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魔法少女リリカルなのはANSUR~CrossfirE~

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エピローグ~After Day~


†††Sideフェイト†††

「ん~~・・・はぁ」

「お疲れ様です、フェイトさん」

椅子の背もたれに体重を預けて思いっ切り背筋を伸ばしていると、後ろから労いの声がした。振り返ってみると、そこには仕事用の資料を抱えたシャーリーが居た。

「シャーリーもお疲れ様」

私も同じように返して、椅子から立ち上がる。今日はこれで終業。寮に帰ったら明日の準備をしないといけない。

「はい。それにしてもフェイトさん、明日からの休暇がすごく楽しみのようですね♪」

シャーリーの言う通り、私は明日から3日間のお休みを貰っている。エリオとキャロ、そして私の大事な彼も同じ3日間の休暇を貰っている。久しぶりに4人でどこかに出かけるつもりだ。

「え? な、なんで・・・?」

「だって、すごく嬉しそうな顔をしてますよ?」

無意識に顔が綻んでいたみたい。これはかなり恥ずかしい。顔をペタペタと触って確認。一度パシッと頬を叩いて、キリッとした表情に戻す。

「あはは。好きな人との休暇なんですから、ニヤけるのも仕方ないですよねぇ♪」

「もう、シャーリー!」

シャーリーが面白そうに言って奥に引っ込んでいった。でもその通りだ。最近はあまり休暇が揃わなくて、どこにも遊びに行けなかった。一応同じ本局内にいるけど、私は執務官だから、やっぱり逢う時間が少ないというのはある。

「この時間なら、逢えるかな・・・?」

オフィスから出て、彼に逢いに行く。向かう場所は特別保護施設。

「っとその前に・・・」

お手洗いの鏡でいろいろとチェック。髪は? 手櫛で少し直す。OK。制服は? OK。表情は? ニコッと笑みを浮かべる。OK。ちょっと逢いに行くだけでこれだ。でも仕方ない。気になるんだから。

「よし」

再び特別保護施設を目指して歩き出す。施設に着くまでの間に、これまでの事を思い出す。テルミナスとの戦いからもう4年と少し。シャルがいなくなってからも同様に4年。そう、もう4年になる。“機動六課”も、あの戦いのあとにすぐに解散して、隊員たちはそれぞれの職場で働いている。
あの戦いの後、目を覚ました六課隊員たちの記憶の中から、操られたはやてが口にしたルシルとシャルの殺害命令の記憶が消えていた。当然テルミナスの事も綺麗さっぱりに。それに関しては良いことだと思う。あんな嫌な記憶は無い方が良いから。

(でも・・・)

シャルの事に関して忘れてしまっていたのは地球の人たちだけだった。アリサも、すずかも、エイミィも、なのはの家族も、みんなシャルの事を忘れていた。なのはとはやては泣いてた。私だって泣いた。それでアリサ達をすごく困らせた。だって、シャルは確かにいたんだ。私たちと一緒の時間の中に。結局アリサ達は、ハッキリとシャルの事を思い出すことは無かった。
だけど僅かにシャルと過ごした記憶が残っていることに、今度は嬉し泣きした。彼は言った。これも界律が残したちょっとした奇跡かもな、って。普通なら僅かでも残ることは無いらしい。けど、アリサ達の記憶には僅かだけど、でも確かにシャルがいた。

「フェイト、そんな嬉しそうな顔で誰に逢いに行くのかしら?」

「あ、母さん――じゃなかった。リンディ統括官」

横のドアが開いて、そこから出てきたのは私の母さんだった。て言うか、またそんな顔してたの私・・・?

「うふふ。そんな嬉しそうな顔ということは、これから彼に逢いに行くのね♪」

若いっていいわねぇ、って言いながら母さんが微笑んだ。ぅく、否定できないから何も言えない。

「あ、そうそう。ねぇ、フェイト? いつになったら彼と結婚するの?」

「なっ! な、ななな何を! け、けけけ結婚!? そ、そんな! えっと、その・・・ま、まだ早いって言うか・・・!って、その前にこんな人のいる場所でそんな話をしないでください!」

いきなり何を言い出すの。私たちの居る廊下には局員が何人も居るのにっ。その視線が私と母さんに集中する。一気に顔が熱くなる。今の私の顔はとんでもなく赤くなっているに違いない。ついでに頭から湯気も出てる可能性がある。

「早いって・・・。あなたと彼がお付き合いしているのは周知なのだし。それにあなた達は強い想いで結ばれているのだから、そういう事もそろそろ考えていかないと――」

「あーもう、判りましたから、そういう話は家でお願いします!」

半ば逃げるようにして母さんを置いてその場を後にする。あれ以上は耐えられない。恥ずかしさの所為で気を失いそうだった。振り返ってみれば母さんは声を出して笑ってた。むぅ~・・・! 少し走って、少し乱れた息を整える。

