| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのは~過去を捨て今を生きる者~

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

ストライカーズ編!
  怪我

 
前書き
月曜に提出する課題が終わらないー。
社会以外の教科一切手つけてないー。
土日ほぼ徹夜確定ー。徹夜成功した試しがないけどー。
そんなわけでまえがき終了ー。

それではっ
 

 
「油断するなよ」

目の前にいる春香と秋良からは目を離さずに慎吾が忠告する。
その言葉に私は当たり前でしょ、と軽く返し、少しずつ後ろに下がる。
攻撃系の魔法も普通に使えるけど、タッグの場合は前衛が二人いても意味はない。
一人が後衛に入って援護、支援をするのが最も効率的だ。
その場合完全に近接戦闘に向いている慎吾が前衛に残り、私が後衛に入るのが自然な流れだろう。

「ヒカリ、全力でいくよ」

少しだけ手元に視線を移し、ヒカリを見る。
するとヒカリは宝石の部分を鈍く光らせる。

「アキラ、こっちも本気で行こうか」

春香はそう言ってカチューシャを外す。
その様子を見て、秋良も首のチョーカーを外す。
多分、あのアイテムは二人の何かのリミッターになっているのだろう。

「先手必勝!冷神波(れいじんは)ッ!」

慎吾は二人との距離を一気に詰め、掌握に氷属性を足したような物を放つ。
カウンターとまではいかなくても、相手の意表を突くにはいい攻撃だと思う。
二人は予想通りに驚いて体の動きが少しだけ止まった。
私はその隙を見て遠距離から魔法を放つ。

「っと、さっきは油断しちゃったけど、今度はそうはいかないよ!アキラ!」
「任せて、ハル!」

春香はデザートイーグルを二丁、秋良はサバイバルナイフを二本取り出した。
そして秋良はサバイバルナイフを構える。

「薙ぎ払え・・・」
「カマイタチ」

シュババッといった効果音が聞こえてきそうな程に早い剣技によって私の魔法は消されてしまう。
秋良の攻撃はそれだけに終わらず、その勢いのままこちらにも攻撃を与えてくる。
私はその攻撃をバリアで防ぎながら次の攻撃に備えて作戦を練る。

「慎吾、なんとか立ち向かえないの?」
「無理言うなし。最初のは油断してたからできたけど、美愛の攻撃普通に避けられてんじゃん」

私は攻撃専門じゃないんで。
脳筋たちと私を一緒にしないで欲しいな。

「とりあえず戦闘不能にできたら上々。最低でも捕獲。おっけー?」
「どっちにしろ難しそうだなぁ。でもまあ、了解。俺は前衛で攻撃、陽動をする」
「私は後衛で援護、補助、確保だね」

確認をし終えた私は慎吾の数メートル後ろに下がる。

<ところでミアミア、援護と補助って何が違うの?>

ググ○カス。
あとなにシリアスブレイカーしてるのさ。
それは私の役目だッ!

「美愛、少し黙ろうか」
「サーセン」

慎吾に怒られたため思考停止。
急いで戦闘態勢に移行します。

「あまり巫山戯てると後で陽龍に焔火やられるぞ?」

マジでやられそうでちょっとビビった。

「あ、お二人は知らないんでしたっけ。陽龍さん、今頃倒れてるんじゃないんですか?」

春香が首を傾げながら言う。
一瞬、本気で思考停止した。
さっきのような冗談ではない。
現に、前にいる慎吾まで身体が固まっている。

「冥土の土産に教えてあげる。機動六課の隊舎で待つ聖王のクローン、ヴィヴィオが今回の目標。会見(コッチ)は囮」
「過去の傷が完全に治っていない・・・いや、治らない陽龍さんはわたしたちのリーダーには勝てない」

二人の言っていることが理解できなかった。
おにぃの過去の傷・・・それはわかる。
きっと九年前の事故の怪我だろう。
でもおかしい。
治らない?
おにぃが九年前に負った傷は完全とまではいかなくても治っているはず。
そこで思い出したのはおにぃが未だに病院に通っている、ということだ。
今日も病院で薬をもらうために仕事に出られないと言っていた。
内蔵に怪我をしたのだから当たり前。
私たちもそれに納得した。
しかし、その常識はここでは通じるのだろうか?
ここは魔法の存在するミッドチルダ。
薬が必要にならない程度には治せるはず。
だったらなぜおにぃは薬を必要としている?
何か、大切なことを忘れている気がする。

