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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第6章:女の決意・男の勘違い
  第28話:知ってたけど知らないふり

(世界樹の根元)
シンSIDE

結果発表を致します。
『ウルフさんの名刀3日間自由に出来る権争奪リュカさん達は何時帰ってくるの賭け』は、見事リューノちゃんが勝利致しました!

いや~……オメデタイですねぇ~……
父上の行動パターンを見事読み切ったリューノちゃん。本当に貴女は凄いですね。
そして凄いと言えばリュカさんもですよね。

まさか30時間以上、世界樹で奥様とエロをヤり続けるとは……
馬鹿なんでしょうねきっと!
その馬鹿を待ち続ける俺等も、負けずに馬鹿なんだよね!
誰か助けてよ……

宿屋の食堂で、店員に無理矢理用意させた食事を頬張りながら、呆れて眺めている俺達に「もう夜も遅いし寝なよ。僕達も食事したら寝るからさ……いや、寝ないかもしれない(笑)」と、“まだヤんのか!?”と思える事を言うリュカさん。

「しかし随分と遅かったですねぇ……俺の予測では、もう6時間は早く帰ってくると思ってたのに」
それでも十分遅いだろうに、ウルフさんは笑いながらリュカさんに話しかける。
マリーさんの予測時間だって遅いんだよね!

「いやだってさぁ……久しぶりの二人きりじゃん? 燃え上がっちゃってさ……ね♡」
両手でマグカップを持ち可愛らしくコーヒーを飲むビアンカさんに、チャラく笑いながら語りかけるリュカさんがムカつく。

「シンに気を遣わず、ビアンカとイチャつけると思ったら止まらなくなってさ……長時間頑張っちゃったよ!」
「アレで俺に気を遣ってたのか!? 常時イチャイチャベタベタしてたくせに……」
嘘だろ……気を遣ってる人間の行動じゃなかったぞ。

「いやシン君。俺の目から見てもリュカさん達は押さえてたと思うよ……グランバニアに要る時は、人目なんか気にせず入れ込んでたよ。馬鹿だから、この夫婦!」
「ごめ~ん……旦那に抗えない馬鹿妻で~す(テヘ)
肩を窄め右手を軽く挙げ謝るビアンカさん。あぁもう……可愛いなぁ!!

「ほれ……別の事をいっぱいヤってたけど、ちゃんと目的の物も摂ってきたぞ」
そう言うと、結構太い枝の部分から切り取り、切り口に濡れた布を巻き付けた世界樹の蕾を差し出すリュカさん。

「良かったわねシン。これがを天空城まで持って行けば、シンシアを生き返らせる事が出来るわね」
リュカさんから受け取った世界樹の蕾をマジマジ見詰めてると、リューノちゃんが優しく嬉しい事を言ってくれる。ホント……母親の血は偉大だ!

「リュカさん、ビアンカさん……本当にありがとうございます。欲を言えばもう少し早く戻ってきてほしかったですけど、そこはリュカさんのする事と思い諦めます」
「うん。人間、諦めが肝心だよね」
くそっ……嫌味が通じない男だな!

「そう……諦めが肝心なのよウルフ。さあ私と一緒に部屋へ行きましょう……私の名刀と共に」
どうやら早速賭の勝者が自らの権利を行使すべく、賭け金を連れて部屋へ引きこもるつもりらしい。
負けたマリーさんが羨ましそうに見詰めてる。

「さあマリー……一緒に私の名刀を堪能しましょ!」
しかし、リューノちゃんはマリーさんを誘い賭け金山分けを提示してきた!?
これにはウルフさんも吃驚です。

「あらウルフ……勝利者の私が、自分のモノをどの様に使おうが勝手でしょ。可愛い妹と分け合う事が、私の希望なのよ……さぁ行くわよ!」
二人の少女に両腕を引っ張られ、ウルフさんは力なく連行される。

「何だ……僕達で賭をしたのか? しかもリューノの一人勝ちみたいだな……母親と違って随分と頭の回転が速いなぁ」
「リュカ……それあの娘(リューノ)の前で言っちゃダメよ。スノウの事を心から敬愛してるんだからね」

ビアンカさんは宿屋が用意してくれたサンドイッチを口に運びながら、連れ去られてくウルフさんを眺めるリュカさんに可愛く微笑みながら注意を促す。
注意されたリュカさんも、ビアンカさんを見詰めると笑いながら頷き、サンドイッチを口に入れる。

