『んなっ！』

カオス・ソルジャー －開闢(かいびゃく)の使者－
星８/光属性/戦士族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを１体ずつ
ゲームから除外した場合に特殊召喚できる。
１ターンに１度、以下の効果から１つを選択して発動できる。
●フィールド上のモンスター１体を選択してゲームから除外する。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
●このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、
もう１度だけ続けて攻撃できる。

「《ダーク・ガイア》を対象に《開闢》の効果発動。《ダーク・ガイア》をゲームから除外。バトル。《Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔ》でダイレクト！」

ノーカン　LP1900→-200　

《ピー、デュエルを、終わります》


《ピー、デュエルを、終わります》
「ひゃぁ、強いなぁ」
　その後、ノーカンと務都弥がデュエルしたが、務都弥が淡々とアドバンテージを稼いでそれで押し潰して勝利した。
「お疲れ様です、皆さん」
　レタウはにっこりと微笑みかけた。
「こりゃ、『札の墓場』に行ってもやってけそうだな。ムツミもリンドウもどっちも強い」
　ノーカンは単純にフィッと笑った。
「さて、今日はどうしましょうかね」
　時刻は夕方頃。ここは地球なのかすら怪しいが、やはり太陽のようなものはあるのだろうか。
「下見をするという手もありますが」
「下見ねぇ……」
「……あの、」
　唐突に、埒路の声がした。全員が埒路の方を向く。
「遊戯王って、どうやるの？」 

レタウ「今回のキーカードは、《仮面魔獣デス・ガーディウス》です。3300の攻撃力と、フィールドから墓地に送られた時にコントロール奪取能力を持つ《遺言の仮面》を装備する効果を持っていて、出しやすさもそこそこ」


さるとんどる。おみのづえSPです。
いやはや、ちゃんとした遊戯王２次を書くのは難しいですね。最初の方はするすると決まっていくのですが、最後の方はオセロ盤で詰め将棋をやるようでしたよ。
特にラストなんかは完全に結果が変わりまくって、ノーカンが勝つ可能性まであった位です。
本当はマスタールールが移行する前、つまり3/20中に終わらせたかったんですが、結果はこのざま。
しかも最後になって確実に倒す方法が思いつかなくてこんな博打になってしまって。あ、でも、あれは強脱だったらライフを削られなかっただけです。
だからそんなことよりももっと謝ることがありまして、
Ａｒｋ Ｋｎｉｇｈｔゲーをやってしまって本当に申し訳御座いません。
やはりランク４軸同士だとＡｒｋ ＫｎｉｇｈｔでＡｒｋ Ｋｎｉｇｈｔを洗う戦いになっちゃいますね。対戦カードに気を付けないと。
今日は出来るだけ早く投稿したくて徹夜して書いたので詳しくは後ほど書きます。
感想指摘等は大歓迎です。では、おやすみなさい。

……さて、次の朝は慌ただしくて気づいたら１日が終わっていたので完成の翌日ですが色々書きますか。
はい、分かっております。罠来なさすぎだろ。『４軸忍者』は僕も愛用しているんですが、罠は13枚入ってます。で？試合を見ますよ？最初の６枚の中に２枚罠がありますよ。順当ですよ？そっから１枚も来てませんよ？まじかよ。
ホントは出来るだけ罠は引かせたかったんですが、下手に罠を引かせるとセットしちゃう。逆に使いにくい罠を手札に来させると《超変化》より先に捨ててしまう。そうなると《ダーク・ガイア》が《超変化》で除去されちゃうんですね。
分かっておりますとも。こうなったのも全部、考え無しの《魔のデッキ破壊ウイルス》のせいでございます。
《デス・ガーディウス》に使うとサクリファイス・エスケープ出来るので個人的には推してる１枚なんですよね。それに闇デッキと違ってキングレもコストに使えるし。
しかしそれで４ハンはやりすぎましたね確実に。そう思うならデブリなんて手札になかったってことでいいじゃんっていうツッコミはやめて下さいその通りです。
まぁ何より読者の方が残念に思われてるのは《デス・ガーディウス》が大して活躍してないことでしょうね。１発殴って遺言の仮面残して終わりであとはランク４ビートっていう。しかも事故率あがってるから満足にエクシーズ出来ないし。
こんな問題だらけの作品ですが、あなたにとってマシな暇潰しになっていたなら幸いです。
では皆さん、いつかまたお会いしましょう(ど遅筆)
……さて、今回のキーカード書いとくか。やべえ字数オーバーする。