「結婚、か・・・」

別にそれが嫌なわけじゃない。というより、私が昔から望んだ事。彼と一緒に生きる。でも、何て言うか、その・・・ね。うん、早いんだ。そういうことだ。

「結婚がどうしたのかな?」

「ひゃう!?」

いきなり耳元で囁かれて心臓が跳ねる。振り返ってみると、そこに居たのは、「もう、ビックリしたよ、なのは」私の親友の1人、なのはだった。六課解散後は、昇進の提案があったのに辞退して、今でも戦技教導官として教導隊に残った。
なのはらしいと言うかなんと言うか。そんななのはの右手の中指。そこにシャルのデバイス、“トロイメライ”の指環が輝いている。シャルが還ってからずっと大切にしている物だ。なのはがその“指環(トロイメライ)”を外すことはあまりない。それほどまでに大切な宝物。

「フェイトママ」

「あ、ヴィヴィオも一緒だったんだ♪」

「うん♪」

なのはの隣にはヴィヴィオも居た。たぶん無限書庫からの帰りなんだと思う。ヴィヴィオは無限書庫の司書の資格を取得するほどの本好き。そこのところは彼に影響されたに違いない。

「あはは、ごめんごめん。これから寮に戻るの?」

「うん。その前に・・・」

特別保護施設に続く廊下の先を見つめる。するとなのははニヤニヤし始めた。あ、すごく嫌な予感が・・・。

「あぁ、2人の邪魔したら悪いね。それじゃまたね、フェイトちゃん♪ それじゃあヴィヴィオ、フェイトママ達の邪魔したら悪いから行こっか」

「うん。バイバイ、フェイトママ!」

「な、なのは!? ヴィヴィオ!?」

私をからかうように言って、手を振りながら歩き去っていった。最近なのはも、はやて達も、こうして私と彼のことでからかってくる。私の反応を見て面白がってるようなんだけど、それが悔しくて反応しないように頑張ってる。頑張ってるんだけど、これだけはどうにもならなかった。だからいつか、いつかなのは達が誰かとお付き合いするようになったら、全力でからかうつもりだ。そんな私の密かな野望だったりする。

「・・・っと。早く行かないと」

また歩き出す。彼の居るところへ向かって。それから少し歩いて、特別保護施設に到着。希少能力や特別な魔力を持って、その所為で事件に巻き込まれた子供たちを保護する施設。彼はここに居る。特別保護施設の職員を見かけ、彼がどこにいるのか聞いてみようと声を掛ける。

「すいません」

「ん? あぁ、フェイト執務官。お疲れ様です。施設長なら、いつものところに居るはずですよ」

さすがに常連になってしまったことで、私が何を聞いてくるのか判っているようだった。これはこれで結構恥ずかしい。俗に言うバカップルとかそういう感じだったりするのかな?

「ありがとうございます」

この施設で最も静かで休める広場へと向かう。本局内なんて思えないほどの自然がある広場。その中にある木々のある場所。六課でもそうだった、彼がいつもそこで読書する安らかな場所。ここに保護されている子供たちといつもどおりに挨拶しながら、その場所へと歩く。いつしか私にも心を開いて、仲良くなった子供たちだ。中には私や執務官になったティアナが保護した子もいる。

「お兄ちゃん、今寝てるよ?」

「そうなの? ありがとう、リエッセ」

そう教えてくれたのは、ここ最近保護された女の子リエッセ。最初は誰とも話さないし、ずっと怯えたままの子だったけど、彼と接するうちに変わった。そこが彼のすごいところだと思う。心を閉ざした子供とすぐに仲良くなる。だからこそ彼はこの特別保護施設の施設長に、たった1年でなることが出来た。

「絵本読んでもらっていたら、寝ちゃったの」

「僕、これも読んでほしかったな」

「お兄ちゃんも大変なんだから、少しは我慢しなさい」

子供たちが少し残念そうに漏らす。彼は子供たちに本当に好かれている。彼は六課解散後に、再び管理局に勤めることになった。最初はまた武装隊だとか教導隊、スバルのように救助隊、果てには執務官はどうかとか話が来ていた。

(けど彼はそのどれも断った)

彼には、それを成せるだけの力が無かったから。私との対人契約。それで彼は一度全てを失った。魔術は使えなくなり、魔力量もDランク相当にまで減った。それに空も飛べなくなった。彼が最も得意とする空戦も出来ない。残るためにとはいえ、それは残酷なことだった。そう思った。だけど、また強くなればいい。そうしたらまた君を護れる、と言って、彼は微笑んだ。すごく嬉しかった。強いと思った。この人を好きになって良かったって思った。

(そして彼は今ではもうSSランク。卑怯だ。反則だ。ズルすぎる。なんなのそれ!?)