ラブラブな二人にイライラする。

シンSIDE END



(気球)
トルネコSIDE

リュカさんを上手く利用したシンさんのお陰で、目的の『世界樹の蕾』を手に入れた我々は、今度は天空城を目指し『天空への塔』へ行く事となった。
偶然とはいえ世界樹で『天空の剣』も手に入れる事が出来たし、準備は万端と言って良い。

シンさんに本物の天空の剣を見せてもらったが、やはり惚れ惚れするような代物だ。
今回の冒険が一段落したら模造品を大量に造る為、天空の武具をお借りしようと思ってます。
世界を平和にした武具と同等品と言って売り出せば、平和な世界でも……いや、平和になった世界だからこそ大量に売れると思うんですよ。

リュカさんに言ったら“コイツ最悪な男だ!”的な目で見られました。
だから思わず『“コイツ最悪な男だ!”みたいな目で見ないで下さいよ……』と言ったんですが、『しょうが無いじゃん、だってそう思ってるんだからさ!』と言い返され黙るしかありませんでした。

そんなリュカさんは今、新しい愛人のルーシアさんと、古い正妻のビアンカさんに挟まれ、何やら困惑ムードに陥ってます。
上手く助け、恩を売れれば良いなと思い、私も近付きましょう!



「あの……ルーシアさん、何でしょうか? 今朝からずっと私の事を見てますけど」
後から現れた愛人のルーシアさんは、以前から居る正妻ビアンカさんが邪魔に思えるんでしょうかね?
だから睨み続けてたんでしょうかねぇ?

「あ、いえ……ごめんなさい。何だかビアンカさんからは近しい感じがして……何でしょうね、地上人と天空人では全然違うのに?」
どうやらビアンカさんの美しさは神の域にまで達していたようで、天空人のルーシアさんは戸惑っていたみたいです……よし、そう言ってリュカさんにお世辞を言おう!

「な、何を言ってるんだいルーシア君!? ビ、ビアンカは人間だよ。天空人と近しいわけないだろ!!」
出遅れました……スマートにお世辞を言おうと間を開けたら、何やら慌てたリュカさんに阻まれ、何も言えなくなってしまいました。

「ど、どうしたんですかリュカさん?」
「そうよ、どうしたのリュカ……急に慌てて?」
しかしリュカさんの慌てっぷりがおかしく、ビアンカさんもルーシアさんも不思議そうです。

「べ、別に慌ててないよ! ただビアンカは人間だって事を言いたかっただけさ!」
本当に何を慌ててるんでしょうか?
ビアンカさんが人間なのは、言うまでもなく当たり前の事なのに……こうも慌てられると、逆に疑いたくなりますね。

「……ああ、そっか! リュカは私が天空人の血を引いてる事を知ってるのね!? だからそれを暴露されないように否定してるんでしょ。もしかしてお父さんから聞いたの? 何だ……知ってるんだったら言ってくれれば良かったのに(笑)」

「あれ!? ビ、ビアンカは自分の出生を知ってたの?」
「うん勿論。実の親が誰なのか話知らないけど、お母さんが死ぬ前に教えてくれたわ……私は拾われた()だってね」
何と!? こんな状況ではありますが、とんでもない事実が判明しました!

「何だぁ……僕もお義父さんもビアンカが知らないんだと思い、気を遣って秘密にしてたのに」
「リュカが私に隠し事をするなんて珍しいわね。うふふっ、でもありがとう……気を遣ってくれて♡」
もっと隠すべき事柄は他にあるのだろうに……リュカさんとビアンカさんは抱き合いながら見詰め合っている。

「あ~ら……じゃぁ私にとってお祖父ちゃん(ダンカン)は本当のお祖父ちゃんではないって事ね? 今後は“お義祖父ちゃん”と呼ぶべき?」
ご両親が互いの秘密事でイチャイチャするのに飽きたらしく、笑いながら自分との関係性を言葉で表すマリーさん。

「馬鹿者! お祖父ちゃんはお祖父ちゃんだろ、ビアンカにとってダンカンさんは父親なのだから、僕にとっても同じだ……冗談でもそんな事を言うんじゃない!」
抱き合いながら娘の失言に激しく叱咤するリュカさん。

きっとマリーさんは、物事の重大性を理解できない性格なのだと思います。
口には出しませんが、ご両親の教育に問題があったのでは?

トルネコSIDE END



 
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