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赤城と烈風

作者:fw187
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波及効果と戦史研究
  3単位制~陸軍の経費節減策

 
前書き
機体、艦艇には触れていません。読まなくても問題は皆無です。 

 
 当世界では前述の通り、大陸進出の放棄により陸軍の編制も史実と異なる途を歩んでいます。

 日露戦争当時は歩兵4小隊で1中隊、4中隊で1大隊、4大隊で1連隊、4連隊で1師団の編制でしたが。
 南山・遼陽・旅順・奉天の援蓋陣地を強襲の為、万単位の死傷者を出した為に兵力が枯渇。
 体力が落ち年齢の高い後備兵を動員、独立混成旅団を臨時に編成し戦力低下を補っています。

 1905年3月以降、帝政ロシア陸軍は精鋭部隊を送り極東戦線の崩壊も危惧されましたが。
 北欧・東欧・黒海沿岸等の被征服地域で独立運動が激化の為、破局を免れています。
 合州国の進出と経済勢力圏の確立、日露緩衝地帯の創設は陸軍の総帥・山県有朋も望む処。
 旅順・大連を含む遼東半島先端部の租借権、東清鉄道の南部支線売却に異を唱えませんでした。

 日露戦争開始時点の常設師団は計13個、史実では戦時中に急遽4個師団を新設。
 史実では講和成立後も計17個師団を常設の上、2個師団の増設も要求していますが。
 大陸に警備兵を常駐させる為でしたが、当世界では事情が異なります。
 歩兵3小隊で1中隊、3中隊で1大隊、3大隊で1連隊、3連隊で1師団に変更。
 4単位制を撤廃、3単位制を採用しています。


 連隊区は行政区分である都府県に変更され、戦地に派遣された第13師団・第14師団のみ常設。
 北海道は開拓中であり居住人口が過少の為、4個師団を駐留させ毎年交代。
 歩兵1連隊と砲兵・騎兵・工兵各1大隊で独立混成旅団、歩兵旅団1個と独立混成旅団1個で師団を編成。
 師団歩兵は計64中隊256小隊から計27中隊81小隊となり、3分の1強にまで削減されました。

 秋山騎兵団の健闘は高く評価され、ホチキス機関銃6挺を全歩兵連隊に配備していますが。
 280ミリ榴弾砲装備の重砲兵旅団も常設され、騎兵旅団と野砲兵旅団は計2個から計4個に倍増。
 砲兵・騎兵・工兵連隊の数は減らさず、2大隊を増設する事で相対的な比率を向上。
 師団と連隊の編制は、下記の通りです。


 1917年ロシア革命の勃発と帝政の崩壊、内乱突入に伴い陸軍は常設師団を削減。
 近衛師団と第1~6師団を残し、北海道には毎年交代で師団を駐留させる形を取りますが。
 陸軍は有事の際に動員可能な兵力を確保する為、海外派遣に即応可能な陸戦隊の編成を海軍に要望。
 佐世保・呉・横須賀・舞鶴に各1個、海上機動旅団を常設する事となりますが。
 1917年7月フィンランドが独立を宣言、12月6日に赤軍が介入の際は超遠距離の為に緊急派遣を断念。
 1918年1月、北欧の親日国は全土を制圧され再び独立喪失の危機に曝されました。

 元情報将校の明石元二郎、当時の参謀本部次長は余った明治38年式歩兵銃を森と湖の国に寄贈。
 1918年4月、マンネルハイム将軍の率いる独立軍は革命政府軍から全土を解放する事に成功。
 5月には休戦となり、幸運の青い紋章(スワスチカ)を翼に描き義勇兵として参戦した隣国(スウェーデン)伯爵(エリック・フォン・ローゼン)も帰国しますが。
 1919年に再び赤軍の侵攻が開始され、1920年12月14日に漸く東方の大国も森と湖の国(フィンランド)に独立を認め平和条約を締結しています。

 6.5ミリの軽量弾を使用する低伸弾道の有坂銃(アリサカ・ライフル)は反動が弱く、命中率が高い点を高く評価されました。
 フィンランドの人々は寄贈品を後に猟銃として愛用しますが、感謝の印に捕獲した戦利品を明石に提供。
 フェデロフM1916自動小銃(アヴトマット)、6.5ミリ弾の使える新装備は国産11年式軽機関銃の名称で制式化。
 製造費が高額の為、少数のみ配備に留まりますが。
 樺太国境を越え極東ソ連軍が侵攻の際、実戦の場で威力が証明され増産を開始。
 1936年に艦戦・陸攻・艦攻・艦爆の試作機を採用、96式と命名した海軍に倣い急遽96式軽機関銃と改称されています。


・1906年の師団一覧。
 近衛師団(混成) 東京都、静岡県、大分県
 第1師団(南関東) 千葉県、埼玉県、神奈川県。
 第2師団(南東北) 宮城県、山形県、福島県。
 第3師団(中部) 愛知県、岐阜県、三重県。
 第4師団(南海) 大阪府、和歌山県、高知県。
 第5師団(中国西部) 広島県、山口県、島根県。
 第6師団(九州南) 熊本県、宮崎県、鹿児島県。
 第7師団(混成) 新潟県、長野県、山梨県。
 第8師団(北東北) 青森県、秋田県、岩手県。
 第9師団(北陸) 石川県、福井県、富山県。
 第10師団(混成) 兵庫県、岡山県、鳥取県。
 第11師団(四国) 香川県、愛媛県、徳島県。
 第12師団(九州北) 福岡県、佐賀県、長崎県。
 第13師団(混成) 京都府、滋賀県、奈良県
 第14師団(北関東) 群馬県、栃木県、茨城県。

・1918年の師団一覧。
 近衛師団(東京都、全国選抜)
 第1師団(関東7県)
 第2師団(東北6県)
 第3師団(中部8県)
 第4師団(近畿2府4県)
 第5師団(中四国9県)
 第6師団(九州9県) 
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