きっと複雑な隠しコマンドを使って裏技を発動したに違いない(意味不明)。彼が強くなるまでは私が彼を護るつもりだったのに、たった2年で私を抜いた。ルシルのSSランクへの昇級を知ったあの時の私のへこみっぷりは凄まじかった。ふんだっ、別に泣いてなんかいないもん。

「ルシル」

ようやく着いたそこに、彼は居た。木にもたれかかって眠っている彼、私の大切な人ルシル。ルシリオン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード。その名でルシルはこの世界に残された。ルシルの両脇には子供が2人いて、ルシルにもたれかかって眠っていた。3人の側には読みかけの絵本が何冊か置かれている。とても微笑ましい光景だった。邪魔はしたくない。けど、ルシルも終業だし、起こさないといけない。起こそうと思って顔を近付ける。

「っ!」

ふと、ルシルの形のいい綺麗な唇に目がいった、いってしまった。一気に顔が熱くなる。対人契約のことを思い出したからだ。そっと自分の唇を指先でなぞる。

(私の・・・ファーストキス・・・っ!!)

あーーーーーーダメだーーーーーーーー! 一度思い出したらもう止まらない! 恥ずかしい! 告白したとき以上に恥ずかしい! 仕方ないこと、必要なことだと言っても恥ずかしすぎるーーーーーー!!

「フェイトお姉ちゃん・・・?」

「どうしたの、フェイトお姉ちゃん?」

「ダメよ、邪魔しちゃ。今はそっとしておこうね」

なんか後ろの方からありがたくない気遣いの言葉が聞こえてきた。それから、子供たちが何か言いながらこの場から去っていった。うぅ、ごめんなさい、変な気を遣わせて。嬉しいような悲しいようなだけど。

「ルシル。起きて、ルシル」

何とか冷静を取り戻してから、ルシルに声を掛ける。ルシルの両脇に眠る子供たちを起こさないように、でもルシルが起きるように。む、難しい。どうやっても子供たちが起きてしまうことになりそうだ。変に意識を集中させてルシルを起こそうと格闘すること数分、やっとルシルの目が開いた。
子供たちは・・・起きてない。やった。妙な達成感が沸き上がってくる。小さく万歳しながら、ルシルが完全に覚醒するのを待つ。

「ん・・・フェイト・・・?・・・っ!? あ、しまった! つい眠ってしまっ――」

「しぃー。静かにしないと子供たちが起きちゃうよ」

ルシルがいきなり大声を出そうとするのを止める。ルシルは両脇に眠る子供たちを認めて、一度深呼吸。それから落ち込み始めた。

「・・・うわぁ、やってしまった。他の子たちはどうしてる?」

「え? うん、向こうに居るよ」

指差す方には、さっき私たちから離れていった子供たちが居る。この施設の職員たちと一緒に、それぞれの部屋に戻されるところだ。

「はぁ。あの子たちには悪いことをしたな。今度なんでも言うことを聞いてあげようか」

そう言って、子供の1人を起こさないように抱きかかえた。私もそれに倣ってもう1人の子供を抱え上げる。軽い。でも温かい。人の温もりだ。抱えた子供たちを職員に預けて、私とルシルは施設を後にした。
それから夕食を済ませるために本局内にあるレストラン街に行って、明日からの休暇について話し合う。どこに行こうか。お弁当にするか、その場で買って食べるか。すごく楽しい時間だ。ルシルの仕草1つ1つにドキドキする。

「まぁ大体こんなところだろう。あとでエリオとキャロにも連絡しておかないとな」

「あ、それは私がしておくよ」

ある程度休暇をどう過ごすかの日程を決めて、レストランを後にする。向かうは私とルシルの住まう寮。明日に備えてもう休むためだ。寮に向かう途中、私はずっとルシルの手を握ってた。向けられる視線。やっぱり恥ずかしいけど、でも握っていたかった。
見ればルシルの顔も若干赤い。あはは、ルシルも照れてる。なんだかそれが嬉しかったりする。ルシルってばいつも余裕の表情で少しつまらなかったから。分かれ道。男性寮へと続く道と女性寮へと続く道に着く。

「じゃあルシル。また明日」

「ああ。フェイト、明日からのちょっとした旅行、楽しみにしている」

「うん、私も!」

名残惜しいけど手を離す。でもどっちも寮に帰ろうとしない。

「ルシル?」「フェイト?」

お互いの名前を呼ぶ声が重なる。それに続いた「どうかした?」というのも同時、全く同じタイミング。そしてそっちが先に話してもいい、という譲り合いが始まる。よくテレビとかで観るあの光景だ。可笑しくて2人で笑った。それで結局、ルシルが先に話すことになった。

