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『曹徳の奮闘記』改訂版

作者:零戦
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第十六話






 俺達は一泊した後、南陽に戻り玉座にいる美羽に報告するために玉座に向かった。





―――玉座―――

「美羽様。黄巾軍を鎮圧させてきました」

 俺は美羽に臣下の礼をする。

「うむ、ご苦労じゃ長門。それと、趙雲が我が軍に入るのは真かの?」

「はい。昨夜、自分に言ってきました」

「そうか、なら後で挨拶をしなければの」

 美羽が嬉しそうに頷く。

「それでは自分は失礼します」

「うむ。今日はゆっくりと休んでくれなの じゃ」

 俺は美羽に頭を下げて玉座を退出した。

「あ、真桜のところに寄らないとな」

 そろそろ出来てるかな。





―――真桜の部屋―――

「真桜、おるか?」

「お、隊長やないか」

 部屋に入ると、カラクリの部品があちらこちらに散らかっている。

「これは入られへんな………」

「あぁそこら辺のは退かしても構わへんで」

「ならお言葉に甘えて……」

 カラクリの部品を退かして座るスペースを作る。

「いきなりどないしたんや隊長?」

「あぁ、例の物は完成したんか?」

 俺は真桜に聞いた。

「……あれな、あれは一応一門は作ったわ」

 真桜はそう言った。

「具合はどうやった?」

「………あれは今の戦を変える武器やで隊長」

「ま、そうやろうな」

 真桜が急に抱き着いてきた。

「この設計図を見てたらウチが作ってたカラクリは全部玩具やでッ!!」

 そういや真桜がどんなカラクリを作ってるか俺は知らんな。

「んでさ真桜。これは生産が可能なんか?」

「う~ん……多分出来るで。材料があれば作れると思うで」

 ……チートやな。

「言っとくけど、それはこれを除いたら鉄や で」

「ほんまなんッ!?」

「ほんまほんま」

 俺は頷く。

「確かコイツは青銅で作れるから」

「なら作れると思うわ。てか何で隊長はこんなんを持ってんの?」

「いや何か変なオッサンから貰ってな。必ず役に立つとか言われてからずっと持っててんな。それとそれの炉の作り方も書いてあるわ」

 流石に家にあったとは言えんしな……。

「そうなんや……とりあえず、これを製造してみるけと、資金は大丈夫なん?」

「資金は工作隊に振り込む。今までの二.五倍やな。頼むで真桜。もしかしたらそいつは……いや何も無いわ。んじゃ頼むな」

 俺は真桜の部屋を出た。

「……何やったんやろ? 何か言いかけてたけど。まぁええや、作ってみるか。ウチのカラクリ魂が燃えてきたでェッ!!!」

 真桜は色んな意味で燃えていた。

「………って待ちぃや隊長ッ!! 忘れ物や でェッ!!」

 真桜は何かに気づいて慌てて長門を呼ぶ。

「て、もうおらんしッ!? ……探しに行くか。隊長め、覚えとけよ」

 真桜はブツブツ言いながら、袋を持って部屋を出た。





―――市場―――

「おばちゃん、葱とキャベツ頂戴」

「あいよ」

 俺は葱とキャベツを受けとって、代金を渡 す。

「え?
~と、後は小麦粉やな」

 俺は店を探す。

「おっちゃん、小麦粉を一袋頂戴」

「あいよッ!!」

「よし、こんだけやったら出来るかな?」

 俺は食料を買うと城に戻る。





「あれ? 何してんのや真桜?」

 俺の部屋の前で真桜が座り込んでた。

「何処に行ってたんや隊長ッ!! もう、城中探してたんやで」

「何かあったんか?」

「ほらこれや」

 真桜が袋を差し出して、中身を見ると……。

「………そういや真桜に頼んでたな」

 マジで忘れてたな(汗)

「お詫びに真桜も食べるか?」

「何か奢ってくれるんか?」

「まぁな」

 俺は真桜を連れて、中庭に向かった。





―――中庭―――

「何で端っこに鉄板があんの?」

「俺が鍛治屋に頼んで作ってもらったんや(キリ(`・ω・´)」

「ふ~ん」

 興味無しかよ……。

「まぁいいや。材料は切ってボールに入れたしな。後は火を付けるだけやな」

「隊長、何を作るんや?」

「ん? なに、俺の村でよく作られてた物を作ろうと思ってな」

 真桜に作ってもらったのは料理器具のお玉にボールとヘラや。

 もう何となく分かった読者もいるな多分。

「ふむ、暖かいな。入れるか」

 ボールの中には小麦粉と刻んだ葱とキャベツが入っている。

 それをお玉で掬い上げて、熱くなっている鉄板にゆっくりと落とす。

ジャーッ。

 形は丸くするようにして……。

「これでしばらく待つんや」

 おっと蓋や蓋。

ポクポクポクチーン。

「もうええやろ」

 蓋を開けると程よく焼けていた。

「隊長、何やこれ?」

「これはねぎ焼きという小麦粉を主体にした食べ物や」

「へぇ~」

 ほんまやったら醤油をチョロッとかけて食べるのがいいんやけど、この時代は無いからな。

 ラーメンは何でかあるけどな。

「まぁ食べてみぃ」

「ほないただきます………うん、中々美味い な」

「キャベツも入ってるから葱特有の辛味は半減してるからな」

 小学生の時に食べたねぎ焼きは葱だけやったからなぁ。

 葱はあんまり好きやなかったからあれは少しきつかった………(遠い目)

「ほぅ、何やら面白そうな催しをしてますな」

 そこへ星が酒瓶を抱えながらやってきた。

「食べるか?」

「いただきましょう」

 それから、話しを聞きつけた美羽や七乃、零も来て宴会に発展してしまったな。








 
 

 
後書き
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