「まだ気がつかない?浅賀陽龍は詳しく怪我を話していても、なぜ魔法が使えなくなったかの説明をしていない」

秋良の言葉にやっと気がついた。
そう、おにぃもシャマルもおかーさんたちも、誰ひとりとして魔法が使えなくなった理由を話していない。
あの時はまだ詳しく魔法に関わっていなかったから気づかなかったけど、今ならわかる。
身体的外傷で魔法が使えなくなるのはおかしい。
魔導士の魔力の源はリンカーコア。
それに問題が発生しない限り、魔法が使えなくなるはずがない。
つまり。

おにぃの怪我はあれだけじゃない。

リンカーコアにも傷があった・・・?
普通に生活していてリンカーコアに欠損があできることはないためか、ミッドにもリンカーコアの傷を治す手立ては存在していない。
自然治癒を待つしかないのだ。
しかしおにぃは魔法を使用している。
つまり治っている?
ならさっき二人が言った言葉はおかしい。
そもそも二人の話していることが真実とは限らない。
動揺させるための嘘かもしれない。
でも私は気づいてしまう。
九年前から、おにぃが前線で戦うことを避けていることに。
アリシアから聞いたけど、おにぃが前線に出てくるのは本当に少なく、フォワードたちが使えるようになってからはヘリで万が一に備えていることが多いらしい。
おにぃのリンカーコアは、使用する程度には治っているが、完全回復はしていないということなのか・・・?
だとしたら、完治していない状態での魔法は危険じゃないのだろうか。
二人の言ったとおり、おにぃはいま倒れているんじゃないのか。
そんな不安ばかりが私の脳内に広がり続ける。
その不安は収まることを知らず、どんどんと悪い方へと向かっていく。

「美愛ッ!」

完全に意識を持って行かれ、迫ってくる攻撃に対処できずに私は地上へと墜ちた。
私を心配した慎吾が二人に背を向け、そして攻撃を喰らい、同じように落ちていく。
結局二人して落とされ、任務は失敗に終わった。


気づいた時には、すべてが敵だった。
自分を傷つける、害虫。
目に見えるものすべてが敵で、自分を守るためには倒さないといけないモノ。
だから平気そうな顔をした。
他人から自分を護るために。
それは自分がしなければいけないこと。
そうしないと、自分はすぐに壊れてしまうから。
秘密がバレてしまう。
自分には声が存在しなかった。
いや、少し違う。
自分が出す声は、人間が出せる声とは違ったのだ。
だからほかの人には自分の声は届かない。
人間とは違うもの。
化物。
小さいながらに自分は事の重大さを理解し、バレたらどうなるかを理解していた。
多くの人は自分に同情するだろう。
だって、そうすれば世間体がよくなるから。
自分を駒のように考えて欲しくない。
同情なんてされたくない。
嫌だ。
そんなの、絶対に嫌だ。
だから今日もへっちゃらな顔をする。
ああ、これで大丈夫。
地獄は来ない。
同情なんてされない。
今日も、明日も、いつまでも。
でも、物事には終わりがつきもの。
周りに秘密がバレてしまった。
予想通り、みんなして自分に同情した。
やめて。
触らないで。
同情なんかするなッ!
だから、倒すんだ。
害虫たちを、一匹残らず。
意気込んだとき、温かなぬくもりに抱きしめられた。

「もう大丈夫」

そういったあの人は、自分に普通の声をくれた。
周りと同じ、普通の声を。

「コレをつければ、キミは周りと同じ、普通の人間になる。誰からも同情なんてされない」

あの人は自分の手を引き、子供たちの元へと連れて行ってくれた。
そこに敵はいなくて、優しさも、愛も、味方もいた。
害虫だらけだった世界を変えてくれたドクターは、やっぱりボクたちの命の恩人だった。
 
 

 
後書き
陽龍の回復力がなのはに劣るはずないですよね!
とまあ、無理やり感満載だけど設定を押し込む。
ご都合主義ってとっても便利☆

それではっ
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