「彼女を見送るのが男というものだ。だから先にフェイトが帰るのを見送る」

そう言って恥ずかしそうにルシルが微笑んだ。

「私はルシルを見送ろうとしてた」

私もルシルと同じようなことを考えてた。また2人して笑う。少しの間笑った後、「じゃあ私が先に行くね」私はルシルの言う通りにしようと思う。そんなことを言われたらしょうがないもの。

「そうしてもらえると助かる」

「ん。おやすみ、ルシル」

「ああ、お休み、フェイト」

ルシルに背を向けて女子寮に向かって歩き出す。何度も振り返って、ルシルが小さく手を振っているのを見た。その度に私も手を振る。もう周りの視線なんか気にならない。それほどまでに今の私たちは、というより私は幸せだったから。

(ねぇ、ルシル。今度こそ私がルシルを幸せにしてあげる)

だから、ルシルも私のことを幸せにしてください。シャル、私たち幸せになるよ。約束したからね。きっと幸せになるって。だからシャル、よかったら私たちを見守ってね。あの角を曲がれば完全にルシルの視界から私は消える。だからこそその前に、最後にルシルに振り返った。

「ルシルーーーーーーーッ!!」

その大声に、ルシルがビクッと驚いた。そんな表情も好きだなぁ、なんて。

「大好きぃぃぃーーーーーーーーッ!!」

私の想いを大きく告げた。するとルシルは真っ赤になってオロオロし始め、

「私も、私もフェイトの事が好きだ」

小さく聞こえた。

「聞こえなーーーーーーーい!!」

そう言ってちょっと意地悪する。ルシルは「何だ、この罰ゲームは」と漏らした。罰ゲームなんて酷い。だからさっきの私みたいに言わないと許してあげない。ルシルから返ってくるのを待っていると、ルシルは大きく溜息を吐いて、深呼吸をした。

「私もフェイトのことが好きだ!!」

ルシルが叫んだ。今度は私が真っ赤にある番。ルシルの想い。私の幸せ。嬉しさで涙が溢れてくる。

「また明日ね、ルシル!」

大きくルシルに手を振って、私は自室に走り出す。最後にチラッと見えたルシルの顔は、真っ赤になりつつもすごく幸せそうだった。女性職員からの羨望の眼差しが私へと突き刺さる。ルシルを狙ってた女性職員も少なからずいたから。でもあなた達じゃダメ。ルシルは私とだからこそ幸せになる。それは自信誇大と思われるかもしれないけど、ルシルに対する想いの強さは、それだけは絶対に誰にも負けていない自信がある。

「早く明日にならないかな♪」

想いを馳せて私は自室の扉を開けた。1日の終わりと始まりが訪れるその扉を。



















































――という、二度と叶う事のない幸せな夢を見た。















































窓から光が差し込んでくる。その眩しさに、眠りから覚めていく。目を開けると、寝室は朝日で随分と明るくなっていた。時計を見ると日が高くなっている時間――12時ちょっと過ぎ。朝日なんていう時間はとっくに越えていて、もうお昼だった。

「うわっ、寝過ごした!」

被っていた布団を急いで剥ぎとって、すぐに着替える。寝ぐせの付いた髪をブラシで梳かして、外に出ても恥ずかしくないようにする。

「ごめんね。遅くなったけど、おはよう、ルシル、シャル」

写真立てに納められているルシルとシャルの映った写真に朝の挨拶をする。それが今では朝の習慣になっている。もうこの世界のどこにも居ない親友に挨拶することが。それからルシルから貰った指環を左の小指にはめる。この指輪は仕事中でもずっとしている。外す時なんてそうない。いつでもあなたと一緒だということを感じていたいから、ルシル。そっと指環にキスして、寝室を後にする。

「おはよう、なのは!」

キッチンで昼食の準備をしているなのはが居た。ここはなのはの家。今はなのはとヴィヴィオの2人暮らし。私は時々休みが入ると、こうしてお泊りに来ている。今日もいつもどおりにお泊りに来た。

「おはよう、フェイトちゃん。でも、もうおはようって言う時間でもないよ?」

「あぅ、ごめん。少し夢を見てて」

朝寝坊しちゃった私を可笑しそうに笑っているなのはにそう言い訳した。

「夢?」

「うん。とても幸せな夢、ルシルが残った時の夢」

なのはの質問にそう返すと、なのはは少し困った顔になって、でも、「そっか」とだけ笑みを零しながらそう言った。私も「うん」とだけ返した。

「フェイトちゃん、お昼どうする? 起きたばっかだけど・・・?」

「あ、うん。食べるよ」

何故かすごくお腹が空いている。寝起きだというのに今なら何でも食べれそうだ。

†††Sideフェイト⇒なのは†††

私が作ったお昼ご飯を、フェイトちゃんと一緒に食べる。
テルミナスとの戦いが終わってからもう4年になる。それは、シャルちゃんとルシル君が消えてからも4年ということだ。

「やっぱりなのはの料理は美味しいね♪」

「ありがとう♪」

今のフェイトちゃんはすごく元気だ。ルシル君からの合図でもあった蒼の極光というもの。それが見えている時、私たちは無人世界の軌道上にたどり着いていなかった。どういうわけか解らないけど、第28無人世界へと艦が向かえなかった。後でレヴィヤタンちゃんに聞いてみたところ・・・

――それは“界律”が何らかの理由で拒んでいたんじゃないかな・・・?――

とのこと。ルシル君はまた“界律”によって裏切られた。シャルちゃんの想いもまた同様に。ようやく無人世界にたどり着き、私たちは軌道上で待った。ルシル君の言った蒼の極光が生まれるのを。でも、どれだけ待っても蒼の極光が生まれることはなかった。その時にはすでに全てが終わった後だったから。シャルちゃんも消えて、フェイトちゃんが来るのを待っていたルシル君も消えた。

(時間切れ。シャルちゃんの言ってたことだ。契約終了後、テスタメントは自分の意思でいつまででも残れない。だから対人契約をするならすぐじゃないといけないって・・・)

フェイトちゃんはずっと泣いてた。ルシル君を幸せにすると約束しておいて、守れなかったって。それからしばらくフェイトちゃんは塞ぎこんでいた。ご飯も食べないで、ただずっとルシル君の写真や映像を観て、ずっと・・・。フェイトちゃんに渡された手紙。それは第28無人世界で見つかったものだった。ルシル君が最期に残したモノ。

――私を好きになってくれてありがとう。
だから大丈夫。私はこれからも頑張っていける。
だから、フェイトも新しい幸せを見つけられるように、祈―――

そこで途切れていた。最後まで書くことが出来ずにルシル君はこの世界を去ったんだろう。それを読んでフェイトちゃんはすごく泣いた。それから、フェイトちゃんは少しずつ元気になった。今ではルシル君のことを笑って話すことが出来るようにまで。ルシルに恥ずかしい格好をいつまでも見せていられないって言って。
ルシル君。フェイトちゃんは、あれから誰ともお付き合いしようとしていません。やっぱりどうしてもルシル君への想いが無くならないから。ねぇルシル君、私はどうすればいいのかな・・・?

「ただいまーーっ!」

ヴィヴィオが学校から帰ってきた。ドタドタと勢いよくここダイニングルームまで走ってくる。

「ただいま! あ、フェイトママ、おはよう!」

「おかえり、ヴィヴィオ」

「お、おかえり、ヴィヴィオ。朝はごめんね」

「うん♪ ただいま、ルシルパパ、シャルさん」

ヴィヴィオは、私たちの集合写真に映るシャルちゃんとルシル君に向かって挨拶する。シャルちゃん。ヴィヴィオは元気に、そして強くて優しい、素敵な子になったよ。

「ヴィヴィオもお昼ごはん食べるよね?」

「食べるーー♪」

シャルちゃん、ルシル君。二人が護ってくれたこの世界で、私たちは今を生きています。大変な事もあるし、辛い事もあるかもしれないけど、それでもきっと幸せな日々が訪れると信じて。

「それじゃあ先に手を洗っておいで」

「はぁ~い!」

だから、よかったらこれからも見守っていてください。私たちの大親友。シャルちゃん、ルシル君。



4th Episoe:~A・RI・GA・TO~  Fin

Next Episode:シアワセの在処







シャルシル先生の魔法術講座



――LIVE/神意の玉座――


シャル
「ちょっと。ちょーーーっと待って。なにこれ? なに、このエンディング。すっごい納得いかないんだけど。私が消えるのは仕方ないからいいけどさ」

ルシル
「はぁ・・・」

シャル
「(めっちゃ落ち込んでる。仕方ないよね、こればっかりは)ルシル、その・・・」

ルシル
「ん? ああ、私は大丈夫だ。慣れている、こういうことは。だから、大丈夫だ」

シャル
「無茶はしないでね、ルシル。泣いたって良いんだから、こういうときは」

ルシル
「泣かないさ。これくらいで泣いてしまったら、私はこれから先やっていけない。それに、みんなとのこの思い出は、これからずっと私を支えてくれる。だから大丈夫だ」

シャル
「(ルシル・・・)そっか。じゃあ最後のシャルシル先生の魔法術講座を始めよっか。ていうか、なのは達が居ないとやっぱり面白くないよ」

ルシル
「それはそうだろ。ここは、神意の玉座なのだから」

5th・マリア
「あの、お2人とも、そんな隅っこで膝を抱えて座って何をなさってるんですか?」

シャル
「えっと契約先の世界でやってた遊びをちょっとね」

7th・ルフィスエル
「それはまた人間臭いことやってるんだね~♪」

6th・雪姫(ユキ)
「人間臭いも何もルシリオン様とシャルロッテ様は元人間ですから」

ルシル
「そういうことだ、ルフィスエル。元が魔神な君も、契約執行中に様々な娯楽くらいはやるだろう?」

7th・ルフィスエル
「にゃるほど♪ ルシリオンとシャルロッテも娯楽るわけか~♪」

5th・マリア
「ルフィスエル様、文法がおかしいのですけど」

6th・雪姫
「言っても無駄ですよ、マリアさん。ルフィスエルさんは全てがズレているのが普通ですから」

シャル
「あーはいはい。ルフィスエルは馬鹿ってことで結論ね」

7th・ルフィスエル
「ひどいな~シャルロッテ❤ わたしが馬鹿なわけないよぉ~?」

ルシル
「ならば最後のクエスチョンマークは要らないだろ。だからズレているとか馬鹿だとか言われるんだよ」

5th・マリア
「ルシリオン様、そんなハッキリと言わなくても・・・」

シャル
「ルフィスエルはそんなこと気にしないから、マリアも気にしないで」

ルシル
「ルフィスエル、君はもう座に戻れ。この中で一番契約数の多い君が、座を離れているのはまずい」

7th・ルフィスエル
「うぃーっす❤ っていうかぁ、契約数はわたしよりルシリオンの方が多いじゃんかぁ❤ ルシリオン達もサクッと娯楽るのをやめて、座に戻った方が良いよ♪」

6th・雪姫
「割とあっさり座に戻りましたね、ルフィスエルさん」

5th・マリア
「ルシリオン様に次ぐ実力者ですし。ルフィスエル様は」

シャル
「それじゃあ早速。

――凶鳥の殺翼(コード・フレスヴェルグ)――

――軍神の戦禍(コード・チュール)――

――多層甲冑(ゴスペル)――

――弓神の狩猟(コード・ウル)――

――邪神の狂炎(コード・ロキ)――

――雷神の天罰(コード・トール)――

――最高神の神槍(コード・オーディン)――

――闇よ誘え(コード)汝の宵手(カムエル)――

――再誕(アポカリプティック・ジェネシス)――

この9個なんだけど。どれもこれもルシルの魔術だね」

ルシル
「随分と溜まってしまったな。まぁいい。まずは凶鳥の殺翼フレースヴェルグだな。
これは広範囲の空気圧を操作し真空の刃の密集点を発生させ、その密集点を対象へぶつけるというものだ」

6th・雪姫
「ルシリオン様のは魔術・・・でしたか? わたしが生前使っていた妖術にも似たようなものがありますよ」

5th・マリア
「確かユキさんは妖術師と呼ばれるお方でしたよね」

シャル
「雪姫の妖術は強いよねぇ。私たち魔術師のランクにすれば、氷雪系EXランクはいくかもだよね」

ルシル
「んー、そうだな。シェフィリス以上なのは間違いない、か。おそらく大戦中期で最強だった、EXランクにして氷雪系魔術師史上最強とされた銀雪姫シルヴィア・クラスだろうな」

6th・雪姫
「えっと、比べられている方のことを知らないのでどれほどのものか判りませんけど、誉められているのですよね?」

シャル
「もちろん。銀雪王シルヴィアって言ったら伝説の中の伝説だよ。雪姫もそれくらいすごいってこと」

6th・雪姫
「そうですか。ありがとうございます。伝説ですか、良い響きですね」

ルシル
「では次に行こうか。私が複製してきた神器を一度に4ケタ具現させ、対象に向けて射出する軍神の戦禍コード・チュールだ」

5th・マリア
「あ、これ見たことありますっ。すごく綺麗な武器を何百何千って空に展開して、敵に向けて降り注がせるやつですよね」

シャル
「そうそう。ひとつひとつの武器――神器が途轍もない神秘と破壊力を備えているから、下位のアポリュオンにも通用するんだよね」

6th・雪姫
「大罪ペッカートゥムですね。アレには本当に困っています。次々と湧いて出てきますし。生前、よく台所に出現してわたしを散々怖がらせてくれた、黒くて硬くててらてら光ってて暗くて狭くて湿ったところが好きなわりに速いせーぶつ――通称イニシャルGの如きですよね」

シャルシル
「イニシャルG・・・プッ」

5th・マリア
「それってなんなんですか? イニシャルG?」

ルシル
「ゴキブリのことだな」

5th・マリア
「あの黒いのですか。アレは確かに気持ち悪いですよね。以前訪れた世界で初めて見たのですけど、アレは生理的に受け付けませんでした」

シャル
「だよねぇ~♪ 私もイニシャルGには弱いんだよね。ね、知ってる?」

ユキリア
「なんですか?」

シャル
「イニシャルGってね。実は――」

ルシル
「イニシャルGの話に花を咲かせるとは・・・。嫌いじゃなかったのか? 先を続けるが構わないな?・・・悲鳴を上げるくらいなら聞かなければいいものを。では次だ。不可視の対物理障壁と対魔力障壁を何重にも身に纏う防性術式第2位、多層甲冑ゴスペル。XXランク以下の魔術は全てキャンセルし、物理攻撃は高位神器による攻撃以外全てキャンセルする。元々は――」

シャルユキリア
「ひゃぁぁぁーーーーッ!!」

ルシル
「うるさいなぁ。えーっと、元々は神壁の乙女と謳われた、私の姉ゼフィランサス姉様の術式だ。言うなれば形見のようなものだな。次は、複数の対象を一斉にロックオンし一気に殲滅する射撃術式、弓神の狩猟コード・ウル。弓から槍の如き矢を射出する。矢は途中でバラけ、無数の光線となって対象を殲滅する。ロックオンするため、まず避けられることはない。が、威力はさほど無い」

5th・マリア
「ひっく、うっく、イニシャルG、ひぅ、怖い、っく、ですぅ・・・(泣)」

ルシル
「マリア!? 泣いているのかっ? おい、シャル! マリアに何をしたっ!?」

シャル
「え、別に・・・。イニシャルGの持つ特性を語っただけなんだけど・・・ダメだった?」

ルシル
「泣いてるじゃないかっ! 可哀想にっ。ほら、マリア。泣きやんでくれっ。そ、そうだ。雪姫はどうしたっ?」

6th・雪姫
「うっぷ。頭が無くても生きるとか――おぇ」

ルシル
「こっちもダウンだと!? この馬鹿シャル! もう落ち込んでいる暇などないわっ!」

シャル
「ふっ、作戦通りだ――でっ!? いっったぁぁーーーい!」

ルシル
「はぁ。もう次行くぞ。マリア、雪姫。君たちももう座に戻っていなさい」

5th・マリア
「い、いえ。この程度、なんてことないので。もう少し付き合わせてください」

6th・雪姫
「わ、わたしもです。もう少し参加させてください」

ルシル
「2人がそう言うなら。では次だ。邪神の狂炎コード・ロキ。これは炎熱系魔力武装術式と言う。両腕両足に紅蓮の劫火で構成された数mの焔の腕と脚を武装する術式だ」

シャル
「炎の足で踏まれて蒸発したり、炎の手に捕まって焼却されたりと、敵にそれはそれは酷い結末を振り撒く、と」

5th・マリア
「残酷ですね」

6th・雪姫
「冷酷ですね」

シャル
「血も涙も無いよね」

ルシル
「おい」

シャル
「このコード・ロキの直撃は即死だからね。一瞬で燃え散らされるから、痛みなんてないんだよ」

6th・雪姫
「苦痛を与えずに命を奪うのですかぁ・・・。それはそれで慈悲ですね」

ルシル
「慈悲と言うか何と言うか。下手に時間を掛けずに勝敗を決したかったため、可能な限り相手を瞬殺できる術式を組んでいった結果なんだ」

5th・マリア
「非情ですね」

6th・雪姫
「無情ですね」

シャル
「悪魔超人だね」

ルシル
「もう好きに言ってくれ。反論なんかしないから」

シャル
「落ち込んじゃダメだってば。もう」

6th・雪姫
「原因がわたし達にあるのは間違いないですから、落ち込むなって言える立場ではないですよね」

5th・マリア
「そうですよね。申し訳ありません、ルシリオン様。少々あそびが過ぎました」

ユキリア
「ごめんなさい」

ルシル
「あぁいいよいいよ。シャルに付き合ったんだろ、いやいや仕方なく」

シャル
「何か知らないけど私が悪にされてる。反論は出来ないけど」

ルシル
「もう気を遣わなくて良いよ、シャル。逆に滅入るから」

シャル
「ルシル・・・。そうだね。判った、もう気遣い無用でいくよ」

ルシル
「少しは遠慮してくれると助かるんだがな、ホント。では次だ。対地強襲上級攻性術式・雷神の天罰コード・トールだな」

シャル
「遥か上空にアースガルド魔法陣をいくつも展開して、蒼雷を地上に居る対象に向けて落とすというものだね。ピンポイントで落ちてくるし、落下速度も人間の反応速度を超えているから、回避は出来ない上防御することも出来ない」

6th・雪姫
「これならわたし知ってます。確かにこれは人間に出来うる運動では回避不可ですよね」

ルシル
「そうだな。私たちのような人間の枠を超えたテスタメントやアポリュオンには通用しないな。まぁ鈍いアポリュオンには避けれないが。永遠アエテルニタスとかな」

5th・マリア
「アエテルニタスは大きいですからね」

ルシル
「では次に行こうか。上級術式において最高の威力を有する、最高神の神槍コード・オーディン。私が人間の頃より愛用している相棒・神槍グングニル・オリジナルと、複製によって具現された複数の神槍グングニル・レプリカを完全解放し、敵へ射出。グングニルの能力・必中によって何度も何度も何度も敵を貫き、斬り続けるというものだ」

シャル
「私たちが人間だった当時、神槍グングニルは最高・最強・最古の神器で、どんな防御も貫通するし、必中だから回避しきることも不可能な攻撃だったんだよ」

6th・雪姫
「それはまた反則と言いますか何と言いますか」

5th・マリア
「このコード・オーディンとゴスペルがあれば、ルシリオン様は最強をほしいままに出来ますね」

ルシル
「いやいや。通用しない相手にはとことん通用しないぞ、オーディンもゴスペルも。私の義妹のフノスにはオーディンは通用せず、ゴスペルはそこに居るシャルに通用しなかった」

シャル
「フノスの空間干渉で、グングニル全部が転移させられてグングニル同士で相討ちにされるし。私の神器・断刀キルシュブリューテでゴスペルは斬り裂かれるしね」

ルシル
「そういうことだ。私は最強にはなりえない」

6th・雪姫
「わたし達テスタメントの中でルシリオンさんが最強の座に就いているのは、魔術と干渉能力を併用しているからですよね」

ルシル
「ああ。そうだな。魔術を干渉能力で強化しているからこそ、私は第四の座に居られるんだ。では次だ。闇よ誘え、汝の宵手コード・カムエルは、中級術式にランクされている術式だ」

5th・マリア
「これも知ってます。地面から平たい影の手を無数に生み出して相手を捕える術ですよね」

シャル
「そうだよ。捕えたり、攻撃したり、いろいろ応用できるんだ。くすぐり地獄も出来るんだよ、コレ。だから捕まったら、いろいろと諦めないとダメなんだ~♪」

ユキリア
「それはおぞましいですね」

ルシル
「拷問だよな、くすぐり地獄って。イタズラをした妹や仲間たち、契約中に出逢った知り合いにも使ってみたり。ふふふ」

5th・マリア
「ルシリオン様、すごく悪い笑顔になっていて怖いです」

6th・雪姫
「ルシリオンさんとは敵として契約先で会いたくないですね、これを聞いてしまっては」

シャル
「だよね~。私、もしこれを使われたら必死で逃げて、誰かを囮にするよ絶対」

ルシル
「そんな時が来たら、その時はよろしく頼む。次は、私の有するすべての魔術の中で、最強の術式である真技のひとつだな。術式名は、再誕アポカリプティック・ジェネシス。最大禁呪“ラグナロク”の術式を応用した対界真技だ」

シャル
「出た。人類最高の破壊力」

ルシル
「神々の宝庫、英知の書庫に貯蔵されている神器や術式を合成させてさらに威力を高める。“孤人戦争形態”でしか発動できず、、背にある6つの歯車から周囲の魔力を極限にまで収集する。収集し終えると、余分な魔力で複数のアースガルド魔法陣による砲塔を組み上げ、必殺の砲撃を放つ。1発で、1000万平方キロメートルを消し飛ばすことが出来る」

ユキリア
「1000万ですか!?」

シャル
「私とルシルが今回の契約で最初に召喚された世界・地球、そのカナダって国を丸ごと破壊しつくせるのよね~」

5th・マリア
「カナダという国は知りませんが、1000万というのは最早人間に出せる破壊力ではありませんよね」

6th・雪姫
「どうしてこのようなとんでもない魔術を?」

ルシル
「その当時、1300万平方キロメートルほどの体を持つ敵がいたからなんだ。自我を持つ広大な砂漠でね。ネブソノフスという魔族だったんだが。ソレを斃すには必要だった。しかし使う前にネブソノフスは死に、大戦も終わってしまった」

シャル
「使わなくて正解だよ。ネブソノフスどころかその世界に大きな爪痕を残す。それに使えば、ルシルは数年の間、魔術が使えなくなるって副作用があるだから」

5th・マリア
「ルシリオン様。テスタメント状態の場合では、その副作用はどうなるのですか?」

ルシル
「テスタメントの干渉能力があるため、本来受けるべき副作用を無くすことが出来る。とはいえ、さすがに連発など出来ないし、そう易々と使うつもりはないよ」

6th・雪姫
「それが良いかと思います。強大ゆえに使い処を誤ってしまえば、取り返しのつかないことになりますから」

ルシル
「そうだな。肝に銘じておくよ」

9th・優斗
「あのー、ルシリオン、シャルロッテ、マリア、雪姫。そろそろ座に戻ってくださーい」

2nd・ティネウルヌス
「さっさと戻れー。戻らねぇんなら、俺がすべてやっちまうぞっ」

シャル
「もう時間切れみたいだし、シャルシル先生の魔法術講座・最終回はこれにて終了です。
今までのご愛読、ありがとうございましたっ!」
 
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